2018年 暮れは元気にご挨拶‐1548‐

 2018年も残すところ12時間程となりました。

 年の瀬という表現がありますが、「瀬」とは川や海の流れのはやい所を指します。

 新年へ向かって、慌ただしく時の流れが加速していくかのようです。

 勝手ながら、私の2018年を振り返ってみます。

1月 家族で47都道府県制覇<美しくも大変だった山形、杜の都仙台編>‐1445‐

 昨年末に宮城県にフェリーで到着。

 10年かけて家族で47都道府県制覇を達成しました。

 元旦は山形の蔵王へ移動。美しき樹氷から2018年はスタートです。

2月 ジェットコースター卒業します‐1458‐

 娘の誕生月の恒例としている遊園地行き。

 USJのフライングダイナソーに乗り、私にはもう無理だと感じました。

 ジェットコースターは卒業します。

3月 手のひらの中の小宇宙‐1462‐

 就職先に、樂焼の本が置いてありました。

 ずっと気になっていた、「樂美術館」を初めて訪れたのです。

4月 男のロマンⅡ‐1474‐

 毎日放送『住人十色』「回遊できる家」が放映されました。

 このリノベーション計画は、沢山のメディアに取り上げて貰いました。

5月 これが私の生きる道‐1486‐

 今年も6件の竣工写真を撮らせて貰いました。

 この日記もそうですが、どこかで、誰かの目に触れることを信じて、描き、創り、撮り続けます。

6月 ジューン・ブライド 祝辞 ‐1490‐

 今年の6月、10年間私の下で働いてくれるスタッフが結婚しました。

 思ったことをそのまま伝えられる場面はどこにでありそうで、そうないことだと思ったのです。

7月 日本最強の城で、開高の言葉を思う‐1502‐

 本当に暑かった今年の夏。日本最強の城で、開高の言葉を思いました。

 無駄をおそれてはいけないし、無駄を軽蔑してはいけない。何が無駄で何が無駄でないかはわからないんだ。

8月 しまなみ海道をめぐる<大三島で暮らす編>‐1511‐

 今年は、脱走くんのおかげでよく名前を聞いたしまなみ海道。

 ここで暮らす後輩の家を訪ねました。

 自由とは簡単で難しいものだと分かります。

9月 困難克服ゲーム‐1515‐

 甚大な被害をもたらした台風21号。「Ohana」のオリーブも倒れてしまいました。

 それでも人は逞しく生きるしかないのです。

10月 日本最古の「道」‐1530‐

 最古の神社と大神神社(おおみわじんじゃ)が言われるなら、最古の道とされるのが「山の辺の道」。

 魯迅の言葉を引いてみました。

 もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。

11月 一生に一度、大阪ガス『住まう』‐1539‐

 大阪ガスの機関紙『住まう』の巻頭特集に「中庭のある無垢な珪藻土の家」が掲載されました。

 巻頭特集は2010年の「池を望む家」以来。クライアントの好意あってこそのことなのです。

12月 人生道場、終焉‐1541‐

 2007年に入塾させて貰った「盛和塾」

 塾長である稲盛和夫さんから、人生哲学、経営哲学を説いて貰いました。しかしご高齢となり、来年で解散することが発表されました。

 「利他の心をもって、世のため人のために貢献されますことを祈っています」のメッセージに何としてでもお応えしたいと思うのです。

 今年は豪雨、震災、台風と、建築業界にとっては常に人手不足の1年でした。

 先週の金曜日、年末最後の現場を回ってきました。

 塗装の仕事は養生がひと仕事です。

 年が押し迫ったなか、多くの職人が自分の仕事を全うするために働いています。

 職人が仕事をするとき、腰が引けている人はいません。

 当たり前ですが常に前のめり。

 一時代前なら、仕事さえあれば喜んで建築会社は競争見積りに参加してくれました。

 しかし、時代が変わりつつあることを強く感じます。

 多くの若者が現場仕事を避ける傾向は変わらないでしょう。

 胸を張れる仕事がしたければ、それを一緒に目指してくれるパートナー、建築会社や職人が必要です。

 そういった人達に「守谷と仕事をしたい」と言わせられなければ、当社の成長もないでしょう。

 特別な能力がある人などそうは居ませんし、仕事に貴賤はありません。私も同じように前のめりで生きていくしかありません。

 2018年も、この日記、並びに現場日記にお付き合い頂き、本当に有難うございました。

 皆さんにとって、2019年も素晴らしい一年となることを確信しています。

2018年12月31日 守谷昌紀

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

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大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

ハッとして!Good‐1547‐

 小さい頃は野球少年でした。

 小学4年のときに少年野球のチームに入りました。

 小学5年からポジションはサード。守備には自信がありました。

 打順は3番を任せて貰いましたが、守備に比べるといつも手探り。

 小5の大会での写真ですが、この黄色のスポルディングというメーカーのバットはよく覚えています。

 グリップが太く、バットコントロールがとてもしやすいのです。

 確かこの日は左中間に三塁打を打ったはず。この写真はチップですが(笑)

 中学も野球部で、私は後列の右から6番目。

 ショートを任せて貰い、打順は2番でした。

 グローブはミズノの青カップで、来年監督に復帰する「原モデル」でした。

 手になじみがよく、先端のフォルムがとても気に入っていました。アマニ油で、ピカピカになるまで手入れしていました。

 しかし、坊主頭がどうしても嫌で、私の野球人生は中学まで。

 出来れば長男にも野球をして欲しく、父が手作りのバットをつくってくれました。

 2歳頃のことで、引きずって遊んでいるだけでしたが。

 その甲斐あってか、小6の時から父と私の3人で朝キャッチボールとバッティング練習をすることになりました。

 塾もあり、チームに入りたいとは言いませんでしたが、左打ちで足も早く、左中間に強い打球を打てます。

 結構才能があるのではと思い、時々バッティングセンターにも連れて行きました。

 バットもミズノのビヨンドマックスという、結構な値段のものを与えたのです。

 しかし中学では卓球部に。

 クラブが休みの日も練習に行くぐらい好きなスポーツが見つかり、とても嬉しいのですが。

 ミズノは大阪本社のスポーツ用具メーカーです。

 本社は南港のATCのすぐそば。

 頂部はMのフォルムをイメージしたデザインなのでしょう。

 「商品は人が手にして喜ぶもの。道具は人が手にして使うもの。遊びはいっさい不要」

 元ミズノのバット職人、久保田五十一さんが落合博満選手からこのことを学んだことだそうです。

 久保田五十一はシアトル・マリナーズのイチロー選手、元ヤンキースの松井秀喜選手のバットづくりを担当し「現代の名工」にも選ばれています。

 ご自身は硬式野球をしたことがないので、疑問に感じたことを素直に聞くことができたのが良かったといいます。

 中でも落合選手は師匠のような存在だったそうです。

 彼が養老の工場に来たとき、素材選びから外していた木を拾い、なぜこんないい顔した木がだめなのと問われたそうです。

 その木は木目が乱れており、社内規定によって外していたもの。

 落合選手は「バットは棒のようにではなく、ムチのように使うんだ。それには見た目よりも、しなりや粘りがある木がいいんだ」といいました。

 その時にハッと気づいたそうです。バットは「商品」ではなく「道具」なんだと。

 以前から建築を商品だと言われると、違和感を持っていました。

 建築は人生を楽しむための、幸せになるための道具なのです。

 また、一流の人は「ハッした」という表現を、皆口にするような気がします。

 真理というものは、どこにでも埋もれているはずです。しかし、何かのきっかけでそれが顔をのぞかせます。

 そのことに気付くためには、素直であることや、常に興味や向上心を持っていることが大切なのだと思います。

 かなり懐かしいですが、トシちゃん(田原俊彦)の歌に「ハッとして!Good」というタイトルがありました。

 まさにその通り。ハッとできることがGoodなのだと思うのです。

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笑いこそが大人のふるまい‐1546‐

 土曜日の夜は、忘年会があり京橋へ。

 月がとても美しく、グランシャトー越しに撮ってみました。

♪ 京橋は ええとこだっせ

 グランシャトーが おまっせ ♪

 でおなじみです。

 B級感だたよう耳に残るCMでしたが、今も流れているのでしょうか。

 私が設計をさせてもらった写真スタジオ「Ohana」

 その店長である石井さんが選んだ会場も「OHANA」。オハナはハワイ語で家族、友人、大切な人を意味します。

 名は体を表すで、とってもフレンドリーなお店でした。

 鉄板焼きとありますが、刺身、お好み焼きと、つまみになりそうな物なら何でもあります。

 お酒も進み、楽しい夜はあっという間に更けていくのです。

 名物とあったホルモンうどん。

 外れのはずがありません。

 名前につられて頼んだ「AKB」。

 厚く、切った、ベーコンだったかな。一本とられました。

 IPPONグランプリは、大喜利のチャンピオンを決めるお笑い番組です。

 大喜利は「笑点」でおなじみですが、より格好良く、スタイリッシュな演出になっています。

 M-1グランプリや、キングオブコントなど、芸人の真剣勝負を観るのが大好きなのです。

 5名ずつ2グループに分かれ、それぞれの勝者が決勝を戦います。

 審査は参加していない5名の芸人がするのですが、それぞれが2ポイントずつ持っています。全ポイントを獲得すると「IPPON」となります。

 大会チェアマンとして別室のモニターで解説するのが、ダウンタウンの松本人志。

 好き嫌いはあると思いますが、日本一の芸人であることは間違いないでしょう。

 彼は審査には参加せず、副音声のような立ち位置で解説をします。

 「笑い」というあやふやなものを、細分化して、明確に解説できることにまず驚きました。

 また、解説なのですが、その中でも確実に笑いをとっていきます。解説芸となっており「今のはどうだった?」と彼の意見を待っている自分がいるのです。

 オープニングも照れながらですが「笑いのカリスマまっちゃんです」と入りました。凄いとしか言いようがありません。

 実は、古い知り合いに「昔は暗かったもんな」と言われたことがあります。

 大阪人なら誰でも、多少はしゃべりに自信を持っているものです。私もしゃべるのは大好きですし、楽しませるのも大好きです。

 しかし、暗かったと言われハッとしました。

 悲観主義は気分によるもの、楽観主義は意思によるもの

 フランスの哲学者、アランはこう言っています。

 また「悲観主義は幼稚であり、楽観主義は大人のふるまいとも言える」ともあります。

 笑いと楽観主義はイコールではありませんが、笑いやユーモアこそが大人のふるまいなのです。

 私にとっても、多少ですが人生が好転しはじめたきっかけがあったとすれば「何があっても下がらない」と決めた時だと思います。

 いつもどんな時でも楽しい人などいません。明るい人は、そうすると決めているだけなのです。

 庭木のモミジは、先週まで目を楽しませてくれました。

 しかし、土曜日の雨でほぼ終わり。

 ようやく本格的な冬に入っていきます。

 今日は祝日のクリスマスイブ。家族へのプレゼントは私の笑顔……いらんわって言われるでしょうが。

 それではよいクリスマスを!

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アールエイチマイナス‐1545‐

 大阪を南北に貫くなにわ筋。

 道幅もあって、比較的走りやすい道路です。

 スタッドレスタイヤへ交換するのに、毎年ディラーへ向かうのが12月初め。

 丁度この時期がイチョウの見頃なのです。

 先週、御堂筋を通るとピーク寸前という感じでした。

 同じ大阪市内で、2筋東に離れているだけなのに、かなり差があるものです。

 12月半ばを過ぎると、年賀状のことが気になりだします。

 2002年頃、こんなメールが友人から回ってきました。

 「知り合いが手術をするのだけれど、血液型がO型のRhマイナスで、非常に数が少ないのです。知り合いでRhマイナスの方は居ませんか」

 それは大変だなと思い、結構な数の知人にメールしました。

 すると「それはよくあるチェーンメールじゃない」と友人に指摘されました。

 実害があった訳ではないですが、人の善意につけこんで、また、私の無知をさらけ出したようで、とても後味が悪かったのを覚えています。

 その時「Rhマイナスの親族が居ます」と連絡してくれた人がいました。その人の年賀状を見る度に、毎年この事を思い出します。

 メールが(正確に言えばe-mailですが)連絡の主流になったのは、2000年頃でしょうか。今やライン、メッセンジャーと、様々な手段があります。

 「年賀状が減る一方」というニュースも毎年のことですが、私はやっぱり年賀状派です。

 気になる女の子から、自筆の手紙なり、葉書なりをもらったなら、簡単には捨てられないものです。

 それは、やはり「実際に手にとって」という部分が大きいと思います。読み方によっては少し気持ち悪いかもしれませんが(笑)

 また、葉書なら62円の切手が必要です。昨年の年賀状は52円だったので、実質今年からの値上がり。この傾向が止まることはないでしょう。

 もしメールが1通72円なら、チェーンメールなどは存在しないはずです。

 メールが完全に無料ではないにしても、やはりお金という物差しは、常に大切なものだと思います。

 無料や過度の安価に振り回されないよう、しっかり働かなければなりません。

 今週末には、クリスマスプレゼントを準備しなければなりません。

 ついに娘が「サンタはお父さんなんでしょう」と言い出しました。

 そこは頑なに「信じる人だけには見えるんだ」と言い続けます。

 物創りを生業としている私としては、プレゼントがデータなんていうのは、まっぴら御免です。

 物を介して、手跡とか体温が伝わると思いたいし、それが物の価値だと思うのです。

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繊細なゴリラ、大雑把な人間‐1544‐

 近鉄特急で行く小旅行は今回で5回目。

 娘に拒まれた名古屋の動物園行きですが、本を買うことと、オムライスの昼食で約束を取り付けました。

 移動中に読んだ本は4冊。

 名古屋で買ったのも含めてですが、本当に本好きです。

 東山動植物園は名古屋市東部にあります。

 名古屋駅から地下鉄で15分程。

 目的はあまりにも軽すぎて、文字にするのも恥ずかしいのですが、イケメンゴリラを見るためです。

 10時前に到着しましたが、人気者ゴリラ君はまだ建物の中でした。

 待つこと15分。ようやく出てきました。

 ゴリラ女子なるファンまでいるというニシローランドゴリラの「シャバーニ」です。

 1996年生まれの22歳。身長1.8m、体重190kg。

 僅かながら白目があるようで、表情も豊か。

 壁にもたれてたたずむ姿は、人にかなり近いものを感じます。

 シャバーニだけを45分くらい見ていました。

 こんな話題でもなければ、なかったことだと思います。

 私が撮った中では、これがベストショットでしょうか。

 前回書いた、「ざんねんないきもの事典」から引いてみます。

 ゴリラはそのいかつい見た目とはうらはらに、とても繊細な動物。

 争ってけがをする危険を考えると、多少の怒りは我慢してしまいます。

 そのような強いストレスを感じたとき、人間と同じように下痢をしたり、わきの下に臭い汗をかいたりするのです。

 逞しい体を持ちながら、その表情だけでなく本当に繊細だったのです。

 人間とゴリラが枝分かれしたのは約1000万年前。

 人間には繊細な人も居れば、大雑把な人も居ます。そう考えると、枝分かれ時点では大雑把なゴリラも居たはずです。

 しかし、現存するゴリラが概ね繊細だとすれば、1000万年を生き抜いたのが、そういった個体だけだったということになります。

 人は脳が発達し、誰かが生み出してくれた道具で、または知恵で種を守り、増やしてきました。

 一方、自分にしか頼ることのできなかったゴリラは数十万頭を残すのみで、「絶滅危惧種」または「絶滅寸前」となっています。

 私が小学校の頃、人類は45億人と習いましたが、現在は75億人です。

 近いうちに100億人と習うことになるでしょう。

 歴史に「もし」はありませんが、今が石器時代なら、今が中世なら、自分が生き残れただろうかと考えます。

 毎朝、会社の前の道路にポイ捨てされている吸い殻を拾うとき、こんなことを思います。

 あなたは、私は、1億人時代でも、1千万人時代でも生き残れますか?と。

 昼食はオムライスから味噌カツ丼へ変更になりました。

 娘が言うには「高いお店のオムライスは、多分私の口に合わないと思う」と。

 何とも親孝行な娘ですが、味噌カツ丼は濃い過ぎたようで、ソース無しで私のロースカツ定食を食べていました。

 JR名古屋駅近くの「うまいもん通り」にある「キッチン なごや」。

 リーズナブルな店だったので、あっという間に行列となりました。

 観光地での昼食は11時半入店がやはり基本です。

 私もゴリラ同様、無用な争いをしたくないので、犯人探しをする訳でなく吸い殻を拾います。

 ただ人間なので、できるだけストレスを感じないでよいように「善行を積んだ」と考えるようにしています。

 繊細であること、清潔を求めることは、ほぼバイタリティに等しいのは、ゴリラをみれば明らかだと思うのです。

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進化は一方通行‐1543‐ 

 12月に入り、ポツポツとお歳暮が届きます。

 昨日、大きな箱で貝が届きました。

 立派な貝で、熊本県天草産の「緋扇貝(ひおうぎがい」とあります。

 天草の海の味を、刺身で頂きました。

 見た目のように、味もホタテ貝に似てとても美味しかったのです。

 また、貝殻が非常に美しい。

 上にあるのは、先月も娘が集めていたシーグラス。早速、彼女のコレクションに加わっていました。

 子供達の本棚をみていると「ざんねんないきもの事典」という本を見つけました。

 何ともネガティブな題だなと思いながら頁をめくると、冒頭「進化」について書かれていました。

 誰もが知る通り、象は体が大きく、鼻が長い生き物です。

 生き残る為には体が大きな方が有利なので、そういった個体が生き残ります。

 しかし、体が大きいと例えば水が飲みにくいので、偶然生まれた鼻の長い子の子孫だけが生き残りました。

 キリンの祖先の中に、足の長い、早く走れる子供が生まれました。

 ただ足が長いので、やはり水が飲みにくい。逃げ足は速いのに、伏せて水を飲んでいると肉食獣に襲われる危険が増えます。

 それで、さらに首も長い個体だけが生き残ったのです。

 ダーウィンのいう突然変異と自然選択です。

 また、人間は魚や虫類の祖先から進化してきましたが、再び水中で呼吸できる能力を手に入れることは出来ないそうです。進化は一方通行なのです、とありました。

 子供が生れ、動物園に行くようになりましたが、そういう目でみると興味が倍層します。

 娘に「名古屋の動物園に、すっごい男前のゴリラがいるらしいので観に行かない?」と聞いてみました。

 すると「私、何歳やと思ってる?」と。

 ちょっと前なら、動物園と言ったら飛びついて来たのですが、2、3年は誘っていなかったかもしれません。

 娘が10歳の進化を遂げたとするなら、もう子供と動物園に行くことはないのかと、ちょっと寂しい気持ちに……

 来年からは、休みも塾に行くはずなので残された時間はごく僅か。最後の機会をうかがっています。

 進化は一方通行。

 とてもポジティブな言葉ですが、何かそら恐ろしい気もしてくるのです。

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愚痴は土俵外へ‐1542‐

 いつもお世話になっている、トボト・スロープの忘年会に参加させて貰いました。

 ダム湖での釣りは一種独特です。

 放流し続ければ水位は下がり、雨が降れば一気に増水します。

 海のような港は作れないので、スロープに固定した浮き桟橋が港代わり。

 そのボートを上げ下ろしする拠点がトボト・スロープです。

 忘年会と言っても、奈良県下北山村までは車で片道2時間半。

 コテージを借り切っての会でした。

 私は初めてでしたが、常連の人ばかり30人程が参加。

 超が付く釣り好きだけが集まります。

 地元猪肉の焼肉は、わさび醤油で。

 ぼたん鍋に、カキの蒸し焼き。

 タコのから揚げは、お客さんが釣った本物の明石ダコ。

 最高に美味しかったのです。

 トボト・スロープの店長、Tさんは奥さんと一緒にフル稼働でした。

 忘年会というよりは、お客さんの慰安会のようで、申し訳なくもあり、有り難くもあり……

 釣りという遊びの性格上、夏なら朝5時にはオープンします。超の付く釣り好きは、日没まで釣りをします。

 それでも、普段からニコニコと笑顔を絶やしたところを見たことがありません。

 面白いことに気が付きました。

 好きな釣りの話が中心にあるので、ネガティブな会話はありません。

 お酒が入り、ちょっと声が大きくなる人はいても、不平不満や愚痴が充満してる空気とは正反対です。

 先日「盛和塾」の解散を発表したばかりの稲盛和夫さんは「不平不満や愚痴の対極にあるのが感謝」だと仰っていました。

 感謝の気持ちというのは、自分が他の存在に対してへりくだる気持ちがなければ沸いてこないとも言われます。

 建築家という職業も、釣りという遊びも、また奈良にある大自然も、私より上位にある存在です。

 私が生み出したものではないからです。 

 心の中はいつも「感謝」と「不平不満や愚痴」が押し合いへし合いしています。

 「不平不満や愚痴」を辞めるというより、「感謝」に押し出して貰う方が簡単なのかもしれません。

 これを「感謝の寄り切り」としたいと思います。

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人生道場、終焉‐1541‐

 火曜日は本当に暖かい一日でした。九州では夏日になった所も。

 異常気象という言葉を使えないほど、色々なことが起りますが、それでも12月に夏日とは……

 昨日、私が所属している「盛和塾」が、来年をもって解散するという発表がありました。

 私は2007年に入塾させて貰いました。

 初めて参加した塾長例会は、4月の宝ヶ池プリンスホテルでの開催でした。

 1983年、京セラ、DDI(現KDDI)の創業者、稲盛和夫さんに教えを請いたいという勉強会が発端となっています。

 1989年に盛和塾と改名され、日本のみならず、アメリカ、ブラジル、中国なども合せて、現在は1万人以上の塾生が在籍しています。

 2010年には経営破綻したJALの再建を政府から託されました。

 京セラを1代で1兆円企業にまで育て上げたその経営手腕を求められてのことです。

 78歳でJALの会長に就任、2年で世界最高収益を上げる航空会社へと復活させたのです。

 昨日、稲盛塾長から塾生へ向けてメッセージが発せられました。

 冒頭にはこうあります。

 私は来年(2019年)1月で87歳になります。今までにお伝えしたい事はすべてお話ししてきたつもりです。私は力の限り盛和塾に心血を注いでまいりました。

 「すべて」お話しして貰ったのです。

 何度も何度も話して貰わなければ背筋が伸びないは、完全にこちらの甘えです。

 そして、こう結ばれていました。

 是非今まで学ばれた事を実践し、社員の方々を幸せにし、社会のために尽くさます事を切に望みます。皆さんが利他の心をもって、世のため人のために貢献されますことを祈っています。

 2010年の5月。

 大津プリンスホテルでの勉強会後、懇親会では塾長と同じテーブルで食事をさせて頂く機会にも恵まれました。

 近年は塾生が増え、年で最も大きな勉強会はパシフィコ横浜での開催となりました。

 夏の時期が多く、日差しが痛かったのです。

 稲盛さんは経営の神髄をボランティアで話して下さいます。

 真髄とは方法論ではありません。

 この自由経済社会の中で、ぼろ儲けなどありえない。リーズナブルな利益を営々と積み重ねるしか、企業が成長、発展することはないと言い切っています。

 その当たり前のことを、誰にも負けない程やってこられた結果が、京セラ、KDDI、JAL再生の結果なのです。

 夏がくれば秋がやってきます。

 山は極彩色に。

 落葉樹は葉をおとし、冬へと向かいます。

 いつかこの日がくることは分かっていました。

 「人生哲学」と「経営哲学」を学ばせて頂いた人生道場は来年で終焉を迎えます。

 道場無しで、トレーニング無しで人が成長するのは不可能です。

 これからは自分が小さな道場の主として、研鑽を積まなければなりません。

 誰よりも働き、教え、世の役に立ってこられた塾長には、静かで穏やかな冬を過ごして頂きたいと心から願います。

 そう思える存在を持たせて頂いたことに、心から感謝するのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

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大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<&lt;/a&lta</lt;/

ミラクルエッシャー‐1540‐

 2018年も1ヶ月を残すのみになりました。

 暦の上では冬ですが、実感としては秋と冬の境目あたりでしょうか。

 昨日は「ミラクル エッシャー展」に行ってきました。

 あべのハルカス美術館は初めてです。

 16階にありました。

 最上階は60階なので1/3程度ですが、ここでも結構な高さです。

 天王寺公園を眼下に、大阪平野を北に望みます。

 小学5年生の娘が、エッシャー展のフライヤーを貰ってきました。

 普段は絵を観に行こうと言うと「え~っ」という兄妹も、エッシャー展は「面白そう」と。

 1961年(63歳)の「滝」はよく知られた作品です。

 水の流れを何度追っても、絵としては成立していますが、自然の摂理にはかなっていません。

 エッシャーと言えばだまし絵ですが、これらは主に後期の作品です。

 版画家、M・C・エッシャーは1898年にオランダで生まれ、1972年73歳で亡くなりました。

 若い頃に建築を学んだ彼は、旅から多くのインスピレーションを受けました。

 特に1922年(24歳)と1936年(38歳)に訪れた、イスラム宮殿の傑作、スペインのアルハンブラ宮殿につよく影響を受けたようです。

 1939年の「発展Ⅱ」は、2度目の訪問後の作品。

 イスラム教では偶像崇拝を禁止しています。

 直接何かを描くことが出来ないため、単純な線を用いた幾何学模様を繰り返すデザイン(アラベスク)が発展しました。

 この作品は色濃くその影響を受けています。

 私が一番面白いと思ったのは、同じく1939年の「メタモルフォーゼⅠ」。

 変身、変化の意味ですが、写真が横だとあまりにも小さいので、90度回転したものも載せてみます。

 西洋の建築が幾何学模様に変わり、最後は中国人の若者となります。

 具象から抽象。抽象から具象。

 立体から平面。西洋から東洋。物から人。

 これだけ面白い版画は、世の中にもそうはないはず。以下は作品解説の一部です。

 1937年6月5日。エッシャーの父親は日記にこう記している。

 「謎に満ちた木版画。M(マウク。M・C・エッシャーのこと)はこれをメタモルフォーゼと呼んでいる」

 エッシャーの父は息子の版画にかなり否定的だったようです。

 展覧会の題にある「ミラクル」の名に恥じない、唯一無二の存在である自分の息子を、です。

 父親はこれ程までの名声を得たことを知る前に亡くなりました。

 エッシャーは人との交流が苦手で、かなり内向的な性格だったようで、私たちが伺い知れない何かがあったのかもしれません。

 それでも、日本の大阪の阿倍野にできた長蛇の列をみたら、彼の父親はどう思うのでしょうか。

 親、大人というものは、間違いやすい生き物です。

 子の幸せ、安定を望むあまり、簡単に子供の夢を潰してしまいます。

 それ故、本当にやりたいことかを見極める試金石とも言えるのですが。

 私の子供に限っても、展覧会が嫌いな訳ではなく、私の面白いと彼らの面白いには違いがあっただけでした。思い込みだったのです。

 いくつになっても、頭の中だけは柔軟で、若々しく在りたいものです。晩年まで変化・発展を続けていったエッシャーのように。

 しかし、オランダという国は本当に凄い国です。

 レンブラント、フェルメール、ゴッホ、エッシャー……

 大麻までOKするのはどうかと思いますが、それくらい自由でなければ、突出した才能は生まれないのでしょうか。

 色々迷っていましたが、次に行ってみたいのはやはりオランダか。煙草も吸わないので、大麻には全く興味はありませんが。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

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