来月1日、日本航空(JAL)のCEO就任を前に、世間の注目を集める稲盛和夫さん。何度も講演を聞きました。
技術者だった稲盛さんは、27歳で京セラを創業しますが、その際には経営の「け」の字も知らなかったと言います。その中で、どうすれば企業は永続的に発展出来るのかを考え、経営理念を作り上げました。
著書に、こんな場面があります。
商売の神様、松下幸之助さんの講演会に行った時のこと。その日は、ダムがなければ、大雨で川は氾濫し、日照りで川は枯れる。お金を水に例えた、有名なダム式経営の話でした。
講演終了後の質疑応答の際、ある経営者が「ダムが大切なのは私達も分かる。ただ、そんな余裕がないから、どうすればダムが出来るのかを聞きたいのです」と質問します。多くの人の気持ちを代弁したものでした。
幸之助は苦笑し、間を置いて「そんな方法は私も知りまへんのや。知りませんけど、ダムを作ろうと思わんとあきまへんなあ」と言います。場内には失笑がもれ、失望に似た空気が支配しました。
その時、体に電流が走ったとあります。まずは、思わないといけない。全ては一人の思いから。
JAL再生という難事業を引き受けた稲盛さん。JALの社員にどんな言葉で語りかけるのか、とても気になります。
自分もこの質問者になっていないか?常に問いかける必要があります。