『建築家と家を建てる、という決断』amazon 1位‐1439‐

 「一般の方と建築家が近くなる本の執筆を依頼したく……」というメールが届いたのが2015年の12月。

 あっという間に、2年が経ってしまいました。

 初めての著書、『建築家と家を建てる、という決断』がようやく出版されました。

 2017年11月27日が1版となっていますが、実際に購入できるようになったのは一昨日の12月12(火)。

 amazonのページにいくと、「なか見!検索」とあり、約20ページを見ることができます。

 これだけ先に読めるようになっているとは知りませんでした。

 昨日の午後1時に見に行くと「民家・住宅論」のカテゴリーで「1位」となっていました。

  ‹ 本 ‹ アート・建築・デザイン ‹ 民家・住宅論

 周知の通り、上記のようにカテゴリーは細分化され、1時間ごとに更新されるようですが、それでも驚きました。

 著書をだすと、これらの1位を狙うためにキャンペーンをはると聞いたこともあります。

 「そんな嘘っぽいのは嫌だな」と思っていたのです。

 ひとつ上の「建築」まで階層を上げても、昨日の2時頃は27位でした。

 この時間帯のランキングは以下のようなもの。

1位 次の「震度7」はどこか!
 角田 史雄  (著)

7位 Casa BRUTUS(カ-サブル-タス) 2017年12月号

8位 安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言
 安藤 忠雄 (著)

21位 Casa BRUTUS(カ-サブル-タス) 2017年11月号

27位 建築家と家を建てる、という決断
 守谷 昌紀 (著)

28位 安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書
 安藤 忠雄 (著)

 妻が言うには、1時間前までは24位だったとのこと。小細工は嫌だと書きましたが、気にならないといえば嘘になります。

 28位の安藤の著書は、日本経済新聞の人気コラム「私の履歴書」で、しかも5年前の出版です。

 私は人気作家でもないので、本当に1番だとか、安藤より支持を得たと思っている訳ではありません。

 これまでのクライアント、知人に送ったメールだけで、これだけ購入してくれたということに、ただ感謝するだけです。

 表紙は縦長が条件で、「松虫の長屋」から選びました。

 兄弟がボルダリングで遊んでいる姿をお母さんが見守っているものです。

 裏表紙は「高台の家」の擁壁下からのカットにしました。

 「家族の物語を空間に織り込みたい」そして「モノは美しくあってほしい」という、2つの思いから選んだものです。

 文章を書くことを職業としている人に、昔から敬意をもっていました。

 webサイトのプロフィールにあげた、好きな作家は以下の通り。

 開高健、沢木耕太郎、志水辰夫、司馬遼太郎、阿佐田哲也、半村良、水上勉、白石一郎、松本清張、宮本輝、池波正太郎 

 いずれも文章が美しく、リズムがよい一流の作家ばかりです。

 しかし、ある人にとっては、この名前にもさほど興味がないかもしれません。

 建築家との家づくりを少しでも意識している人になら、価値のある本を書くことできるのではと思い、筆をとってみたのです。

 広げた風呂敷ほどの内容があったのか、全く期待外れなのか、興味のあるかたはご一読下さい。

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版■■■
<民家・住宅論>amazonランキング1位

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【News】
『mybest』11月27日に「仕事を楽しく快適にしてくれるアイテム11選」が掲載
『ESSE』11月7日発売に「松虫の長屋」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)3月25日に「住之江の元長屋」再放映
『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

『homify』(スペイン語) 9月26日「松虫の長屋」掲載
『homify』7月21日「白馬の山小屋」掲載
『homify』6月4日「松虫の長屋」掲載
『homify』5月10日「長田の家」掲載

【Events】
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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趣味を仕事にする‐1438‐

 芸術家・岡本太郎は「私は趣味などという卑劣なものをもたない」と言いました。

 さすがは岡本太郎、といったところです。

 私の趣味は釣り。

 岡本太郎の域には達していないことになりますが、1年のうちの10日間、湖上に浮いている時間はやはり幸せです。

 妻に「休めそうなので釣りに行こうかと思うと」と言うと、「この寒いのに?」と。

 確かに、明け方は氷点下。山頂部には冠雪も見えていました。

 しかし、好きや趣味に寒さは関係ないのです。

 奈良県下北山村にある池原ダムに魅せられて20年強。

 1988年、村が中心となりブラックバスを観光資源として放流しました。

 美しい大自然と共に、村が釣り客を歓迎してくれるのも、ここに通う理由です。

 放流されたのがフロリダバスという種で、 日本でも最大級の魚が釣れることでも知られます。

 そのひとつの基準が60cmオーバー。通称、ロクマルです。

 水面まで上がってきた時、久し振りに「超えたか?」と思いました。

 が、測ってみると57cm、2kg。

 残念ながら60(ロクマル)には届きませんでした。

 春、夏、秋に比べ、数が釣れない冬は基本大物狙い。

 若干濁りがあったこの日は、特大を狙って20cm以上ある巨大スプーン(ルアーの種類)でスタートしました。

 水温は低いものの、新鮮な水が流れ込んでくるエリアにいる、体力のある個体を狙いました。ここまで読みが当たるとまさに爽快。

 湖で食事をしていた時、スプーンを水中に落としてしまい、それに魚が食いついてきたのがその名の由来です。

 ルアーフィッシィングの始まりともいわれ、その後スポーツフィッシングとして、欧米で社会に浸透していきました。

 バスフィッシングにはプロの試合があり、それらに参加するのがバスプロです。

 サッカーにJ1、J2があるように、バスプロの世界にもクラスがあり、最上位のカテゴリーをTOP50と呼びます。

 昨年まで、このカテゴリーで活躍していた北山睦プロと、昼食が一緒になり、その世界での話を聞かせてもらいました。

 ちなみに、2015年に長男へルアーをプレゼントしてくれた山岡計文プロは下北山村の出身で、今年は年間3位の活躍。まさにトッププロとなりました。

 北山プロはTOP50の権利を持ちながら、諸事情で一旦撤退したそうですが、その話がとても面白かったのです。

 トップカテゴリーに参加するのにはいくらの費用がかかる、1位の賞金は数百万円で、6位は微々たるもの。

 また「この時期ならどの場所で、どんな深さを、どんなルアーで、どのようなコースを通すかで釣果は変わってくる。釣れる人と釣れない人の差があるとすればそれくらい」と。

 帰り際も、更に釣りの話を聞かせてくれました。

 トッププロだけあって、極めて論理的。聞いているだけで釣りが上手くなる気がします。

 この閑散期にやってきた甲斐がありました。

 年末年始もここで過ごすそうで、本当に釣りが好きなのだと分かります。

 サッカー少年がJリーガーになるように、好きが仕事になるのは理想的です。しかし、その道が楽であるはずがありません。

 スポーツとはそもそもが遊びや娯楽なので、行為自体に楽しみがあります。娯楽を仕事にする訳なので、もちろん競争は激しいものになります。

 また、それ自体に生産性がある訳ではないので、この大量消費社会、高度情報化社会であるからこそ、職業たりえるのです。

 「職業に貴賎なし」が大原則なので、軽んじるつもりは全くありませんが、はっきり言えば無くなったからと言って、生死に直接の影響はありません。

 若者が車を持たないなど、バスフィッシングも2000年あたりをピークに、どちらかといえば衰退傾向です。

 北山プロにしても、山岡プロにしても、そのあたりを分かっているので、裾野のファンを大切にするのです。

 大相撲の問題をみると、全く反対の印象を受けます。

 私の年代で、相撲ファンを見つけるのは相当に困難です。あまりにも低い道徳観と、世間とのギャップをみると、怒りに近いものを感じます。

 国鉄や郵便の民営化よろしく、国技という冠を外して欲しいとさえ思うのです。

 この類の話しを長男にしたとき、「建築家がいなくなっても、誰も死なないじゃない」といわれました。

 全くその通りです。だからこそ、違いを求める人達に選んで貰えるよう、仕事に打ち込むしかないのです。

 私の釣り自慢から少し話がそれました。

 元監督の野村克也は、タニマチの存在が一時、阪神の選手を駄目にしていたと言っていました。

 タニマチは相撲用語。甘やかす、は全ての巨悪の根源なのです。

 相撲協会は、勇気をもって極めて厳しい判断をしてもらいたいと思います。

 でなければ、未来はないというところまで来ていると思うのです。

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■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■

『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

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苦渋はなめつくす‐1437‐

 12月に入って、よい天気が続いています。

 昨日は、大阪ビジネスパーク(OBP)へ行っていました。

 ビジネスパークなのでビル建築ばかりですが、それを背景にした紅葉も美しいもの。

 奥にのぞいている濃いグレーの建物は「大阪東京海上日動ビルディング」。

 OBP側からはちらとしか見えませんが、1990年完成の名建築といってよいと思います。

 構造のフレームを外部に追いやり、自由な平面を実現しています。

 鹿島建設の設計施工。

 振り返って西をみると、左に1990年完成の松下IMPビル。

 そして中央も同じく1990年完成のクリスタルタワー。

 竹中工務店の設計施工ですが、高層ビルのひとつの到達点ではないかと思っています。

 2011年1月、『住まいの設計3・4月号』に「地元建築家がガイドする名建築 大阪編」というコラムを寄稿しました。

 その際も、このビルを取り上げました。

 OBP行きの目的は、ニューオータニで開催された盛和塾の勉強会でした。

 盛和塾は、京セラの名誉会長であり、KDDIの創設者、経営破綻したJALを、2年で世界最高収益航空会社へと回復させた稲盛和夫さんから経営を学ぶ場です。

 昨日も1400名以上の参加者があり、ロビーは熱気であふれていました。

 「経営を学ぶ」と書きましたが、この日の講和は西郷隆盛(南洲)の遺訓から学ぶという内容でした。

  命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。この仕末に困る人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬなり。

 そういう人しか、リーダーはつとまらないし、リーダーになってはならない、というものでした。

 命も、名も、名誉も、お金も全く要らないとまではいえませんが、気持ちとしてはそのつもりです。

 幾たびか辛酸を歴(へ)て志始めて堅し

 これは多くの人がうなずいていたと思います。

 仕事をしていると、本当に色々なことが起ります。

 幾度も辛酸をなめ、それを越えていかなければ、志は固まらないのです。

 ミスタープロ野球、長嶋茂雄はこういっていました。

 「日々を丁寧に生きる。そして苦渋はなめつくす」

 華やかに見える成功者は、これらの過程を経てその立場にいます。

 成長したい、成功したい。しかしその覚悟があるのかという問いに、改めて身を引き締めざるをえないのです。

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色は光の代弁者‐1436‐

 私の住む家は築45年。

 毎朝、縁側から小さな庭へ向かい、瞑想の時間をとります。

 日々庭木をみているとり、太陽高度が低くなっていくさまがよくわかります。

 昨日は、気持ちの良い天気で、散髪ついでに長居公園まで足を伸ばしました。

 植物園の木々は極彩色のいろどりです。

 それでも、この時期の主役はやはりイチョウでしょうか。

 光を受けた葉は、黄金といってよい美しさです。

 光は波の要素を持っています。

 波長ごとに屈折率が違うので、水の粒子がプリズムの役割を果たし、別々に見える状態が虹です。

 虹が人に見える領域で、紫より短い紫外線等、赤より波長の長い赤外線は見ることは出来ません。

 反対に全ての波長が揃っている場合、光は白に見えます。

 波長の短い順に、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤。

 空気中には多くのチリや粒子があり、波長が一番短く、拡散しやすいはそれらに当たって宇宙へ出ていきます。

 次に短いが空気の粒子によって最も拡散しやすく、空はく見えるのです。

 朝、夕は大気圏を長く横切るため、波長の短いの光は拡散を繰り返し、多くは地表まで届きません。

 波長が長く、拡散しにくい赤系の光だけが届くので、朝焼け、夕焼けはとなるのです。

 色というものは、直接光源を見るか、反射しているものが目に映ったもの。

 植物の葉がなのは、生物が元々海の中から生まれてきたことに理由があります。

 海の中で効率よくエネルギーを取り込もうとすると、波長の長い赤系の光から取り込むことになります。

 それらが吸収されるので、海はに見えます。

 最も効率の悪いは優先順位が低くなり、取り込まなくなったがゆえ、反射してに見えるのです。

 不要としたが、精神的にやすらぎを与えるのは逆説的で面白いところです。

吸収光の色→観察される色(補色・余色)

紫→緑黄
青→黄
緑青→橙
青緑→赤
緑 赤→紫
黄緑→紫
黄→青
橙→緑青
赤→青緑
紫赤→緑

 北欧の家具に名作が多く、かつ色鮮やかなのは、長く暗い冬を乗り切るためだといわれます。

 色とは光の中から、ある波長だけを選び出したもの。光の代弁者といえそうです。

 どんどん日が短くなり、光が恋しくなっていきます。再び太陽高度の上がりはじめる冬至までは約3週間。

 クリスマスをひとくぎりとし、ギアを1段上げてラストスパートです。

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マイベストはマイベスト‐1435‐

 先日、杵で餅つきをするのを見かけました。

 今日で11月も終わり。

 明日からいよいよ師走に入ります。

 10月の初めのことですが、以下のようなメールが届きました。

 あらゆるジャンルのモノやサービスに関して、その選び方やおすすめ商品の紹介などをメインコンテンツとしており、今では月間約700万人ほどが訪れるサイトとなっております。

 弊社サイトでは、これまで基本的に編集部で調査・執筆していたのですが、今後、その道のプロフェッショナルの方々に取材をさせて頂き、ご意見やご見解を紹介することで、より一層の価値ある情報を提供していきたいと考えております。

 そこで、取材をさせて頂けるプロフェッショナルの方を探しており、守谷昌紀様へ是非ともお願いしたく、ご連絡させていただきました。

mybestというサイトで、今週月曜日に私の記事がUPされていました。

 ページビューをみると64viewsとなっています。

 トップページにある化粧品などは、4万、6千となっているので、それと比べれば、私のベストアイテムは大して参考にならなかったのかもしれません。

 「建築家が愛用する仕事を楽しく快適にしてくれるアイテム」ですから、参考になる対象人数が少なすぎるのでしょう。

 以下の3つは、竣工間際の現場にある造作ものです。

 「山本合同事務所」のムービングキャビネット。

 デスクの横で書類を立てておくものですが、 既製品はスチールやプラスティック等で製作されます。

 緑を囲むオフィスなので、木製のオリジナルをデザインしました。

 家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」の階段は、壁に小窓が見えます。

 この後ろに洗濯室があるのです。

 写真の右が主動線。左は身長158cmの奥さんがキッチンから抜ける通る動線です。

 それが可能になるよう、階段を設計しています。

 「碧の家 」のハシゴは、3~7段目にディスプレイできるように考えました。

 これらは、クライアントの要望を何とか叶えるために設計したものなので、誰にも役立つものではありません。

 1点ものばかり設計し、創ってきた私にできるアドバイスがあるのかは、かなり怪しくなってきますがよければ一度のぞいてみて下さい。

 一番最後にあげたのが、レーザーポインター。

 手元に1つ、打合せスペースに1つ、現場行きカバンに1つ入れてあります。

 現場に行った際、これがなければ慌ててしまうほど重宝しています。

 本当に便利なので、施工会社の監督には結構勧めましたが、誰も使っているのをみたことがありません。

 マイベストはマイベスト。

 結局勧めても誰も使わないじゃないと、ちょっと思っているのですが。

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姿勢には、その人の人生が ‐1434‐

 前回、大阪はイチョウが見頃と書きました。

 春になると、桜の木がこれほどあったのかと驚きますが、秋もまた同じです。

 今日は、鉄骨の製品検査に堺まで行ってきました。

 鉄骨造の柱や梁は、工業製品の部材を加工し製作していきます。

 中でも溶接は、技術、精度が求められ得る工程。

 これは錆び止め塗装をしているところです。

 今日は監理者として検査に行ったのですが、活気のあるこんな現場をみるのはとても楽しいのです。

 鉄の比重は7.85ton/㎥。

 500mlのペットボトル大で重さが約40kg。

 40kgのバーベルが、足に落ちれば大けがです。

 しっかり教育されているからか、危険を伴う現場で働いているからか、工場の人達の動き、応対には大変好感がもてました。

 部材の寸法を読み上げてくれるこちらの担当者。

 スケールの数字を正確に読み取ろうとする姿勢が真摯なのです。

 夏は暑く、冬は寒い工場での仕事は過酷でしょう。そんな中で、真面目に働いてきたのだと想像します。

 姿勢には、その人の人生がでます。

 今日はなぜか、清々しい気分になれたのです。

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氷ばかり艶なるはなし‐1433‐

 今日は、所用を済ませにミナミへ。

 御堂筋のイチョウは、黄色より緑が多め。

 来週あたりが見ごろでしょうか。

 道頓堀を西へ歩き、御堂筋を超えると少し人通りも減ってきます。

 更に西へ進めば湊町。

 ナンバハッチが見えてきます。

 ミナミの繁華街の南西角に建つのは元「D-HOTEL」。

 現在は「Continent Vijoux」という名前に変わっていました。

 現在は京都大学の教授である竹山聖の設計で、1989の作品です。

 ミナミによく行く人なら、この辺りの雰囲気を想像してもらえるでしょうか。

 いかがわしいと言えばよいのか、健康的と言えばよいのか、まあそういったエリアです。

 竹山聖の出世作といえるこの建物ですが、元はコンクリート打ち放しだけの表現でした。

 緩やかにカーブを描いた壁に、クレバスのような裂け目が入っており、非常インパクトがありました。

 現在は裂け目の下がタイルの壁で塞がれ、エントランスとなっているようです。

 最頂部にもタイルが追加されています。

 こちらの方が沢山人が集まると言われれば、それが正解なのかもしれませんが、街には凛とした建物があってもよいと思うのは私が創り手だからでしょうか。

 しかしそのフォルムは健在です。

 カーブした壁の先端は、厚みが2.5cm。

 間違いなく限界値でしょう。

 室町時代の僧、心敬は『ひとりごと』でこういいました。

  氷ばかり艶なるはなし

 心敬は氷に、冷たい、艶めかしい究極の美を求めたのです。

 そう考えれば、この元「D-HOTEL」こそ、この地に最も合った建物と言えるかもしれません。

 所用は、12月を控えスタッドレスへの交換でした。

 ディーラーは、なにわ筋沿いにあり、ミナミから歩いて15分程。

 こちらのイチョウは丁度見ごろでした。

 感想、発言は全て主観に基づいています。よって公正な意見などありません。

 しかし、他者の支持がなければ、仕事としては成立しません。

 働くとは、仮説の答え合わせにほかならないのです。

 今日は勤労感謝の日。

 今年も沢山の仕事を頂いたことにまずは感謝し、また1年、答え合わせの旅にでます。

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けいこ不足を、幕はまたない‐1432‐

 土曜日の夜、娘と大阪を発ちました。

 助手席で寝ているあいだに、奈良県下北山村に到着。

 日曜日は1月並の寒波到来で、寒い1日になりました。

 早朝は2度くらいだったでしょうか。

 娘と2人で釣りにやってきましたが、防寒対策はスキーウェア。

 こんな中でも付き合ってくれるのです。

 日中は晴れ間が広がり、良い天気になりました。

 奈良県下北山村は常緑樹が多いのですが、ところどころにあるヤマモミジが真っ赤に染まっています。

 釣りのほうは、何とか午前中に1匹手にすることができました。

 しかしこの時娘は休憩中。

 朝は一緒に出船したのですが、やっぱり寒いからと一旦車に戻っていました。

 休憩時は本を読むんだと、沢山の本を持ち込んでいます。

 寝袋に入り、サンルーフのシェードを開け、青空を見上げながらの読書タイム。

 本当に本好きで、飽きることなく読んでいるのです。

 折角ここまで来たのだからと、昼食後、再び一緒に出船しました。

 で、何とか1匹釣りあげました。

 外道(狙っていた対象ではない魚)のニゴイでしたが、これが45cmの大物。

 娘は大満足で、これにてストップフィッシング。帰路についたのです。

 帰り道は2時間半のドライブですが、いろんな話をしました。

 とても成長したなと思ったり、小学4年生もなかなか大変だなと思ったり。

 面と向かい合って話すより、流れる景色を見ながらのほうが、気楽だし話が弾むものです。

 1983年、梅沢富美男の「夢芝居」という曲がヒットしました。

 けいこ不足を 幕はまたない

 恋はいつでも 初舞台

 恋だけでなく、子育ても同じです。

 娘の父をするのは初めてですし、もし次女がいたとしても、次女の父をするのも初めてです。

 子供は2人目ですが、全くパーソナリティが違います。

 そう考えれば、何事も全て初めてとも言えそうです。

 初めてなので、間違ったり、正解したりしながら親子とも生きていくのです。子には申し訳ないのですが、全問正解はないのです。

 仕事においても、フレッシュな目で見たほうが、よりよい判断ができるのではと最近思うようになりました。

 経験から経験を捨てることを学んだような気がします。

 「夢芝居」の作詞作曲は小椋桂でした。

 けいこ不足を 幕はまたない

 これぞ小椋節。いい詞だなと思うのです。

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チャーミング‐1431‐

 ここのところ、週の半分は現場を回っている感じです。

 竣工間際の現場が3つと、着工したばかりの保育園があり、3、4ヶ所回るならやはり車が便利。

 秋から冬にかけては、景色が変化するときでもあり、移動時の楽しみでもあります。

 大阪、北摂、京都と回っていると、あっという間に夕暮れ。

 本当に日が短くなりました。

 家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」は、外壁を左官で仕上げます。

 最近の住宅は、サイディングというパネルがほとんどですが、継ぎ目のない大きな壁はやはり美しいもの。

 現場前にあるのは、言ってみれば小さなプラントです。

 ここから、2階、中庭へと、練りあがったモルタルがホースで供給されるのです。

 それを職人がコテで塗り付けていくのですが、やはりこういった手仕事は見ていて楽しいもの。

 また、好き嫌いだけでなく、工場生産のパネルには大きさの限界があります。

 現場の手仕事だからこそ、継ぎ目の少ない大きな壁をつくることができるのです。

 「ねるねる」は駄菓子の商標だったか。

 親方がここで「ねるねる」する姿をチャーミングと言えば怒られるでしょうか。

 しかし、こういったチャーミングな職人が減ったと思うのは私だけでしょうか。

 もう少し具体的に言えば、50代中頃以上の人は「媚び」を持っている人が多い気がします。

 「媚びる」と言えば、悪い印象が先に立ちますが、ある部分に媚びが含まれていないと、コミュニケーションは成り立ちません。

 そこには、良く思われたい、良い関係を築きたいという気持ちが含まれているからです。

 九鬼周造の書いた『「いき」の構造』は芸術論の名著といわれます。

 日本独特の美意識を表す「いき」という言葉を紐解いていくのですが、こう定義されています。

 垢抜して(諦)、張のある(意気地)、色っぽさ(媚態)

 さらに、その媚態をこう説明しています。

 媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定し、自己と異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。

 簡単に言えば、男女関係においてもベタッと一緒になってしまうのではなく、相手があり、緊張感とある距離感を保っているから媚態があると。

 男女関係だけでなく、仕事においても全く同じだと思います。

 絶対服従する訳でなく、ただ反発する訳でなく、よい関係を築き、よい結果をだしたい。そこには、媚びや、サービス精神が含まれているはずです。

 先日、独立した時から世話になっている建設会社の社長が挨拶にみえました。

 今年で82歳になるといいます。

 この年の先輩に、チャーミングと言えば失礼になるかもしれませんが、ぶつかり合いもしましたが、やはり魅力的な人だと思います。

 チャーミングといって貰ったことはありませんが、「飲んだら笑顔がすてき」といってもらったことが1回だけあります。

 飲んでなくても、すてきと言われる人間を目指して頑張るのみなのです。

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■3月25日『大改造!!劇的ビフォーアフター』朝日放送(ABC)「住之江の元長屋」再放映■
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『建築家カタログ2016』8月29日発売に「遠里小野の家」掲載

『homify』7月21日「白馬の山小屋」掲載
『homify』6月4日「松虫の長屋」掲載
『homify』5月10日「長田の家」掲載
『homify(タイ)』4月25日「加美の家」掲載
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あなたもよくなれ、わたしもよくなれ、みんなよくなれ‐1430‐

 昨日は天六にある大阪市立住まい情報センターでの、セミナーでした。

 天神橋筋商店街のすぐ東にある、10階建ての立派な建物です。

 8階から10階の「大阪暮らしの今昔館」は江戸時代の街並みが再現されており、なかなか見応えがあります。

2008年に子供達と訪れましたが、現在は外国人に大人気のスポット。

 エレベーターはいつも外国人でいっぱいなのです。

 今回の会場は5階にある研修室。

 4階にある「住まいのライブラリー」と吹抜け階段で繋がっています。

 昨年の4月、他団体の主催でしたが、3階にあるホールが会場でした。

 その際は60名の申込があり、40名の参加がありました。

 この日は14名の申込があり、参加は7名。

 1人のお母さんが赤ちゃんを抱っこしていたので8名とも言えますが。

 昨年4月も、人数を気にしても仕方がないと書きましたが、折角なら参加が多い方が嬉しいのが本音です。

 しかしこれは全て私の問題。自分の集客力のなさを思い知り、訴求力が足りていないと痛感するのです。

初めて講師をしたのは2011年7月2日のことでした。

 この時は新聞広告が入ったにもかかわらず申し込みは15名、参加は8名でした。

 それなりに出来たように書いていますが、正直、内容は全くでした。あがっていた訳ではないのですが、早口、抑揚がなく、内容を詰め込みすぎ。

 実は、大学時代の後輩がひとり参加してくれたのですが、この日記ではそこにも触れていません。

 ようは散々だったのですが、参加者の方には申し訳ない気持ちしかありませんでした。

 セミナーは今回で数えて16回目。初めて合格点がだせるかなと思っています。

 セミナーのあと、相談希望の方と1時間くらい話しましたが、とてもよい笑顔で、楽しかった、ためになったと言ってくれました。

 回を重ねるごとに、構成、話しかた、タイミングなどを改善してきたつもりですが、それらはテクニックでしかありません。

 一番大きいのは「参加してくれた方に幸せになってもらう」という気持ちが多少なりとも持てるようになったからだと思います。

 昨日、こんな場面がありました。

 セミナーが始まってすぐに、参加者の方が質問をされました。

 司会の方が気を遣って「質問の時間は後でとりますので、セミナー中は控えて頂けますか」と。

 その方は「人数がこれだけしかいないのだから、もっとフレキシブルでもいいのでは」と。

 セミナーは始まったばかり。ここで、押し問答をしていても仕方ありません。

 その方、また参加者の方にとって、一番よい方法は何かと考え「途中で質問頂いても大丈夫です。ただ、できれば挙手頂けますか」と答えました。

 それで納得されたようで、最終的に途中の挙手はなく、最後にまとめて質問されました。

 私の尊敬する経営者、恩田さんが主催する勉強会があります。

 ボランティアで経営を教えていただくのですが、勉強会が始まる前にトイレで「今日お見えの皆さんの、決算書がよくなりますように」とつぶやいてから講義を始めるそうです。

 そんな仙人のようなことは自分には出来ないと思っていたのですが、これが驚く程効果があるのです。

 仕事は好きで、楽しくしているつもりですが、中にはシビアな打合せもあります。

 そんな時ほど「○○さんに幸せになってもらえますように」とつぶやいてから打合せに入ると、思った以上に良い方向へ展開していくのです。

 考えてみれば当たり前です。

 逃げ腰で、こわごわ話すのと、少しでも幸せになってもらえるよう、改善策を探るのとが、同じ結果であろうはずがありません。

 あなたもよくなれ、わたしもよくなれ、みんなよくなれ

 この恩田さんの哲学に何度も救われた気がします。

 仙人になることはできません。しかし、1人だけで幸せになることは不可能なのです。

 人生はいつも総懺悔です。

 前回まで参加してくれた全ての参加者に頭を下げたい気分ですが、出来ればまた参加して貰えると嬉しいのですが。

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