暮れは元気にごあいさつ 2013年‐1023‐

 今日も快晴の大阪。寒い日が続いています。

 ♪暮れの元気なごあいさつ~♪というCMは今でも流れているのでしょうか。自分の2013年を振り返ってみます。

1月 「匠」が選ぶビフォーアフター大賞2012

空間アイデア部門の2位をもらいました。

2月 必然で必要、そしてベストのタイミングで起こる

後厄がおわり、さあ、という1年でした。

3月 大阪の住まい力アップ、最優秀賞受賞

「住之江の元長屋」が、コンクールの第1回目の戸建て部門の最優秀賞を貰いました。

4月 こっそり見て、さっさと忘れる

ガンダムのデザインをしたのが大河原邦男。
その展覧会へ。「こっそり見て、さっさと忘れる」の言葉は痛快でした。

 

5月 池原の悲しき恋人

9年振りに子供と訪れた池原ダム。20年ほど前を思い出します。
釣りについて書いてみました。

 

6月 バックパックに詰めて行くもの、置いていくもの

自分の人生に必要なものとは。

7月 それはポーカー詐欺だ

多くの若者と仕事をしてきました。
中でも旅好きな若者へは、沢木耕太郎の言葉を送ります。「恐れずに。しかし、気をつけて」

8月 法力で投入れる

長年気になっていた投入堂を見に鳥取へ。

9月 清き水に住む

環境によって全く味が変わるボラ。
生物は環境に左右されるものなのです。

10月 カミングアウト‐1000‐

この日記を始めて9年9か月。1000記事目を迎えました。
その機会に、自分とって最も辛かった時期のことを書いてみました。


11月 菊竹の狂気‐1011‐

初めて訪れた出雲大社で、建築家の真の迫力を目の当たりにすることに。


12月 サービス精神だけは忘れずに‐1015‐

3年振りに家族写真をOhanaへ撮りに行きました。
2013年も明日の大晦日を残すだけになりました。
この1年、精一杯頑張れたのだろうか、と自分に問うてみます。
やはり、出来なかったことの方が多く頭に浮かびます。
点数で言えば72点くらいでしょうか。

 土曜日の朝、新幹線から快晴の富士山が見れました。

  人は変わる。変われるでは無く変わるんです。調子がいいからずっと同じ状態でいたいと言っても無理なんです。ならいいほうに変わろうよと、僕はいつも言ってるんです-王貞治- 

 いつも心は日本晴れ、とは行きませんが、常に顔を上げ、全力で前に進んで行きたいと思います。

 今年1年、この日記にお付き合い頂き、本当に有難うございました。
2014年が、素晴らしい1年となりますよう、心からお祈りいたします。

 2013年 12月30日 守谷 昌紀

通知票‐1022‐

 「自分がするより緊張するわ~」などと言い出したら、おばちゃん化が進んだ証拠。

 そんな時「そんなわけないやろ~」と大木こだま風に突っ込むのが、一般的な関西人です。あくまで心の中で、ですが。

 娘がピアノを習っており、初めての発表会がありました。

 大きなホールの舞台に、娘が一人で入場。

 家でたどたどしく弾く姿を、時々見ていました。

 それだけに、他の子供が「何故こんなに上手なんだろう」と思えてくるものです。

 うちの子は大丈夫なんだろうか、と。

 今もっている力は、完全に出し切れたようです。

 課題の2曲を弾き終え、お辞儀をした時、ホッとしました。

 私はピアノを弾けませんが、自分が弾くより緊張しました。

 小3の長男は、通知表を貰ってきました。

 長男は本を良く読み、頭の回転も早い方だと思っています。

 しかし、これまでの成績は至って普通。

 ところが今回、今までで一番よい評価を貰っていました。

 「おしらせしたいことがら」という、先生からのメッセージ欄に、こうありました。

 体育の準備や体操を率先してやりとげることができました。課題意識をもって学習に参加し、深く掘り下げて考える姿はすばらしいです。

 深く掘り下げて考える姿はすばらしいです、の言葉に感激しました。これは、私の思う彼の長所のイメージと完全に一致します。本当によく、見て貰っているんだな、と。

 先生は今年新任でやってきた30歳半ばの男性。長男曰く、こんな場面があったそうです。クラスの誰かが悪いことをして、黙りこんでしまいました。その時、先生はこう言いました。

 「黙っていても、必ず一人は見てる。それは自分や」と。

 素晴らしい先生、師に巡り会うことは、本当に幸せなこと。直接の機会はなかなかありませんが、心から感謝しています。 

 長女は運動会でアンカーを務め、一番に。長男は骨折もありましたが、最後にご褒美を貰った感じです。親の評価ですが「大変よくできました」としておきます。

 さて自分自身は。次回、今年最後に書いてみたいと思います。

ゼロ‐1021‐

 グランフロントには、建築関係のショールームが集まっています。

 数年前までは本町に集中していたのが、あっと言う間に各社が移動してきました。

 土曜日、クライアントと訪れていたのですが、相変わらず凄い人出です。

 大階段には、922人のサンタクロースが並んでいました。

 明日はクリスマス・イブ。

 「言うこと聞けないと、サンタさんはやって来ないよ!」

 親子の攻防は寸前まで続きます。

 「海賊と呼ばれた男」は2013年の本屋大賞。

 映画化された「永遠のゼロ」はデビュー作にして380万部の売り上げ。21世紀の最高部数を記録した文庫本だそうです。

 作者、百田尚樹のデビューは50歳で、現在も探偵ナイトスクープの放送作家。

 発売すれば全てがヒット作。凄まじいと言ってよい活躍です。

 乗り遅れた感もあったのですが、ようやく読んでみました。

 「永遠のゼロ」のあらすじは以下のようなもの。

 フリーターの佐伯健太郎と駆け出しのライターである姉・慶子は、祖母が亡くなったあと、残された祖父から、自分は2人目の夫であると知らされる。

 姉弟の母は、1人目の夫、宮部久蔵の子で、彼はゼロ戦の搭乗員だった。終戦間際、特攻で戦死したことを知る。

 姉が終戦60周年記念のプロジェクトに協力することになり、残り少なくなった、祖父を知る人を訪ねるという企画を考え、取材を始めた。

 それらの人を訪ね歩くうち、祖父・宮部久蔵の実像が、徐々に浮かび上がってくる。最後に宮部久蔵と関わりのあった人が、自分たちの良く知る……

 証言者が変わる度に場面が変わり、全く飽きさせません。祖父の像が浮かび上がる度に、こちらもどんどん知りたくなって来ます。

 弟、姉も真実を知る度に(フィクションですが)、成長して行きます。また、多くの若者の人生が、この戦争によって断たれたという事実が、読者の胸に突きつけられるのです。

 今年の夏頃、筆者はこのように語っていました。

 父は市の職員で、水道管が破裂していないか、日がな街中を歩き回り、見付けては補修するという仕事だった。地味な仕事だったがそれを全うした。

 今、仕事がない、仕事がないと言うが、工場では外国人の労働者が働き、国へ送金をしている。どこに仕事がないのか、と。

 彼は、常に人間の素晴らしさを書きたいと言います。それを、父の背中から学んだのですが、本来はそれは当たり前の姿とも言えます。

 父として、リーダーとして、何ができているのか。自ずと力がはいります。

♪幸せってなんだっけ‐1020‐

大阪に生まれて43年。

初めて「美々卯」のうどんすきを食べました。

ショールーム回りをしていると昼時になりました。

クライアントが、うどんすきでも行きませんかと。

谷崎潤一郎も愛したというその味は、上品至極。

アナゴ、活きエビ、ハマグリ、うどん。特にエビイモは絶品でした。

奥さんは京都出身の方。味には厳しい京都人も満足と、食い倒れの街、面目躍如でした。

この日はショールーム回りだったので、それ程の準備は不要でした。

例えば現場打合せの際、準備が甘いと決まるもの決まりません。所員には、その風景をイメージし、一通り思いを巡らせるよう伝えています。

それが間違ってなかったかなと思ったのは、以下の本を読んでから。「勝負脳の鍛え方」は林成之という脳科学者の著書。彼は、水泳の北島康介選手をサポートをしていました。

一度書いたことがあるのですが、イメージ記憶のところには触れていませんでした。以下は私のメモです。

 記憶はイメージ記憶である。スポーツなら手足の動かし方を記憶するのでなく、成功した時のイメージで記憶している。

 例えばキャッチボールなら、相手の胸元に投げようと意識を持って投げるから、体が自然にイメージ記憶に照らし合わせて微調整する。

 ゴルフのパットなら、入れる意識ではなく、どんな転がり方でカップインするかをイメージすれば、体が自然に微調整する。

 入るイメージが出来なければそれに向かって調整できない。

①目的でなく目標が大切
②具体的な方法を明らかにして実行
③目標を達成するまで、その実行を中止しない

 目標が達成できないと、色々な理由をつけて方向転換しようとする。これは、人間が持つ(自分の脳を守ろうとする)自己保存の本能に従った考え。

 これを一度体験してしまうと、何をやってもいつも目的が達成できない脳になってしまう。そういう仕組みが人間の脳にはある。脳の疲労は大敵で、気の置けない人や家族との楽しい会話。愚痴は×。

何故そんな事を考えるようになったかと言うと、BBQの際の忘れ物を無くしたかったから。

現地についてから「あれが無い、これが無い」となると楽しさも半減。こんな事を考えるようになりました。一人悦に入っていると「いつも準備を有難う」とか「流石だね」と言ってくれるようになったのです。

『幸せってなんだっけ』 作詞:関口菊日出・伊藤アキラ

幸せってなんだっけ、なんだっけ

随分昔、明石屋さんまが歌っていました。

大げさに書きましたが、人の幸せってそんなものなのかなと思うのです。

希望のHIKARIを!‐1019‐

 来春、全面開業を迎えるあべのハルカス。

 天王寺公園とで「あべの・天王寺イルミナージュ」が開催されています。


 こういったイベントは初めて。

 感想は、想像以上にいいものだな、です。


 ハルカスにはカウントダウンの数字が浮かび上がります。

 2014年3月7日がグランドオープン。


 公園内は、光の動物で埋め尽くされています。

 後ろに見える、張りぼてのお城はイベン外。

 茶臼山だからこそのご愛嬌です。


 かなりの寒さのなか、大道芸のパフォーマンスがありました。

 Mr.オクチというパフォーマーだったのですが、このショーがなかなか素晴らしく……


 場所だけを借り、出演料なないそうです。

 ショーが終わり「45歳になりますが、これ一本で生計を立ててきました」と。

 差し出した帽子へ、小銭を手に走る子供達。

 次々と投げ入れられ、大人からは5千円札もありました。

 感謝の対価を報酬とするなら、大道芸人ほど真剣勝負をしているは少ないかもしれません。

 本当は、誰もが気持ちよくお金を払いたいのです。
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 テーマは「希望のHIKARIを!」となっていました。

 光とは、根源的に言えば、炎であり、熱です。

 どうせなら、希望の炎を燃やし、情熱をもって生きたいと思うのです。

 園内に響くのはワムの「ラスト・クリスマス」。続いて「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」そしてマライア・キャリーへ。

 やはり、冬の夜は恋人たちのものです。

がっくりも憂鬱もまたよし‐1018‐

 昨日は現地調査へ行っていました。

 リノベーションは調査がすべて。何かを提案するには、建物を把握するところから始まります。

 遠くに臨むのはあべのハルカス。

 都心部であっても、ドラマティックな眺望はあるものです。

 ここは物干しとして使われている塔屋部。

 木が上へ伸びるように、密集地では建物も上、上へと光を求めることになります。

 折角手に入れた光と景色を、物干しにだけ使うのはもったいないので、何らかの仕掛けを考えたいと思っているのです。

 昨日、このようなメルマガが届きました。

 成長の姿に「憂鬱」があることを知ってますか?

 素晴らしい話を聞いた後に「よし!やるぞ!」と勇気が湧いてくるというのでなく、どちらかと言うと、「がっくりした」「憂鬱」になったという姿です。

 私は、こちらのほうが「成長する」ということにおいて本物のような気がします。

 なぜ、「憂鬱」になるのか、私にもよく分かりません・・・・きっと、本気でやろうと思っている人が、本気でやるということの凄さを実感して、立ちすくむようなものではないでしょうか?

 まあまあ、やってたつもりが、全然出来ていないことが話を聞いて明確になり、嫌になってしまうようなものではないでしょうか?

 これから自分が進むべき道を想像し「えらいこっちゃ!」という思いが、自分でも気が付かない心の底から湧きあがってくるようなものではないでしょうか?

 もし、あなたが本当に成長をすると決め、真剣に歩んでいるとするならばきっとこの「がっくり」「憂鬱」体験をしているはずです。

 「がっくり」「憂鬱」体験は、悪いことではありません。

 あなたが本当に成長することを裏付けてくれているのです。

始道塾 塾長 恩田多賀雄

 この日記もそうですが、意識的にネガティブな単語は避けきました。憂や鬱はその代表格。

 しかし、恩田さんの言葉は、すっと心に入ってきます。「がっくり」も「憂鬱」もまたよしです。
 
 悪いイメージに引っ張られる事と、ウェイークポイントを認識することは全く違うもの。しかし、紙一重の存在とも言えそうです。

代われるものなら‐1017‐

 大阪はイチョウの多い街です。

扇形の葉は、日を受けるとまさに黄金の輝き。

 イチョウには、寒い朝が似合います。

 10月末に骨折した長男ですが、結局手術をしました。

 初めに処置してくれた医師が、非常に丁寧な人でした。

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 前腕の先端には成長軟骨という、重要な部分がある。

 その部分がずれると、成長に影響が出る可能性がある。

 よって、肘の上までの固定となりました。

 「私は手の専門ではないので、専門医に診て貰った方がいい」というアドバイスで、後日他の病院へ行くことに。

 結局「ずれ」が見つかり、ピンで骨を固定する手術が必要になりました。

 長男は、家に帰ってからも落ち込んだまま。「僕の腕なんか曲がったままでいいんや」と泣いています。何を言っても「手術はいや」の一点貼り。

 小学3年とは言え、本当に拒否すれば、手に負えないんだという事が、まず分りました。

 何とか納得して先月上旬に手術。

 先週ピンを抜く手術を終え、1ヵ月振りに包帯のない手に戻ったのです。

 手術が決まった時、私も人の親。

 「代われるものなら、代わってあげたい」という気持ちになりました。

 しかし、どんな困難も代わってあげることは出来ません。同様に、私も代わって貰うことは出来ません。

 現実はいつも1つで、全てを引き受けるしか、前に進む方法はないのです。

 失敗しても、命までは取られない。スタッフに、自分にそう声を掛けます。

アルミ削りだし‐1016‐

 デザイン系の事務所は圧倒的にMacですが。しかし当事務所のOSはWindows。

 CADを導入したのが1999年で、その頃のパートナーが「CADでないと描けない」と言いました。彼がWindowsユーザーだったのです。理由はそれだけ。

 当時私はPCさえ持っておらず、手描きで図面を描いていました。

 しかし、物創りの現場では、常にAppleの話題はでてきます。

 例えば、エッジの話。建築においてもあのシャープさを出せないか、という要望は頻繁にあります。極限を目指す物創りの精神は、誰もが感じているのです。

 画像で説明する道具として、ようやくiPadを購入しました。



 

 やはり美しい「物」です。

 あの指の動きに慣れるまで、随分時間がかかるでしょうか。

 しかし、本当の美しさは裏面にあります。

 

 クライアントでもある、製造業の経営者に教えて貰いました。

 このボディはアルミの削りだしだそうです。

 「削りだし」というのは、アルミの塊からこの形に削っていくという工法です。

 いわば彫刻のような作り方。

 彼が言うには、この金額でこの物を作れるのはAppleだけ、とのことでした。

 ジョブズは、徹底的な現場主義で知られました。新製品のアイデアを検討する時は、膨大な数の試作品を作りました。

 また、Apple storeの実店舗をつくる時も、大きな倉庫の中に実物大の試作品を作り、検討したそうです。

 東京で進めている店舗の計画でも、Apple storeの事は話題に上がりました。ある部分において、それを超えられないかと言う話になりました。

 遣り甲斐のある課題です。しかし、勝算はあると思っています。

 ジョブズの思考の特徴に「問題に気づく力」があると言います。問題の根源を見つけさえすれば、多くのことは解決できるということです。

サービス精神だけは忘れずに‐1015‐

 11月の中旬、「Ohana」へ家族写真を撮りに行きました。

 この時期のスタジオは、七五三の撮影もあり繁忙期もピークを迎えています。事情は分かっているので、出来れば年末までに貰えれば、と伝えていました。

 カメラマンの石井さんから連絡があり「会があるので、久し振りに食事でもどうですか」と。私は打合せがあるので「もし遅くまで続いていたら寄せて貰います」と返しました。

 「絶対来るなら、写真を何とか仕上げて行きますが」と。思わず笑ってしまいましたが「じゃあ、伺います」と返信しました。

 写真を持って帰ると、子供達は大喜びし、大爆笑していました。

 サービスカットが入っていたのです。

 カメラマンが映っている写真はなかなか。これは、勿論石井さんがシャッターを切っていません。

 そのチームワークも含めて、お見事です。

 ダウンタウンの松本人志は「仕事というのは、サービス精神を忘れたらおしまい」と言っていました。
 
 彼がそう言うなら、私達はサービス精神の塊で、丁度良いくらいでしょうか。

 ついに師走にはいりました。今年一年の総決算です。

 どんな時でもそうですが、事務所としも正念場。

「今日という1日が、人生の全てを決める」とスタッフを、私自身を、鼓舞します。悔いのないよう、全身全霊を込めてあらゆる判断をしたいと思います。

 そして、サービス精神だけは忘れずに。