タグ別アーカイブ: オリンピックイヤー

人生は総懺悔‐1762‐

 今日は成人の日ですが、式典の延期や中止の報道もありました。

 新成人の方々は忸怩たる思いだと思いますが、まずは生きていればこそ。その忍耐は、必ず活かされる時がやってくると思います。

 彼らだけでなく、今は我慢の時です。

 年末のことですが、大坂七墓のひとつだった長柄墓地(現在は大阪市設北霊園)に立ち寄る機会がありました。

 昨年は梅田墓地の発掘調査の話も取り上げましたが、現代の大阪の真ん中に、これだけ大きな墓地があるのかと驚きました。

 それでも往時の2/5の規模だそうです。

 お盆あたりと年始くらいは毎年墓参りに帰っていたのですが、今年も難しいかもしれません。

 年末から画像だけ上げていた、12月28日発売の『suumoリフォーム(関西版)』

 内容には触れていませんでした。

 今回、作品掲載はないのですが、「満足度アップのために、デザイン力のある会社を選ぶコツ」という私のインタビュー記事が掲載されました。

 一昨年発売された『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』 では「回遊できる家」が掲載されました。

 その取材に来てくれたライターさんが「守谷さんの話しが、フラットで分かりやすかったから」と編集部に推してくれたようです。

 お代を頂いての取材は、やはり光栄なことです。

 ところが発売の少し前に、編集部から「suumoリフォーム情報誌シリーズを休刊します」という案内が届きました。

 よって今回が最終号なのです。

 私は紙媒体が大好きですが、web全盛の時代になり、さらに非接触が加速する中、時代の変化は誰にも止められません。

 これは他人事でなく、自分達も進歩、変化していかなければ、時代の藻屑と消えてしまうのです。

 紙媒体と言えば、年賀状も減る一方というニュースばかりです。

 アトリエmとしては、お世話になった方々に、「一所懸命に頑張っています」という報告のつもりで、出来る限り出すようにしています。

 今年の作品は結構迷いましたが、年末にUPしたばかりの「ときめく紺色の家」にしました。

 家族用は、夏の八ヶ岳行きにしました。

 高槻中学、高校の同窓会の幹事を引き受けているのですが、昨年末の開催予定が、この状況でひとまず1年延期しました。

 恩師や同級生からの年賀状にも、同窓会に関してのコメントをいくつも貰ったのです。

 「オリンピックもどうなるか分からないので、難しそうですね」

 「楽しみにしているので、是非開催してください」

 概ねのこのような意見でしたが、こんなコメントもありました。

 「考え方を変えて、デイキャンプ形式にしてみてはどうですか?」

 なるほど、そんな考え方もあるのかと思ったのです。

 秋までには方針を決めなければなりませんが、私なりに全力で判断しようと思います。

 幹事をしている関係から、『高槻の歩み つたえる・つながる・つくる』の編集部から、昨年の夏にお亡くなりになった、澤田先生への追悼メッセージを貰えませんかと連絡を貰ったのが10月のこと。

 こちらは年末に冊子が届きました。

 悪かった自慢をしたい訳ではなく、素直に澤田先生へ気持ちを綴ったつもりです。

 中学1、2年の担任だった澤田先生は国語の中でも古文が専門でした。

 源氏物語、方丈記、徒然草と、当時はろくに授業も聞かずで、成績も最低。

 何故あれ程魅力的な古典を、しっかり澤田先生から学んでおかなかったのか……

 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。 

 たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。

 『方丈記』 鴨長明

 川の流れはとどまることなく、元のままということはない。よどみに浮かぶ泡は、消えたり、生まれたりで長くとどまることもない。この世の人も住みかも同じようなものである。

 美しい都に軒を連ね、住まいで格を争う、身分の高い人も、低い人もがいるのはいつの世も変わらぬものだが、昔からある家は稀である。ある家は去年焼けて今年新築してある。大きな家はなくなり小さな家となっている。住む人も同じようなものだ。住む所が変わらない人も多くはいるが、ずっと昔から代々住んでいる人は2、30人のうち僅かににひとりかふたりだ。朝亡くなり、夕方に生まれる、水の泡と同じようなものなのだ。

 私なりに意訳してみました。答えは見ていないので、澤田先生に採点して貰おうと思います。

 中高の成績は270人中、大体が下から2番目でした。

 もう1人強者(表現がおかしい!)が居たのですが、中学で辞めてしまったので、もしかすると高校時は最下位だったのかもしれません。

 そんな私が幹事の代表をしているのは、総懺悔に他なりません。

 迷惑を掛けた先生、手を出してしまった同級生、通学中に喧嘩になった他校の……

 もうきりがありません。

 アトリエmを興してから少し経った時、何故か「人生は総懺悔」という言葉が頭に浮かびました。それから気持ちが楽になりました。

 お詫び、お詫び、お詫び。

 働く、働く、働く。

 もうこれしかありません。

 澤田先生とともに、ご迷惑をお掛けした先生、同級生には総懺悔し、精一杯働くことを年始にお誓い申し上げるのです。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

ちょっと相当ヤンチャな愛嬌‐1709‐

 平時なら青葉美しい季節ですが、今年は休まる時がありません。

 梅雨とは言え、これだけ雨マークが続く天気予報はなかなか……

 「令和2年7月豪雨と命名」という記事がありました。

 地域名が入っていない通り、九州から東海、東日本に至るまで、日本列島を覆う程の雨雲をみると、不気味にすら感じます。

 河川の氾濫によって、濁流に家や田畑をのまれた人達の気持ちを慮ると、やりきれない気持ちになるのです。

 近所の中学校は開校していたようですが、電車通学の我が家の兄妹は2日続けての休校でした。

 土曜も学校があった私達世代と比べると、ことしの登校日は半分くらいになってしまうかもしれません。

 縁あって、中学・高校の同窓会の世話役代表を引き受けています。

 開催日をオリンピックイヤーの12月30日と決め、2004年に第1回を開催しました。

 2016年の第4回が最多で64名の参加。

 同窓生270名のうち、100名くらいが参加してくれる会になればと思い、4年に一度だけ、母校と同窓生のために頑張っているつもりなのです。

 前々回から、会場は大阪マルビルの第一ホテル、開始時刻も17時に固定しました。

 そんな関係で、私が進行もさせて貰っているのですが、3時間程かけて参加者全員が、順に近況報告をするだけ。

 だけなのですが、とにかく楽しいのです。

 普段連絡を取り合っている訳でもないのに、完璧な間合いでつっこみが入り、盛り上がります。空間がとても温かいのです。

 今回案内を出すと、2割くらいの返信がありました。

 その中に、当時現代文を教えてくれた中條先生からのものがありました。

 この6月に『蒼穹』(そうきゅう)という俳句の句集を出版されたとのこと。1冊送って下さったのです。

 すでに重版されているとのこと。1句触れてみたものがあったのですが、俳句はあまりにも知識がなく、もう少し勉強してからにします。

 ご自身のブログにそのやりとりをUPして貰っています。

 宮本輝の『優駿』と志水辰雄の『散る花もあり』を教えて貰ったのが中條先生で、どちらもストーリーが刺激的なのですが、リズムの良さ、文章の美しさが印象に残っています。

 もっと正直に言えば、折角書くなら、このレベルまで行ってみたと、心のどこかで思っているのですが。

 私の印象としてこう書いて下さいました。

「モリヤ」という呼び名の響きとちょっと相当ヤンチャな愛嬌ですね。そのずっとあとになってビフォーアフターで匠(アゲイン)を伝え聞いて嬉しかったですね。

 当時のあだ名が「モリヤ」で、かなりソフトに書いて貰ったのですが「相当ヤンチャな愛嬌」という表現がすっかり気に入ってしまったのです。

 来年が定年とのことで、最後はこう結ばれていました。

 こんなに嬉しい教え子からのメールは本当に久しぶりです・・・楠葉の花屋さんと同期でその彼のことは「激務をぬって二、三度出席してくれたはずです。」と教えてくれました。

2021年の歳末には激務ではないと思いますが…万難を排して出席させていただきたいです。

 母校である高槻中学・高校をどう書くかは難しいのですが、近年共学となり、更に偏差値を上げていると聞きます。

 弁護士、医師、上級国家公務員と錚々たるメンバーに加えて、パチプロをしている同窓生がいるという話もあります。

 中條先生も参加表明をして下さり、そんなユニークなメンバーの前に立つ訳ですから、毎回何かしらの結果を出して、参加したいと思っています。

 2004年、「平野西の家」が初めてのテレビ放映。

 2008年、「境内の中にある家」が『スーパーニュース』で密着取材。

 2012年、「住之江の元長屋」ビフォーアフター』出演。

 2016年、阿倍野の長屋住人十色で放映。初めての著書出版報告。

 発売は2017年という裏技でしたが、オリンピックイヤーは特に結果にこだわるのです(笑)

 第5回は、1年伸びた5年分の成果、関西建築家大賞という結果を持って参加したいと思っています。

 同窓会の世話役は、楽しみであり、遣り甲斐であり、励みでもあるのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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