
天神橋は、中之島の東端をまたぐ3連のアーチ橋です。

橋を渡り、北に向かって歩いていくと大阪天満宮に突き当ります。

11月末に通りかかった際は、工事用のシートで覆われていました。
来年8月まで、1年かけての屋根の葺き替え工事が行われるようです。

こちらは6月に訪れた際、掲示板にあったことば。
この世に生を受けたこと。
それこそが、最大のチャンスではないか。
-アイルトン・セナ- レーシングドライバー
あなたのような才能があれば……ということばが出そうになりますが(書いてしまっていますが)、人生は自分の身ひとつで、最大のチャンスを活かすしかないのです。
私の最大のチャンスは、ものづくりの機会に他なりません。

Webサイトに2作品をUPしました。
1つは住宅。

もうひとつはクリニックです。

住宅は「ドッグランのあるタイル床の家」です。

ご主人が言う「ちょっと変わった家族」は、タイ人の奥さんと2匹のチワワ兄妹が暮らします。

ドッグランを備えているのはそのためです。

ホテルライクな恰好よい空間を目指しました。

吹き抜けを介して、寝室からLDKの様子をうかがい知ることができます。

バンコクでの暮らしが長いご夫妻は、全ての空間でタイル床を望んでいました。
金額的には高めになりますが、やはりタイルの質感は他には代えがたいものがあります。
とくにバスルームは生活感を排することを考えました。

毎日の散歩のあと、ドッグランの足洗い場で綺麗にしてもらうのです。
この家の計画を「最後の夢」と位置付けていたクライアントからの期待は、大変に大きいものでした。

クリニックは「ささき整形外科クリニック リハビリ棟」です。

向って右にある「ささき整形外科 デイケアセンター」が完成したのは2023年の8月でした。
新型コロナの流行が拡大し始めた2020年の4月に相談があり、世の中の情勢を見極めながらの計画でした。
そして、デイケアセンター竣工の1カ月後に、リハビリ棟増築の相談を受けたのです。

増築は法的なハードルが高く、かなり苦労しましたが今年の8月に完成しました。

2つの施設の間に建つリハビリ棟は、中立的な意味合いを込めて真っ白なキューブとしました。
その上で、開口から入ってくる光を制限し、外壁に光をできるだけ当てないよう、4枚の庇を外周に巡らせています。

1、2階にはベッドが10台程入るリハビリ室があります。

法の要求で必要となった、2mの既存クリニックとの離隔距離は、逆手にとって中庭として活かしました。

3階にはスタッフがリラックスできるよう、カフェのような空間を設けています。
広いカウンターがあり、仮眠スペースにはリクライニングチェアも備えました。

屋上は雨除けも備えているので、どんな天候でも、体を動かしたり、西播磨の穏やかな風景を楽しめるのです。
全てバリアフリー化するため、エレベーターが4つのフロアを繋いでいるのです。

工程において、院長からの要望は「通常のお盆休み以外診療を止めない」でした。
診療を続けながら増築棟を完成させ、僅かに立入禁止区域を設けて、2棟を接続。

5日間のお盆休みで、既存受付の動線を改善する工事と、新たな診察室を2部屋つくるという神業的な工程だったのです。
学生時代が、F1ブーム真っ只中の私達世代は、いまだにT-SQUAREの『TRUTH』が流れてくると、ついアクセルを踏み込んでしまうという人も多いでしょう。
3度のワールドチャンピオンに輝いたセナは、1994年5月1日、サンマリノグランプリでコンクリートウォールに激突し帰らぬ人となります。34歳でした。
史上最高のドライバーは、全盛期のままその生涯を終え、伝説となったのです。
私のような普通の人は、時に自信を失い、時に立ち止まってしまいます。
しかし、大きな期待をかけ、計画を託してくれるクライアントがいる以上、嘆いていても、卑下しても、何の意味もありません。
勇気をもって前進するしかないのです。
ものづくりの一番よいところは、結果が実際に見れるところです。自信を失った時、前に進めなくなった時は、作品を見返します。
これが私の年表です。
普通の人間が、精一杯生きてきた証しなのです。
■■■10月1日(水)『建築人 10月号』に「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」
が掲載されました■■■
■9月28日(日)地域のために、リハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」の内覧会開催■
■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■














