社長なんて盲腸と同じ‐1519‐

 一昨日の朝、会社に向かう途中に「気持ちいいなあ」と思わず声にだしてしまいました。

 今日は生憎の雨ですが、本当に過ごしやすい季節になりました。

 カレンダーをみると彼岸の入り。

 各現場も天災に振り回されてはいますが、何とか前に進んでいます。

 完成までには、多くの職人が現場で働きますが、一番長い時間を過ごすのが監督と大工チームです。

 この日は棟梁とその後輩という2人が、テキパキと仕事を進めていました。

 下地の石膏ボードを張ったあと、開口部をカットしている場面です。

 まずは上のボード。

 そして下の部分も。

 光が差し込んでくると、景色は劇的に変わるのです。

 先端部は刃がなく、根元のみが切れるのようになっている電動ノコギリです。

 監督も、「このやり方が一番きれいにいきます」と言っていました。

 監督は現場の総責任者なので、すべての職人が彼らの指示で動いています。

 この現場での打合せには、2人も監督が参加してくれます。

 手前に立つのは、私と同じ世代でこの現場の監督です。

 奥の監督は私より一回り上で、この現場ともうひとつの現場を担当してくれています。

 総監督のような立場で、実質的には上司にあたるはずですが、この方は役職が一切ありません。

 私と同世代の従兄弟が起こした建築会社に合流し、担当物件に関しては全ての判断権限を持っていますが、役職で言えば平社員なのです。

 「社長とか専務とか、そんな役柄に興味がないんです。役柄があろうがなかろうが、やることはやりますので」と。

 世の中には、「社長」という言葉が大好きな人が沢山いるなかで、かなり稀有な人だと言えそうです。

 そういう私も、そのうちの1人でしょうか。一応役柄で言えば代表取締役ですが、「社長」とは誰にも呼んでほしくありません。

 また、クライアントにも「先生」と呼ぶのだけはご勘弁下さいとお伝えします。

 何と表現すれば良いのか難しいのですが、個々の関係性より、役柄が上回ることは意味がないし、それではより深い関係は築けないと思っているのです。

 ただ、学生君に「守谷君」と言われるのはさすがにムカッとくるので、社内では「所長」で統一して貰っていますが。

 本田宗一郎はこう言いました。

 社長なんて偉くも何ともない。

 課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。

 要するに命令系統をはっきりさせる

 記号に過ぎない。

 一丁両断。切れ味最高です。

 盲腸なので、居なくても問題ないのです。

 社長をバカにしている訳ではなく、目的を達する為だけに存在するのだという事を、笑わせながら教えてくれます。

 言葉の感覚も、まさに神様レベルなのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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土8の夢は泡沫に‐1518‐

 日曜日は、告知していた母校の文化祭に参加しました。

 OB会から、「頼れる卒業生による無料相談」に参加するのは今年で4回目です。

 2012年のホームカミングデーで講演をさせて貰ってから、学校とつながりができました。

 高槻中学・高校は共学となり、更に大阪医科大の付属校となり、難易度はさらに高まっているようです。

 私たちが遊んだ中庭も、すっかり景色が変わりました。

 このレンガ貼りの建物は、今年竣工したばかり。

 中でもこの図書館が目玉です。

 残念ながらこの時間帯は閉館中でしたが。

 鉄道研究部。

 新しくできたホールでは、お笑いライブか。

 若かりし頃、軽音楽部でこの体育館で歌わせて貰いました。

 本当に懐かしい。

 OB会の催しも浸透してきたのか、私の席には3人の相談者が見えました。

 それ以外の時間は、私が相談者です。

 娘から「どうやったら弁護士になれるか聞いておいて」と言われていたのです。

 アニメ「名探偵コナン」にでてくる、毛利蘭のお母さんが弁護士だからだそう。

 京大出身の弁護士さんが2人も参加してたので聞いてみました。

 当然ながら、特に秘策はないようです。

 娘がもし弁護士になってくれたら……いや、何でも一生添い遂げられる仕事をみつけてくれれば、それで良いのですが。

 やはりインパクトがあるのは、梶子ママ。言わずとしれた、京都ニューハーフ界のドンです。

 昨年、高槻の先輩に「カルシウムハウス」に連れて行ってもらいました。

 私より随分先輩にも関わらず、お肌もツヤツヤ。よって美容と健康の相談担当なのです。

 梶子ママは、KBS京都のラジオ番組を持っており、「本の宣伝にでも、遊びにきてくれたらいいよ」と言ってくれました。

 一度行ってみようかなと。

 私にも、メディアからのオファーが時々あります。

 昨日番組が終了したので、もう書いてもよいと思うのですが、「世界!極タウンに住んでみる」という番組からも相談がありました。

 相談と言う名のオーディションと言っても良いのですが。

 極端な町に住むというメイン企画とは別に、ある企画が進行していまいしたが、実現する前に終わってしまいました。

 この番組は、「めちゃイケ」の後番組。

 憧れのビートたけしや、大好きな岡村隆史がでていた、フジの土8にもしかすると……ちょっとワクワクしていたのです。

 弁護士、医師、会計士、そして梶子ママと、これだけバラエティに富んでいると、高槻高校に行けば何にでも成れそうな気がしてきます。

 タレントでもない、見た目もごく普通の48歳に、なぜこんな話がくるかと言えば、建築家という仕事をしているからです。

 やっぱり、一所懸命頑張っているとお天道様か神様か仏様が見ていてくれるのです。

 一生懸命ではなく一所懸命。

 土8の夢は泡沫と消えましたが、移り気はNGなのです。

■■■9月16日(日) 9:00am~12:00pm 高槻中学・高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加します■■■

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人は違う。でもそんなに変わらない。‐1517‐

 大阪近辺での打合せなら、阪神高速を使う確立が高くなります。

 首都高速程ではないにしても、通勤時刻は結構混むもの。

 会社近くを通るのが14号松原線ですが、駒川入口あたりも渋滞ポイントです。

 それで、早めの出発を心掛けていますが、1号環状線ををぐるっと回るだけでも、名物建築が色々見れます。

 松原線に乗るとすぐに見えてくるのが、あべのハルカス

 高さ300mは現在日本一。

 そのまま、なにわのエッフェル塔・通天閣のすぐ東を通り抜けます。

 高さは103m。

 環状線は、時計回りの一方通行。JRの環状線の更に内側にあります。

 その1号環状線と14号松原線が合流するあたりにあるのが湊町リバープレイスです。

 八角形の建物内には、FM大阪もはいっています。

 御堂筋と交差する位置からは、ナンバ・ヒップス。

 昨年、食事を2度ご一緒させて頂いた高松伸さんの作品です。

 環状線は大川を越えるあたりから、右に大きくカーブ。

 北に見えているのが梅田エリアです。

 高層ビル群の先駆けとなったのが大阪マルビル。高さは約124mで、1976年の完成です。

 東に向きを変えた環状線は、中之島の北を走ります。

 民の町・大阪のシンボルは中央公会堂。その存在感は、やはり抜きんでているのです。

 この日は12号守口線で、北へ向かいました。

 ついでにと言えば怒られますが、分岐点あたりにあるのが、私が設計した「seiundo」の入る、北浜一丁目平和ビルです。

 扇町には、キッズプラザ大阪の入るこの建物。

 大阪市環境局舞洲工場の設計で知られる、フンデルト・ヴァッサーの設計です。
 
 阪神高速、大阪建築ツアーはいかがだったでしょうか。

 12号守口線の城北インターで降り、さらに地道を北上すると、阪急電車が見えてきました。

 京都線の上新庄駅と相川駅の間で、神崎川の上を通過しています。

 中学・高校の間、この橋の上からずっとこの川を眺めていました。

 小学校から上がったばかりの頃、「いつか相川駅で降りて、釣りに行ってみたいなあ」などと思っていたのです。

 6年間も時間があったのに、それは一度も叶いませんでしたが。

 日々というものは、まさに電車に乗っているようなもの。「降りてみたい」と思ったら、すぐに行動しなければ、実現することはありません。

 また、角度、方向が違うと全く違う場所に見えるものです。

 私が毎日毎日見ていたあの場所だと、初めは全く気付かなかったのです。
 
 見る人の視点によって、全く違う景色があることを、今ならようやく理解できます。

 反対に、自分だけが特別な訳はないので、相手、他者も同じような、期待や不安を持っていることも、何とか想像できます。

 この相反する単純な真実が、未来をイメージする上で、とても重要だと考えています。

 こんなことを、学生に熱を入れて話していると、多くの学生は目が泳ぎ出します。それで「ああ、言い過ぎたんだな」と分かるのですが。

 人は違います。でもそんなに変わらない。

 これは私の人生哲学ですが、それぞれをフォーカスすると、それは間違っているという言い方もできるのです。

 なので、目的の「ある」「なし」が大切です。

 それがあれば、哲学はそこへ向かう道具となります。それが無ければ、間違い探し、出来ない探しを始めるネタでしかなくなると思うのです。

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目指せニュータイプ‐1516‐

 1991年~1993年、冬は北海道のかもい岳スキー場で過ごしました。

 空知地方の歌志内市にあり、以前は炭鉱で栄えた街ですが、当時は観光に力を入れていました。

 ジュニアのアルペンスキーでは有名なスキー場で、オリンピック選手も輩出しています。

 それもあって、大学のスキー部も何校かが合宿を張っていました。大学時代の冬は、ほぼここでの思い出しかありません。

 あの、のんびりとした温泉宿は大丈夫なんだろうか……

 被災された皆様へ、心からお見舞い申し上げます。

 9月はプレゼンテーションが続きます。

 出掛ける時間がなく、話題はどうしてもインドアに。秋の夜長に「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」を観ました。

 子供とファーストガンダムを観て、やっぱり面白いねとなり、他にないか探して貰ったのです。

 ファーストガンダムの放送は1979年で小学3年生の時。

 ど真ん中世代には、画がビビッドすぎる感もありますが、「THE ORIGIN 」はそれらがはじまる前の物語です。

 ガンダムの魅力は、大筋に絡むヒューマンストーリー、繊細に設定されたキャラクター、モビルスーツの格好よさでしょうか。

 中でもやはり「シャア」は別格。

 そのクールな格好良さに、今でもしびれます。

 「シャア専用ザク」、略して「シャアザク」は私の世代なら、普通に通じる言葉です。

 「赤い彗星」のニックネーム通り、他のモビルスーツの3倍の速さで動き、次々と敵を撃破します。

 人口が増えすぎた地球はエリートだけが残り、宇宙への移民を推し進めます。

 遠く離れたスペースコロニーに住むジオン・ダイクンは、宇宙に捨てられた人類の中から厳しい環境に適応した「ニュータイプ」という優れた資質を持つ者が現れると予言しました。

 側近だったデギン・ザビはジオン・ダイクンを謀殺。その思想を利用し「ジオン公国」として独立。地球連邦軍と戦うというのが大筋です。

 優れた種である自分達が、全世界を治めるという大義は、ヒトラーを彷彿させますが、ジオン軍の制服が第二次世界大戦時のドイツ軍に似ているのは偶然ではないそうです。

 シャアはジオン・ダイクンの息子で、復習の機会をうかがうために素性を隠し、ジオン軍のパイロットとして戦争に参加。

 驚くべき戦果が、ニュータイプとしての適性を示しているとされます。

 その戦いに、連邦軍側のパイロットとして16歳のアムロ・レイも参加します。

 ガンダムを操るうちに、ニュータイプとしてシャアを凌ぐほどの成長をとげ、戦争を終焉に導いて行くのです。

 あくまで架空の世界の話ですが、ニュータイプとは、予知能力、認知能力が飛躍的に向上した人を指すようです。

 関西もまだまだ天災の爪痕が残ります。

 現在一緒に仕事をしている建築会社の監督達も、まさに寝る間を惜しんで走り回っています。

 人の弱みにつけこんで、高値をふっかけてくる業者も居るのでしょうが、私の知る建築会社は全く逆だと感じます。

 「被災された人達の中から、危険度、必要度の高いところから、順に回っているんですが、何せ時間と業者が足りなくて」と。

  そんな中で、私が最も信頼している監督の言った言葉が耳に残ります。

 「どれだけ一生懸命させて頂いても、何か一箇所でも思うようになっていなければ、怒られる方もいるんですよね」

 お代を頂くのに、適当でいいという方は居ません。

 大量生産社会になり、出来上がったものを自分の目でみて、またはwebサイトと評判で確認して、物を買う時代になりました。

 建築も多くの物が工場生産化され、カタログやショールームで確認できるようになりましたが、熟練の職人が長い時間を掛けて作り上げるものも多々あります。

 それでも、どちらに責任があるかと言えばプロ側なのです。

 子供の頃、いや今も、特殊な能力を持つ、痩身で格好のよいヒーローに憧れます。

 スーパーマン、スパイダーマン、アムロ……

 その能力は、生まれ持っていたり、偶然の出来事で手に入れたりが殆どです。

 生まれ持っての能力もあるでしょうが、現実はその程度のもので、抜きんでたり、求められたりすることはほぼありません。

 日々の研鑽以外に成長の方法はないのです。

 この事を、何とか若者に、せめて自分の子供に伝えられればといつも思います。

 それには、自分が結果を出し続けるしかないのですが。

 アニメや映画の世界のように、一目で「あの人は全く違う」と思って貰えるレベルに到達できれば良いのですが、それはかなり難しいでしょう。

 私がいきなり、シャアのような容姿に変わることはありませんから。

 それでも諦めてはいません。仕事上でなら、ニュータイプとなることも不可能ではないと思っているのです。

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困難克服ゲーム‐1515‐

 台風21号が通り過ぎ、2日が経ちました。

 関西では風速50m/sを越えた所もあり、大きな傷跡を残して行きました。移動が速かったのは不幸中の幸いだったと思います。

 私が設計した建物でも、室外機が飛んでしまった、剥がれた大きな屋根が飛んできてバルコニーに落ちてきたなどの連絡を貰いました。

 こちらは、連絡を貰った訳ではないのですが「Ohana」のシンボルツリー、オリーブが倒れてしまったとfacebookで知りました。

 店主で、カメラマンの石井さんの写真を拝借しています。

 今から9年前、2009年の9月「古川庭樹園」へ行きました。

 畑と言われる、樹木を育てるエリアを、石井さんと探してまわったのです。

 その中から、この一本をみつけました。

 私の車で持って帰り、自分達で植えたのです。

 竣工時はこの大きさ。1.8mくらいでしょうか。

 私が最後に会ったのが今年の6月。BBQの時でした。

 軒下までが6.8mなので、およそ7mにまで成長しました。

 本当に立派になったなあと、思っていたのです。

 形あるものはいつか壊れます。生き物なら、いつか必ず息絶えるのです。

 関西は大変だと言っていたら、北海道で震度7の地震が発生しました。

 自然の驚異を前にしたとき、ただ頭を低くして、行き過ぎるのを待つだけしかできないのです。

 人生は困難克服ゲームです。

 RPG(ロール・プレイング・ゲーム)と例えてもよいかもしれません。

 敵と出くわさなければ、また戦わなければ経験値が上がることはありません。

 ゲームならその戦いを楽しめるが、現実なら逃げたくなるのは何故なのか。

 ゲームは気に入らなければやめることが出来ますし、必ず解決できると知っているからだと思います。

 ならそう決めるまです。

 絶対にやめない、必ず解決すると決める。なかなかできませんが、これが人生を困難克服ゲームにするコツのはずです。

 何が起っても、人は死なない限り生きます。

 それなら、前向きに生きるだけです。

 今日も、明日も困難ばかり。それこそが、成長の源ですから。

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夏夜の花火に、潮風mix‐1514‐

 8月上旬、娘が「今年は花火みてないやん!」と言い出しました。

 毎年花火を観るルールになっていたかなと思いながら、妻に探してもらうと……ありました。

 「泉州 光と音の夢花火」は、9月1日(土)、2日(日)の開催。何とか日曜日の席を確保できました。

 打ち上げ開始は8:00pm。

 夕日を背に、泉南市のタルイサザンビーチへ向かいます。

 位置的には関空のすぐ南。りんくうタウンの観覧車がみえていました。

 2014年から始まった音楽フェスティバルのフィナーレとこの花火大会は始まりました。

 音楽フェスだけでなく、肉フェス、WORLD beer festaと色々なイベントの総称が「大阪泉州夏祭り」のよう。

 もうごった煮のイベントなのです。

 会場を転々とし、昨年からここでの開催となったそう。

 打ち上げ前まで、海辺のステージは盛り上がっています。

 事前に楽曲のリクエストも受付ており、スキマスイッチの「奏」で幕を開けました。

 安室奈美恵の「HERO」。

 うちの子供達が好きなK-POP、BIGBANの「Haru Haru」も。

 それぞれ1万発で、2日で2万発。

 1時間上がりっぱなしでした。

 ケツメイシの「夏の思い出」はあるかなと思っていましたが、それは流れず。

 勿論サザンもありませんでした。

 時代は移ろいます。寂しい気持ちがないと言えば嘘になりますが、夏祭りは若者の物ですし、それでいいと思います。

 若者と言うには更に若い、13歳、10歳兄妹ですが、楽しい夏休みになったのでしょうか。

 茅渟の海 深紅に染める 夢花火

 ひとよの夢を ひととき映せ

 一句詠んでみました。

 気が付けば、行く夏を惜しむ季節になりました。

 もう若者ではないのが寂しいのは寂しいですが未だ青春ではあります。

 松下幸之助の愛したサミュエル・ウルマンの詩の通り、それは心の持ちようだと思っています。

 であるなら、やっぱり「夏の思い出」潮風mixは聴いてみたかったか。

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讃岐うどんの名店Ⅶ、そこまでセルフ‐1513‐

 前回、香川での墓参りを終えたところまで書きました。

 昼食のため、快晴の讃岐平野を移動します。

 地元では「讃岐富士」と呼ばれる飯野山(いいのやま)。

 まさにオニギリをポンと置いたようなフォルムです。

 その脇を、申し訳程度に流れるのが土器川。

 香川で唯一の一級河川ですが、年に200日も水の流れない日があると、ブラタモリでも紹介されていました。

 その土手を超えたところに、「釜たま」の名店「なかむら」があります。(「釜たま」は、釜揚げうどん+たまごの意味)

 映画等にも登場するこの店を伝説としたのは、味は勿論として、「そこまでセルフ」というストーリーです。

 自分でダシを入れる、麺を温めるのは勿論、畑にネギを抜きに行き、自分で切っていたそう。

 人手不足でそうせざるを得なかったそうですが、更なる繁盛店になり、そのサービス?は現在なくなってしまったのです。

 この日は11時半頃の到着で、15人待ち程度。

 思ったほど混んでいませんでした。

 私は「釜たま」の特大に、もう1つ卵を追加。

 卵は自分で軽く混ぜ、ゆであがりを待ちます。

 レジで自己申告するのですが、天ぷら2つを加えて700円くらいだったでしょうか。 

 店内は清潔で広め。

 気候がよければ屋外席も気持ちよさそうです。

 この日はとても暑く、子供たちは冷やしうどんやぶっかけうどんを頼んでいました。

 麺は細目で、いわゆる讃岐うどんほど腰はありません。

 「長田」もそうでしたが、釜あげの名店は、麺がモッチリしている傾向にあります。

 熱い麺と卵を混ぜると、半熟のような状態になります。そこにうどん醤油をくるっと掛けて頂きます。

 特大は3玉入っていますが、のど越しが良く、いくらでも入って行く感じ。

 ねぎ、しょうが、ごまで味を変えながら楽しみました。

 子供達もみな大や特大を完食。その事実がこの店の味を雄弁に語っています。

 大変美味しゅうございました。

 昼頃になると、続々と車も増えてきました。

 あっという間に行列が伸びていきます。

 この長さなら1時間半くらいは掛かるでしょうか。

 帰り際、主人か若主人だろうと思い、少し話を聞いてみました。

 最近では良く混んでいるほうだそうです。

 「じゃあ今日は、良い日になったね」と言うと笑っていました。

 飲食、観光という産業は、難しいものだと思います。

 多くの人が常時訪れれば、天狗になるからか疲弊からか、客を雑に扱う店が増えてきます。

 しかしそんな応対を受けたことを人は忘れません。いずれその店、観光地は衰退して行きます。

 そうなってから、過去の栄光を取り戻すのは難しいでしょう。

 美味しいから繁盛する。それは素晴らしいことですが、また違った意味での試練がまっているのです。

 経営の神様、松下幸之助はこんなことを言っていたと思います。

 「失敗は、成功への過程。成功は、失敗の要因が蓄積している状態にすぎない」

 成功もまた試練。仕事とは終わりのない成長ゲームと言えるのです。

 しかし、このサービス過多の時代に、「なかむら」が支持されるのは面白いところです。私は、お客さん扱いで遠ざけられるより、もう少し立ち入ってみたいので「なかむら派」なのかもしれません。

 最後に、讃岐うどんの名店も整理しておきます。あくまで「私の」なので、雰囲気、混み具合等も合せてⅠの「やまうち」を推しておきます。

讃岐うどんの名店Ⅰ ひやあつの「やまうち」
讃岐うどんの名店Ⅱ 元祖ぶっかけの「山下」
讃岐うどんの名店Ⅲ 釜揚げの「長田」
讃岐うどんの名店Ⅳ 元祖しょうゆうどんの「小懸屋」
讃岐うどんの名店Ⅴ 純手打ちうどん「 よしや」
讃岐うどんの名店Ⅵ かまたまの「山越えうどん」
讃岐うどんの名店Ⅶ そこまでセルフの「なかむら」

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身近にあった真備。「ではない探し」ではない人生を‐1512‐

 8月も最終週に入りました。娘は今日から小学校に行っています。

 9月1日世代にはピンときませんが、休みが多すぎるよりは良いでしょうか。

 夏休み最終日の昨日、岡山、香川へ墓参りに帰っていました。

 まずは父方の郷里、倉敷へ。

 倉敷市は比較的大きな市で、倉敷川となまこ壁で知られる美観地区から、海沿いまでを網羅しています。

 その海を臨む墓地に守谷家の墓はあります。

 瀬戸内海式気候の夏は、雨が少なく本当に暑い。

 しかし、ここは眺めがよく目には涼やかです。

 中学生になった長男2人は、共にクラブで欠席。

 曾孫に打ち込みたいことが出来たなら、祖父母も喜んでいるでしょう。

 暑い中、一番下の女の子2人が墓掃除まで頑張ってくれました。

 次は、瀬戸大橋で香川へ移動します。

 母方の墓地は、金比羅山の見える田んぼの真ん中にあります。

 小さい頃から何度も目にしてきたこの景色ですが、日が強く、緑が本当に鮮やかです。

 稲穂も徐々に頭を下げ出していました。

 子供達も、蒸せるような夏草を香りを、いつか思い出す時がくるでしょう。

 父方の郷里が倉敷の海沿いと書きましたが、この辺りの住宅では、焼き杉板が結構使われています。

 倉敷と書いていますが、昔から我が家でも児島(こじま)と呼んでいます。

 昔は学生服の街、また現在では国産ジーンズ発祥の地としても知られる繊維の街なのです。

 近くにタコ漁で知られる下津井等もあり、なかなかに活気のある街だったようです。

 材木商だった祖父は、商いでは成功していたようで、墓地の裏には結構な規模の山を所有していました。

 そういえば、代々の墓も最も見晴らしの良い場所にあります。

 その祖父に続いて、数年前に父の兄も他界してしまったのですが、伯母は健在で少し話をしました。

 先月の豪雨では、倉敷市の真備地区で高梁川が氾濫し、多くの犠牲者がでてしまいました。

 伯母の姉がこの地区に住んでいたことを昨日初めて聞きました。

 親族が暮らしており、ぎりぎりのところで非難していたと聞いて、より豪雨の災禍を身近に感じます。

 先週、広島、愛媛を回った際も、多くの土砂災害跡が残っていました。

 思わずカメラを背けてしまいましたが、山肌にある墓地はかなりの確率で被害を受けていました。

 墓石が流されている景色は、何とも表現しがたい景色だったのです。

 伯母の姉の家も、2階まで完全に水に浸かってしまったのですが、近所の方が強い調子で連れ出して下さったそうで一命をとりとめました。

 しかし、家の中には土砂が流れ込み、乾き、とても住めるような状態ではないと言います。

 昨年、こんなたとえ話を話を聞かせてもらいました。

 もしあなたが「今、ソマリアの難民キャンプで、毛布が不足している」と聞いたらどう答えるでしょうね。

 「それは可哀想だな」で終わるかもしれません。

 この話を、安部首相が聞いたらどう答えるでしょう。

 「それは、日本として何か支援をしなければなりませんね。すぐにどんな援助ができるか検討して貰えませんか」と、しかるべき担当者に指示を与えるかもしれません。

 これが、視野の違いです。

 あくまで例えですが、その通りだと思いました。

 日本人ではない、知合いではない、親族ではない、家族ではない、自分ではない……

 どこまでも、「ではない探し」をしている人と、そうではない人の、どちらが人生において成長するのか。その答えは明らかです。

 大阪北部地震、西日本豪雨と、直接何かの援助ができている訳ではありません。

 まずは、精一杯自分の仕事に打ち込み、喜んで頂き、感謝の対価を頂き、しっかり税金を納めることが一番です。

 しかし、伯母の姉の話しを聞き、ではない探しをしていた自分がいたことを、はっきりと認識します。

 何度か書いた、讃岐うどんの名店めぐり

 今回は初めての店を訪れてたのですが、ちょっと内容がそぐわないので次回にします。

 「ではない探し」ではない人生を送る。

 何度も、何度もそう決意しなければならない程、人はやっぱり弱いのです。

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しまなみ海道をめぐる<大三島で暮らす編>‐1511‐

 尾道をでて、ようやくしまなみ海道をめぐります。

 向島、因島と渡りますが、橋がそれぞれを地続きにしてくれました。

 一昨年、「村上海賊の娘」を読みました。

 その舞台を見て回りたいと思ったのもきっかけにあります。

 村上海賊の資料館、因島水軍城に立ち寄りました。

 その潮流の早さに驚き、島並の美しさに息をのみます。

 この豊かで、温暖な島々を牛耳っていたのが村上海賊でした。

 しまなみ海道の丁度真ん中あたり、大三島(おおみしま)に入りました。

 小さな集落の最奥。

 後輩が暮らす、築50年の民家は小高い丘の上にありました。

 この島で奥さんも迎えたと聞いたので、そのお祝いもしたかったのです。

 ただ、お祝いの品を家内が全て家に忘れてくるという大失態でしたが。

 チワワを飼っていることも聞いていました。

 イヌと暮らしてみたいという娘の希望も叶えることができたのです。

 両親の郷里が岡山と香川で、小さい頃、夏休みは田舎で過ごしました。

 その経験は、私にとって大きな価値があったと思います。

 決して豊かではないけれど、ゆったりした時間の中で、人にとって何が大切なのかを、私なりに体感していました。

 夕食は、瀬戸内海を望むカフェを予約して貰いました。

 新婚夫婦の写真を1枚。

 しかし、ちょっとふざけたこの写真が、彼の本質をよく表しています。

 アコウ、アジ、イカ、タコ。

 魚にはうるさい娘も大満足です。

 大人に一番人気だったのは、ハモシャブ。

 軽く皮を浸し、さっとダシをくぐらせるのがよいそう。

 美味しく、楽しい時間はあっという間に過ぎて行きます。

 遅くまで、久し振りの会話を楽しんだのです。

 翌朝、島豆腐などと一緒に、ミカンジュースが食卓に並びました。

 奥さんが生産したもので、皮は一緒に絞らないタイプで、甘く、とても柔らかい味わいでした。

 様々な職業を経験した移住組の穏やかな奥さん。美味しいミカンを沢山生産されることを楽しみにしています。

 ようやく仲良くなった頃、帰路につかなければならないのが旅の理です。

 最後の昼食は、「ファミリーレストランよし川」へ。

 大阪のファミリーレストランとは、随分趣きが異なります。

 海鮮丼を頼み、もう思い残すことはありません。

 大三島と言えば、伊東豊雄ミュージアムもあります。

 スティールハットの隣に建つのは、氏の自邸を再現したシルバーハット。

 大三島の美しさに惚れこんでこの地を選んだそうですが、今回はほぼ素通り。

 その訳は、私が多くの仕事を持ちこんでいたからです。

 昨年の夏季休暇、仕事が追いつかずで全ての旅行をキャンセルしました。

 しかし今年は「滞在中に仕事をしていても、彼なら許容してくれるだろう」という気持ちもありました。

 食事以外の時間は、奥さんの書斎を借りて仕事をさせて貰いました。

 2人と別れてから、子供たちにはちょっと海に浸かってもらい、海を望む図書館で仕事。

 旅先図書館も、我が家では定番です。

 夕刻になり、大三島を後にしました。

 愛媛の東予港を夜に発ち、月曜日の早朝、大阪南港に帰ってきました。

 船旅の終わりにはいつも思います。

 少し海は汚れているけれど、ここが私の戦う場所だと。

 2学年下の彼は、私が結婚したと知り、お祝いに湯飲み茶わんを持ってきてくれました。

 もう10年以上前のことです。

 私は、手土産はできるだけ食べ物など、無くなるものにしています。

 人の好みは様々だし、押しつけがましいのは嫌だなと思うからです。

 しかし、この湯飲み茶わんは絶妙でした。

 適度な厚み、風合い、品格を備え、そしてそこまで主張が強くない。

 ひとことで言えば「センスがよい」となるのですが、その審美眼を常に磨いていると感じるのです。

 彼は、日本各地、また海外でも、自分の職能で生計を立ててきました。

 この大三島で暮らすにあたって、日本各地をめぐった上で、人の温かいこの地を選んだそうです。

 ひなびた温泉地なども回っていましたが、そんな観光資源に恵まれた地は、総じて斜陽の雰囲気をもっていたそうです。

 聞けば納得できますが、本質を見抜くのは簡単ではありません。この話は妻越しに聞いたのですが、彼らしい選択だと感じました。

 人間は自由なものとして生まれたが、いたるところで鎖につながれている。

 フランスの哲学者ジャン・ジャック・ルソーの言葉ですが、人は自由を求める一方で、アンカーのようなものも求めています。

 そのアンカーとは、家族だったり、仕事だったり、人それぞれです。

 逆説的に言えば、だからこそ自由を求めるのだと思います。

 そういえば、母方のルーツを探っていくと、愛媛県にたどり着きます。私の中のDNAには、この海が含まれているかもしれません。

 祖父母が皆亡くなった今、勝手ながらこの地を第三の故郷とすることにしました。

 私は自由をこよなく愛すると書きましたが、彼ほど自由の風を感じさせる人はいません。

 矢付き、槍折れた時は、自由の風と、潮風に吹かれに行きたいと思います。

 何より、この地なら娘が喜んでついてきてくれるのです。

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しまなみ海道をめぐる<尾道編>‐1510‐

 週末は、後輩を尋ねてしまなみ海道をめぐりました。

 まずはスタート地点の尾道へ。

 この地を訪れたのは7年振り。某脱走犯が泳いで渡ったという尾道水道です。

 狭い所は200mだそうですが、もっと狭く感じます。

 それが、山、海、街のコントラストを強調し、極めて美しい風景を演出しています。

 尾道の背景ともいえるのが千光寺山。

 宿はその頂上付近にあり、尾道水道を見下ろします。

 あたりには、まだまだ豪雨の爪痕も残っています。

 この付近では、10日間の断水があったそう。

 仲居さんも、やはりトイレが一番苦労したとのことでした。

 純旅館という感じの宿で、部屋食でした。

 日が高いうちから食事をするこの贅沢。

 海の幸は、タコ、シマアジ、マダイがとても美味しかったのです。

 子供たちはダイヤル電話を面白がり、フロントへの電話が取り合いになっていました。

 翌朝、尾道商店街へ。

 南の路地をのぞけば海。

 北をのぞけば、山陽本線越しの千光寺山。

 この日は気持ちのよい気候で、坂道も歩きました。

 貿易の拠点として栄えた尾道は、急な斜面に張り付くように家が密集しています。

 敷地に対して無駄がないよう、法面に張り出した住宅。

 石の梁によって支えられていました。

 今風に言えば昆構造です。

 極めて細い路地は、神戸の外国人居留地などにも見られますが、より日本の風土を感じさせます。

 斜面に張り付く生き物が、手足を伸ばすかのよう。

 やや不安感はありますが、素晴らしい景色でしょう。

 急斜面での暮らしの中で、最も困難なのが水の確保。

 二階井戸は文化遺産に登録されています。

 海沿いまで戻ってきました。

 フェリーの往来をみているだけで飽きません。

 水の近い暮らしは、変化に富んでいるのです。

 夜、光を写す尾道水道。

 そして朝の尾道水道。

 「池を望む家」を設計したのが10年前でした。

 水というものは本当に無限の変化を見せてくれると知りました。

 生命の源である水を愛でるのは、ごく自然なことなのかもしれません。

 足掛け10年を掛けて、家族で47都道府県制覇の旅を終えたのが昨年の12月。

 切迫感こそなくなりましたが、折角旅にでるなら、子供たちにも何かを感じて欲しいと思います。

 今回は大三島に移り住んだ後輩を訪ねるのが目的でしたが、尾道だけで長くなってしまいました。

 「大三島で暮らす編」は、木曜日にUPしたいと思います。

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