7月も最終日になりましたが、暑さは増すばかり。
夏に花をつける樹は限られますが、サルスベリと夾竹桃がその代表格でしょうか。
ともに濃桃色。この気温の中で咲き誇るのですから、何ともタフな花弁です。
昨日は、ある計画のプレゼンテーションでした。
その際に、夏野菜のお土産をいただいたのです。
全て採れたての手作り野菜。美しいことこの上ありません。
この暑い中、打合せ前に収穫していただいたと聞き、申し訳ないのと、有り難いのと……
早速、その日のうちにいただきました。
塩が少しあれば十分です。
ゴーヤの淡い苦味は、食欲が増します。暑い地域の知恵はさすが。
美味しい野菜の嬉しさは、若い頃の比ではありません。
作家・水上勉は「飢餓海峡」、「雁の寺」など知られます。
「土を喰う日々-わが精進十二カ月」は食にかんするエッセイで、軽井沢で暮らす水上氏の、四季の食卓を綴った本なのです。
氏は家庭の事情で、小さい頃から禅寺へ修行に出されます。
そこでの体験から、自然にあわせ、野菜と相談しながら料理をするという考えに導かれていきました。
寺の畑に何もないような、寒い冬の来客に、心を砕いて「ご馳走」を用意する場面があります。
「ご馳走とは、旬の素材を探し、馳せ走ってもてなすことだ」
師のことばに、全てが表されているのです。
精進料理の「精進」とは、精進するための料理ではなく、精進して作る料理だとありました。
中心は自分ではなく、常に相手。
その考えかたが心を育み、自分を成長させてくれるのでしょう。
トマト大好きの娘は、モリモリと赤ばかり食べていました。
これこそ幸せのいろどり。四季の味です。
そして、心ある人になって欲しいと願うのです。