Webサイトで少し調べものをしたら、SNSにはすぐ関連する広告が入ってきます。
建材メーカーのミラタップで探し物をしたら、Facebookにはこういった広告が。
同じくインスタでも。
その後も、何回もこの写真がでてきて、何だか見たことのある写真だなあ、と思っていたら当社の作品、「高台の家」でした。
坂のある街に建つコンクリート打ち放しの家。
洗面は、2人同時に使いたいという要望で、やや詰め込み過ぎの感もありますが、多くはミラタップの製品です。
この写真が使われるのは理解もできるのですが、自分の知らないところでかなり露出しており笑ってしまいました。
「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」は昨年の9月17日、一粒万倍日に開業しました。
院長の江口さんが、「開院1年後の感想」を書いてくれたのです。
開業を決意したとき、私にとって「クリニックをどこに頼むか」というのは、現実的で、しかし後になってみれば少しばかりロマンチックな決断でした。
医療コンサルに紹介された業者のパンフレットをめくってみても、どうにも胸が躍らない。どれもありきたりな建物ばかりで、そこに「私」がいなかったのです。
実は自宅を大手ハウスメーカーで建てたのですが、どうしても「もう少しこうだったら…」という部分が残り、今度こそ“100%満足の建築”を実現したいと思っていました。
そんなとき、ふとネットの海の片隅で見つけたのがアトリエmさん。直感というのは不思議なもので、メールを送る指が勝手に動いていました。最初にお会いしたとき、守谷さんは建築家というよりも、どこか映画監督のような雰囲気でした。話をしてみると、それは勘違いではなく、自身の仕事を“プロデューサー”と言い、建築をただの形ではなく、「人と空間と物語の共作」として捉えていました。この時点で、私はすっかりファンになってしまったのです。
契約前から何度も打ち合わせを重ねました。私の医療理念、患者さんへの想い、果ては子どもの頃に読んだ本の話まで。正直「ここまで聞く!?」と思いましたが、気づけばそれが心地よかった。――診療方針の打ち合わせに関しては、あまりに長く、そして濃い夜が続きました。 そうして、私の中にあった“クリニック”の輪郭が、少しずつ形になっていきます。守谷さんは私の言葉の裏にある感情を拾い上げ、それを空間として表現してくれました。打ち合わせは数十回に及びましたが、一度として退屈したことはありません。むしろ、建築が進むたびに「自分という人間を再発見していく」高揚感がありました。
完成したクリニックは、――想像以上。毎朝、出勤するのが楽しみになる建物なんて、そうあるものではありません。
無垢の木でつくられた、半円形の大きな本棚を待合に作り、私の友人たちに、お気に入りの蔵書を寄贈いただきました。本を手に取る患者さんの姿を見るたびに、心のどこかで「この人、今日は診察より読書が目的では?」と微笑んでしまいます。それでいいのです。病気がない人も寄ってくれるクリニックでありたいのですから。
患者さんからも「こんなきれいなクリニックが地域にできて嬉しい」とお声をいただいています。実はあまりにもスタイリッシュすぎて、「目の前まで来てるのにクリニックだと気づかず電話しました」という珍事件も起こりました(笑)
さらに、“プロデューサー”の言葉通り、開業までの過程をYouTubeで5回にわたって発信してくださり、私も2回出演しました。地域医療への想いや診療方針を直接お伝えできたことは新たな経験でした。 「YouTube見ました!」と声をかけてくださる患者さんも多く、効果を実感しています。
費用面の心配もありましたが、他のクリニック専門業者と比べても大きな差はなく、むしろ“得られた満足感”が圧倒的に上回っています。この事実を、クリニック開業を考えている方々へ、声を大にして教えてあげたいほどです。
最後にひとつ。リニックが完成した日、私は心の中でこうつぶやきました。「ここはきっと、病気を治す場所じゃない。人がちょっと元気を取り戻す場所だ」と。
守谷さん、そして関わってくださった皆様へ。本当にありがとうございました。 毎日の診療が楽しみになる空間を、一緒に創り上げてくださったことは、一生の宝です。今日もまた、この建物に“通勤”できる幸せを感じています。 江口 考明
ここまで書いて貰い、本当に嬉しい限りです。
早速、作品ページにUPしたのです。
江口さんも出演してくれた2回の動画も、それぞれ上げておきます。
ぞれぞれ、再生回数は600回と400回ですが、それでも「見ました!」と来院してくれるなら、恥ずかしながら撮影をした甲斐があったというものです。
それもこれも、勇気ある江口さんの「ロマンチックな決断」のおかげです。
先述したミラタップですが、デザインアワードを開催しています。
今年も開催されたので、「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」で応募しようと思ったら、「2024年10月~2025年9月末までの期間に竣工」という条件があり、ギリギリ外れています。
応募期限は10月末までで、バタバタしているうちに逃してしまったようです。
柱や壁に、貼り紙をするために、マグボードという商品を貼っているのですが、これはミラタップ製品。
主にはキッチンで使われるものを、院内壁にデザインしてみました。
手洗ボールや水栓もミラタップ製品だったので残念です。
「高台の家」も以前デザーンアワードに応募し、「参加した場合は、当社のWebなどで使用されることがあります」のような注意書きがあったのでしょう。
それでも、連絡くらいないものかなと思ったりはしますが。
ただ、私の仕事は実作あってこそですし、人の目に触れてこそオファーがあるものです。
江口さんみたいな、エネルギッシュでロマンチックなドクターに、届いてくれたら嬉しいのですが。
■■■10月1日(水)『建築人 10月号』に「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」
が掲載されました■■■
■■8月1日(金)患者さんでなくても立ち寄ってほしい「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」がJIA(日本建築家協会)のトップページに掲載されました■■
■9月28日(日)地域のために、リハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」の内覧会開催■
■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■
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