今年も残すところ1日となりました。
毎年そう思うのでしょうが、この2年は特に時間が加速した感じがします。
勝手ながら、私の1年を振り返ってみます。

今年の年始は、静岡に寄ってから東京へ向かいました。
長男が東京の大学を目指すと言うので、それなら見るべきだと出掛けたのです。
静岡は敷地調査に寄ったのですが、家康が愛した街です。評論家、谷沢永一は家康をこう評しています。
可愛気の次に人から好まれる素質、それは、律気、である。秀吉は可愛気、家康は律気、それを以て天下の人心を収攬した。律気なら努めて達し得るであろう。律気を磨きあげれば殆ど可愛気に近づくのである。
2月 忠誠のひまわり‐1768‐

中之島の国立国際美術館で開催されていたロンドン・ナショナルギャラリー展へ行きました。
アートは分かりやすくあるべきだと思っているので、ゴッホは大好きな画家です。
ゴッホが花瓶に活けられたひまわりを描いたのは生涯で7枚。そのうち署名が入っているのは2枚だけ。
明るい配色と力強い筆遣いとは裏腹に、ひまわりの花弁は多くが抜け落ちています。
作品の明解さと、作家が不遇の人生が二重構造となり、ミステリアスとも言える魅力を放っているのではないか。それが私のゴッホ評です。
100年以上前のゴッホとゴーギャンの関係は、全て想像の世界でしかありません。しかし研究者の間では、ひまわりは「忠誠」を示すものだと考えられているそうです。
太陽をまっすぐに見つめるひまわりから連想されたものだと思いますが、明るい黄色の後ろに流れる物語としては、これ程切ないものはないのです。

2017年、1987年から30年乗ったLOWEの14フィートを廃船にしました。
今年は、2004年から17年連れ添ったSAVAGE(サベージ)の12フィートを、八尾のサイトウ自動車サービスに引き取ってもらいました。
後日談があります。
結構すぐに買ってくれた人がいたのですが、それを伝えるのをすっかり忘れていたそうです。聞いたのが11月の車検の際でした。
使って貰っているだけで嬉しいのです。

ちょっとブームにのって柳生街道の天石立神社で一刀両断してきました。

ワーケーション、スタディケーションという建前で、少しゆっくりしてきました。
特別天然記念物のニホンカモシカにも遭遇したのです。

時々メーカーの方から、商品開発だったり、カタログへのアドバイスを求められることがあります。
6月には大阪発の建材メーカー、サンワカンパニーから相談がありました。
洗面ボールのシガラキは、当社の作品写真が採用されているので、思い入れのあるメーカーです。
7月 楽しむ境地の深さには及ばない‐1815‐

シーズン後には圧倒的支持でMVPを獲得しました。
7月8日、産経新聞のコラムで、藤井聡太棋聖と共に、本業以外にあまり興味がないことが紹介されていました。
大谷は飲みに行くより練習が好きだというし、藤井にいたっては趣味が「詰め将棋」というのだから。持って生まれた才能はもちろんのこと、わき目もふらず一つのことに打ち込むことができる性格と集中力こそが天才を作る。人を育てるヒントになろう。
「楽しむ境地の深さには及ばない」という渋沢栄一の言葉を思い出すのです。
YouTubeをはじめとするメディアの登場で、動画の配信が容易になりました。
この夏、 『建築家・守谷昌紀TV』 をスタートしました。
1本目は、竣工間際の「3つの庭を持つコートハウス」。画質のコントロールがしっかりできておらずでやや粗く……
いまだ暗中模索ですが、新しいことを始める楽しさも感じています。
9月 演出・守谷の想像以上‐1834‐

YouTubeをはじめた理由は先に書きました。
私の仕事はクライアントからオファーがあって、はじめて成り立つ仕事です。
そのクライアントと、どういった関係の中で建物が出来上がっていくか。それも是非伝えてみたいと思っていました。
「おいでよ House」 へは、写真、動画と合せて5回も撮影に協力頂きましたが、お子さんも大活躍してくれました。
で、出来上がった動画がこちらです。

オフィスデザイン&多目的スペースデザインにトレジャーキッズたかどの保育園が掲載されました。
自分で言うのも変ですが、とても園児に優しい保育園だと思います。
また、保育園を設計する機会があれば良いなと思っているのです。
11月 1111、いい日オレンジ‐1851‐

私が大好きな色でコーポレートカラーの濃いオレンジを全面的に採用しました。
なにより11月11日という日程が、1の4並びで、絶対いい日のはず。
12月 ESSE online(エッセオンライン)でコラムの連載をはじめました‐1858‐

初回はキッチンとパントリーの関係について書きました。
年始に第2弾が公開予定なので、またここでお知らせします。
その後、「あちこちでお茶できる家」にも久し振りに伺いました。自分の作品や設計手法をここまで振り返ったことが無かったので、沢山の気づきがありました。
まとめる、比較することはとても大切だと再認識したのです。
コロナ下の社会になりおよそ2年が経ちました。ここ最近は、世界でも類を見ないくらい感染者数が激減していました。
一方、オミクロン株の感染も報告され始めました。
一喜一憂するなという方が無理ですが、それでも前を向いて生きるしかないのが人間です。
大谷翔平選手、松山英樹選手はスポーツの世界においても、活躍は国籍や人種を問わないことを証明してくれました。ひたむきに生きる若者に、沢山の夢と勇気を貰ったのです。
今年1年、このゲツモク日記、ゲンバ日記にお付き合い頂きありがとうございました。 また、『建築家・守谷昌紀TV』 を観て下さった方にも感謝申し上げます。
常に明るく前向きに。2022年も素晴らしい1年となることを確信しています。
■■■ 12月6日『ESSEonline』にコラム連載を開始
第1弾は「キッチン・パントリー」■■■
■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞