タグ別アーカイブ: モザイクタイル

女性はキラキラが好き?‐1811‐

 7月に入りましたが、傘マークがずっと連続する天気予報です。

 梅雨らしいと言えば梅雨らしいのですが、妻は洗濯が困るとも。

 男性陣にとっても、多少小休止があると嬉しいのは嬉しいのですが。

  6月末に「ときめく紺色の家」の1年点検に行ってきました。

 昨年の4月、初めての緊急事態宣言が出た頃、こちら現場は工事の最終盤に入っていました。


 大きな荷物を引っ張りながら、不安な気持ちで現場へ通っていたことを思い出します。

 ただ、頬に感じるそよ風や、緑の絨毯となっていく水田を見て、コロナ下の社会になっても、何ら変わらない自然にホッとしたものです。

 少し早めに到着して、まずは外観を1枚。

 もう定点観測のようなものですが、植栽の成長が建築をさらに良くしてくれるのです。

 チャイムを押すと、すぐにご主人が出てきてくれました。

 先日「サンワカンパニー産‐1809‐」でも紹介した玄関タイルです。
 

 2階へ上がると、奥さんが「早起きして、ここから朝日が昇るのをみると、もう感激するんです」と、私達にプレゼンテーションしてくれました。

 朝日の位置を、私がコントロールしている訳ではありませんが、南東角を2面開口にしたのはできるだけ長く朝日を見て貰えるようにです。

 元は寝室だったのですが「ここからの景色が大好きなんです」という言葉は、設計者として絶対に聞き逃してはならない言葉でした。

 LDKに飾られた花。

 サイドボードの写真立て。

 キッチン前のカウンター。

 この空間を十分に楽しんでいるのが伝わってくるのです。

 ご主人は竣工を機に独立されたのですが、初年度の決算が思ったより良かったそうで「思い切って、ダイニングテーブルを新調したんですと」教えてくれました。

 昼からの事務仕事は、工場から戻ってからこのテーブルでするそうです。

 「ここに帰ってくると、毎日テンションが上がるんです」とまで言ってくれました。

 朝日を楽しみ、テンションが上がり、会社の成績が良くなったなら、私から何もいう事はありません。更に良い報告がありました。

 娘さんの結婚が決まったとのこと。
 

 寝室のディスプレイスペースには2着がコーディネートされていました。


 「実は明日、初めて先方のご両親とお会いするんです。で、左にしようか、右にしようか迷ってたんです」と。

 最終的には右にしようかなと仰っていたのですが、そんなビッグイベントにもこの空間が活かされていることを、嬉しく、誇らしく思ったのです。 

 こちらの奥さんも、キラキラが好きな方でした。

 5月に紹介した「Shabby House」にもシャンデリアがありました。

 女性にキラキラ好きが多いのは何故か。

 多分、いつまでもキラキラしていたいからだと思います。

 断定しているのでも、確信がある訳でもありません。

 そうあって欲しいと、私が勝手に思っているだけだなのかもしれません。

 ル・コルビュジエ は「住宅は住むための機械である」と言いました。

 私は「住宅は人生を楽しむ最大の道具」としてみたいと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

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アトリエmの現場日記

奥さんの念願が叶いました‐1758‐

 クリスマスイブの夜、アトリエで仕事をしていると、クライアントからとびきり嬉しいメールが届きました。

 添付画像はこのクリスマスツリー。

 webサイトにUPする前に「ときめく紺色の家」の下書きを送っていました。

 どこまで写真やデータを公開させて貰って良いか相談する為ですが、その返信が以下のものでした。

 守谷さん

 お世話になります。

 奥さんと拝見しました。

 すべて満足していますので、すべてお任せ致します。

 そして、奥さんよりの伝言です。

 添付写真のように、「階段下から見るツリー等々奥さんの念願が叶いました」と。

 また、最近めっきり冬らしくなりましたが、当初懸念していた結露はサッシに少し付着するくらいで全く問題ありません。

その僅かな結露もサッシの外に流れる構造になっているようですし。

 ビフォーと同じくガスファンヒーターを使用していながらです。

 2階が暖かいのです。昼間の暖かさを保温しているようです。床暖房をなしにして良かったと思います。

 後は、将来的に東隣と南東の家が建て替えになるまで朝陽を楽しみたいと思います。

 撮影の候補日を2つ貰っていたのですが、予報が非常に微妙で、寸前まで迷いに迷っていました。

 決行することにしたのですが、実際に青空が出たタイミングは極わずか。

 写真家の冨田さんが、その中で良い仕事をしてくれました。

 午後は雨がパラつくも、夜景も何とかコンプリート。

 全てに恵まれた、秋の一日だったのです。

 メインカットはこのアングルかなと思っています。

 幸せが香り立つようです。

 レコード、バイク、マラソンとご主人は本当に多趣味な方です。

 メールにあった朝日は、この窓から見えるもの。

 以前は寝室があった場所なので、物理的には見えたはずです。

 しかし日々の暮らしの中で、朝食は1階のLDKに降りなければならないので、朝日が見れるタイミングは、かなり限られていたと想像します。

 建築設計だけではありませんが、この「時間軸」というものは、思いの他、様々なことに影響を与えていると感じるのです。

 朝日や夕日は、自然が毎日私達に与えてくれる素晴らしいプレゼント。

 私も一度、ここから見てみたいものです。

 南の建物が隣接している場合は、ハイサイドが良く効いてきます。

 この瓦屋根が見える景色はすこぶる好評です。

 加えて夏の日差しはそこまで入りません。

 ダイニングチェアをくるりと回せば、パウダースペース

 娘さんと2人で仲良く使っているとのことでした。

 撮影日当日、その娘さんの動きが素晴らしく、どれだけ助けられたことか。

 以前なら、スタッフに指示するだけだったのが、人手不足で妻まで連れていくような状況で……

 感謝の気持ちが表しきれない程だったのです。

 また、東西に御陵があるので、風の抜け道を作ってあげると本当に気持ちの良い風が吹き抜けます。

 キーワードのファンキーは奥様から出たもの。

 エントランスはかなり体現出来たかなと。

 サンワカンパニーのレノスというタイルでした。

 そのエントランスから見て右手のピンクは娘さんの部屋。

 ブルーはトイレです。

 大きくはないのですが、その先にある寝室がなかなか面白いのです。

 奥さんが、服と小物をコーディネイトできるよう、ガラスの棚をしつらえました。

 色々なバリエーションを考えることで、長く洋服も着れるとのこと。納得したのです。

 これがビフォーのほぼ同じアングルです。

 外観はこんな感じ。

 1階のLDKはやはり暗く、左の食器棚裏がカビているのも、改善すべき点でした。

 2階中央の洋室は、完全に物置になってしましたが、この上部にハイサイドを穿ち、瓦屋根の見える景色に変えたのです。

 2階の東端にあった「寝室からの景色は好きなんです」と聞き、私の中でプランはすぐに決まりました。

 更に、2階では階段のある中央部が暗かったので、北向きに思いきって大開口を取りました。

 クリスマスツリーは丁度このグリーンの位置に置いてあるものです。

 階段から見上げたクリスマスツリーのある風景。

 こちらもクラアントが送ってくれた画像ですが、ご主人から「奥さんの念願が叶いました」と聞くと、私も幸せな気持ちで一杯になるのです。

 私のクライアントで「どうにもこうにも仲が悪くて」と言う夫妻は勿論居ません。

 しかしその中でも飛び切り仲のよい、ポジティブなご夫妻でした。

 創り手がどれだけあがいても、幸せの景色は、溢れる愛情がなければ絶対に実現しないものです。

 私にとっても、最高のクリスマスプレゼントになりました。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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