一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

成功も、順調もまた試練‐1659‐

 あっという間に松の内を過ぎました。

 今朝は、久し振りにキリッと冷え込みました。

 雪不足が深刻と聞こえてきますが、大学時代はウィンタースポーツに打ち込んでいた身としては寂しい限りです。

 徐々に夜明けも早くなってきました。

 「日の出の勢い」という言葉の通り、ポジティブな景色を見るのはとても気分が良いものです。

 ジョギングコースの公園で、猫が足早に駆けて行きました。そして、植込みの中にスポッと入ったのです。

 もう完全に我が家です。

 「ニャにをのぞいているんだ」と言わんばかりに睨まれてしまいました。

 明日で、1995年の阪神・淡路大震災から25年が経ちます。

 私は社会人1年目の24歳でしたが、大阪の実家で寝ていました。

 東京で働く友人から「大丈夫か?阪神高速、倒れてるぞ」とすぐに電話があったのです。

 しかし、地下鉄が止まっていると知り、「今日は仕事を休めるかも」と思ったことを覚えています。

 このあたりは著書にも書いたのですが、全く仕事のできないスタッフだった私は、正直疲弊しきっていました。

 で、震災の2週間後にクビを宣告されます。

 しかし、そのクビのお陰で失業保険が支給されました。

 震災4ヵ月後に、初めての海外フランスを訪れます。

 沢木耕太郎の深夜特急よろしく、バックパックでの旅がこれ程刺激的なものかと知りました。

 そして、ル・コルビジュエの代表作、ロンシャンの礼拝堂を見て「やっぱり建築家だ」と思ったのです。

 帰国後、拾って貰った2件目の設計事務所では、所長と意見が合わずに退所。

 1996年の6月にアトリエmを設立しました。

 私の想像ですが、あの震災がなければ、初めの所長も3月までは見てやろうと思っていたのではないかと思います。

 また、給料の安い設計事務所務めで、貯金をする習慣も無い私が、まとまったお金を手にすることも無かった気がします。

 2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、天災は多くの人生に何かしらの影響を与えるのでしょう。

 災い転じて福となす

 災難はあったが、何とかそれをも利用して幸せになれるよう頑張りなさい、ということわざですが、大きな変化がなければ、人が変わることは難しいかもしれません。

 都市計画では、天災で大きなダメージを受けた都市のほうが、10年後は発展しているという話もあります。

 苦難は試練ですが、成功も、順調もまた試練なのです。

 しかし、6,434名の命が奪われたことは事実です。罪もなく命を落とした人の分まで、精一杯生きなければそれこそ罰があたります。

 1995年1月から、何故か私の人生も急速に動き始めました。震災から25年、独立から24年。思い返せばほんの一瞬の出来事のようです。

 今から25年後は74歳。4、5人の孫がいて、そのうちの1人くらいは一緒に仕事をしてくれるでしょうか。

 会社が30年存続する確率は0.25%だそうです。この四半世紀が悔いのないよう、精一杯生きなければと決意を新たにするのです。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:スタイル別』2019年12月31日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が2位に選出

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【News】
『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出
『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

芸歴20年で、ようやく成人‐1658‐

 成人式の日本列島は、太平洋側が概ね晴れ。

 日本海側は曇天だったようですが、多くの新成人にとっては素晴らしい門出となりました。

 晴れ着姿で、足早に会場へ向かう姿も。

 妻の通う美容院では、一番早い予約は2:30amだったそうです。

 その女性にとっては長い一日ですが、より記憶に残る日になったかもしれません。

 大阪市平野区の会場は「コミュニティ・プラザ平野」。

 反り屋根と、瓦が特徴の建物ですが、日本建築家協会会長も務めた出江寛の設計。1995年の完成です。

 成人式では格式張っているからか、「成人の日 記念のつどい」となっていました。

 すでにかなり盛り上がっており、あちらこちらで鬨の声が上がっていました。

 今日はまわりに迷惑を掛けない範囲で、十分楽しんで貰えればと思います。

 私は大学を出てから、2年と少し設計事務所に勤めましたが、所長はいずれも出江寛建築事務所の出身でした。

 その関係で、この建物の担当者の方から色々話を聞かせて貰いました。

 正面にあるガラスに濃紺の部分があるのですが、現場監督にピースの空箱(タバコ)を渡し、「この色でお願いします」と伝えたそうです。

 24歳の時に教えて貰ったのですが、色も合せて「格好いい!」と思ったのです。

 再び昨年末の「紅白歌合戦」の話ですが、氷川きよしさんのステージが話題になりました。

 演歌歌手としてデビューした氷川さんの今年のステージは、白組とも紅組とも見れる衣装で、ビジュアル系パンクバンドをも思わせる、激しいヘッドバンキングも披露しました。

 以下のような記事を見ました。

 「デビューして20年。ようやく成人して次のステップ行けるのが20年。自分らしく道を切り開いていきたい」

 社会の求める役割を20年間一所懸命に務め上げ、ここからは自分らしく生きるという宣言は、格好良くもあり、心に染み入るものがありました。

 人としての成人は自然にやってきますが、職業人としての成人は、時間と共に勝手にやってくるものではないような気がします。

 実施図面のUPを控え、年始から全力モードです。

 私も芸歴26年となりました。多様性を受け入れ、大先輩に負けない立派なプロであれるよう今日もしっかり働きます。

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

85歳、職業タクシー運転手‐1657‐

 年賀状のやりとりも、ひとまず一段落です。

 家族分は、11月に慌てて行った二上山

 会社用は住吉区歯科医師会館としました。

 年賀状は減少する一方ですが、私にとっては年の節目です。

 昨年末も、いくつかの忘年会に声を掛けてもらいました。

 勿論のこと会場もまちまちです。

 ある時は、中津のお野菜BAL。

 大国町、木津市場近くの時もありました。

 阿倍野の裏路地もなかなか雰囲気があります。

 勝手知った仲間と過ごす夜は、あっと言う間に時間が過ぎて行くのです。

 私は最後まで居るのがポリシーです。(誰も求めていませんが)ひとりでも残っていれば2次会でも3次会でも。

 昨年はニューヨークで働く同級生2人が、大阪に立ち寄ってくれました。

 友人の店で作って貰ったカクテルは、ニューヨークとマンハッタン。

 とっくに終電は終わっているので、必然的に帰りはタクシーになります。

 深夜なので眠たくはありますが、出来るだけ運転手さんと話すことにしています。

 おそらく、散々自慢話を聞かされているはずなので、基本、こちらから質問するようにします。

 運転手さんの多くは鉄板ネタを持っているものですし。

 この日も「今日はどこを回っていたの」とか「いい日だった?」とか聞いていると、「お客さん、実は私85歳なんです!」と衝撃のカミングアウト。

 聞いた瞬間にもう目がパッチリ覚めました。

 急いで腰のあたりのシートベルトを確認したのです。

 免許証まで見せれくれる念の入れようで、疑う余地は全くありません。

 私がシャキっとしたのを見て、運転手さんが「言わない方が良かったですか?」と。

 「聞いても聞かなくても、結果は一緒なので聞いておいた方が良かった」と訳の分からない返答をしたのです。

 「ナビができて便利になったね」と言うと、「私は使い方が分からないんです」とも。

 どのエリア所属なのか忘れましたが、個人タクシー協会の中には、更に高齢が2人居るそうです。

 「お客さん!私はギネスに載るまで頑張るので見てて下さいね!」と、颯爽と去って行きました。

 そこまで運転が不安な感じはありませんでしたが、立ち上がりの加速は若干早めだったでしょうか。

 高齢者の運転事故が増える中、時代的には免許返納を促する雰囲気です。

 勿論その流れには賛同します。

 タクシーの運転手は別としても、働ける人はどんどん働いた方が良いと思います。

 男性の平均寿命でもおよそ80歳。あくまで平均ですから、ちょっと元気な人なら90歳くらいまでは普通に生きる時代です。

 どの新聞のコラムだったか忘れましたが「労働力不足と言うけれど、まだまだ働ける高齢者の方が沢山居るのでは」という意見もありました。

 高齢者の長所はやはり豊富な経験でしょう。反対に短所は、柔軟性を失いがちなことでしょうか。

 今年の年賀状に「高齢のため年賀状のご挨拶を今年をもちまして失礼いたしますので宜しく!!」というコメントがありました。

 あくまでも主役は現役世代。感謝とサービス精神があれば、それらも解決できるような気がするのです。

 大学の卒業時、ゼミの先生から頂いた色紙にはこうありました。

 己の立てる所を深く掘れ

 そこには必ず泉あらん

 プライベートジェットで逃げ出した、パスポートを4つも持つおじさんに、立てる所を深く掘った85歳運転手さんから説教して貰いましょうか。

 「ぜひみて欲しい!」と思える写真が撮れる1年でありますように。

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

運命は拓く‐1656‐

 今日から仕事始めの方が多いでしょうか。

 いやいや先週から働いているよ、という方も居られるでしょう。

 いずれにしても、日本列島の休暇モードは昨日までという感じです。

 1月3日に、北野天満宮を参ってきました。

 合格祈願と初詣でを兼ねてですが、6:30amから御祈祷の受付が始まるので、朝5時起きでの出発です。

 普段は朝があまり得意でない娘も、この日ばかりはスカッと目が覚めた感じ。

 彼女は子年なので年女。

 早生まれなら、年男、年女で中学受験を迎える訳です。

 長男も早生まれなので、年男だったんだと思いながら、本殿右手の社務所で受付を済ませました。

 待合室でふざけ合う兄妹ですが、基本的にとても仲が良いのです。

 6:30amの初回の御祈祷は、他にはひと家族だけ。

 長男の時もそうしたので、縁起をかついだのです。

 3年前の長男の受験時は、終盤まであまりエンジンの掛かっている感じはありませんでした。

 しかし、1月に入ると急にギアが上がり、第一志望を合格点同点で通るというギリギリセーフの結果を出してくれたのです。

 これは道真公のお導きに違いないと、今回も参らせて頂いたのです。

 3年前と同じく、鳥居の奥の東向きに絵馬を奉納します。

 娘が手が届かない感じだったので、私が結んだのですが、寒さもあり、一瞬手から滑り落ちそうになり、かなり慌てました。

 そう言えば3年前の同じ場面で、長男が絵馬を結ぶ際に地面に落としてしまいました。

 その時は何も言わなかったのですが、この日初めて「あの時、絵馬を落としたよな」と長男に言うと、「僕も覚えてる。だから国語の時、お腹が痛くなったのかな」と笑っていました。

 お腹が痛くなっていなかったら、ギリギリよりは上の点数で通ったというのが、彼のかねてからの主張なのですが(笑)

 松下幸之助、東郷平八郎、原敬、そして私の尊敬する稲盛和夫さんが影響を受けたという、ヨガの達人で、思想家である中村天風さんの著書が『運命を拓く』です。

 MLBの歴史を変えたと大谷翔平選手もこの本を読んでいるとも知りました。

 天風哲学を一言で表すなら「ポジティブ」です。

 いくつもの至言が散りばめられていますが、この例えが私はとても分かりやすかったのです。

 人間の血液の中にはバクテリアが襲ってくると直ちにこれを取り囲み、特殊な液体を注いで殺してしまうように自然にできている。

 宇宙は全て上手くいくように出来ているにも関わらず、良くないことが起るのは、全て消極的、ネガティブな考えからきていると。

 消極的な言葉も決して使ってはならないと言います。

 もし「ああ暑い、どうにもやりきれない」と言ってしまったとしたら、続けて「と昔は言ったけれど」とすぐに打ち消しておけばよろしい、とまで書かれています。

 これを読んだ時、思わず笑ってしまいましたが、私達のような一般人にもできる救済法が書かれていることに、より迫力を感じました。

 元々私も、決してポジティブな方ではありませんでした。批判的な意見を常に口にする論客のような人を格好良いとさえ思っていたこともありました。

 しかし今は全くそう思いません。それはカウンターカルチャーのようなもので、時代を動かすことはないと思っています。

 先日も長男に「ネガティブな言葉は絶対使ってはいけない」と言うと、「僕、ネガティブな言葉は使わないよ」と。

 スマホの呪縛から何とか解き放たれて欲しいと思っていますが、確かに、彼がネガティブな言葉を使っているのを聞いたことがありません。

 お金の使い方が分かるまで三代掛かると言いますが、彼も本気でポジティブを実行してくれたら、孫は正真正銘のポジティブとなってくれるでしょうか。

 孫の前に、まずは娘に幸運が訪れますように。

 しかし運命は自らの手で拓くしかありません。善きことを思い、善き行動をすれば、結果がついてこないはずなど無いと信じています。

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夢をたくした500円玉を‐1655‐

 新年明けましておめでとうございます。

 今年は娘が受験生につき、正月を大阪で過ごしています。

 それでは長男が暇だろうと、阿倍野へ映画を観に行っていました。

 あべのアポロシネマが入るアポロビル。

 1972年の完成で、関西が誇る巨匠・村野藤吾の設計です。

 正面のガラス横にあった有機的な装飾が特徴でしたが、すっかり普通の壁に変わっていました。

 あべのハルカスの場所にあった前・近鉄百貨店も村野の設計でした。

 残念ではありますが、築47年の建物が残っていることを喜ぶべきでしょうか。

 長男のリクエストは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。

 スター・ウォーズシリーズは1977年のスタートで、私達はど真ん中世代ですが、あまり観たことがありませんでした。

 長男は友人の影響で、順にシリーズを観ているので、軽くレクチャーをして貰いました。

 内容には触れませんが、少女が宿命を背負い、世界のために戦う姿は、『風の谷のナウシカ』も同じモチーフです。

 主役のレイは、気高く、極めて美しかったのです。

 相関関係があまり分かっていない私でも、文句なしに楽しめました。

 大晦日も自宅に居たのですが、ほぼ初めて『紅白歌合戦』を観ました。

 娘はテレビを我慢しているのですが、ビートたけしが歌うという記事を読み、「その時間帯だけ観てもいい?」と相談したのです。

 22:00頃にテレビを付けました。

 漫才師、芸人、俳優、映画監督、文筆家……と多くの顔をもつビートたけしですが、子供の頃からヒーローでした。

 深夜ラジオの「オールナイトニッポン」は、1981年から10年間、ほぼ全て聴いたと思います。

 そんなことを熱く語ると「ところでどこが面白いの?」と聞かれることもあります。

 面白くないという訳ではないのですが、正直私も答えられません。

 好きなことをして、人に求められ、成功して行く姿が、ただただ格好良かったのです。

 テレビ番組だけでなく、本もCDも買っていました。

 一番好きな曲が『浅草キッド』でした。

 最近はテレビ番組をあまり観ないので、久し振りに観たビートたけしは、幾分太っていましたが、年輪とともに、歌声は深みが増している気がしました。

 オケがよく聴き取れていないのか、先走ってしまう部分もありましたが、やはりとびきり格好良かったのです。

 この曲は、明治大学を中退し、浅草のフランス座で貧乏をしていた時代の元相方を歌ったものです。

 朴訥とした、真面目な詞がなんともよいのです。

 夢をたくした100円を 投げてまじめに拝んでる

 今でも時々500円玉を投げて拝むのは、この詞があったからです。

 夢はすてたと言わないで 他に道なき2人なのに

 「自分が売れたということに罪悪感がある」というコメントもありましたが、司会の内村光良が涙ぐんでいるのも印象的でした。

 私の勝手な結論です。

 芸人は面白いのは当たり前で、顔が命だと思います。

 作家・開高健はこんなことを書いていました。

 モンゴルでは風の生まれ変わりと信じられる馬を駆る少女の姿を見て「自らの美しさに全く気が付いていないその姿が美しい」と。

 うる覚えなのですが、よく分かる気がします。

 どう見えるとか、どう見て欲しいとか、そんなことを全て忘れるくらい懸命に生きる姿が美しく、格好よいのだと思うのです。

 何か宿命を背負っている訳でもありませんが、俳優になれるような顔を持っている訳でもありませんが、今年もひたむきに、懸命に生きたいと思います。

 2020年も宜しくお願いします。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:スタイル別』2019年12月31日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が2位に選出

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

2019年 暮れは元気にご挨拶‐1654‐

 30年続いた平成から令和へと元号が変わった2019年。残すところ1日となりました。

 今年最後の日記は、勝手ながら私の1年を振り返ってみます。

1月 憧れのウェーデルン‐1549‐

 2019年の初日の出は、霊峰・御嶽山の麓から望みました。

 長男はボード、娘はスキーの腕を随分上げたなと感心したのです。

2月 運命のルーレット‐1562‐

 久し振りに「サロンのある家」に寄せて貰いました。

 竣工して13年が経ちましたが、こちらのクライアントには、本当に色々な事を教えて貰いました。

 この日も子供にお土産を頂いてしまったのです。

3月 サヨナライチロー‐1573‐

 不世出の天才打者、イチローがついに引退しました

 MLBに居るあいだに、観戦に行けなかったことに悔いが残ります。

 磯崎新が日本人として8人目のプリツカー賞を受賞したのも3月でした。

4月 毎日がスペシャルで記念日‐1574‐

 「さかたファミリー歯科クリニック」が、『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』に掲載されました。

 物創りが私の仕事です。

 そして、本気のクライアントと出会うため、出来上がった作品を発信し続けるのです。

5月 子供は鏡で未来‐1584‐

 娘が小学6年生になり、中学受験をするので旅行はゴールデンウィークまで。

 時々喧嘩もしますが、とても仲がよい兄妹です。

 子供は社会の鏡で、人類の未来。その基本は家庭にあることを肝に銘じておかなければなりません。

6月 私の年輪‐1597‐

 「Ohana」は2009年の竣工です。

 今年も恒例のBBQに呼んで貰いました。

 年輪は冬の成長が遅い部分が濃く見えるもの。

 労苦を伴わない仕事はありません。作品こそが年輪なのです。

7月 取材大好き‐1602‐

 何度も取材を受けて貰っている「回遊できる家」

 それでも奥さんが「上の2人は取材が大好きですし、守谷さんが居なかったらこの家はできていませんから」とまで言っ下さり……

 創り手冥利につきるのです。

 この日の取材は、9月30日発売 の『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』掲載されました。

8月 心の空き地にも水やりを‐1613‐

 20世紀初頭の啓蒙思想家、ジェームス・アレンは言いました。

 心という庭に、美しい花の種を植え、雑草を抜き、水やりをし、手入れをしなければ、花が咲くことも、実がなることもないのだと。

 美しい花の種は、美しい心からしか生まれてこないのです。

9月 ペリ追悼「建築は建築家よりも大切で、都市は建築より大切なもの」‐1625‐

 アルゼンチン生まれの建築家、シーザー・ペリが今年の7月に亡くなりました。享年92歳。

 9月にペリの作品、国立国際美術館で開催された「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」へ行ってきました。

 「都市は建築よりも大切で、建築は建築家よりも大切なのだ」

 当たり前のことを、完全に理解しているからこそ一流なのだと思うのです。

10月 香港・マカオの旅① <摩天楼、スターフェリー編>‐1630‐

 沢木耕太郎の「深夜特急」は、バックパッカーのバイブルと言われます。

 私も沢木ファンで、殆どの作品を読んでいると思います。

 そのスタートの地が、香港。

 若き日の沢木青年が夢中になった街は、期待を裏切りませんでした。

 ② <マカオ、100万ドルの夜景編>③ <美食の都と動乱編>④ <さよなら香港、人と街と建物編>と、4回に分けてUPしました。

 I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル」がひときわ美しかった香港。平静が戻ることを心から願います。

11月 地獄からの復活-1640‐

 近年、マツダのデザインが随分良くなったなと思っていました。

 「モノ造り革新」を推進、成功させた金井元会長は、当時どん底だった社内には「どうせ」という負け犬根性が蔓延していたと言います。

 そこで鼓舞するのです。

 弱者でも誇りは高くあれ

 少し手を加えさせて貰い「弱者こそ誇り高くあれ」だと書きました。

12月 お目が高い!‐1645‐

 houzzという建築の専門家紹介サイトで、「中庭のある無垢な珪藻土の家」のキッチンが、日本で5番目に多く保存されたということでした。

 特別なことをした訳ではないですが、地道に綿密にクライアントと創り上げたキッチンが選ばれたことがとても嬉しいのです。

 見る人は、必ず見てくれていると、自信になるのです。

 2019年の2月。10年務めてくれた田辺さんが産休に入りました。

 出産の前日まで仕事を務め上げてくれ、できる限りのことをしてくれ、本当に感謝しかありません。

 新入社員も数名採用しましたが、最も長く勤めてくれた女性で3ヵ月。1ヵ月未満の人も数人居ました。

 多くのオファーを頂き、それに何とかお応えするために、設計・監理に関しては私一人で全ての仕事を担当させて貰いました。

 チームを構成できなかったことは、自分の未熟さ故と反省しています。

 しかし、私が何かを譲歩して迎え入れることもないのだろうなとも思います。

 そんなことがこの時代に成立するのかしないのか、真剣勝負はこれからも続きます。

 ある同業の方が「日記、時々拝見しています。守谷さんの頭の固さがよくでていますよ」と。

 決して悪意ではなく、良い意味でとのことでした(笑)

 今年の状況は、ある程度予想出来ていたので、個人としての標語は以下のように決めていました。

 時間は命、全ての瞬間を全力で

 これを完全にできたということは、勿論ありません。ただ、気持ちとしては1年間持ち続けてきたつもりです。

 来年も、全く同じ気持ちで望むほかありません。「運命は勇者に微笑む」というジェフリー・アーチャーの言葉を信じて……

 今年もこの日記、そして現場日記にお付き合い頂き、誠に有難うございました。

 皆様にとって、2020年も素晴らしい一年となりますことを確信しています。

2019年12月30日 守谷昌紀

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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「風情」は凄い‐1653‐

 先週木曜日に、「ならまち」を訪れたことを書きました。

 奈良市観光協会のwebサイトにはこうあります。

 ならまちは世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域を指します。

 奈良の町屋全体をそう呼ぶのかなと思っていましたが、エリアを指すものでした。

 電車で言えば近鉄奈良駅から南の商店街を抜けたあたり。

 コンビニも町屋に入っています。

 三条通り沿いにある南都銀行本店。

 東京駅や奈良ホテルの設計で知られる、辰野金吾の弟子、長野宇平治の設計。多くの銀行を設計しています。

 「南都と呼ばれる社寺のまちから商業のまちへと変化していき、現在に至る」という説明もありました。

 銀行名はここからきているようです。

 広い間口の家が多く、これは京都と反対。

 ゆったりした雰囲気なのは、このあたりが影響しているでしょう。

 風習として残るのが「身代り申(さる)」。

 「庚申(こうしん)さん」のお使いである申をかたどった魔除けが軒に吊るされています。

 家の中に災難が入ってこないよう身代わりになって貰うのですが、背中には願い事も。

 良いも悪いも背負って貰い、申し訳ない感じがしなくもありませんが。

 普通の店舗にも吊るされているのが、何だかホッとします。
 

 中心である元興寺(がんごうじ)まで南に下ってきました。

 現在の何倍もの規模を持っていたようで、ならまちエリアがほぼ境内だったそうです。

 東門の先に見えるのが、国宝・極楽堂です。

 この日は来訪者も少なく、ゆっくり見ることができます。

 南に回ると、寄棟屋根であることが分かりました。

 石仏・石塔群の「浮図田」。

 石は語らずとも何かしらの意思が伝わってくると感じるのは、決して言葉遊びではありません。

 西隣に建つのは禅室。こちらも国宝です。

 極楽堂を見返すと、西面屋根の一部は色が違うのが分かります。

 元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたお寺です。

 その法興寺(飛鳥寺)は、日本最初の本格的伽藍を持つ仏教寺院で、聖徳太子と同時代を生きた蘇我馬子が593年に創建しました。

 この部分の屋根瓦は、その頃の物で1300年の時を超えて存在する「日本最古の屋根瓦」なのです。

 現存する世界最古の木造建築は法隆寺ですが、建立が607年で、火災よって再建されたのが8世紀。

 木材としては元興寺の方が古いものだという研究もあるそうです。

 それだけの風格、風合いを感じさせるものでした。

 先日の「M-1グランプリ」でも審査員を務めたダウンタウンの松本人志さん。

 彼のコメントは常にニュースになる程、最も影響力を持つ芸人です。

 その彼に誘われて放送作家になったという高須光聖さん。自身のwebサイトでこんな事を書いていました。

 「風情」は凄い。これは日本独自のもの。同じアジアの国々にも無い。

 この黙して語らぬ凛とした空気。なんとも言えぬ落ち着いた感じは日本という国にしか存在しない。

 これはたった一軒だけでは作れないここに住む多くの人が、店が、個々で感じ取って景観を作っている その一体感が風情を作っている。

 まさに空間が作り出す共同芸術なのかも。

 メモに2007年とあるので、今も掲載されているのか分かりません。また、一字一句合っていないかもしれません。

 「ダウンタウンがいなければ……」などと言う人も居ますが、彼が関わってきた番組のキャリア、そして文章を読んでいると、間違いなく一流の香りがします。

 それは、元々才能があったのか、放送作家という過酷な仕事が彼を鍛え上げたのか、幼少期から知る松本人志の影響なのか……

 おそらくその全てだろうと想像しています。

 建築においてはプロですが、風情をここまで的確に、平易な言葉で表現するのは簡単ではありません。

 街だけでなく、人の能力も感性も、ひとりでに出来上がるものではないと感じます。

 大阪で暮らし、京都で学び、奈良で風情の奥行きを知る。

 社会に対して、周辺に対して、良い影響を与えられる仕事人でありたいと思うのです。

 ただ、あれはどう考えてもコーンフレークですが。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
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『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

アンフィールドが欲しい!‐1652‐

 昨日の日曜日は大寒でした。

 寒さはこれからが本番ですが、日が長くなっていく分岐点でもあります。

 その未明、クラブワールドカップの決勝戦があると知り、テレビで観戦していました。

 各大陸のクラブ王者が世界一を争う大会ですが、ヨーロッパ王者のリヴァプール(イングランド)と、南米王者のフラメンゴ(ブラジル)の対戦でした。

 イングランド・プレミアリーグで、2年連続得点王のモハメド・サラーはエジプト出身。

 また同チームのサディオ・マネも昨季の得点王で、セネガル出身。

 見覚えがあるなと思っていたら、2018年のワールドカップで日本と対戦し、ゴールも決めた選手でした。

 試合は延長戦で、ブラジル人のロベルト・フィルミーノが決めたゴールでリヴァプールの勝利。

 見事クラブ世界一に輝きました。

 試合後、香川真司も見出したユルゲン・クロップ監督が選手と抱き合っているシーンが印象的でした。

 解説によると、彼は試合後には全ての選手に対してこういった表現をするそうです。

 プレミアリーグ優勝まで上り詰めたドイツ人監督はとても笑顔がチャーミングな人でした。

 さすがに世界最高峰のリーグに、国籍などという縛りは関係ないのです。

 熱狂的で知られるリヴァプールのサポーターも歓喜の声を上げていました。

 その本拠地がアンフィールドです。

 このワールドクラスの選手が揃う中に、南野拓実選手が移籍する訳ですから、サッカーファンならずともその活躍を期待せずにはおれません。

 あまりサッカーに詳しくない私が、いくらかリヴァプールのことを知っているのは、「千葉の家」のクライアントに教えて貰ったからです。

 写真も計画の初期段階で送って貰ったものでした。

 「千葉の家」のファサードは、レンガの壁、大きな開口、そして金属屋根で構成されています。

 クライアントからの要望は「アンフィールドを作って欲しい!」でした。

 エントランス正面にあるジグソーパズルもアンフィールド。

 階段を上がると、マジックミラーの後ろにあるのがキッチンとダイニングです。

 幸いにも北向きだったので、思い切った大開口がとれました。

 南に向かって天井の高いリビングがありますが、ロフトを備えています。

 ここはご主人の趣味の部屋であり、サッカーミュージアム。

 「リヴァプールは夢、レイソルは生活」とはクライアントの言葉です。

 日本に居る時は、柏レイソルの熱心なサポーター。

 そして数年に一度、アンフィールドまで実際に応援に行くのです。

 その経験の中で「家を建てるならアンフィールドのような外観がいい」と思うようになったそうです。

 実際のスタジアムにも、試合に向かう選手が「バンッ!、バンッ!」とパネルを叩いてからピッチへ出ていく空間があるそうです。

 「○○みたいな家がいい」と聞くと、「何かを模すのではなく、唯一無二のものにしませんか」と思います。

 しかし、こちらのクライアントと話しをしていると、アンフィールドこそが世界一なのだと分かってきました。

 その中で、住宅のスケール感に抑え込み、素材の良さを引き出すことに腐心したのが「千葉の家」です。

 広辞苑で「モチーフ」を引くとこうあります。

 絵画・彫刻・小説などにおいて、表現の中心的な動機となるものごと。

 おそらくこの計画においては、表現の中心ではなく、アンフィールドは家を建てたいという動機まで担っていたと思います。

 昨年、「千葉の家」にテレビ取材のオファーがあり、少しやり取りをして以来お話しはしていませんが、昨日は祝杯を上げられたと思います。

 世界中のリヴァプールファンに心からお祝い申し上げます。

 これが私とリヴァプールを繋ぐ唯一のストーリーですが、人の縁とは不思議なものです。

 千葉からクライアントが訪ねてきてくれなければ、朝方までテレビの前で応援することは無かったと思います。

 今年もついに10日を切りました。

 顔上げて、世界を見てラストスパートです。

 私だけがワールドクラスになれないという法律はありませんから。

 

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静寂の価値‐1651‐

 今日は朝から奈良へ行っていました。

 猿沢池から南へ向かって歩くと「ならまち」エリアです。

 この付近をしっかり歩いたのは初めてですが、江戸、大正の町屋がかなり残っています。

 これだけ密集しているエリアはあまり見たことがありません。

 奈良市も保存に力を入れており、無料で入れる所が沢山あります。

 この「ならまち格子の家」もそのひとつ。

 通り土間にはカマドがありました。

 光庭は、街中でくらす工夫です。

 世界遺産、元興寺についてはまた回を改めて。

 訪問の目的は、ならまちエリアにある写真家の事務所を訪れるためでした。

 DIYだとのことですが、良い感じで仕上がっています。

 近頃何かと話題になるドローン。

 ミニヘリコプターにカメラを取り付けるのだと思っていたら、空飛ぶカメラがドローンだと教えて貰いました。

 このドローンとても賢いそうで、障害物があると近づかないそうです。

 またこれで撮影をお願いすることもあると思います。

 先月末、2016年の11月まで働いてくれたマルコがイタリアから遊びに来てくれました。

 食事にも行ったのですが、話すのに夢中で写真を撮るのを忘れてしまいました。

 初めて会ったのは、「黒壁の家」の3ヵ月点検だったと思います。

 こちらのお家は、西日をさけるために正面は閉じ、F字プランとなっている中庭に開いています。

 中庭に沿うように配置した洗濯室のトップライトが見えています。

 これは竣工時の内部。

 花粉症がひどいという奥さんが、何とか室内で干したいというリクエスから考えたものです。

 5月だったので、中庭には鯉のぼりが飾られていました。

 ミニマルなデザインの建築は、海外には多くないので、マルコにとっても面白いだろうと考え、この作品を選んだのです。

 メールで働きたいというオファーを貰ったのが2014年の春先でした。

 何度かやり取りをし、一度会おうということになりました。彼は28歳くらいだったと思います。

 今はイタリア北部の故郷の町で、建築家として設計事務所で働いており、条件には十分納得できているとのことでした。

 その事務所には数人のスタッフが居るのですが、ある人がラジオのボリュームを結構上げたがるそうです。

 当社のラジオは音が聞こえるか聞こえないか位の大きさに設定しています。

 自然の中で無音はないし、緊急事態の際はラジオの音が大きくなるので気付く事もできる。そんなギリギリを狙って私がセットしているのです。

 マルコは「あの位が、仕事に集中するには丁度良い」と言っていました。

 この年始に、建築士の資格を持ったキャリア10年位の女性が就職希望とのことで、入社試験を実施しました。

 アトリエ出身ではないので、デザインは別としても、実際の図面も描けそうですし、建築確認申請の経験も十分に持っていました。

 試験終了後、私が雇用できる条件を提示しましたが「もう10歳若ければお世話になりたかったのですが」という返事でした。

 それぞれの人生なので、全く問題ないのですが、その後の雑談の中で「ラジオの音がなぜあんな中途半端な大きさなんですか」という質問がありました。

 説明はしましたが、マルコの話しを聞いた時、やはり人は落ち着くべきところに落ち着くんだなと、思ったのです。

 仕事場は創造の場です。心を落ち着けて考える場で、静寂は必須だと考えています。

 それらの意味も込めて「アトリエ」なのです。

 電話、fax、メール、ライン、メッセンジャー等々、ありとあらゆる連絡手段ができました。

 私が「ラインは入っていない」というと、化石みたいに言われるのですが、会社の電話とメールをしっかりケアするほうが断然大事だと考えています。

 静寂に価値があることを理解してくれる人。また、そんな中で、建築や空間のことを考えることが喜びだという人が、日本には必ず居るはずです。

 6千万人のイタリア人の中にも居たのですから。

 何人にせよ、そんな人に届くまで創作を続けるしかありません。

 庭木の中に淡桃の花が咲いており、まさかもう桜?と思って見に行くと十月桜でした。

 建築も写真も自然も、黙して語らないもの。寡黙な彼らを私が好きなだけかもしれません。

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この素晴らしい自由‐1650‐

 大阪平野から東に見える生駒山地。

 紅葉で全体が朱に染まり、さながら西遊記にでてくる火焔山のようです。

 行ったことは無いのですが(笑)

 久し振りに、信貴生駒スカイラインを走りました。

 料金所で「片道ですか」と聞かれたので「真ん中あたりで戻ってきます」と。

 それでも往復料金となり1950円だそうです。

 意外とするんだなと思いながらも、そこはニコッと笑顔で。

 紅葉のピークは過ぎていましたが、落葉してすぐのようです。

 真っ赤な絨毯が敷き詰められているようで、それはそれで美しいものでした。

 山の稜線を走るので、どちらにも景色が開けています。

 大隅半島先端の佐田岬もこんな景色だったかなとか、淡路島の鳴門岬の景色も良かったと思い出していました。

 途中、鐘の鳴る展望台という場所があります。

 プラス12mということは4階建ての建物くらい。

 一番張り出した先端に展望台があるのですが、もう下を見れずで……

 アングルを考える余裕もありませんでした。

 まずは北を向いて、何とかシャッターを切りました。

 続いて西の大阪平野。

 景色は最高ですが、高い所が苦手な私には刺激が強すぎました。

 帰り道の途中に「とっくりダム」と言う名のダム湖を見つけました。

 面白い名前だなと思い立ち寄ってみると、こちらは紅葉を湖面に映して2倍の美しさ。

 晩秋から初冬にかけての景色もまもなく終わりです。

 火焔山は中国新疆ウイグル自治区のトルファンに実在する山です。

 中国はこういった辺境の地の抗議活動を弾圧し、再教育の名のもとに強制収容していると報道されています。

 10月中旬に香港へ行った際に訪れた香港理工大学です。

 この時点でも反抗の張り紙が敷き詰められていました。

 私はザハ・ハディド設計の建物を見るのが目的でした。

 建物、空間共に圧倒されましたが、この建物を実現させた香港の豊かさも、併せて実感させられます。

 それは香港の自由貿易がもたらしたものに間違いありません。

 先だって、警察は構内に立てこもる学生を強制排除するという実力行使にでました。

 新疆ウイグル自治区の事も含めて、世界が中国に目を向けざるを得ない状況となっています。

 京セラ名誉会長の稲盛さんから、先の大戦について、こんな話を聞かせて貰いました。

 戦時中、アメリカは自由主義だといっても男も女もチャラチャラしている。

 勇敢に戦うのは日本人だけだであって、アメリカ人なんてちょっと脅かしたらすぐに逃げていく。だから竹槍でも十分戦えるんだと教えられた。

 しかし実際のアメリカ軍は強く、日本は敗戦、降伏することになります。

 戦後、終盤の激戦の中でもアメリカ兵が体を張って突撃していく実写フィルムを見たそうです。

 実際には満足に英語を話せない者さえいるアメリカ軍を一つに集結させたものは何だったのか。アメリカ人に聞いてみたそうです。

 すると「このアメリカほど自由な国はない。英語が話せなくても、肌の色が違っても住むことができる。この素晴らしい自由を失ってもいいのか、という大義名分があった」と。

 この話を聞いて、初めて日本が負けたことに納得しました。

 香港に人とお金が集まったように、人は自由が大好きです。

 強制や、規制が好きな人など居ません。それが持続することがないのは、歴史を見れば明らかです。

 人は権力を握ると、そんなことまで忘れてしまうのか、自分だけが特別だと思いたいのか……

 しかし、自由と責任は表裏一体です。

 感謝と覚悟をもって「この素晴らしい自由」を謳歌したいと思うのです。

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