カテゴリー別アーカイブ: 01 兵庫県太子町/地域のために、エレベーターのあるリハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」

兵庫県太子町/地域のために、エレベーターのあるリハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」‐3‐【ゲンバ日記チャンネル】EPISODE1-建方完了-

地域のために、リハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」【ゲンバ日記チャンネル】Episode1を公開しました。

「ささき整形外科クリニック」は2015年に完成。

続いて、2023年には、プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」が完成しました。

こちらは当社が設計・監理を担当しました。

地域の皆さんの健康に貢献できるよう、施設を拡大してきたのです。

多くの患者が来院され、リハビリスペースが足りなくなってきたことを解消するのが、このリハビリ棟増築計画です。

増築は法的なハードルがかなり高くなります。

既存クリニックに開口を開け、リハビリ棟の渡廊下を接続するのですが、既存クリニックと増築棟は、地震の揺れが異なってきます。

よって、人は行き来できるが、構造体としては離れているという状況を作る必要がありました。

それを実現するのがエキスパンジョイントです。

30cmの隙間を埋める金属の部材ですが、追って紹介してきたいと思います。

敷地は広いですが、郊外型のクリニックのため駐車スペースが大いに越したことはありません。

できるだけそれらを減らさず、車の通路を確保できる、ギリギリの大きさを狙ってプランしました。

どれだけ規模が大きくなっても、最終的に頼れるのは、現場で鍛え上げられた職人の技術だけです。

4階建ての躯体が無事組みあがりました。

鳶チームとクレーンオペレーターの阿吽の呼吸は、もっと多くの人に見て貰いたいと思います。

日本が世界に誇る技術なのです。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

兵庫県太子町/地域のために、エレベーターのあるリハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」‐2‐鉄骨検査

JRの姫路駅から姫新線で30分。

播磨新宮駅で監督と待ち合わせていました。

鉄骨検査の工場まで、30分程走りました。

こういった工場は、広い敷地が必要なので郊外が多いのです。

これまで訪れた工場の中でもかなり大きい部類です。

整理整頓も行き届いており、丁寧な仕事振りがうかがえます。

製品の寸法チェックからスタート。

工場内の部材を見て回ります。

特に重要なのが溶接部。

超音波検査によって欠陥がないか調べます。

基本的には、医療用のエコーと同じ仕組みです。

これだけオートメーション化が進んだ世の中でも、建築現場は職人の手によって作り上げられていくものが大半です。

しかも、これだけ大きく、重いものを人の手で作り上げるのが建築です。

工場内の部材は、全てが今回工事のもの。

壮観ではありますが、改めて身が引き締まる思いがします。

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兵庫県太子町/地域のために、エレベーターのあるリハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」‐1‐プロローグ

2020年4月2日。

姫路城の桜は、ほぼ満開でした。

兵庫県太子町の「ささき整形外科クリニック」に初めて伺う前に立ち寄ったのです。

新型コロナの緊急事態宣言が発令されたのは、その5日後でした。

世の中の情勢を見極めながら、プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」は、2022年12月に着工。

”生まれ故郷である太子町で、介護が必要な方が治療・リハビリを通じて、いつまでも元気に暮らしていけるお手伝いをするために、この度ささき整形外科デイケアセンターを開設いたします。

「ささき整形外科デイケアセンター」は要介護、要支援状態からの機能の改善を目指したデイケアです。”

患者さんには、足腰への負担が少ない水中での運動を勧めますが、その施設が足りていないことが計画の動機になったのです。

その純粋な思いからスタートした、全国的にも珍しいプールのあるデイケアセンターは、2023年の8月に竣工したのです。

患者さんが増える一方の母体である「ささき整形外科クリニック」ですが、2つの施設は隣り合っています。

院長から「何とかリハビリする空間を増やせませんか」という相談を受けたのは、「ささき整形外科デイケアセンター」が竣工した1ヶ月後でした。

クリニック側の駐車場を一部取り壊し、リハビリ棟を増築する計画を進めることになったのです。

ただ、計画は困難を極めました。

駐車場をできる限り残し、リハビリする空間を少しでも大きくしたい。

相反する課題が、常に中央に立ちはだかります。

また、既存建物に増築棟をつなげるのは、法規として大変ハードルが高いのです。

更に、消防、土木事務所、保健所と、関係省庁との協議を繰り返しました。

院長が望む空間を確保するには、4階建てにする必要があることも分かってきました。

何より、クリニックの営業を止めずに完成させなければなりません。

あらゆる課題を解決できたのは、着工予定日の数日前だったのです。

2つの施設の間に建つリハビリ棟は、中立的な意味合いを込めて真っ白なキューブとしました。

その上で、開口から入ってくる光を制限し、外壁に光をできるだけ当てないよう、4枚の庇を外周に巡らせました。

その陰影が、この建物をより印象的なものとし、地域のランドマークとなってくれることを期待しています。

5年前の4月2日、姫路城は咲き誇る桜とは対照的に、人影はまばらでした。

あれから本当に色々なことがありました。

胸が痛いほどの閉塞感、終わりの見えない感染拡大……

新型コロナ前夜に計画がスタートし、この地に2件の建築を設計、デザインさせて貰うことなど想像もできなかったのです。

それらの経験をさせて貰い、改めて「医療」の重要性を感じます。

クリニックを営業しながらの計画は、まるで綱渡りのような緊張感です。

それでも、私の職能を必要として貰えるなら、これほど光栄なことはありません。

何としてでも、お盆までに完成させなければなりません。

その冒険の旅を、またここで書けることは幸せ以外の何物でもありません。

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