洋便器の蓋は開けておくもの?閉めておくもの?
事務所内では閉じておくようにしています。閉じておくのが無難でしょうが、そもそもあの蓋の意味は何なのでしょうか。
元々ヨーロッパには固定式の便器という概念は無かったようです。どうしていたかと言うと、便器と兼用のイスが有りました。イスですから、蓋は取り外し式の座面だったのです。使わない時は家具なので、豪華に装飾されたものも有りましたが、早い話大人用の「おまる」だったのです。
代わって、日本の衛生機器メーカーによると
①日本人はカバーするのが好きで、むき出しより良いと感じる人が多い。
②汲み取り式便所の時代に臭気を防ぐ為に有ったものの流れ。
とあります。
現在の用途から考えると、どうしても必要ではないけれど、封水(臭気が上がるのを防ぐ水の溜まり)の蒸発を防いだり、暖房便座の節電効果もあります。
バロック建築の代表作ベルサイユ宮殿にはトイレがほとんど無く、貴族も庭で用を足していたのは有名な話。近代になって土に返す場所が足りなくなり、汲み取り式、水洗となったわけです。
「家の中で唯一有益な場所はトイレである」といった建築家がいました。そこまでかは別にしても大切で、有益な場所に違いはありません。