回遊できる家– 長く子供と仲良く、築46年の回遊できる家<リノベーション> –
回遊できる家
– 長く子供と仲良く、築46年の回遊できる家<リノベーション> –
国は、空き家をなくす為「リフォーム、リノベーションを推進する」とアナウンスしている。
当たり前だが、新築にしろ、リノベーションにしろ、建築にはお金が掛かる。ここのところを抜きにして、いくら推進しても前には進まない。
クライアントの要望は、リノベーションして向かいの家に引っ越すという、ちょっと変わったものだった。
計画がスタートした2013年当時で、長男4歳、次男2歳、そして長女はお腹の中。竣工してすぐに三男が誕生した。家族が増えるに従い、元の住まいが手狭になっていった。
リノベーションする向かいの家だが、築46年でご主人の生家でもある。
元々住んでいた家よりひと回り大きいのだが、昔ながらの日本家屋ゆえ軒が深く、内部まで光が届かない。この部分を解決しようというのが、まず大きなテーマとなった。
1階の壁を出来るだけ減らし、回遊性のあるLDKを提案。また天井部も撤去し、吹抜けとした。屋根瓦の一部をガラス瓦とし、2階部分から中央に光を落とすことを考えた。
プランを気に入ってもらい「進んで行きましょう」となったのだが、ここからがなかなか大変だった。銀行はリノベーションに対しての非常に融資が渋いのだ。
リノベーションとは建物の価値を高めるという意味がある。既存建物を活かし、空間の価値を高めるのと、壁紙を貼り換える程度のリフォームでは、工事の規模も難易度も全く違う。
この辺りの現実を、行政、金融とも把握し、言行一致して貰いたい。数千万円単位が可能な新築と違って、500万円を超えてくると、一気にハードルが上がるのだ。
しかし、何でも粘り強くトライしてみるものだ。理解のある融資先が見つかり、無事工事スタートにこぎつけた。全ての過程でここが一番大変だったかもしれない。
「明るく」は、実はサブテーマで、メインテーマは「長く子供と仲良く」だ。明るく、家族の幸せを本気で願う前向きな夫妻がいたからこそ、何とか完成までたどり着けたと思う。
設計の依頼をもらえば、あらゆる可能性を探り常にベストを見つけたい。プラン、金額調整、現場監理のいずれも同じだ。しかし、それはあくまでも船の舵をきっているにすぎない。
計画の推進力であるエンジンのスクリューを回せるのは、クライアントの真剣な思いだけだとつくづく思うのだ。
クライアントの声~抜粋~
私たちの理想、30個以上あったと思うのですが、全部叶えて下さいました。勿論、予算の関係で実現不可のものもありましたが、必ず代替え案を考えて下さいました。
夢に少しずつ近づいていったあの日々が懐かしく、今でももう一度体験したいほど楽しい日々でした。
メディア掲載
2018年4月14日(土)毎日放送
『住人十色』– 築46年の実家をリノベ!4人の子どもがのびのび育つ家-で「回遊できる家」が放映されました。
2018年3月
『住まいの設計5・6月号』に掲載されました。
2019年9月
『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』に掲載されました。
2020年9月
『リフォームデザイン2020』に掲載がされました。
Data
所在地 | 大阪府 |
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構造 | 木造 2階建て リノベーション |
竣工 | 2016年6月竣工 |
敷地面積 | 182.48 ㎡(55.2坪) |
延面積 | 137.97 ㎡(43.5坪) |
建築面積 | 105.01 ㎡(31.8坪) |
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1階床面積 | 105.01 ㎡(31.8坪) |
2階床面積 | 32.96 ㎡(11.7坪) |
工事費用 | 1375万円 |