「勝てる」より「勝つ」の方がいい‐1788‐ 

 今日は朝から、松山英樹選手の日本人初のマスターズ制覇のニュース一色でした。

 そういう私も、朝6時からですがテレビ前でハラハラドキドキ観戦していました。

 世界の頂点に立つ最高の景色を見せて貰い、気力十分で会社へと向かったのです。

 週末は、久し振りに休めそうな日があったので、池原ダムへ飛んで行っていました。

 桜の盛りは終わっていますが、標高の高い所にはチラホラ残っています。

 吉野山の一目千本とは行きませんが、ここ下北山村も吉野郡。一目五十本くらいはありそうです。

 キツツキが木をつつく音聞こえてきます。

 そんな時、やっぱり来て良かったと実感するのです。
 

 天気も最高で、さあ初バスを釣るぞと各川筋の最上流部を回りますがほぼ魚は見えず。

 産卵をまじかに控えたこの時期の魚は気難しいのですが、釣る人は良いサイズをかなりの確率で釣ってきます。

 要は腕の差が出る季節なのです。

 疲れが残っては本末転倒と、昼寝だけはしっかりするのですが、午後の湖にでると、あっという間に日暮れの雰囲気。

 唯一魚影が見えたポイントに、最後のタイミングで入りました。

 で、何とかかんとか一匹。 

 1.25kg。

 バスフィッシングでは重さを競う試合があります。

 いつかでてみたいと思い、出来るだけ重量も量るようにしているのです。 

 ウッドチップたまりの下に居ました。いや、居てくれました。

 それ程のサイズではありませんが、終了15分前に何とか釣れてくれ、喜びもひとしおだったのです。
 
 松山英樹選手の偉業については、また機会を改めて書いてみたいと思っていますが、解説の中嶋常幸さんの言葉も印象的でした。

 「勝てる」と思わない方がいい。「勝つ」の方がいい。  

 残りが9ホールを切り、2位の選手と5打か6打差のついていたタイミングでした。

 海外で活躍した日本人の先駆者として、嫌と言う程辛酸を舐めてきた中嶋さんだからこその言葉だったと思います。

 この世の中に、与えられるものはありません。あったとしても、一時期の幸運に過ぎません。

 粘り強く努力と改善を重ね、自らが取りにいくしかないのです。

 かたや世界の頂点オーガスタ。かたや夕方16時45分の池原ダム。

 全く違うと言えば違いますが、諦めない気持ちだけは同じです。

 新年度に入り、すでに数件のオファーを貰いました。大阪の、日本の、世界の頂点目指して29歳の若者に負けないよう、この春も全力で行きます。

 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

23時間55分建築家‐1787‐

  本町あたりから、御堂筋を南に見ます。

 イチョウ並木も、新緑が芽吹いてきました。

  都会のオアシスという言葉がありますが、靭公園より似合うのはN.Y.のセントラルパークくらいでしょう。

 アポイントまで時間があったので、少しのぞいてみました。

 お昼時なので、のんびりした空気が流れています。

 ツツジは咲き始め。

 黄色の花はキンシバイかオトギリソウでしょう。

 植栽計画をする時、この時期の黄色い花はキンシバイに限るのです。

 月曜日に「おいでよhouse」のクライアント、Yさんからメールが届きました。

 さきほど電気をつけたら、めちゃくちゃカッコ良かったので写真送りますね!

 赤のベンツも黒い外壁によく映えています。

 更に3枚。

 こちらのアングルなら、奥の棟にロフトがあるのが分かります。

 2階のキッチン上にロフトがあるのですが、一番奥に小さな窓が少しだけ見えています。

 キッチン背面のモザイクタイルも貼り終わっています。3月末でひとまず定例打合せを終えたので、この写真で初めて確認しました。

 決して手を抜いている訳ではないのですが、現場の最終盤は何かとバタバタするもので……

 次のようなメールも貰っていました。

 先日カーテンの採寸にきてくれた業者さんに、雰囲気の良いお家ですねーと早速褒めて頂きました^ ^そうでしょそうでしょと笑

 このカットにはお子さんが写っていました。背格好からすると次男君でしょうか。 

 「引越し屋さんに凄く褒めて貰いました」といった話を聞かせて貰うことも時々あります。
 
 そういった評価は、私以外の誰かが下すものですが、一番気になるのはやはりお子さんです。彼らの人生に建築が影響を与えることもあると思うからです。

 更に更に嬉しい文面だったので、Yさんの了解も取らずに載せてしまいます。(ここまでも全く了解は取ってはいませんが!)

 これまでの細かな打ち合わせをしていただいたお陰で、本当に良いお家が完成してきた!と、守谷さん、吉﨑さんに出会えた事に感謝しております。 

 感激して建物を引き取って貰うことを目標に、私達も工務店も全力で取り組んでいるつもりですが、こういった言葉を掛けて貰うと、全てが報われるのです。

 郷ひろみさんが、1月の新聞連載の中でこう語っていました。

 1日24時間のうち23時間55分は「郷ひろみ」なんです。

 50年間、エンターテイメン界のトップランナーであり続けた人の言葉を借りるのはおこがましいですが、書いてみます。

 私も1日24時間のうち、23時間55分は建築家として生きてきたつもりです。

 ごく普通の人間に、こんな体験をさせてくれるこの職業に、自分以上に、誇りを感じるのです。 

 今日が初登校という学生も多かったのでは。

 社会人28年生になりましたが、初心忘るべからずです。
 
 そして、命に終わりあり。能に果てあるべからず。

 命ある限り、職能を高めて行きたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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とらわれず、一刀両断‐1786‐

 昨日は奈良へ行く用事がありました。

 緊急事態宣言は解除されたものの、大阪、兵庫、宮城のみに新たな規制も発令されました。

 なかなかすっきり解決とはいかないものです。

 奈良市内から東に延びる369号線は柳生街道とあります。

 10分程走ると、のどかな里山風景が広がり始めました。

 昨日は生憎の雨でしたが、一週間前なら小川に沿って咲く桜もさぞかし美しかったでしょう。

 桜も素晴らしいが背景も素晴らしい。盛りの時期に訪れてみたいものです。

  柳生の里という看板があちこちに見えてきたので、車を市営駐車場にとめました。

 天石立神社へ目指して山道を歩きます。

 少し歩くと墓地が見えてきました。

 桜と霧が幻想的な雰囲気を演出しています。

 更に山道を登ります。 

 雨がかなり降っていたので、その湿気と杉の香りがむせ返るよう。

 小さな紫の花はミツバツツジでしょうか。

 毎年、桜の後の時期を楽しませてくれるのです。

 山裾から800mほど歩くと、天石立神社の鳥居が見えてきました。

 巨大な石がいくつもあり、古代の自然信仰のもとに生まれた神社とあります。

 このあたりは柳生家の剣の修行地だったと言われています。

 一刀石が見えてきました。

 柳生新陰流の始祖、柳生石舟斎(宗厳)が天狗を相手に剣の修行をしており、天狗と思って切ったのがこの岩だったと伝えられています。

 大ヒット映画、「鬼滅の刃」にこの岩を思わせるシーンが出てくるそうで、おもちゃの刀が置いてありました。
  
 一応妻に切って貰いました。

 山麓にある芳徳寺は、柳生石舟斎の子、宗矩が父のために創建した寺です。

 宗矩と親交のあった沢庵宗彭によって開山されました。

 宗矩も江戸初期の剣術家で、徳川家の剣術指南役に招かれるほどの腕前でした。

 政治家としてもすぐれ、後に大名となるのですが、一剣術家が大名にまで上り詰めたのは宗矩だけだそう。

 その宗矩に大きな影響を与えたのが先述した沢庵和尚と言われています。

 「たくあん」漬けの考案者と言われ、吉川英治の「宮本武蔵」には武蔵の師として描かれています。しかし、2人が会ったという史実はないそうで、あくまで小説上の話のようです。

 宗矩は禅の思想を取り入れ、「剣禅一致」という思想にたどりつきました。

 また、沢庵和尚が残した「不動智神妙録」は武道の極意をもって禅の真髄を説いた書です。

 心がとらわれると切られる

 迷いが生じた瞬間に「切られる」ということでしょうか。背筋が寒くなります。

 とらわれた心は動けない

 見栄だったり、邪念があると、正しい心の働きができなくなると言う意味でしょう。


 剣の達人などというと劇画の世界しか想像できませんが、突き詰めて行けば、剣術であれ、仕事であれ真理は変わらないようです。

 「とらわれる」はとにかくNGのようですが、「とらわれる」ことの多いこと……

 プラン、デザイン、コスト、そして人の心と、解決すべき課題は多岐にわたります。

 とそれでも一刀石をイメージして、目指すは一刀両断です。

 なかなか一筋縄では行かない課題を抱えられている方は、実物を見ることをお勧めしてみます。
 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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明治の女性と炭火アイロン‐1785‐

 3月下旬、ユキヤナギが咲きだしたなと思っていたら、あっという間に今日から4月。

  新年度が始まりました。

 今日が入学式なら何とか桜も持ちそうです。

 会社の近くで、随分立派な建物を見つけました。

 前川國男を連想させるレンガ色の建物は、平野区画整理記念会館とあります。

 会社の近所なのですが、この道は通ったことが無かったよう。

 中に入って尋ねてみると、区画整理事業が終わった際に残った予算で建てられたもので、簡単に言えば貸し部屋業をしていますと。

 南面したホールは、この規模の吹き抜け。 

 開口部から、平野郷の模型がちらと見えており、それもあって入ってみたくなったのです。

 ホールには所せましと展示があります。

 脱穀機は数十年間に、この地域で実際に使われていたものだそう。

 こちらは長原古墳群のコーナー。

 実際に出土した子供用の棺です。

 一番目を引いたのが近代の生活用品の展示群です。

 まずは炭を入れて暖をとる炬燵。

 足焙りは炬燵と同じ使い方でしょう。

 火鏝は灰の中で熱し、布類のしわを伸ばす道具です。

 こちらは炭火アイロンとあります。

 明治頃のもので、中に炭を入れ、更にその下には水を入れて使用したのだそうです。

 私が興味津々なのを見て、館の方が実際に開けてくれました。
 

 2階も案内してくれたのですが、吹抜けに面する廊下にはこの立派な機織り機が置いてあります。

 何故こんな場所に押しやられているのか尋ねてみました。以前は右下に見えるキューブ状の空間が展示室だったそうです。

 しかし館の運営を考え、賃貸しすることになったということでした。

 面白い展示が沢山ありましたが、日当りが良いので劣化するのでは、と危惧していると。経営が成り立ってこそ存続できる訳で、何となく微妙な気持ちで会社に戻ったのです。

 日々のアイロン掛けを妻にやいやい言わなくて良いように、Yシャツは多めに買っています。

 100年前の炭火アイロンと比べると断然性能は良いはずですが、それでも時間がない、時間がないと。

 明治の女性はそんな事を言っていたのでしょうか。

 多分言っていたのだと思います。で、男のほうはこう思っていたはずです。

 「火鏝よりは随分便利になっただろうに」と。

  もし、小声でもそんな事を言ったなら間違いなくこうなります。

 「それなら自分でしなさいよ!」

 それはそうです。この自由で平等な時代、女性がアイロンを掛けるという決まりはありません。

 ですので、しっかり働いて沢山Yシャツを買います。間違っても「早くアイロンをかけてよ」と言わなくてよいように。

 Yシャツ代、税金、子供の学費と、働き甲斐はおつりがくるくらいあります。
 
 今年の標語は「絶対に下がらない」。2021年度は絶対に下がらない覚悟です。 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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