改修の後には

 現在進行している仕事の中に住宅の改修工事があります。

 テレビ番組で、すっかり市民権を得た感もありますが、もうもうとホコリのたつ現場は、なかなかに刺激的なものです。

 今まで隠れていた構造体があらわになり、これから生まれ変わろうとする現場には、多くの職人が入り乱れ、熱気や活気が満ちています。

 建築が創り上げられて行く過程は、荒々しく、躍動感があるので、多くの視聴者が見たいと思ったのは、至極当然かもしれんません。

 この一番面白い部分を、クライアントには出来るだけ見てもらいたいと思っています。

 現場に足を運び、職人達と会話して欲しいのです。そうすれば職人はどんな人の為にこの家を創っているかを知り、クライアントはどれだけ多くの人が汗を流しているかを見る事が出来ます。

 互いを知れば”良い家にしてあげたい””大事に使おう”と思うのが人情。良い事ばかりなのです。

 番組上の演出なのでしょうが、過程を見せずに大きな感動を与えるより、つぶさに見守って貰った上で、より良い家にするほうがずっと大事です。

 実際には、その場に立って感じてみないと分からないことも多くあるものです。

 何度も見ていたとしても、完成した時には、期待をはるかに上回るものにしたいと思います。

 生半可な取り組み方で、出来きることで無いのは重々承知の上ですが・・・・・・

 さて、最後は劇的であれるかどうか。

風邪と風邪薬

 この火曜日に妻が風邪をひき、昨日あたりから、私にも症状が出てきました。鼻水は止まらず、喉も腫れて、散々な状態。

 ”体が資本”と、気を付けているつもりですが、季節の変わり目と、最近のバタバタがたたったかもしれません。

 お医者さんは見ていないと仮定して(見ていないでしょうが)、クライアントとこんな話しになりました。

 ”病院に行く時間も無いし、前に貰った薬をちょっと・・・・・・ということありません?” 

 ”5日間の薬が出ていたとしても、体調が良くなると、飲むのを止めるしネ”

 ”捨てるはもったいないし、薬は溜まる一方。市販の風邪薬よりは効くかなと思って”

 駄目なことなんでしょうが、現実かもしれません。そういう私も実行したことがあります。その上治らず、病院で正直に伝えて怒られました。

 しかし、鼻水やくしゃみは何故こんなにも体力を消耗し、やる気をそぐのでしょう。

 ひとくしゃみ事に体は疲弊し、洟をすする度に、集中力は切れ・・・・・・

 嘆いていても仕方ないので、これも天の思し召しと思い、今日は早めに上がります。

写真を撮る日は

 昨日の日曜日は、完成した住宅の写真撮影に行っていました。

 私が写っていますが、メインは建築専門の写真家による撮影です。昔の写真館にあるような、専用のとても大きなカメラで撮るのです。

 昨年の春に設計依頼を受け、この日までおよそ一年半。設計の最中には様々な問題を解決しなければなりません。しかし、この日が一番気をもむのです。

 まずは日程調整。クライアントの予定、写真家の都合、そして何より天候。家が完成し、日常生活が始まる中、お願いするので”明日は天気が良さそうなので”とは行きません。

 今回も一週間前から、日曜日の天気予報が二転三転するたび、一喜一憂していました。

 やはり、青空の下で撮影したい。しかし、こちらの思い通りにはならない。後はただ祈るのみ・・・・・・

 当日は、何とか青空がのぞきました。

 次は、路上駐車。車が前に止まっていると撮影は出来ません。都市部の現場では、前日からお願いの張り紙をしたり、私たちの車をギリギリまで止めておいたりと、策を講じるのです。以前、駅前店舗の撮影は、ひっきりなしに止まる、自転車、車に散々悩まされました。

 撮影が始まる前から、道を掃いたり、吹き掃除をしたり夜景の撮影が終わるまで、一日中走り回っていました。全て終了した時は、もうぐったり。

 写真を撮るために仕事をしているのではありませんが、私達の手元に残るのは写真だけです。

 前記の理由から、写真を撮れる機会もかなり限られています。

 どうせ撮るなら、良い写真家に、良い状態で撮って貰いたいと願うのです。

 後は現像を待つばかり。一区切りついた今は、とても清々しい気分です。

福井をめぐる その2

 前回10/16の続きです。

 14日の土曜日は、9:00pmにはもう夢の中。翌日は5:00amに目が覚めました。


 

 

 

 この日も、目が覚めるような秋晴れ。朝食の後は子供を連れて、ホテル前のゲレンデへ。

 

 

 

 転んでも、嬉しそうに走り回っています。むしろ積極的に転んでいました。やっぱり自然の中で遊ぶのが一番です。

 スキージャム勝山ではいろんなスポーツが楽しめます。

 マウンテンバイク、ドッグランパーク、そしてパラグライダー。

 ゲレンデに着地して来るので、結構な迫力なのです。

 この景色の中で空を飛ぶと、どんな気分なのでしょうか。

 ホテルを後に、30分ほど走ると”永平寺”があります。

 道元が開いた禅寺で、現在も多くの修行僧が暮らします。

 門前街は一大観光地と化していますが、お土産なら”団助”のゴマ豆腐がお勧めです。

 付いているゆず味噌と頂くと絶品。

 さらに西へ30分走ると日本海へ出ます。敦賀を目指し海沿いを南下。

 越前岬を超えたあたりで、マイカとカンパチを買いました。

 特にイカは”さっき揚がったばかり”の言葉に偽りは無く、透き通った身は弾力に富み、かつ歯切れのよい、抜群の食感でした。

 

 

 

 

 帰り道、行楽シーズンということもあり、久しぶりに名神の渋滞にひっかかりました。

 ”道が広くなる前は良く混んだな”とか”このテールランプが続く景色も懐かしいな”とか思いながら・・・・・・

福井をめぐる その1

 先週末は、福井県のスキージャム勝山に行って来ました。

 スキーシーズン以外では初めて。大阪から、名神、北陸道と乗り継ぎ、福井北インターまで約230km、さらに東へ30kmの道程です。


 

 

 

 北陸道で休憩するなら、杉津パーキングがお勧めです。

 海に近い山腹にあり、敦賀湾が一望できるのです。この日は快晴の絶景。

 高速を降りると、九頭竜川沿いの道、鮎街道を走ります。鮎釣師がちらほら見える清流は、澄みわたっていました。下流域でこれほど美しい川は滅多に見れないのでは。


 

 

 

 3時過ぎ、本日の宿、東急ハーベストに到着。

 ロビーの大開口からは、目の前のゲレンデが広がっています。

 緑のゲレンデもなかなか新鮮な景色。

 

 

 

 

 前日も遅かった、と妻に言い訳して、子供のお守りを頼みました。

 そして、まずは一眠り。目が覚めると子供を連れてお風呂へ向いました。

 日々の疲れを取るには、やっぱり温泉です。露天風呂があればなおよし。


 

 

 

 部屋に戻ると、窓から夕日が。

 毎日、このドラマチックな景色が繰り返されているのに、私は一体何を見てるんだろう・・・・・・とぼんやり眺めていました。

 今日はのんびり晩酌を、と思っていましたが、食べて少し飲んだらバタンキュー。

 旅の宿では、どうもこうなる事が多いような・・・・・・。

 続きはまた後日。

わが街のジャンクフード

 今週の月曜日は、体育の日で休日。普段の罪滅ぼしにと、家族で久宝寺緑地へ出掛けました。


 

 

 

 帰り道に、たこ焼き屋さんがあり、店先には”たこセン 100円”の文字が。

 私の育った平野区特有のモノかは分かりませんが、よそではあまり見ないメニューです。

 小学生の頃は、これをほとんど毎日食べていました。


 

 

 

 学校の帰り、お気に入りの駄菓子屋さんに寄ります。

 どの店にも、たこ焼用の鉄板がありました。”たこセン”はたこ焼2個を煎餅ではさんだものなのです。

 私の近所では、満月ポンという煎餅ではさんだものがレギュラータイプ。

 写真のえび煎餅で挟んだものは”えびセン”と呼んでいました。

 他にもサラダ煎餅、カレー煎餅というバリエーションもあります。値段はどれも30円。

 当時、たこ焼10個が100円。それはちょっと高いが、30円のたこセンと40円の”みかん水”なら、とてもお得感がありました。

 いたいけな小学生の心を動かすのです。

 但しこの”みかん水”は真っ黄色の合成着色料に大量の甘味料を放り込んだだけという代物でした。


 

 

 

 今回、妻は初めて見たと言っていました。しかしあまりの美味しさに驚いていたのです。

 勝手な自慢ですが、この界隈のたこ焼はどこでも美味しいのです。

 もう少し言えば、酸味の効いたソースが、かなりイケるはずです。えびセンのサクッと感とソースの組み合わせがなんとも・・・・・・

 栄養面、健康面を考えると、子供に勧めれるかは微妙なところですが、我が心に残るジャンクフードなのは間違いありません。

秋の小さな運動会

 日曜日は、長男の初運動会でした。


 雲一つない、快晴の秋空。一年で最も気持ちの良い時期です。

 保育園の運動会と侮るなかれ。オープニングセレモニーが20分も続きます。

 観客席を見渡しても、席はびっしり。

 保護者の熱気は、小学校のそれに勝るとも劣らずです。

 最後には風船まで。


 1歳児の出場は開会式すぐ後のかけっこ。

 のん気に見ていましたが、何故かこちらが緊張してきました。

 人生初めての勝負事。どうせなら縁起良く、一等賞・・・・・・などと考えたり。いざ出陣です!


 ”次がウチの子やナ。一番向こうのアレかな?” 「用意。ドン!」

 ”おっ!一番前を走ってるナ。そのまま、そのまま!ゴーーール。やった、一番ヤ!”

 ”んッ?違う?えっ、あのダッコされて泣いてるの。何番?6番?ビリ!?”


 泣き出してしまい、先生に併走して貰っての最下位。私の淡い期待はもろくも崩れ去りました。

 息子よ、人生はなかなかに厳しいもの。負けから学ぶ事も多い。後は上しかないのだから来年は頑張りたまえ。

 ちょっと大袈裟すぎますが。

歩道橋からの景色

 大阪のど真ん中と言えば、梅田(キタ)の中央にある歩道橋でしょうか。

 JR大阪駅と阪急百貨店、阪神百貨店を結び、街頭インタビューのロケ地としてはおそらく関西No.1。高い分、視界も開けます。


 

 

 

 北西遠くには原広司設計の梅田スカイビル。

 空中庭園の部分を、下から持ち上げる工法が話題になりました。

 真北には、キタの顔になった感もある、ヨドバシカメラ。元祖ゴールドポイントカード、だそうです。


 

 

 

 時計回りに、北東には竹中工務店設計のアプローズタワー。

 ホテル阪急インターナショナルや劇場が入る複合施設。

 見えていませんが、東隣にある毎日放送(MBS)の社屋はMの形がモチーフになっています。


 

 

 

 

 真東は、現在は改装工事中、初代、キタの玄関口、阪急百貨店です。

 (2005/10/31の日記を参照)2011年のグランドオープンまで、工事を続けながらの営業が続きます。


 

 

 

 南西の角には、誰某も狙っていた阪神百貨店。

 (2005/11/14の日記を参照)その後ろには、最上部の電光掲示板で流れるニュースを中止するというニュースで話題になった大阪の丸ビル。

 東京と違って本当に○です。


 

 

 

 西を見ると、道路を挟んで、南側には大阪ヒルトン、最も新しいハービスエント、ハービス大阪と続き、北側には大丸百貨店のあるアクティー大阪。

 下の方には小さく大阪中央郵便局も見えます。

 

 

 

 

 ぐるりと見渡して、一番好きなのは、真南にある梅田換気塔。

 村野藤吾設計で、完成は1963年。

 ステンレスで創られた造形は躍動感に溢れ、存在感十分です。

 新高輪プリンスホテル、大阪新歌舞伎座、広島の世界平和祈念堂などを設計した村野は、昨年亡くなった丹下健三と共に、日本の建築会を牽引した巨匠です。

 1984年、93歳で亡くなる前日まで設計をしていたことは、伝説となりました。

 そのバイタリティーは、日本一の地下街と地上を結ぶ梅田換気塔から、いまでも溢れ出ているのです。

彼岸花の咲く季節は

 お彼岸に滋賀県に出掛けた時も、あまり見なかった彼岸花。

 大阪では先週末あたりが満開でした。

 温暖化の影響でしょうか、前ならともかく彼岸後に咲くとなれば、ちょっと問題です。

 実りの秋。義妹からさつま芋を、貰いました。

 奈良の親戚が、畑を持っているので、掘りたてにつき土まみれ。丸々としていて、とてもいい感じです。

 稲穂が頭を垂れる今、田圃はまさに金色の絨毯のよう。

 私が住むのは、南端とは言え大阪市内です。それでも近くに田圃があり、畦道には彼岸花が咲きます。風景だけで四季の移ろいを感じるのです。

 このまま気温が上がり続ければ、多様な農作物を供給し、日本人の感性を育んできた四季が、本当に無くなってしまうかもしれません。

 冬が来ると「昔はこの花を彼岸花と呼んでいたらしいよ」とならないよう、出来ることから始めなければ・・・・・・

 秋深し 隣は何をする人ぞ  芭蕉

 季節が変われば、隣人を想うのが日本人。