タグ別アーカイブ: ときめく紺色の家

女性はキラキラが好き?‐1811‐

 7月に入りましたが、傘マークがずっと連続する天気予報です。

 梅雨らしいと言えば梅雨らしいのですが、妻は洗濯が困るとも。

 男性陣にとっても、多少小休止があると嬉しいのは嬉しいのですが。

  6月末に「ときめく紺色の家」の1年点検に行ってきました。

 昨年の4月、初めての緊急事態宣言が出た頃、こちら現場は工事の最終盤に入っていました。


 大きな荷物を引っ張りながら、不安な気持ちで現場へ通っていたことを思い出します。

 ただ、頬に感じるそよ風や、緑の絨毯となっていく水田を見て、コロナ下の社会になっても、何ら変わらない自然にホッとしたものです。

 少し早めに到着して、まずは外観を1枚。

 もう定点観測のようなものですが、植栽の成長が建築をさらに良くしてくれるのです。

 チャイムを押すと、すぐにご主人が出てきてくれました。

 先日「サンワカンパニー産‐1809‐」でも紹介した玄関タイルです。
 

 2階へ上がると、奥さんが「早起きして、ここから朝日が昇るのをみると、もう感激するんです」と、私達にプレゼンテーションしてくれました。

 朝日の位置を、私がコントロールしている訳ではありませんが、南東角を2面開口にしたのはできるだけ長く朝日を見て貰えるようにです。

 元は寝室だったのですが「ここからの景色が大好きなんです」という言葉は、設計者として絶対に聞き逃してはならない言葉でした。

 LDKに飾られた花。

 サイドボードの写真立て。

 キッチン前のカウンター。

 この空間を十分に楽しんでいるのが伝わってくるのです。

 ご主人は竣工を機に独立されたのですが、初年度の決算が思ったより良かったそうで「思い切って、ダイニングテーブルを新調したんですと」教えてくれました。

 昼からの事務仕事は、工場から戻ってからこのテーブルでするそうです。

 「ここに帰ってくると、毎日テンションが上がるんです」とまで言ってくれました。

 朝日を楽しみ、テンションが上がり、会社の成績が良くなったなら、私から何もいう事はありません。更に良い報告がありました。

 娘さんの結婚が決まったとのこと。
 

 寝室のディスプレイスペースには2着がコーディネートされていました。


 「実は明日、初めて先方のご両親とお会いするんです。で、左にしようか、右にしようか迷ってたんです」と。

 最終的には右にしようかなと仰っていたのですが、そんなビッグイベントにもこの空間が活かされていることを、嬉しく、誇らしく思ったのです。 

 こちらの奥さんも、キラキラが好きな方でした。

 5月に紹介した「Shabby House」にもシャンデリアがありました。

 女性にキラキラ好きが多いのは何故か。

 多分、いつまでもキラキラしていたいからだと思います。

 断定しているのでも、確信がある訳でもありません。

 そうあって欲しいと、私が勝手に思っているだけだなのかもしれません。

 ル・コルビュジエ は「住宅は住むための機械である」と言いました。

 私は「住宅は人生を楽しむ最大の道具」としてみたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

クチコミ・口コミ‐1807‐

 昨日は梅雨らしいシトシト雨の一日でした。

 今日はスカッと青空です。

 こんな日は、二上山と大和川が見える堤防上の道路を走りたくなります。

 この時期の花はやはりアジサイ。

 青い花はこれから。

 淡い紫は、雨濡れて。

 こちらのピンクはかなり球に近い形状。

 反対に、平べったいものも。

 同じ種とは言え、色も形も様々です。

 「当社は、特に宣伝などはしておりません。お客様からのクチコミでお仕事を頂いております」

 そんな話を、これまでに何度か聞いたことがあります。営業マンがこういった話しをする時は、どこか誇らしげなものです。

 花もそれぞれ違うように、各々の生き方があるのでそれはひとつの答えです。

 ただ私の仕事で言えば、あまり当てはまらないかもしれません。

 クライアントがクライアントを紹介というケースは1度だけ。あまりクチコミで広がる仕事ではないのかなと思っています。

 しかしこのインターネット時代、多くの人が行動の指標にクチコミというものを読むのもまた事実。

 KenKen!というサイトは、クチコミの有る無しで随分露出が変わると言われ、何人かのクライアントにお願いしてみたのです。 

 「黒壁の家」

2021-06-14
★★★★★(5/5)
我が家はアトリエmに行き着く前までに何件か建築事務所へ話をしましたが、某テレビに出た建築事務所には雑に扱われ、他の事務所ではスケジュール的に困難など諦めかけていました。たまたま、何気なく本屋で見たアトリエmにこれで駄目ならハウスメーカーで建築するしかないかなと思いながらもメールで建築の相談を依頼しました。某番組の「匠」だったので我が家では厳しいかな~と感じながらもいつか楽しい未来を想像して「孫が遊びに来てくれる家」をコンセプトに色々と話しをしました。その話し合いで本当に親身な方だと感じて、また人間性に惹かれて依頼へと繋がりました。

当初、設計事務所に依頼すると予算超過となり建築困難になるか不安でしたが、守谷さんから「出来る限りの希望を出して、そこから生活においての必要性と予算の兼ね合いを検討していきましょう。」と声をかけて頂いたので心的に楽になりました。だから、イチから築き上げていくのが大変かなと不安でしたが、打ち合わせが楽しくてあっという間に進んでいったのを記憶しています。

家を建築していく過程で予算上厳しいこともありましたが、工務店さんとの間に立って依頼主側の希望を通して頂いたこともあり守谷さんにお願いして良かったと痛感しています。また、事務所スタッフの方もフットワークが軽く多忙の中でも気軽に声を掛けれることも安心感に繋がっていました。

もう設計して8年もなりますが、散歩している見ず知らずのお爺さんに「お洒落な家やね~」と言われたことが嬉しくてアトリエmに頼んで良かったなと感じており、人間性やデザインに惹かれて守谷さんに依頼したことが改めて正しかったと思いながら日々楽しく過ごせています。

 「山本合同事務所」

2021-06-12
★★★★★(5/5)
3年ほど前に事務所を設計していただきました。もちろんかなりオシャレで使い勝手も最高です。
事務所ですので、使い勝手が重要でしたので、入念に打合せしていただきました。
机や本棚やキャビネット等の家具も特注で作成していただき、めちゃくちゃかっこいいものを格安で作成していただきました。
求人する際にも、事務所がオシャレということで、かなり有利に働いています。
工務店も入札で決めていただき、かなりコストを下げることができました。
とても一生懸命対応していただき、無理もかなり聞いていただきました。
休みの日に一人で仕事をしていると、緑と光に囲まれ幸せな気持ちになります。
子供たちも事務所に遊びに行くと言って遊び場にもなっています(笑)
夕方の外から見た事務所は、とても美しく、打合せの時に作成していただいた模型で建物の中をのぞいていたのを思い出します。
次は自宅もお願いしますw

 「イタウバハウス」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
家が完成して今年の12月で11年になります。
守谷さんに出会い、設計してもらい、たくさんの
打ち合わせをし、工事が始まり、家ができていく
様子を何度も見学し、家が完成したことを
ほんとうによく覚えています。
家のこと以外でも本当にたくさんのお話を
させていただいたことがほんとうに楽しかったです。
私達夫婦は決して裕福ではない共働きの普通の
夫婦です。
建築家の方に設計してもらうとなると一番に
頭に思い浮かぶのがお金のことだと思います。
私達も半分以上は無理だろうなぁと思いながら
守谷さんに相談に行きました。
そのときの守谷さんのそういうお金の面も含めて
何とかするのが私の仕事ですからと言ってもらった
ことで守谷さんにお願いすることにしました。
将来、子供たちが独立して夫婦ふたりになったときに
平家の小さなおしゃれでカッコイイ、ローコストハウスを
守谷さんに設計してもらうのが私達の夢です❗️

 「ときめく紺色の家」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
「住人十色」という番組でアトリエmさん設計のリノベーション住宅が放送されていて、興味深い建築だったので番組終わりのクレジットに載っていたアトリエmさんのウェブサイトを登録していました。それから1年ほど経過し、自宅をフルリノベーションする計画においてメールしオフィスを訪問しました。もちろん、それまでに長年書かれているゲツモク日記と現場日記はかなり読み込んでいたので、およそ信頼できる建築家だと想像していました。リノベーションの場合、当初の見積金額よりも10~20%は増額するケースが多いと聞いていたので、その不安をお話したところ「これまで1度も増額したことはない」と守谷さんはきっぱり言われました。結局1年ほど打ち合わせを重ね、最終図面が仕上がり施工が始まりました。フルリノベーションのため不確定な要素が少なからず出てくるのですが、その都度守谷さん、現場監督さんとしっかり現場打合せをし、およそ最良と思われる答えを導きだしてくれました。そして、予定通り5か月後には新たな住居で暮らし始め、予想以上に快適な空間を作って頂いたことに感謝しています。また、それから1年間暮らすと、住み手である我々により一層馴染んで心地よく感じています。そして、今月末に1年点検があるのですが、特に不満が無いので同世代である守谷さんといつものようにリノベーションとは違うお話で盛り上がりそうです(笑)

 「Kayashima Photo Studio Ohana」

2021-06-11
★★★★★(5/5)
10年ほど前ですが 中々上手く行かず、色々模索している中
たまたまアトリエmのサイトを拝見して連絡をしてみたところ
建築家 守谷さんの人柄に触れ、計画を進める事となりました

常にこちらの立場に立った上で物事を考え
最良のアイディアを提案していただけます

どんな事でも、うざいくらいに(笑)
全力で取り組んで頂ける姿に
こちらも心、動かされ、お互いに作り上げるという感覚で
本当に素晴らしい建物が出来上がりました

そして今、また新たなプロジェクトを
夢とともにお願いしているところです

 「四丁目の家」

2021-06-10
★★★★★(5/5)
10年前に設計施工をお願いしました。2世帯住宅の設計は親と子の好みが合わず難航しました。アトリエmさんには何度も家の模型を作り直して親子世代が納得する提案を何度もしていただいたのが懐かしいです。今も親子3世帯で仲良く暮らしています。

 「クチコミ」という言葉を少し調べてみました。

 大宅壮一ノンフィクション賞で知られる、大宅壮一さんの造語という説明がありました。

 想像通り「口頭でのコミュニケーション」の略ですが、1960年代当初「マスコミ(マス・コミュニケーション)」との対比で使ったり、文字によるコミュニケーションを「手コミ」とし、「口コミ」と区別していたようです。

 本来の意味での口コミは私もかなり重要視します。

 初めて会う人には「どんな本が好きですか?」や「面白かった映画は?」とよく聞いてしまいます。

 本なら長い場合は数十時間、映画でも数時間を費やすわけですから、外すのは嫌。そう考えると、建築で「外す」ことは絶対許されません。

 仕事に関しては全力で取り組んできたつもりなので、私達の物語を出来る限り伝えてみたいと思い、「現場日記」だったり「○○年後の感想」というページを作成したのです。

 大宅壮一さん的には「手コミ」です。

 今回、久し振りにやりとりしたクライアントも。

 「○○は高校が△△に決まりました。来年の4月から寮生活になります」

 「喋るのは得意ですが、文章にすると色んな思いを伝えようとするとなかなか纏めれなくて」

 「50才目前に試験に取り組むとは思っておりませんでした」

 「またビールを片手に、世間話をしながら……」

 他には、「投稿時期が同じになりすぎても」と言ってくれたクライアントも。

 時々、濃い霧の中をたった1人で航海しているような気持になります。

 こういった言葉を掛けて貰えると、自分のコンパスを信じてみようと勇気が持てます。

 一緒に作り上げた空間に本当の幸せがあるのなら、そこだけはよりどころにしても良いかなと思うのです。


 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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人生は総懺悔‐1762‐

 今日は成人の日ですが、式典の延期や中止の報道もありました。

 新成人の方々は忸怩たる思いだと思いますが、まずは生きていればこそ。その忍耐は、必ず活かされる時がやってくると思います。

 彼らだけでなく、今は我慢の時です。

 年末のことですが、大坂七墓のひとつだった長柄墓地(現在は大阪市設北霊園)に立ち寄る機会がありました。

 昨年は梅田墓地の発掘調査の話も取り上げましたが、現代の大阪の真ん中に、これだけ大きな墓地があるのかと驚きました。

 それでも往時の2/5の規模だそうです。

 お盆あたりと年始くらいは毎年墓参りに帰っていたのですが、今年も難しいかもしれません。

 年末から画像だけ上げていた、12月28日発売の『suumoリフォーム(関西版)』

 内容には触れていませんでした。

 今回、作品掲載はないのですが、「満足度アップのために、デザイン力のある会社を選ぶコツ」という私のインタビュー記事が掲載されました。

 一昨年発売された『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』 では「回遊できる家」が掲載されました。

 その取材に来てくれたライターさんが「守谷さんの話しが、フラットで分かりやすかったから」と編集部に推してくれたようです。

 お代を頂いての取材は、やはり光栄なことです。

 ところが発売の少し前に、編集部から「suumoリフォーム情報誌シリーズを休刊します」という案内が届きました。

 よって今回が最終号なのです。

 私は紙媒体が大好きですが、web全盛の時代になり、さらに非接触が加速する中、時代の変化は誰にも止められません。

 これは他人事でなく、自分達も進歩、変化していかなければ、時代の藻屑と消えてしまうのです。

 紙媒体と言えば、年賀状も減る一方というニュースばかりです。

 アトリエmとしては、お世話になった方々に、「一所懸命に頑張っています」という報告のつもりで、出来る限り出すようにしています。

 今年の作品は結構迷いましたが、年末にUPしたばかりの「ときめく紺色の家」にしました。

 家族用は、夏の八ヶ岳行きにしました。

 高槻中学、高校の同窓会の幹事を引き受けているのですが、昨年末の開催予定が、この状況でひとまず1年延期しました。

 恩師や同級生からの年賀状にも、同窓会に関してのコメントをいくつも貰ったのです。

 「オリンピックもどうなるか分からないので、難しそうですね」

 「楽しみにしているので、是非開催してください」

 概ねのこのような意見でしたが、こんなコメントもありました。

 「考え方を変えて、デイキャンプ形式にしてみてはどうですか?」

 なるほど、そんな考え方もあるのかと思ったのです。

 秋までには方針を決めなければなりませんが、私なりに全力で判断しようと思います。

 幹事をしている関係から、『高槻の歩み つたえる・つながる・つくる』の編集部から、昨年の夏にお亡くなりになった、澤田先生への追悼メッセージを貰えませんかと連絡を貰ったのが10月のこと。

 こちらは年末に冊子が届きました。

 悪かった自慢をしたい訳ではなく、素直に澤田先生へ気持ちを綴ったつもりです。

 中学1、2年の担任だった澤田先生は国語の中でも古文が専門でした。

 源氏物語、方丈記、徒然草と、当時はろくに授業も聞かずで、成績も最低。

 何故あれ程魅力的な古典を、しっかり澤田先生から学んでおかなかったのか……

 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。 

 たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。

 『方丈記』 鴨長明

 川の流れはとどまることなく、元のままということはない。よどみに浮かぶ泡は、消えたり、生まれたりで長くとどまることもない。この世の人も住みかも同じようなものである。

 美しい都に軒を連ね、住まいで格を争う、身分の高い人も、低い人もがいるのはいつの世も変わらぬものだが、昔からある家は稀である。ある家は去年焼けて今年新築してある。大きな家はなくなり小さな家となっている。住む人も同じようなものだ。住む所が変わらない人も多くはいるが、ずっと昔から代々住んでいる人は2、30人のうち僅かににひとりかふたりだ。朝亡くなり、夕方に生まれる、水の泡と同じようなものなのだ。

 私なりに意訳してみました。答えは見ていないので、澤田先生に採点して貰おうと思います。

 中高の成績は270人中、大体が下から2番目でした。

 もう1人強者(表現がおかしい!)が居たのですが、中学で辞めてしまったので、もしかすると高校時は最下位だったのかもしれません。

 そんな私が幹事の代表をしているのは、総懺悔に他なりません。

 迷惑を掛けた先生、手を出してしまった同級生、通学中に喧嘩になった他校の……

 もうきりがありません。

 アトリエmを興してから少し経った時、何故か「人生は総懺悔」という言葉が頭に浮かびました。それから気持ちが楽になりました。

 お詫び、お詫び、お詫び。

 働く、働く、働く。

 もうこれしかありません。

 澤田先生とともに、ご迷惑をお掛けした先生、同級生には総懺悔し、精一杯働くことを年始にお誓い申し上げるのです。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

2020年 暮れは元気にご挨拶‐1759‐

 本当に色々あった2020年もあと数時間となりました。

 勝手ながら、私の1年を振り返ってみたいと思います。

1月 サクラサク‐1660‐

 娘が希望校に合格してくれました。

 もう遙か昔のことのように感じますが、これからも努力は必ず報われると信じ、素晴らしい学生生活を送って欲しいと願います。

2月 怒るで、しかし!‐1664‐

 車で15分程のところにある八尾空港。

 今まで縁が無く訪れたことが無かったのです。
 
 天才芸人、横山やすしがプラベートセスナを置いていたのもここです。

 しばし「やッさん」の幻影を追っていました。

3月 磯崎へ、空間へ‐1567‐

 建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞。

 磯崎新受賞のニュースが飛び込んできました。

 遅すぎた感もありますが、私の中の磯崎を綴ってみました。

4月 夢や憧れで終わらせるのではなく‐1683‐

 4月7日、安部首相は緊急事態宣言を発令しました。

 しかし、人は何が起こっても生きなければなりません。

 東急リバブルが、タワーマンションに住む富裕層へ送る冊子『Sumikata』の巻頭に取り上げて貰いました。

 「夢や憧れで終わらせるのではなく」

 なかなかに良いコピーだと感心したのです。

5月 馬鹿であれ‐1693‐

 コロナ下の社会になり、学校や、習い事も含めて、大きく生活様式も変わりました。

 水泳をしている甥っ子たちは、駐車場にプールを置き練習を始めました。

 創意と工夫。

 彼らを見て、その気になれば何だってできるのだと改めて教えられるのです。

6月 土師ノ里で、逃げ恥を考える‐1704‐

 今年は数十年振りにドラマを観ました。
 
 勿論「半沢直樹」です。

 「逃げるは恥だが役に立つ」も今年ヒットしたドラマで、「逃げ恥」と略されました。

 攻め一辺倒の印象がある信長ですが、1570年、越前朝倉氏との戦いで浅井長政の裏切りにあいます。

 その際に朽木街道を一目散に逃げ帰ったことにむしろ凄みを感じると、司馬遼太郎は語ったのです。

7月 ちょっと相当ヤンチャな愛嬌‐1709‐

 中学、高校と国語を教えて頂いた恩師が、句集を出版されました。

 私の事も覚えて下さっており「ちょっと相当ヤンチャな愛嬌」とお褒め頂きました。

 褒めている?

8月 八ヶ岳の麓にて‐1720‐

 大学の同級生で、同職の友人は、長野県野辺山に別荘を持っています。

 初めて寄せて貰ったのですが、八ヶ岳の麓で避暑を初体験したのです。

9月 表紙、頂きました‐1729‐

 出版社から

 リノベーション事例「回遊できる家」様を拝見しました。本書に掲載をお願いしたくご連絡しました。

 というメールが届きました。

 そしてこう返しました。
 
 出来るだけ前のページで、出来れば表紙でお願いします(笑)

  「回遊できる家」と指名頂いたので、そうしようと思います。

  楽しみにしております。

 で、表紙の一番上を頂きました。

10月 ほぼモビルワーカー‐1733‐

 モビルワーカーは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」に出てきました。

 ガンダムやザクなどをモビルスーツと呼ぶのですが、その原型となった作業用ロボットという設定です。

 重機を操る人をオペレーター、略してオペさんとか呼んだりします。

 オペさんは、未来の凄腕のパイロットの可能性が高いのです。


11月 熊に驚き、感謝する‐1746‐

 愛しの池原ダムで、ついに熊を見てしまいました。

 今年はドングリが不作で、街中へ熊が出没などというニュースをよく耳にします。

 まさか遭遇するとは!というのが本音です。

 真近にみる熊は完全なる獣で、恐々へっぴり腰でビデオを回していたのです。

12月 奥さんの念願が叶いました‐1758‐

 夏に竣工した「ときめく紺色の家」

 コロナ真っただ中でしたが、工事は非常に順調に進みました。

 そして秋口に撮影した写真が先日上がってきたのです。

 幸せの景色がそこにあった時、全ては報われます。

 そういえば、この計画の実施図面完成は、香港行きのフライト3時間前だったなあ……などと思い出すのです。

 最後に大晦日番外編です。

 1ヵ月振りの休みで、この寒い中、飛ぶように池原ダムへ行ってきました。 

 寒い寒いとは聞いていましたがこのレベル。

 雪景色の池原ダムも珍しいので動画もUPしておきます。

 元スキー部で、冬の北海道を走り回っていたとはいえ油断は禁物です。

 愛車にバックフォグなるものがあるのを発見しました。

 これで後続車もよく視認できるはず。ディスカバリーは本当に頼りになる車です。

 トボトスロープも完全に雪国。

 愛艇の方もこの通り。

 こちらの雪掻きの方が時間が掛かりました。

 北ワンドも普段とは全く違う景色です。

 この雪の大晦日。誰もいないのかなと思っていたら、何艇かとすれ違いました。

 しかし流石に少ない感じ。

 それなら普段は混んでいる前鬼筋へ行ってみることに。

 風が吹くとダイヤモンドダストみたいでとても美しいのです。

 その後、ガツンときました。

 47cm、1.8kg。

 かなり深いところの魚なので真っ白。ホワイトバスです。

 ランディングした時は「もしかしてコイ?」と思ったくらいですから。

 どうぜ数は釣れないと思っていたので、デカいの狙いでこんなルアーばかり投げていました。

 真ん中のルアーで釣ったのですが、深い所に沈めて使うディープトレーサーというおもりの変形版を装着しています。

 このリグの開発者に、よくトボトスロープで会うのですが、次に会ったら絶対お礼しようと思います。

 2020年の最後の夕日を見ながら撤収です。
 
 最高の釣り納めになりました。

 ただ、帰りは-5℃まで気温が下がり、慎重運転で疲れましたが。

 

 ここ数年、ずっと温めてきた企画がこの写真です。

 「年の瀬の瀬」です。

 しかし思った以上に水が流れておらず、迫力も、美しさもイマイチ(笑)

 今年は手前味噌ながら本当に良く働きました。

 馬鹿みたいに働いて、休みが出来たら池原へ。

 そのお陰で、元気に楽しく働けているとも言えるので、本当に感謝、感謝なのです。

 今年もこの「ゲツモク日記」「現場日記」にお付き合い頂きありがとうございました。

 2021年も皆さまにとって、素晴らしい一年となることを確信しております。

2020年12月31日 守谷昌紀

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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誰かに届け、この景色‐1748‐

 今年の2月末に解体がスタートした「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」

 竣工は6月末で、まさにコロナ下の社会に突入して行くなかでの工事でした。

 片付けや植栽もあるので、撮影は秋にしましょうとなっていました。

 女心と秋の空と言いますが、今回ほど寸前まで予報コロコロと変わったのは初めて。

 しかも、4社あれば予想が晴れ、曇り、雨とバラバラ。

 中止するか前日まで迷いましたが、昨日は昼前まで晴れてくれ、何とか成立させることができました。

 前面道路が抜け道になっていて、兎に角人通りが多い。

 洗濯を干しながら、通りがかる知人との会話も楽しいと聞いていましたが、洗濯干しは背面に移動しました。

 少し腰壁を高くし、ある程度プライバシーを確保しています。

 1階にあったLDKから西にある道路方向を見た写真です。

 この位置には寝室を配置し、奥さんのコーディネイトエリアにしました。

 ガラス棚の上に、バッグなどの小物を置いて相性をチェックする為のもの。

 ご主人は、このチェッカーガラス越しの景色も気に入っているとのことでした。

 メインカットは、2階のLDKです。

 まずは人物無しで撮りますが、ご家族の興味の持ち方が凄いのです。

 撮影にこれだけ興味を持って貰ったなら、写真家も力が入るはずです。

 今度は人物あり。

 ご主人には趣味の自転車を触って貰いました。

 この位置は元寝室でした。

 初めて下見に来た時、ここからの眺めは抜群でした。

 開口部を寄せ、かつFIXと組み合わせました。

 東向きで「御陵から日が昇る景色は凄いですよ!」とのこと。

 日々の暮らしに、ドラマティックな風景を織り込めたのならとても嬉しいのです。

 午前の部が終わり、歓談する奥さんと娘さん。

 南のハイサイドがとっても良いと言って貰いました。

 空と瓦屋根しか見えない贅沢な景色で、ここから見える月も素晴らしいとのこと。

 誰にも気遣いなく開ける窓は、3倍の価値があると思っています。

 LDKを2階に上げ、中央部にハイサイドで採光を取るというプランは、初めて下見に来た時から決めていたと思います。

 今度は夕景の部の撮影ですが、今回は娘さんの活躍が凄かったのです。

 「ソファのクッション、違う色のほうがいいですか?」

 「あの鏡に写りこんでいるの大丈夫ですか?」

 写真は撮り直しが効かないので、かなり助けて貰いました。

 写真家が準備してくれたモニターを、ずっと食い入るように見ています。

 思わず「お仕事変えてみます」と言ってしまったくらいですから。

 撮影の日は朝早めに行くのですが、以前と違う車が止まっていました。

 新たに購入した車は、外壁に色を合せてくれたのです。

 車ありも考えましたが、そこは建物優先の構図にさせて貰いました。ただ、その気持ちが嬉しいのです。

 計画名に「ときめく」と入れました。

 この玄関タイルはサンワカンパニーのレノスというタイルです。コーディネイトエリアやLDKのパウダーコーナーと共に、全て奥さんからの発信です。

 とてもセンスの良い直感タイプの方で、できるだけ押しつけはしないよう心掛けたつもりです。

 竣工写真の納品は3週間先ですが、コンタクトシートを見る限り、かなり良い出来栄えでした。

 2019年の3月に現地調査に伺った際、一日仕事になりました。

 「もしカレーで良ければ」と夕食を出して下さったのです。

 カレーもサラダもとても美味しかったのですが、スプーンとお箸の敷物に、心遣いとセンスを感じました。

 人柄も含めて、この時点で計画の成功を私は確信していました。

 私の仕事の場合、どこまでを同業者と呼んでよいか難しいところですが、建築業界全てなら、かなりの同業者が居ることになります。

 いつも思うのですが、自分の思う立ち位置と建築関係者の評価はかけ離れています。

 特に、アワードだったり、建築家同志だったり、アカデミックな評価は無に等しいと言っても良いほどです。

 しかし、クライアントの方々はどこかで私達の仕事を見掛け、オファーしてくれます。

 最も求められる建築家を目指してきたつもりですが、その差は驚く程大きいのです。

 人の評価は常に1/10

 そう教えて貰ってから、それならイメージの10倍の結果を出すまでと、躍起になって働いてきました。

 アワード等で落選するとがっくりきますが、こちらのクライアントのような人達と仕事ができると、「やはり間違っていない」とまたギアを入れ直すのです。

 誰かに届け、この幸せの景色。

 そう願い、勤労感謝の日も働きます。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

図面のUPは禊‐1689‐

 気温も25℃近くまであがり、本当に気持ちのよい季節になりました。

 激変の4月も今日で終わりです。

 普段は活気のある商店街も、この状況下で閑散としていました。

 普段はひたすらに会社で仕事をしていますが、今日は現場監理へ出ていました。

 近鉄の普通はかなり空いています。

 換気のために窓が開いていることもあり、気持ちのよい風がはいってきます。

 貸し切りに近く「ああ、気持ちいい」と、思わず声に出してしまいそうです。

 日の光を浴び、風を感じると気分は一気に変わります。

 誰もが日々の暮らしの中で、落としどころを模索し続けなければなりません。

 休業中の張り紙をする飲食店を多く見かけます。

 働きたいが働けない人達の心中は察するにあまりあるのです。

 現場は「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」のでしたが、手応え十分でした。

 この計画の設計図面が完成したのは、昨年秋の香港行きの当日、朝4時でした。

 フライトに間に合うギリギリまで描いていたことを思い出しますが、頑張った甲斐があったというものです。

 今年に入ってからは、2月にリノベーションの実施図面UP、そして今月は2つ新築の実施図面をUPしました。

 仕事において、1時間にどれだけの付加価値を生めるかを、「単位時間当たり採算」と言います。

 経営の師である、京セラ名誉会長の稲盛和夫さんに教えて頂いたものですが、ようやく当社でも取り入れることにしました。

 成果を時間で割り、うまく時間がコントロールできているかの指標とするものですが、スタッフに求める以上、私も自分の働いた時間を把握しておかなければなりません。

 23歳の年から建築設計の仕事を始めたのですが、働く時間は、長ければ長い程よいものだと思っていますし、気にしたこともありませんでした。

 しかし正確に時間を記録してみて、これはちょっと人に言っては駄目なレベルだと痛感したのです(笑)

 私は日に12時間は働くと決めていますが、それがすでに過労死ラインだそう。そもそも残業という概念がないので、全く問題ないのですが。

 物創りが神聖な仕事だとすれば、設計図面のUPは禊のようなもの。

 打たれる滝の水が、ここちよい水量で、快適な温度では駄目なのと同じです。

 1ヵ月半くらいは休みがなくても、良い仕事になると思えれば頑張れるのです。

 実はこのゴールデンウィーク、1週間池原ダムのバンガローを予約していました。

 しかし全国への緊急事態宣言で、宿泊施設から休業となりますと電話がありました。

 1ヵ月半は頑張れますが、2ヵ月はちょっとこたえます。2ヵ月以上にならないよう、もうひと踏ん張り必要なようです。

 ああ、早くあの湖面に浮かびたい!

A photograph is wonderful.

2014年6月 奈良/池原ダム

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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