前回、香川での墓参りを終えたところまで書きました。
昼食のため、快晴の讃岐平野を移動します。
地元では「讃岐富士」と呼ばれる飯野山(いいのやま)。
まさにオニギリをポンと置いたようなフォルムです。
その脇を、申し訳程度に流れるのが土器川。
香川で唯一の一級河川ですが、年に200日も水の流れない日があると、ブラタモリでも紹介されていました。
その土手を超えたところに、「釜たま」の名店「なかむら」があります。(「釜たま」は、釜揚げうどん+たまごの意味)
映画等にも登場するこの店を伝説としたのは、味は勿論として、「そこまでセルフ」というストーリーです。
自分でダシを入れる、麺を温めるのは勿論、畑にネギを抜きに行き、自分で切っていたそう。
人手不足でそうせざるを得なかったそうですが、更なる繁盛店になり、そのサービス?は現在なくなってしまったのです。
この日は11時半頃の到着で、15人待ち程度。
思ったほど混んでいませんでした。
私は「釜たま」の特大に、もう1つ卵を追加。
卵は自分で軽く混ぜ、ゆであがりを待ちます。
レジで自己申告するのですが、天ぷら2つを加えて700円くらいだったでしょうか。
店内は清潔で広め。
気候がよければ屋外席も気持ちよさそうです。
この日はとても暑く、子供たちは冷やしうどんやぶっかけうどんを頼んでいました。
麺は細目で、いわゆる讃岐うどんほど腰はありません。
「長田」もそうでしたが、釜あげの名店は、麺がモッチリしている傾向にあります。
熱い麺と卵を混ぜると、半熟のような状態になります。そこにうどん醤油をくるっと掛けて頂きます。
特大は3玉入っていますが、のど越しが良く、いくらでも入って行く感じ。
ねぎ、しょうが、ごまで味を変えながら楽しみました。
子供達もみな大や特大を完食。その事実がこの店の味を雄弁に語っています。
大変美味しゅうございました。
昼頃になると、続々と車も増えてきました。
あっという間に行列が伸びていきます。
この長さなら1時間半くらいは掛かるでしょうか。
帰り際、主人か若主人だろうと思い、少し話を聞いてみました。
最近では良く混んでいるほうだそうです。
「じゃあ今日は、良い日になったね」と言うと笑っていました。
飲食、観光という産業は、難しいものだと思います。
多くの人が常時訪れれば、天狗になるからか疲弊からか、客を雑に扱う店が増えてきます。
しかしそんな応対を受けたことを人は忘れません。いずれその店、観光地は衰退して行きます。
そうなってから、過去の栄光を取り戻すのは難しいでしょう。
美味しいから繁盛する。それは素晴らしいことですが、また違った意味での試練がまっているのです。
経営の神様、松下幸之助はこんなことを言っていたと思います。
「失敗は、成功への過程。成功は、失敗の要因が蓄積している状態にすぎない」
成功もまた試練。仕事とは終わりのない成長ゲームと言えるのです。
しかし、このサービス過多の時代に、「なかむら」が支持されるのは面白いところです。私は、お客さん扱いで遠ざけられるより、もう少し立ち入ってみたいので「なかむら派」なのかもしれません。
最後に、讃岐うどんの名店も整理しておきます。あくまで「私の」なので、雰囲気、混み具合等も合せてⅠの「やまうち」を推しておきます。
讃岐うどんの名店Ⅰ ひやあつの「やまうち」
讃岐うどんの名店Ⅱ 元祖ぶっかけの「山下」
讃岐うどんの名店Ⅲ 釜揚げの「長田」
讃岐うどんの名店Ⅳ 元祖しょうゆうどんの「小懸屋」
讃岐うどんの名店Ⅴ 純手打ちうどん「 よしや」
讃岐うどんの名店Ⅵ かまたまの「山越えうどん」
讃岐うどんの名店Ⅶ そこまでセルフの「なかむら」
■■■9月16日(日) 9:00am~12:00pm 高槻中学・高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加します■■■
■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園
【News】
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売に「阿倍野の長家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月2日に「イタウバハウス」掲載
■『houzz』5月28日の特集記事に「あちこちでお茶できる家」掲載