3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐5‐AORとクラッシック

 各現場の定例打合せは、日程のルールを決めています。

 こちらの現場は、奇数週の土曜日ですが、雨が降ったのは地鎮祭の日だけだったと思います。
 
 その時は足下がズブズブで、監督が慌ててベニヤを買いに走ったのです。

 順調に工事は進み、中盤戦に入っています。

 「どうせまだ揚げてないだろうな」と思いながらやってくると、揚がっていました。

 当社の横断幕ですが、疑って失礼しました。 

 LDKは広い廊下と繋がり開放的です。

 光の取り入れ方は色々ありますが、ここでは長い庇とハイサイドを組み合わせました。

 冬は遮らず、夏は床に落とさない位置を狙っています。 

 外から見るとこのような感じ。
 

 跳ね上げた屋根が、2階棟と交差する所があります。

 内側から見るとこんな景色。

 細やかな細工は木造ならではです。

 大工チームの技が発揮されるのです。

 壁面には図面が貼られていました。

 その上あたりには煙突の下地が。

 薪ストーブが取りつくのですが、これも楽しみ。

 図面は歌に例えれば楽譜のようなものです。
 
 「3つの庭を持つコートハウス」を音楽に例えるなら、ベースはAORでしょうか。

 薪ストーブがあるので、多少クラッシックの要素も入ってきます。

 ボビー・コールドウェルとエリック・サティ。

 全く違うジャンルを内包し、美しい一曲にまとめ上げたいと思うのです。 

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「あの森のOhana」かやしまフォトスタジオ‐1‐プロローグ

 2008年の2月18日にオファーを貰い、翌年の9月28日に完成したのが「かやしまフォトスタジオOhana」である。

 

 元の店舗は京阪萱島駅の高架下にあった。


 創業者は、現在の店主でありカメラマン石井さんの御尊父である。


 高度経済成長期、DP店と言われる現像やプリントサービスは、大変に繁盛したそうだ。

 しかしデジタルカメラ時代に入り、新しい業態へと変化していく分岐点にあったのが新店舗計画だった。
 

 

 外部スタジオとして計画したのが35本の列柱。

 H鋼は少しずつ隙間を空け、風も通るようになっている。

 その後ろに見えるのが、創業者のご自宅だ。

 大手プレハブメーカーの建物で、そのワンユニットを撤去し新店舗を設計した。

 文字通り、Ohanaとは一心同体だったのである。
 

 「センスの良い知人宅のリビング」と設定したレセプション。

 2階のスタジオも背景の為の背景はやめて、自然光でも撮影できるよう、様々な形態の窓をあけた。

 そしてご家族の、ナチュラルでハッピーな写真を写し続けてきたのである。

 ひとり増え、ふたり増えと、毎年撮影にきてくれるご家族も多い。

 2011年には『第5回キッズデザイン賞』を受賞し、私としても自信を持たせて貰った仕事だった。

 しかし今回、府の道路拡張事業にともない、解体撤去しなければならないことになった。

 新しいOhanaは、現在の店舗のコンセプトを踏襲するも、更なる発展をしなければ意味がない。

 100m程離れた新敷地を初めて見せて貰った時は、私がひとりはしゃいでいた気がする。

 新店舗のコンセプトは「あの森のOhana」だ。

 敷地の回りに空地があり、そこに多くの樹々が植わっている。

 計画の推進力はクライアントの情熱だが、その方向性を決定するのは、動機と環境だと考えている。 

 この環境を、生かし切りたいと考えたのだ。

 1階のレセプションは、一回り大きくなった。

 2階のスタジオも、石井さんが最高の仕事をできるよう、理想的な大きさを綿密に確保した。



 「あの森」は木が生い茂っているという意味だけではない。

 誰の心の中にもある、何かワクワクするような場所……

 第二幕の開演である。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

軒が深いから「おいでよHOUSE」‐10‐パジャマのままで朝日を浴びて

 「おいでよhouse」は引越しから2週間が経ちました。

  新しい日常の風景を、奥さんが送ってくれました。

 こちらのお家は、延べ面積が丁度100㎡なので30坪。

 大阪市内で拘って家を建てるなら、ひとつの基準になる大きさと言えます。

 LDKの天井高は約4m。ハシゴでロフトとつながります。

 約25坪の敷地を、いかに立体的に使うかを考えました。

 長男君はこの場所でパジャマのまま朝日を浴びるのがお気に入りだそうです。

 次男君はロフトでテレビを見るのがお気に入りと。

 この場所をお父さんが狙っているという話もありますが……

 そんな寸劇も含めて、どんどん楽しいお家になって行くはずです。

 クライアントはご夫妻ですが、すでに成熟した大人です。

 反対に、お子さんはここで暮らし、成長して行く過程にあり、責任としては大きなものがあると思っています。

 話をした回数は限られていても、創り手の意思を敏感に感じとってくれることが多いのです。

 長男君が気に入ってくれた東向きのハイサイドは、減額で無くなる可能性もありました。

 私としてはここは何と死守したいと思っていたのですが、頑張った甲斐がありました(笑) 

 撮影は梅雨明け頃の予定。6月に入ったばかりですが、すでに7月が待ち遠しいのです。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐12‐引っ越してきたニャ

 今週月曜日に、ようやく引き渡しが終わった「H型プランの平屋」。

 計画がスタートしたのは2017年の6月なので、約4年に及ぶプロジェクトになりました。

 最長記録は5年1ヵ月の「四丁目の家」ですが、それに次ぐ長さです。



 南の庭に面するウッドデッキも何とか形になりました。

 が、塗装はまだ。

 足洗い場まで備えたフルバージョンですが、工程監理は永遠のテーマです。

 前回はひっくり返っていたLDKですが、造作家具も据え付けが終わり、ようやく最終形が見れました。

 向かいにあるキッチンは、サンワカンパニー製です。

 コンクリート打ち放しとウォルナットのフローリングに、ステンレスが良く合っています。

 LDKを挟み、東西にあるのが各個室。

 同じく庭を望みますが、北側にウォークインクローゼットを備えています。

 現在は空っぽなのでそれはそれで格好良いのです。

 紆余曲折あった和室もようやく完成。 

 床板はステンレスで、背面には黒皮鉄板です。

 氷ばかり艶なるはなし

 室町時代の僧、心敬の精神を体現してみました。
 
 亭主が客人をもてなすためにあるのが床。一緒に回っていた長男君が、ドラえもんのオモチャを飾ってくれました。

 物の貴賤ではなく、もてなす心が大切なのです。

 浴室もようやく完成。


 脱衣室まわりもすっきり仕上がっています。

 南面の大開口は圧巻はですが、なにやら視線を感じます。

 木の陰から、興味津々にこちらをのぞいていたのは子ネコでした。

 主はこちらだと思っていたら、新参者だったようです。

 そうこうしていると、引越しの準備にご主人が車で見え、少し一緒に中を回りました。

 その後、「銀行との最終打合せがあるので」と出て行く前に、両手をとって「ほんとに有難う」と言ってくれました。

 計画の途中、私から急かしたことは一度もありません。全てはなるようになりますし、行くべきところに行くものです。

 これまでの仕事人生で「建てましょう」とか「建てませんか」という言葉を使ったことはありません。

 「建てたい」人の力のになりたいだけなのです。

 今日から始まる新しい暮らしは、きっと素敵なものになるはず。こちらのお家はオープンハウスを予定しているので、また告知させて貰います。 

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐4‐旅芸人と建築家

 梅雨入り前、滑り込みで上棟式が間に合いました。

 スタッフにも早めに来てもらい、会社を8時40分頃には出るのですが、いつも約束の時間ギリギリ。

 現場のほうは準備万端で、クライアントもすでに到着済み。今回も私達が最後になってしまいました。

 建方が終わり、全容が見えてきましたが、右の箱が2階棟、左の箱が駐車場棟です。

 駐車場棟は、車3台がゆったり駐車できます。

 木造でこの大空間をどうやって実現したのかも、また書いて行きたいと思います。

 式典自体は手造り版。クライアントには「洗い米」「粗塩」を持ってきてもらい、監督が進行してくれました。

 エントランスを入ってすぐに階段がありますが、今回も仮設階段を先に掛けてくれました。

 これが有ると無いとでは、現場打合せの精度が全く変わってくるので、とても助かるのです。

 ご夫妻には四方を清めてもらいます。

 東西に長いLDKはこの建物の見せ場となる空間。

 端から端までおよそ13m。10mを越えてくると「広いなあ!」といった反応が多くなるでしょうか。

 この抜け感はいつも意識しています。

 御幣を2階の最も高いところに据えて、皆で二礼二拍一礼。

 式典は無事終了です。

 2階は個室が集まりますが、南の部屋は高い腰壁に囲まれたバルコニーを備えています。
 
 この形状も一工夫したので、仕上がりが楽しみな所です。

 現在はすっぽりシートに囲まれているので、中庭の存在は分かりません。

 しかし、2階から見下ろすとその形状がよく分かります。

 大きな駐車場が前にあるお陰で、プライバシーが保たれています。

 敷地が大きい場合は、特に外部の計画が重要で、今回も価値ある空間になると思います。

 LDKはその中庭に開放されており、解放感ある景色となるはずです。

 工期がタイトなことはいつも気にしていますが、到着が常にギリギリであることも気になっていました。

 今回、距離的には短いが道幅は狭い、抜け道を通ってみました。

 狭いので飛ばすのは御法度です。

 こういったケースは「あまり変わらなかったね」ということが多いと思いますが、3~4分の短縮にはなったと思います。

 その程度かという事無かれ。それでも2分遅刻したので、十分価値はありました。

 スピードが出せなくても、止まらずに進める抜け道が大好きです。

 地域の暮らしが近くで見てとれ、魅力的な景色も多く、抜け道好き歴は30年です。

 その場所へ行き、その場所にいる人を幸せにするのが建築家の仕事です。

 旅芸人も似た仕事ですが、移動が好きな人が選ぶ仕事なのだと思います。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐11‐ネコと一緒

 敷地が大きいということは、多くの人にとって憧れです。

 代々引き継がれてきたこの敷地は、隠しようがないくらい大きいのです。

 その敷地に、H型にコンクリートの箱を配置することが、この計画の全てのスタートになりました。 

 躯体によって演出される外部が非常に重要なのです。

 エントランスホールに入ると、その奥に見えるのが中庭。

 周囲をぐるりと回ると、樹齢300年は越えている大楠木が見えてきます。

 成長し過ぎたがゆえ、今回かなり枝を落としたのですが、それでもこの時期には青々と葉をつけています。

 この外部空間は、躯体と大楠木によって、プライバシーが保たれています。

 クライアントも「ここはBBQに持ってこいですね」と。

 エントランスの前後にある外部は、この建物にとって非常に大切で、意義のある空間なのです。

 内部は最終盤を迎えごった返してきました。

 南の庭に面するウッドデッキも、下地が出来上がってきました。

 仕上がっている部屋も勿論ありますが。

 今回のファサードのカットには、全てこの職人さんが写っています。

 「写真撮るけど、入っても構わない?」と声を掛けたのですが、「ハイ、大丈夫ですよ」と。

 この日は天気がよく、庇下がとても気持ち良さそうで、昼食後の休憩場所にここを選んでくれたようです。

 ネコはその家の一番気持ちの良い場所を占領すると言いますが、こういった景色を見ると非常に手応えを感じます。
 
 ネコと一緒にするなと言われるかもしれませんが、人もネコも正直なものだと思うのです。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

 

「THE LONGING HOUSE 」‐12‐「井戸」のようなもの

 ゴールデンウィーク明けの定例打合せは「The Longing House」からです。

 正面のガラスがようやく全て入りました。

 室内から見るとこのような景色。

 なかなかに開放的な空間ですが、使い方はまた追々。

 LDKの床養生がとれ、ヘリンボーン貼りが見えてきました。

 キッチンとアプローチの配置は、こういった関係にあります。

 リビング階段ではないものの、お母さんと子供が必ず顔を合わせるような動線になっています。

 またこの階段は、2階からの光を落とす役割も担います。

 何か手を打たなければ、このエリアは真っ暗になってしまうのです。

 トイレのタイル貼りも完了。

 後は手洗いの設置を待つのみです。

 こういったアクセントクロスを採用している部屋がいくつかあります。

 こちらはウォークインクローゼットの最奥ですが、輸入物を支給して貰いました。

 服で言うなら、裏地にまで拘っているといった感じでしょうか。

 1階の北端にある和室には、前庭があります。

 この小さな外部が、室内をとても豊かにしてくれるはずです。

 前庭の背景になっているのがPC版の擁壁ですが、建物を守るように敷地南端まで連続しています。

 高低差のある隣地に対して考えたものですが、支柱を建てる際もかなり苦労しました。

 PC版を吊り込むのも一仕事ですが、微調整をするのに現場はさらに知恵を絞りました。 

 まずはジャッキアップ。

 正しい高さになるようかまし物を入れ替えて、今度はジャッキダウン。

 これらの工事の際、地下に水脈があるようでそれなりの水が噴出してきました。

 折角なら非常時に使えるようにしたいという相談を、クライアントから貰っていたのです。

 そして出来上がったものがこれ。

 本格的な井戸を掘ると100万円では納まりませんが、下水道に使われるヒューム管を使い、深い溜め桝のようなものを作りました。

 私も建築会社もその名と通り建築を専門としていますが、今回は小さな土木工事のようでもありました。

 「餅屋は餅屋」という言葉もあります。また「境界線を越えて行ける人が結果を残す」と聞いたこともあります。

 どちらも正しい警句ですが、その間にある答えを模索したのが、この「井戸」のようなものです。

 プロには最大限の敬意を払いますが、高すぎると実現する可能性は減ります。
 
 金額と言う物差しは、常に大きな決定権限を持っていると知る者が職業建築家だと思っています。 

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「THE LONGING HOUSE 」‐11‐素敵ファサード

 先週末、クライアントから写真が届きました。

 ようやく足場が外れ、外観が露わになったのです。

 「とても素敵でした!!」とのコメントも添えて貰ったのです。

 火曜日の定例打合せの際も撮りましたが、やはり直射を浴びる午前のほうが色合いが鮮やかです。

 入ってすぐの部屋に、クロスの糊付け機が据えられています。

 中をのぞくと、4人ほどの職人が下地処理の真っ最中でした。

 壁紙の仕上がりは、貼る技術も大切ですがやはり下地処理に差がでます。

 いつもの職長が、リズミカルにペーパー掛けをしていました。

 「真っ白になっちゃいますよ!」と気遣ってくれましたが、現場リポートも私の仕事。

 手の動きって連動してるんだな、などと思いながら楽しんで撮影していました。

 キッチン背面の家具が取り付いていました。

 また、LDKのタイルも貼り上がっていました。

 こちらはもうひとつのファサードと言ってよい、LDKを南から見た景色です。
 
 このT字の敷地にどう建物を配置するかは随分考えましたが、手応えは十分です。 

 クライアントからは、「グレーの色調は濃くもなく薄くもなくジャスト」とも頂いていました。

 濃い色と明るい色は、かなりの軒数を建てさせて貰ったので、まず外すことはないと思っています。

 中間色はとても繊細で、難易度は非常に高いと言って良いでしょう。

 しかし過程は嘘をつきませんでした。何枚も、何枚もサンプルを作成し、何度も、何度も確認して貰ったのです。

 先日ラジオで「親、夫、私と、外壁の色の好みがバラバラで、どうしたら良いでしょうか」という質問が読み上げられていました。

 パーソナリティは「外壁は自分では見えないので何色でもいいんじゃない」のような回答でした。

 冗談半分でしょうが、外壁は大切です。

 美しい建物が建ち並べば、街は美しくなります。街が美しくなれば、愛着がわきます。愛着ある街なら、少しでも良くしたい、美しくあって欲しいと思えるはずだからです。

 「The Longing House」は「憧れの家」という意味です。

 憧れるほど好きになって貰えるのか、5月下旬にはその結果が出ます。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐10‐雨雨ふれふれ

 ようやく足場が外れました。

 先週土曜日の定例打合せでは、しっかり雨が降っていました。

 建築写真は晴れに限りますが、普段の暮らしにおいてなら、雨の日のほうが差が出るかもしれません。

 アプローチにコンクリートの庇を設けましたが、奥もガラスの庇が連続します。
 
 車が横付けできたり、ゆっくり傘を畳めるスペースは、雨を楽しむためには有効な空間となるはずです。

 エントランスホールに入ると、目線の先には光庭。

 南を向けば、LDKの先にある庭が目に入るのですが、これだけの外部を備えたケースは稀でしょう。

 反対の言い方をすれば、これらの外部を活かし、取り込むためには、このプランの方向性しかないと思っていました。 

 この日から現場はスリッパ着用となりました。

 小さな紺色のスリッパがひとつ。

 監督がお子さん用に準備してくれたものでした。

 大人用の健康サンダルだそうですがサイズはぴったり。
 
 こういった気遣いの積み重ねは、必ず物創りに活かされるはずです。
 

 床がほぼ完成したので、その長男君もようやく走り回ることができます。

 退屈なはずの打合せ中、一人でも楽しそうに遊んでくれ、私としては本当に救われる思いでした。

 彼に報いるには、好きになって貰える空間を創りあげるしかありません。

 そんな彼と、しばらく庭に振る雨を眺めていました。

 深い軒は、雨を楽しむためには何より必要なものです。

 今回は90cm確保できましたが、このくらいあればそう雨は入ってきません。

 軒からぽとり、ぽとりと落ちる雨だれを見ているだけで、全く飽きないものなのです。

 各個室からは緑が見えますが、これは旧母屋に合わせて作られた日本庭園でした。

 反対から見返すとこのような景色ですが、コンクリート打ち放しの家に合うかを親族の皆さんは気にされていたと思います。

 コンクリートの原料はほぼ自然から採れたものですから、どのような庭であっても相性が良いのです。

 やはり雨と言えばカエル。

 こんな立派なカエルが居るのは、旧家ならではのことでしょう。

 八代亜紀の歌った「雨の慕情」は1980年のヒット曲です。作詞は私も大好きな阿久悠さんでした。

 雨雨ふれふれ もっとふれ

 私のいいひと つれてこい


 そんな人は居ませんが、雨だれを見ているとそんな気持ちになるから不思議です。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「THE LONGING HOUSE 」‐10‐真剣レッドシダー

 2月下旬に高性能断熱材の現場発泡硬質ウレタン吹き付けが完了。

 最難関のヘリンボーン貼も3月中旬に終了しました。 

 現在は内部造作と並行して、外部工事もピッチが上がっています。

 メインエトランスは道路から見て左の車の後ろ辺り。

 そこへ至るアプローチをどうポジティブに解釈できるかが、プランの成否をを分けると考えていました。

 エントランスホールと繋がりますが、この付近までが暗くなりがちなエリアです。

 上階からの光をどれだけ届けられるかに腐心しました。

 階段側面も、出来る限り光を遮らないよう壁は無くしました。

 細い鋼材で、階段を吊るようにして支えています。

 階段を上がると、各個室を結ぶ2階廊下にでます。

 この部分に光庭を設け、階段を通して1階エントランスホールと路地状のアプローチに光を供給しているのです。

 こちらは子供部屋専用の光庭。 

 周辺には店舗や高いマンションが多く、プライバシーを保ちながら、十分に光を確保するために考えました。

 その価値を十分確認できたのです。

 アプローチから見上げると分かり易いでしょうか。

 手前の軒裏に張られているのはレッドシダーです。

 ファサードの開口横も縦張りのレッドシダー。

 クライアント拘りの箇所につき(拘りのない箇所などありませんが!)、並びまで確認して貰って工事に入ったのです。

 が、軒裏の方はそこまで繊細な打合せができておらず……

 実はファーストトライでは上手くいかず、クライアントに再度材をセレクトして貰ったのです。

 自然素材につきなかなかご希望に沿えずでしたが、対象面積の4倍ほどの材を取り、1枚1枚選んで貰いました。

 こちらがいわば1軍。

 しっかり変化があり、しかも単調にならないよう。クライアントも現場もまさに真剣です。 

 その結果がこれです。

 土木工事並の擁壁現場発泡硬質ウレタン吹き付けヘリンボーン、そしてレッドシダー。

 手がかかる子ほど可愛いと言います。

 拘りもマックスなら物語もフルコース。最終の景色がおぼろげながら見えてきました。

 もう可愛いことは間違いないのです。

 文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

1996年にアトリエmを設立してから四半世紀。住宅、クリニック、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。