松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐13‐前向きであるということ

 年始から、4度延期させて貰っていた「うえだクリニック」の撮影ですが、ようやく晴れてくれました。

 前日までの予報は、晴れと曇りが半々くらいの予報。

 天気図を見ていると、午前中に1回くらいは晴れるチャンスがあるだろうと決行しました。
 
 結論で言えば、本当にチャンスは1度だけで、冷や冷やしたのですが。

 このクリニックはかなり大きいので、私の役割はほぼサポート一辺倒です。

 自分のカメラでも、色々撮りたかったのですが、数えるほどしかカメラを構える機会がありませんでした。

 勿論、折角プロにお願いしているので、職能を存分に発揮して貰うのが一番です。

 今回は、知り合いの建築家に紹介して貰った、冨田英次さんにお願いしました。

 私より少し若いですが、同じような年代で気さくな人です。

 前の道の人通りの多さには絶句していましたが。

 15時くらいまで掛かって、何とか午前の部が終了。

 2階のスタッフエリアがかなり充実しているので、バックヤードは私が撮ります。

 前クリニックはこれらのスペースがなく、転院の大きな動機となったので、重要な部分でもあります。

 院長も来られていたので、無理を言ってトレーニング風景も撮らせて頂きました。

 院長だけでなく、スタッフの中にトレッドミルで走っている人もいるという、何とも健康なクリニックなのです。

 シャワールームがあれば、ちょっと走ろうかという気分になりやすいでしょう。

 当社のトイレにも、実はシャワーを備えているのですが、別室はかなり羨ましいものがあります。

 院長は、富士山をマラソンで走って登ったり、160kmマラソンに出るレベルで完全なるアスリートなのです。

 夕景撮影時は、雨もぱらつきましたがギリギリセーフという感じ。何とか撮影を終了しました。

 極めて前向きな院長のパーソナリティが、この計画を成功へと導いてくれたのは間違いありません。

 コロナウィルスの件も「今回の経済状態の悪化を教材に、不況を知らない子供たちに教育できる機会と前向きに考えています」と言っておられました。

 成功したいる人で、ネガティブな人とはたったの一人も会ったことがありません。

 人は弱いものですから、環境に左右もされるし、嘆きたくもなります。

 しかし、環境の奴隷であるだけでは、折角万物の霊長という看板を外さなければなりません。

 夜家に帰ってから、暇をもて余している子供達に、「何処か行きたいところってある?」と聞くと、娘が「ボーリング!」と即答でした。

 「いやあ、ボウリングは密室だし、ちょっと……」と答えると、「島根へ行ったらいいやん!」と。

 なるほど、その手があったか!と思わず膝を叩きました。よって、来週のどこかにボウリング遠征へ行くことに決定しました。

 ポジティブである事とは、行きたいところがある、見たい景色があるということだと、改めて気付かされたのです。

 大人になっても、仕事を始めても、このくらい前向きあってくれたらと願うのですが。

文責:守谷 昌紀

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐2‐人は忘れる

 リノベーションは解体撤去工事から始まります。

 重機では解体は出来ないので、全て職人による「手バラシ」。

 この日は5人掛かりで、2階の壁が一気に無くなりました。

 床に穴を開けて、1階にガラを落として行きます。

 この日はクライアントと現場打合せでしたが、25年住んだ家なので、感慨深いものもあると思います。

 などと思っていたら、2階のガラで1階があっという間に一杯になりました。

 もうもうと埃が舞う中。

 手作業で分別して、トラックに積んで行きます。

 楽な仕事などひとつもありませんが、本当に感謝の気持ちしか沸いてきません。

 屋根裏から、上棟式の際の御幣がでてきました。

 クライアントに「懐かしいですか?」と聞くと、「あんまり覚えてなくって……」と。

 25歳で自宅を建てられてので、感慨深いだろうと思い聞いてみたのですが、ちょっとずっこけました。

 DNAの中には、全人生の記憶が残されているそうです。

 映画等で、車ごと谷底へ落ちて行く際、走馬燈のように記憶が蘇るシーンがありますが、あれは本当なのだと教えて貰いました。

 もしそうなら、本気の危機感を持っていれば、テストでも100点が取れた訳ですが、自在に操るのは難しいようです、

 人は歯ぎしりするほどの悔しい事や、立ち直れないかもと思うような悲しみも、忘れられるから生きて行けると言えます。

 だからこそ、人は人の心に残りたいのだと思います。

 時々、名刺に載せている作品を見て「あっ、この建物知ってますよ」と言って貰うことが時があります。

 私自身が、誰かの心に残らなくても構いません。もし建築が残ってくれたとしたら、これ以上光栄なことはありません。

 いつもそんな物創りが出来ればと思っています。

文責:守谷 昌紀

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐1‐プロローグ

 大阪府郊外の住宅地。

 25歳の夫妻が、この地にいわゆる売り立て住宅を購入した。

 それから25年。

 子供達が社会人となったこともあり、これからのライフスタイルを考えたという。

 50歳という区切りに、人生の第2ステージにあった家とすることを決めたのだ。

 敷地は西側が道路で東西に長い。

 南の隣地が迫っていることもあり、主要な開口部はどうしても東西となる。

 1階にLDKと水廻りが集まる主要な生活空間だが、採光不足は否めない。

 2階には各個室があるのだが、やはり明るい。

 特に南東の隣地が平屋で、採光、通風、眺望のいずれもが期待できる。

 遠く東には二上山を望むのである。

 玄関を入ると、バイクが壁に吊り下げられている。

 私のクライアントは健康的な人ばかりだが、こちらの夫妻も非常に元気なおふたりだ。

 毎日バイクに乗る夫に、ジムに通う妻。

 打合せがある朝は、何故か私までジョギングにでてしまう。

 ときめく 笑顔でいられる 家にいる時間が大事 ファンキーetc

 キーワードは沢山でて来たが、外観を紺色とすることは、計画のスタートと同時に決まった。

 一番のポイントは、やはりLDKを2階へあげることに尽きるだろう。

 最も条件の良いところから、優先順位の高い空間を順に配置していった。

 天井も壁も取り払い1室大空間とすることで、ダイナミックな空間になると期待している。

 また、高い位置からの光を取り込めるよう、南側の窓はハイサイドとしている。

 1階には、入れ替わる形で各個室を配した。

 実は北東エリアの壁にカビがでており、これらの対策も万全を期している。

 若い頃はサーフィン、現在はバイクとマラソンと非常にアクティブな夫だが、音楽はレコードで聴きたいし、ゆっくりと読書するのが幸せな時間だという。

 反対に、街へ出掛けるのが大好きでおしゃれな妻と、非常にコントラストの効いた仲の良いご夫妻だ。

 この仕事をしていて思うのだが、本当に人の幸せは様々だ。まさに十人十色。

 そういえばこちらの夫妻は『住人十色』「回遊できる家」の回を観て、当社をメモしてくれたそうだ。

 番組のコピーには「家の数だけある 家族のカタチ」とある。

 家は未来の幸せの形

 これは私の変わらぬ信念でもある。

 2月末。解体から工事が始まる。

文責:守谷 昌紀

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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「住吉区歯科医師会館」‐11‐およそ2年、サイトも完成

 9月下旬に撮影をした「住吉区歯科医師会館」のページが完成しました。

 先週末から、当社のサイトで公開しています。

 建物の正面は人で言えば顔にあたります。

 少しでも良い顔で撮ってあげたいと思うのが創り手の心情です。

 この日も天気は素晴らしく、うっすらと掛かる雲も僅かに夕日を受けて淡い色を映しこんでいます。

 写真家と「普段の行いが……」などと軽口をたたくのです。

 webサイトの構成は「分かりやすく」がまず一番ですが、建物の内部を歩いているような気持になって貰えたらとも考えています。

 加えて、より美しく、ドラマティックな写真があれば尚嬉しいのです。

 写真のアングルも色々ない考え方がありますが、基本「真正面」と思っています。

 しかし、それではどうしても伝わり難い空間もあります。

 この大会議室などもその例でしょうか。

 少し斜めから撮ったアングルのほうが、全体は伝わりやすいかなと思います。

 しかし、トップライトとmariane maiko matsuoの作品は、正面からとらえ直してもらいました。

 トップライトの上は、このような光庭です。

 言葉通り、採光専用に庭ですが、一番奥や側面にはルーバーも配し、風の流れもつくってあります。

 これらを囲むように、会長室、事務室、小会議室が並んでいます。

 会長室は、執務机から光庭を望むことができます。

 日々、忙しい診察の合間を縫って館に訪れる会長が、少しでも「気分がいい」と感じてくれたなら良いのですが。

 女子トイレ。

 男子トイレ。

 そして共用トイレ。

 このトイレは事務の方が使われるはずで、少し広めに設計しました。

 広い館を、いつもケアして下さる訳ですから。

 ご本人から、写真掲載のOKも貰いました。

 息をのむほどの繊細な筆使いで描かれたこの絵が、この会議室に品格を与えてくれます。

 銀箔が自然光を反射し、四季折々の表情を見せてくれるのでしょう。

 夕景に関しては、トラブルもあり再撮影をしました。

 事務の方に無理を言ってお願いしたのですが、その甲斐はあったと思っています。

 2018年の2月初旬にスタートしたので、2年近くの月日が経ちました。

 時間と命は等価です。作品が生まれることは、まさに私の生きた証しなのです。

 webサイトが完成したなら、ようやく一区切りを迎えます。

 会員の方々と、地域の方々が、この建物を愛してくれると嬉しいのですが。

文責:守谷 昌紀

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐12‐オープン

 オファーを貰ったのは昨年の8月上旬。
 
 天気は生憎の曇天ですが、1年2ヵ月が経ち、何とかこの日を迎えることができました。

 診療開始は8時半ですが、開院前に列が出来上がっていました。

 いよいよ扉が開きました。

 待って下さる方も多いので、日よけとなるようなものが欲しいと院長からリクエストがありました。

 庇では心もとないので、建物の張り出し部を大きく設けたのです。

 自転車止めは腰掛けられるよう丈夫に作ってありますが、これだけ停まればその役割は果たせそうにありません。

 診療開始と共に、院内も見てきました。

 花も続々と届き、受付前に飾られています。

 昨日ものぞきに来ていたのですが、前日に何とかここまで来ました。

 ただ、院長も、医療機器メーカーの方も準備、調整で予断を許さない状況ではあったのです。

 廊下に面して2つトイレがありますが、これらもデザインしました。

 そういう意味では、端から端まで関わらせて貰うのが建築設計の仕事です。

 診察が始まったなら、次のハードルがMRIの撮影です。

 10時に1人目の撮影があることは聞いていました。

 スタッフの方を、医療機器メーカーのオペレーター、現場担当の人達がサポートしてくれます。

 右手にあるCT室は撮影時以外にX線はでません。

 こちらもサポートの方がひとり待機してくれていました。

 クリニックは本当に多くの職種の人達が関わっているのがよく分かります。

 昨日のぞいた時に、その磁場の強さを見せてくれました。

 MRIから3m程離れているとそこまで磁力はありません。

 しかし、1.5mを切れると、大きめのレンチが水平に近い状態で引っ張られているのが分かります。

 大きな磁力が、なぜ詳細な画像を生むのか理解はできていませんが、体へのダメージを最小にし、検査できる最新の医療機器なのです。

 撮影の様子を見ていましたが、上の画像は奥からの映像です。

 患者さんを不安にさせないように、色々な配慮がなされていました。

 11時頃までクリニックに居ましたが、その前まで車の渋滞が伸びてきます。

 本当に人通りの多い活気のある通りで、人口の減少など微塵も感じられません。

 まだ残工事もあり、息をつく余裕はありませんが「うえだクリニック」は新たな章に入りました。

 勤勉な院長、献身的なスタッフに支えられて、地域に愛されるクリニックとなったのですが、その日常をこの建物が少しでもサポートしてくれたらと願うだけです。

 診察室1、2とも、東側のハイサイドとトップライトから自然光が入ってきます。

 もし訪れることがあれば、少し意識して見て下さい。

文責:守谷 昌紀

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『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐11‐決戦は火曜日

 毎回のことですが、人は何と弱い生き物なのかと思います。

 クリニックの移転オープンが9月24日(火)というのは、何ヶ月も前から決まっていたことです。

 建築は法的なチェックを受けなければ使用できません。

 消防検査をクリアしたのが、20日(金)の2:30pm。その報告を聞いて建築確認申請の審査機関へ直行しました。

 担当者が渋滞に巻き込まれたとのことで、実際に完了検査済証を手にした時には、すっかり日が暮れていました。

 月曜日は祝日なので、どこかで30分遅れていれば、24日(火)8:30amのオープンには敵わなかったことになります。

 「なんとかなる」ではなく「なんとかする」が仕事の本質ですが、考えれば考える程ぞっとします。

 とは言え、ひとつ大きなハードルを越えました。

 昨日は診療時間を示すサインも出来上がっていました。

 コーポレートシンボルのデザインも、仕事として引き受けますが、今回は院長のデザインです。

 普通は素人っぽさが透けてみえるものですが、たたき台から良い感じで「これで行きましょう」となりました。

 フォルムや色感には少し手をいれましたが、とても良いアイコンだと思います。

 「うえだ」のuを囲むCは「クリニック」を示しますが、脳をイメージしたものとのこと。

 ストーリーがしっかりしていると、より活き活きとしてくるのです。

 まだ予断を許さない部分もありますが、吹抜けを備えた待合も形になってきました。

 工事が遅れた分、院長には迷惑をお掛けしています。

 先週土曜日から出ずっぱりで、準備、システムの構築と休む間がありません。

 看護師の方も、休む間もなく動き回っておられますが「こうしていないと落ち着かないんです」と。

 これは受付と診察室1を繋ぐカルテパスと言われる部分。診療における動脈のような、重要な部分です。

 既製品のカルテ棚との隙間は20mmで設計しましたが、実際の残りは5mmほどでしょうか。

 この消えた15mmを読み解くのが経験なのです。

 2階は全てスタッフ専用のエリア。

 廊下にそって、キッチン、スタッフルーム、トレーニングルームと並びます。

 待合上部にあるハイサイドから漏れてくる光が、この廊下をただの暗い通路ではないものにしています。

 「2度おいしい」をいつも心掛けているのです。

 キッチンは1.65m。

 大きくはありませんが、簡単な昼食をつくるには十分なサイズです。

 隣に繋がるのはスタッフルーム。

 さらにトレーニングルームもあります。

 サイクリングマシンも準備済み。

 昼休みにジョギングに出るスタッフも居られるとのこと。

 その意識の高さには頭が下がる思いですが、奥にはシャワー室も備えています。

 院長以外は全て女性の仕事場ですから、スタッフ専用トイレの洗面は大きめにしました。

 前クリニックは、いわゆる「ビル診」で、こういった設備を充実させることが出来なかったのです。

 これらは、全て院長からスタッフへの心遣いなのです。

 院長、スタッフの方々と共に、最も迷惑を掛けてしまったのが、MRIやCTを納入している医療機器メーカーの方達です。

 予定をずらして貰い、前日の23日(祝・月)のまでは、確実に調整に入るとのことでした。

 法のチェックだけでなく、まさに時間との勝負です。

 ベッドが入り、採血・点滴室も体裁が整ってきました。

 診察室2、通称「2診」はほぼ準備OKでしょうか。

 「1診」はまだまだごった返していたので、今回の掲載は見合わせます(笑)

 ベッドは前クリニックからの転用ですが、院長が好きな春先の若葉のをイメージして選んだとのこと。

 その中に、ポツポツと山桜が咲く景色が好きだと聞いていました。

 それで、コーポレートシンボルは、淡い緑と、濃いピンクの組み合わせとしました。

 9月24日(火)の8:30amにオープンするのですが、患者さんと戦う訳では全くありません。

 今から私にできることはほぼないのですが、「決戦は火曜日」という気分です。

 院長が好きな山桜のように、ポツポツと花開くと一番よいのですが、いきなり満開となる可能性もあります。

 朝一番、のぞきに行こうと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

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「住吉区歯科医師会館」‐10‐光こそが神、仏

 先週の昼時「住吉区歯科医師会館」に寄ってきました。
 
撮影の確認の為ですが、秋の高い空にそのフォルムが引きたちます。

 6月中旬に竣工写真の撮影をしたのですが、夕景が残っていました。

 撮影の段階になり、地面に埋め込んである照明が点灯しないことが分かったのです。

 監督にはすぐ来て貰いましたが、どうすることもできず、申し訳ないことに写真家にはその場で帰って貰ったのです。

 その後梅雨に入り、この日までずれこんでしまいました。

 暑かった夏を越えたジューンベリーは、一回り大きくなったでしょうか。

 下草のアイビーは枯れている部分もあり、猛暑の影響がこんなところにもでています。

 昨日の夕方、写真家はすでに到着していました。

 このカットが5:25pm。

 事務局の方には何度も撮影日の変更をお願いしたりで、申し訳ない限りです。

 会議の準備をしてある机を、少しの間移動させて貰い撮影の準備に入りました。

 昨日の日没は6:00pm。

 夕景は、日没から20分くらいの間が勝負です。

 6:18pm。

 光が浮き出し、良い感じになってきました。

 このあたりがメインカットでしょうか。

 6:23pmには、ここまで光は落ちます。

 最後に私も正面を1カット抑え、無事終了しました。

 撮影には私が立ち会った方が良い写真が撮れます。

 理由を説明するのは難しいのですが、一番良い写真を撮りたいと思っているのが私だからです。

 当社の人手不足もあり、全てのスケジュール調整から、現場の掃除までを私がするしかなく……

 そんなこともあり、6月の時はかなり頭にきていたのです。

 何でもそうですが諦めたら終わりです。

 敵わなければ何度も、何度もトライするのみ。ただ、それをクライアントが受け入れてくれるかは別問題ですが。

 特別な能力を持っている訳ではない私が、何とかここまでやってこれた一番の理由は「しつこさ」だと思っています。

 光によって建物がここまで表情を変えることは、いまだに新鮮な驚きです。

 そんな場面に立ち会える可能性があるからこそ、しつこく、しつこく仕事に取り組めるのです。

 昨日は、天の神さまが素晴らしい光の演出をしてくれました。

 教会のステンドグラスから落ちてくる光を神々しいと感じるように、人は光自体に神を感じるのかもしれません。

 仏教においては、山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)の通り、全てに仏性が宿るので光もまた仏です。

 いずれにしても、大きなご褒美を貰った気分なのです。

文責:守谷 昌紀

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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐10‐光という移り気な素材

 「うえだクリニック」のオープンまで、残すところ2週間となりました。


 
 外壁が仕上がり、かなり最終形が見えてきました。

 濃い茶が青い空に映えています。

 クリニックの顔とも言える受付。

 やはり人の心象に最も影響を与えるのは人です。

 来訪者が分かりやすく、またスタッフが働きやすいよう、院長と模索した受付カウンター。

 受付時に荷物を置く下段のカウンターも、綿密に設計したつもりです。

 しかし、何と言ってもこの下地です。大工の手数が見てとれますが、建築は見えないところで差がでるのです。

 6m強ある待合の吹き抜け。

 まだ、移動足場が残っていますが、明るく、開放的な空間を演出してくれるはずです。

 診察室は適切な大きさがあり、あまり大きな空間は求められません。

 しかし、院長はここでかなりの時間を過ごすことになるので、少しでも快適な空間を目指しました。

 まず、東面に小振りなハイサイド設けています。

 加えて、患者さんが座る席の横に、トップライトを設けました。

 建物の中央部はどうしても暗くなるからです。

 屋根が高い位置にあるので、見上げると煙突のような形状になっています。

 明るすぎない間接光を、安定して供給してくれるはずです。

 床の仕上げ工事に、職人が休日出勤してくれていました。

 2階では電気工事も。

 待合の大開口の前には、バルコニーのような空間があります。

 この外側に光の入り過ぎを抑えるルーバーを取り付けます。

 明るく、明るすぎない空間を求めて、建築設計の仕事を四半世紀続けてきました。

 建築に失敗は許されないので、動物が巣穴を中心に狩りをするように、少しずつ、少しずつ、その距離を伸ばしてきました。

 待合の開口部には、その経験を全てつぎ込んでいるのです。

 光という形のない移り気な素材を、どこまでリードできたのか。間もなく答え合わせの時間がやってきます。

文責:守谷 昌紀

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【Events】
■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加

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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐9‐「働くおじさん」建築現場Ver.

 先週の土日は、医療機器の搬入でした。

 3月に工事がスタートしてから8月24日(土)、25日(日)は、常に頭の中にありました。

 CT、MRIを搬入する為には、それを受け入れる準備が終わっていなければならず、それを消費税の駆け込み需要の中で実現しなければならず……

 条件のひとつは「足場がとれている」ことでした。

 塗装はまだですが、一旦足場を撤去。そんな理由ではありますが、初めて全体像を現してくれました。

 設計者の私が言うのも何ですが、手応えは十分です。

 そうこうしているうちに、CTが到着。

 てきぱきと準備が進み。

 残してある開口部を通過。

 一番奥の部屋に納まりました。

 この日に何とか間に合わせるため、付きっきりで現場に張り付いてくれた監督、大工オールスターズには心から感謝しています。

 翌25日(日)はMRIの搬入日。

 このドーナツ状の部分で5~6tonあるそうで、大きなクレーン車が待機していました。

 精密機械であり、かなり高額な医療機器でもあり、現場の緊張感が伝わってきます。

 トラックから降ろした後は全て手作業。

 特殊なレールの上にベアリングのようなものが敷きつめられました。

 その上に、ソロリとMRIのドーナツ部が乗りました。

 道路の通行許可を警察で取っての作業ですが、出来る限る速やかに終わりたいものです。

 待合を通過。

 MRI室に入ってきました。

 レールからジャッキで下し、更にベアリングを敷きつめます。

 90度回転して、所定の位置に収まったのです。

 配管の接続などは夕方まで掛かるはずですが、私はここで会社に戻りました。

 「現場日記」は、建築の出来上がっていく過程と、現場の熱気や、面白さを伝えられたら、という気持ちで始めました。

 小学校の時に見たテレビ「働くおじさん」の建築現場Ver.です。

 「♪ 働くおじさん、働くおじさん、こ~んにちは~ ♪」

 仕事を終え、充実感を漂わせて去っていくちょっと強面のクレーンオペレーター。

 責任者の腕章を巻き、汗を浮かべながらてきぱきと動き回る輸送、搬入のリーダーは誠実タイプ。

 医療機器のメーカーの搬入責任者は、工事がスタートした時からの付き合いで、この道一筋といった職人タイプ。

 無事仕事が終わった時の、ほっとした表情は誰しも美しいものです。

 ただ、それは責任の重さに比例します。

 若い時は誰もが下っ端。

 そんな顔を見て、自ら責任を取りに行く位の気概があれば、仕事人生はとても楽しいものになるはずです。

 やまはひとつ超えましたが、後ろには連山が続いています。それが仕事というものなのです。

文責:守谷 昌紀

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月721(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐8‐やま

大阪では、台風10号の影響は最小限で済みました。

外観は再びメッシュシートに覆われていますが、向かって左下、待合には大きな開口部が開いています。

MRIの搬入口として開口してあるのです。

MRI室側からみると、一直線に外が見えるのが分かりるでしょうか。

webサイトにMRIの説明がでていました。

 大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を得ます。そのため、MRIは放射線による被ばくがなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。 

画像の自由度も高く、非常に高度な、高価な医療機器です。

重さは7ton程あり、また電磁波をシャッタアウトするシールドの設置も必要で、建築との取り合い部も多岐にわたります。

工事が始まる前から、医療機器会社の担当者には定例打合せに参加して貰いました。

内装の色は院長と私で決めて良いとのことだったので、「緑の検査室」としたのですが、その搬入が今週末に迫ってきました。

現場の方は、壁面の施工が進んでいます。

目地処理をし。

クロスを貼っていきます。

この糊付け機が現場にやってきたら工事も終盤です。

朝来た時にはむき出しだった待合の吹抜けも、帰りにはクロスを貼り始めていました。

「やま」はその言葉とおり、最も困難な場面を指す言葉でもあります。

この「やま」を越えると、後は下り坂かと言えばそうではありませんが、一つ目の大きなやまがやってきました。

MRI搬入の当日、私ができることは何もありませんが、見に行ってこようと思います。

いくつやまが来たとしても、ひとつずつ越えて行くだけです。

飛行機もロケットも持っていないので、歩いて越えていくしかないのです。

文責:守谷 昌紀

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プロジェクトの進行、現場の様子をお届けします。