この地の闘いの歴史‐2365‐

20日程、大阪に駐艇していた愛艇ですが、先の連休中に池原ダムに戻してきました。

大阪を発つ前にもう一度UPします。
何度もすみません。

ちなみに船名は『Char』。
そう、赤い彗星の『シャー』から取ったのですが、その由来が気になる奇特な方は以下をご覧ください。

スケジュールの関係で、この日は行って帰るだけ。

純粋な山道ドライブです。

行きは吉野川を左手に169号線、熊野街道をひたすら南下。

帰りは吉野川を右手にひたすら北上します。

紅葉とはいかないまでも、広葉樹は葉が色づき始め、風も爽快です。

何百回と往復した、通勤路のような道程ですが、快晴時に走るのはやはり格別。

大阪に近づくと、徐々に建造物が増えてきます。

ここは何度か紹介したことがありますが、2013年の大滝ダム完成後に地すべりが発生し、村ごとの移転を強いられたのが白屋地区。

住民の生活道路となる予定だった立派な斜張橋が、より哀愁を漂わせています。

連休中だったので、渋滞につかまるのを避けたく、とんぼ返りで明日香村あたりまで戻ってきました。

それでも169号線が少し混みだしたので、県道にそれて、遅めの昼食を取りました。

その時の周辺風景の美しかったこと……

再出発して、車窓を楽しんでいると「水平社博物館」という看板が見えました。

抜け道も、ありとあらゆるルートを通っているので、その存在は知っていましたが立ち寄ったことはありません。

「水平社」については、教科書にも出てきたと思います。

早めに戻る予定でしたが、この機会を逃したら一生訪れないかもと思い立ち寄ってみました。

水平社博物館のWebサイトの説明は、この文章から始まっています。

その際に発せられたのが「水平社宣言」です。

「人間は生まれながらにして平等な存在である」という理念から「水平社」と名付けられ、宣言の最後はWebサイト冒頭の言葉で結ばれます。

これらは、日本で最初の人権宣言といわれます。

創設者のひとりだった西光万吉(さいこうまんきち)の実家である西光寺は、水平社博物館の真向かいにあります。

被差別部落の問題は、繊細な話なのでなかなか議論しにくいものがあります。

浅はかな知識で書くべきではないかもしれませんが、人が住む地域や、職業によって差別される理由は微塵もありません。

ましてや、人が嫌がる仕事を引き受けていた人に対して、差別をするなど言語道断なのは、子供でも分かる話です。

Webサイトには、1985年「水平社博物館(当時は「水平社歴史館」)」の設立の経緯も記されていました。

見れば見るほど美しい農村風景。まさに日本の原風景と言ってよいものだと思います。

この地にそんな理不尽な過去があったとは信じがたいですが、史実であることを目の当たりにしてきました。

人を見下したい人がゼロになることは無いでしょう。また、自分の中にそういった心がゼロだと、胸を張って言える自信もありません。

ただ、それが格好悪いと思っていることは間違いありません。

名を名乗り、素性を明かし、差別を受けている人たちのために戦った「この地の闘いの歴史」をみることは、何事にも少し勇気を与えてくれる気がします。

素晴らしい景色とともに、是非一度訪問ください。

■■■7月5日 NHK『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』で「回遊できる家」が紹介されました■■■

■5月8日『ミラタップ』のカタログに「ドッグランのあるタイル床の家」の写真が掲載されました■

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まだ四半世紀あるぞ‐2364‐

10月10日、元体育の日はグランフロントへ。

巨大な吹き抜けのナレッジプラザを抜けてタワーCの20階へ。

インターコンチネンタルホテル大阪にやってきました。

傘寿のお祝いでした。

80歳になった義母と、孫4人もあわせて総勢10人での会食です。

メインは仔羊を選びました。

妻は鯛。

どれも美味しかったですが、コーヒーが抜群に美味しかった。

仕上げはグラングリーンの夜景です。

長男、長女とも東京なので、祖父母や従妹たちと会う機会も滅多にありません。

長男も時間を惜しむように話していました。

ゴールデンウィークは、家族で上高地を訪れましたが、生憎の曇天でした。

会の前、東京から戻ったばかりの子供と写真を撮りました。
年賀状は別カットに決めたので、一応次点の全員写真です。

私が80歳になった時、このような会は開かれるのだろうか……

いや待てよ。

80歳までローンがあるので、開かれるも何も、自分で開くくらいの勢いで働いている必要があります。

同年代と話をしていると「我々も、もう還暦ですよ。そろそろ……」のような会話も増えてきました。
しかし、私が建築家としてもっともっと成長するには、四半世紀くらい必要な気がします。

四半世紀戻れば21歳です。

そのくらいの時間があればなんでもできる気がしてきました。
ものと機会は考えようです。

元気な体に育った56歳は、最低四半世紀はバリバリ働きます。体育の日だけに。

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上から3年、下から3日‐2363‐

今日の大阪の日の出は5時58分。

彼岸を過ぎ、徐々に遅くなってきました。

大晦日は7時5分なので、まだ1時間も遅くなるのです。

大阪城の外堀越しに見えていたホテルはパティーナ大阪。

アメリカの旅行雑誌『Travel + Leisure』が2026年、世界ベストホテル第1位に選んだホテルで、日本では初めてです。

遠くで見るのと、近くで見るのとでは、随分印象も違います。

北は大阪城の天守閣を見下ろし、南には難波宮跡公園が広がる絶好のロケーション。

快晴時に南から見ると、更に印象は違ったものに。

9月末まで、オープンデスクに参加していたYさんさんが、感想を送ってくれました。

模型作りの細かい仕事に倦むことなく、無事完走してくれたことがまず一番です。

家具作りは、特に丁寧に取り組んでくれました。

建築の模型だけでなく、ちょっと変わった課題も出してみました。

アトリエのトイレに置く、予備のトイレットペーパーを入れるボックス、消臭スプレーを入れるボックスの設計、製作です。

便座を拭くシートを入れるボックスも。

建築に比べて機能は単純ですが、その分考え方がダイレクトに反映されます。

「塊をくり抜いたような」というお題を出していました。

そのヒントを元に、まず図面を描いてもらいます。

4度程描き直してもらい、2度作り直してもらいましたが、とても良くなったと思います。

特に、下から見上げると三角にカットした開口から、存在が分かるトイレットペーパー入れが良く出できていました。

物づくりにおいて、コンセプトの大事さが分かって貰えたら嬉しいのですが。

最終日に少し面談をするのですが、お土産まで準備した上に、スタッフ全員に手紙まで渡してくれました。

大学の先生が「建築の世界には建築家とそうではない人がいる」という言葉を聞いたことが、オープンデスク参加の動機でした。

遠くから見た印象、近くで見た印象、快晴の下で見た印象は全く違います。

アトリエを中から見て、どんなことを感じたのでしょうか。

と、上から書いていますが、こんな言葉があります。

日経新聞の私の履歴書で日本製鉄名誉会長の、三村明夫さんが2024年4月に紹介していたことばです。

人を判断するのに上から見れば3年かかるが、部下として仕えれば、上司の長所も短所も3日で分かるという格言で、自分自身への戒めでもあるとありました。

また、建築設計そのものにも、通用する格言のような気もします。

真面目で律儀な彼女から、学べることは沢山ありますが、真の姿を理解するには3年がかかることになります。

14日間一緒に仕事をした彼女から、私はどう見えたのでしょう。

オープンデスクとは、夢を持った若い人たちに、「初心わするべからず」と教えて貰う機会かもしれません。

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予防医療はリラクゼーションだった‐2362‐

建築家・守谷昌紀TVで、新シリーズ【Doctor’s Voice】を配信しました。

いつもながら手探りのスタートですが、もしよければご覧ください。

阪急梅田の神戸線に、ラッピング車両が止まっています。

おさるのジョージとのコラボレーションでした。

その車両で、園田へ。

3週間振りに「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」にやってきました。

先日の検査の体験を踏まえて、院長の江口さんとの対談、【Doctor’s Voice】の撮影にやってきたのです。

土曜日の診察が終わり、患者さんが全て帰られた16時半に到着。
何度も一緒に撮らせて貰ったので、3分程打合せをしてすぐに撮影を開始しました。

まずは院長の江口さんに、開院から現在に至るまでの日々を語ってもらいます。

内科は開院時に苦戦するのが普通です。
外科や歯科に比べると、苦痛があまり伴わないのと、高齢の患者さんが多いのが理由だと思っています。

しかし、スタート時から患者さんが来院してくれ、そこに空間や、【ゲンバ日記チャンネル】が貢献していると言ってもらい、本当に嬉しい限りです。

地域に開かれたクリニックを最も表すのが50畳ある待合です。
半径5.5m円形本棚は13mあり、本棚の後ろにはアール状のカウンターがあります。

そこを、中学生・高校生が、受験勉強に使ってく、そこにちょっかいを出す(笑)のが院長の夢なのですが、なかなかそういった学生は少ないとのこと。

これは、とても残念そうにしていたので、中学・高校生の皆さん、是非ご利用ください。

開業の目的のひとつが「高い専門性を活かした予防医療」でした。

超音波内視鏡カメラを、直接胃に入れ、胃のすぐ後ろにある膵臓、胆道を直接画像で検査することで、発見の難しいと言われる膵臓癌、胆道癌を発見することができます。

一般的な内視鏡にエコーがセットされている超音波内視鏡は、通常のものが直径6mmに対して、11mm程あるので、鎮静剤で痛みを緩和するのがとても大切とのことでした。

この検査を求めて、東北や九州から来院された方がいたことからも、その専門性の高さが分かります。

私は超音波内視鏡による膵臓、胆道の検査と、大腸カメラの検査を、同じ日に受けたのですが、検査は眠っている間に終わり、全く苦痛はありませんでした。

膵臓、胆道、大腸とも問題なく、至って健康というお墨付きをもらい、気分は爽快です。

体の中の物を全て出すのはデトックスですし、体の隅から隅までを、ゆっくり眠っている間に調べてもらえるのは、検査というよりは「リラクゼーション」に近い感じでした。

計画時の打合回数は40回を超えました。

おこがましいですが、江口さんは戦友だと思っています。

そのスキル、人柄があれば絶対に、超繁盛クリニックになると思っていましたが、それを少しでも早く実現できるよう、できることは何でもしようと思っていたのです。

対談の中で「やはり人」という江口さんのコメントがありました。
それは、スタッフ皆さんのことを指しての話からでしたが、やはり一番は院長の人柄だと思います。

出来れば30代から。また、定年退職した方も、つい健康管理をおざなりにしがちだとのこと。

予防医療の素晴らしさを知って頂くためにも、是非、「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」を体感ください。

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大学2年生向け『働くおじさん』‐2361‐

梅田程ではないですが、淀屋橋周辺も結構な数の高層ビルが立ち並んでいます。

公開空地を設け、総合設計制度を使って建ぺい率や容積率の緩和を受けているので、それが可能になるのです。

今日の大阪は快晴でした。

総合設計制度の利用を示すのが、このような標識です。

広い歩道と相まって、ビルの谷間でありながらも開放的な雰囲気を醸し出しています。

近代的なビルの中に、ポツンと残る芝川ビル。

昭和2年の竣工で、全く違う風格を感じます。

所々に、昭和の木造家屋も残っていました。

数日前のことですが、無機質なビル群の上空から、突如、生身の人間が降りて来たので、面食らってしまいました。

上階から、コーナー窓を拭くと順次下の階へ軽快に降下していきます。

仕事も色々ありますが、最も怖い仕事のひとつだと思います。
高い所が苦手な私など、見ているだけで緊張してきました。

淀屋橋付近の工事現場。

建築費が高騰しているといっても、あちこちに現場はあり、そこでは多くの人が働いています。

郵便配達は、未だに土日でも働いている人を見ます。

ゴミ収集に至っては、雨であろうが雪であろうが関係ありません。

大学卒業後、3年以内の早期離職は3人に1人を数えるとありました。。

昨日まで、大学3回生の女の子がオープンデスクに参加していたり、自分の子供のこともあり、仕事について最近考えさせられることが多いのです。

小学校の頃『はたらくおじさん』という番組を学校で観ていたと思います。

調べてみると、NHK大阪が制作し1961年から1982年までの間放映されていた、小学2年生向けの番組でした。

1961年の、初回から3回目は「きんじょの人たち」「ぶんぼうぐやさん」「やおやさんはいそがしい」。

1982年の、最後の3回は「フェリーボート」「パイロット」「きぼうほうもん」でした。

1982年でも44年前ですが、60年代はいかに仕事が近くにあったかが分かります。

私が高所窓清掃を見たからといって、それをできる訳ではありませんが、やはり「実際に見たことがあるか」は大きいと思うのです。


オープンデスク生には、できるだけ「仕事とは」という切り口で話をします。

私の仕事の定義は「生きることに直接かかわっていること」です。

見た目はただのおじさんですが、仕事によって何者かになれるということを、何とか伝えたいと日々あがいています。

NHK大阪には、小学2年生向けではなく、大学2年生向けに『働くおじさん』を制作して欲しいと願います。

今すぐ作ってくれたら、大学1回生の娘には、まだ間に合うかも……と。

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廳の長は、みんなの話をよく聴いて‐2360‐

雲の高度が上がり始め、ようやく秋の気配が漂い始めました。

雲は建物と一緒に見たほうが美しい、というのが私の持論です。

先日、「名探偵コナン」のテレビアニメ2時間スペシャルを観ましたが、作中に出てくる大阪府警察本部庁舎はやはり格好良い。

ご近所さんとなったこともあり、警視庁より断然大阪府警派です。

さすが黒川紀章の設計だけはあります。

ファサードは円筒型に切り抜かれた南東角ですが、らしさがよく出ているのは北側です。

南東角以外の3隅にあるライトタワー。

円錐だったり、角柱だったりしますが、色々な作品で使われてきた、黒川らしいディティールなのです。

大阪府警のワンブロック北にあるのが大阪府庁。

ヤマボウシが赤い実をつけていました。

前に信号には「府庁南」とあります。

しかしエントランス上は「大阪府廳」と旧字体です。

この『廳』という文字は、難しい漢字だなと思っていました。

現在の『庁』は「广 + 丁」で味気ないですが、『廳』は「广 + 聽(聴のつくりなどからなる文字)」だと知りました。

「聽」は、耳をそばだて受け止めることを意味するとあります。

この夏、大阪維新の会は、「大阪都構想」としては現行の24区を4区の特別区とする案を、3度目の住民投票にかけると発表しました。

札幌市は10区、横浜市は18区、名古屋市は16区、福岡市は7区。

横浜市の人口は約375万人と、大阪市の281万人より多いですが、他の市はいずれも大阪市を下回ります。

4区となれば行政コストは下がるのでしょうが、市民の暮らしにプラスがあることは全く想像できません。

何より、2回「それは必要ありません」と民意は示したはずですが……

単に文句を言うだけでは意味がありませんが、この文字に込められた意味を、深く見直す必要があると思います。

アクティブさ、分かりやすさでは、申し分ない現知事ですが、大阪府廳の長である以上、市民の話は耳をそばだてて聴き、真っすぐに受け止めて欲しいと願うのです。

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ボート入庫完了。仕事も遊びも楽しみ尽くす、都市型古ビルリノベーションだ‐2359‐

ことしのシルバーウィークは5連休。

2日くらいは休んでもバチは当たらないだろうと、池原ダムへ。

ススキがわずかに秋を感じさせてくれますが、まだまだ暑い。

トボトスロープは連休中で賑わっています。

水位が高く、駐車スペースが限られますが、上まで一杯です。

6時過ぎに出船し、まずは一番手堅いポイントへ。

9月中旬から10月中旬までが、池原ダムは一番釣るのが難しいと言われています。

前日も最大で42cmと、非常に厳しいと聞いていたからです。

魚の顔を見れないのは辛いので、まずは中層を泳ぐ魚を1本。

30cmくらいですが。

大物を狙いながらも、確実なポイントではとりあえず確実にという戦略。

どっちつかずとも言いますが。

オセロ式に現れた「国民の休日」。

その22日(祝・火)は、終日快晴で、遙か上空を飛ぶ飛行機からの景色も最高だったでしょう。

歳も歳なので、日焼け対策は厳重に。

かなり怪しいのですが。

日没頃まで頑張りましたが、最大は初めの1本で、大物は仕留められませんでした。

岩盤崩落事故があったのは、2023年の12月。

現在は仮設橋で交互通行ですが、この後には3kmにおよぶトンネルを掘削中です。

丁度、「下北山村の古民家」の工事監理時期と重なり、4時間以上かかって通っていたのも、今は懐かしい思い出です。

バスフィッシングに使う愛艇ですが、普段は陸の上に駐艇しています。

ここに来る度、こうしてボートを降ろしてもらい、帰る前に引き上げて貰います。

しかし今回は、ボートをトレーラーに載せて、大阪に戻ります。

人生2回目の牽引ですが、その為に車に「ヒッチ」というものを取り付けます。

愛車ディスカバリーは、純正「ヒッチ」がオプションであり、取り外しができます。

このあたりが、四輪駆動車専門メーカーの強みでしょう。

無事連結完了。

大阪まで120km。緊張のトレイルスタートです。

湖上でみると小さなボートですが、船体だけでも約6m。

トレーラーまで含めると6.5m程あります。

約5mの車と連結すると約11.5m。

途中で止めれる所もあまり無いので、ノンストップで上町まで戻ってきました。

通常なら2時間半くらいですが、超安全運転で約3時間でした。

アトリエ前に止めると、「本当に入るんだろか?」と。
その長さにひるんでしまいます。

大変なのはここから。

トレーラーを連結すると、バックがとにかく難しいのです。

牽引したことがある人なら分かって貰えると思うのですが、大きくハンドルを切るとジャックナイフのように折れてしまい、収拾がつかなくなります。

それで、慎重にガレージの前まで寄せて、あとは人力で。

四苦八苦していると、偶然信号で止まったバイクのおじさんが、さっと降りて一緒に押してくれました。

日本って、本当にいい国です。最敬礼で「ありがとうございます!」と伝えたのです。

何とか、かんとか、奥のスペースに入庫することができました。

ボートは基本的にトボトスロープに駐艇しますが、ゆっくり手入れしたい時だけ、大阪に持って帰ります。

「上町のアトリエ付き住宅 」はリノベーションだったので、このボートが入る位置に外部との間仕切壁、その前に車が入るようシャッター位置を決めました。

クリアランスはそれぞれ50~80mm。われながら、よく攻めたと思っています。

2024年の2月にはじめてこの古ビルを見学に来てから2年半。

ようやくここまでやってきました。

間もなくお待たせしていました大団円です(誰も待っていない?)。

コンセプトは、仕事も遊びも楽しみ尽くす、都市型古ビルリノベーションです。

最後の照明器具が揃ったら、竣工写真を撮りたいと思います。

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足裏リスペクト‐2358‐

大阪城公園は、いつ行っても多くのランナーが集まっています。

ひとりで黙々と走っている人、仲間で集まって走っている人と様々です。

チームで練習している人達は概ね楽しそう。

マラソンのコースにもなっているので、ランナーが集まるのは当然ですが、やはり信号が無いのが一番のメリットです。

池井戸潤の『陸王』を読んだのは2019年でした。

以下はその時に要約したあらすじです。

小説も最高に面白かったのですが、私の要約では「足袋」について少ししか触れていません。

これをドラマで観ると、いやがうえでも「足袋」をベースにしたランニングシューズに目がいきます。
ビジュアルの影響はかくも大きいのだと感じました。

このランニングシューズにはランニング足袋、きねや無敵というモデルがあることも分かりました。

店頭で販売されているのかなと思い、ショップを回ってみました。

ただ、足袋タイプのものは全く見つけることができませんでした。

一般的なランニングシューズは1万円くらいからのよう。

きねや無敵は、Webサイトで見ると6600円なので比較的安価です。

足袋は、和装の際の靴下のような物なので、そう考えると結構な金額なのかもしれません。

和装自体がかなり減っているので、足袋をみる機会はかなり減りました。

と思っていたら、時間調整をしている様子のトラックのフロントガラス越しに……

足袋です。

足袋の需要は、間違いなく減る傾向にあると思いますが、建築現場では未だに必需品です。

特に、高所で働く鳶で足袋を履いていないことのほうが稀。

繊細な足裏感覚が必要な仕事には不可欠なのです。

きねや無敵のWebサイトにはこうありました。

薄底のソールで、人本来の走り方に戻し、少しでもランナー人生を延ばして欲しい、というのがメインコンセプトのようです。

それが叶えられるのか、叶えられないのかは、私には分かりませんが、「素足感覚に近づけることによって、地面の表情も楽しんでほしい」というメッセージにはとても共感できます。

ここでは地面となっていますが、建築においては床となります。

リノベーションの相談があった時、建物に入った時に一番情報をくれるのは足裏です。

床下に土間がなく、地面がむき出しの家の床は、踏み感がかなり柔らかく、少し歩いただけで分かります。

また、床の構成を決める際、「ユニットバスの床と、本格的なホテルのしっかりした床を想像頂けますか?」と聞くと、ほぼ誰もが、浮き床とモルタルが床下に詰まった湿式の床の違いを理解してくれます。

浴室は裸足で入るので、誰もが足裏でその硬さを感じ取っているのです。

坂村真民の「尊いのは足の裏である」という詞があります。

頭でなく、手でなく、一生汚い所と接し、黙々と努めを果たしてゆく足の裏こそが尊いというのです。

その足裏を保護し、最大限に能力を発揮させる足袋。
最も足の裏をリスペクトしている物こそが足袋かもしれません。

靴下では薄すぎる、靴では厚すぎる。

きねや無敵だけでなく、もっと足袋の技術が活用される道はないのかなと考えていました。

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『華氏451度』名著・戦慄・ネタバレ‐2357‐

消防士は英語で”fireman(ファイヤーマン)”か”firefighter(ファイヤーファイター)”。

しかし『華氏451度』の中でのファイヤーマンは……

『華氏451度』は1953年にレイ・ブラッドベリが発表したディストピア的未来を描いた小説です。

華氏451度は摂氏に換算すると約233度。
紙が自然に発火する温度です。

ディストピアはユートピアの対義語。
理想郷の反対なので自由のない暗黒社会等を指します。

小説や映画は、前向きなものを好んで選ぶので、手に取るにはハードルの高い本でした。
しかし、SFの傑作という論評もよく目にし、ずっと気になっていたのです。

思い切って手に取った表紙は重々しい。

前半はやや苦戦しましたが、後半は本当に凄かった、というのが感想です。

舞台は、書物が禁止された世界。

書物を焼き尽くす仕事「昇火士(ファイヤーマン)」として働くモンターグという男が主人公です。

まず「ファイヤーマン」を「昇火士」と訳しているところから度肝を抜かれました。
これは翻訳家の力量ですが。

焚書は、秦の始皇帝やナチス・ドイツが行った、卑劣な思想弾圧です。

それを実行し、異端者を探すことを仕事とする「昇火士」モンターグですが、書物を焼き尽くすうちに、違和感を感じ始めます。

となりに越してきた、クラリスという17歳の少女の「あなたは幸せ?」という質問によって、さらにそれは加速しました。

「昇火署」での上司であるベイティー署長は、モンターグの異変を感じ、何度も諭す場面があります。

その言葉は、シェイクスピアや聖書などの一節を次々と引用し、何とかモンターグを現実社会に留まらせようとするのです。

ただ、その博学さは、大変な読書家を想像させるところが、何とも言えず奥深い……

ベイティは、書物を隠し持っていたモンターグの自邸を焼き払うよう、本人に指示しました。
しかし、モンターグは「昇火器」を最終的にはベイティに向け、焼き殺してしまいます。

そして都市から逃亡することになるのです。

政府から追われる身となったモンターグは、元教授のフェイバーのもとへ逃げ込みました。
そこで「本に書かれた考えを自分の中に残すことが重要だ」と教えられました。

川を伝って都市から逃れたモンターグ。
森の中で同じく政府から逃れる知識人達と出会います。

彼らは本を暗記し、歩く本となってそれらを残していこうとしている集団でした。

戦争状態となった社会は、最終的には崩壊しました。

彼らが静かに都市へと向かうところで物語は終わります。

中盤、ベイティーがこの世界の成り立ちを語る場面がありました。

この世界は、弾圧によって始まった訳ではなく、「考えさせられるもの」を排除していった結果に生まれた世界だったのです。

名著は示唆に富んでいます。

しかしこの行は、そのレベルで読み流して良いものではない、うすら寒いものを感じました。

インターネットが登場した際の衝撃はかなりのものでした。
AIの登場はそれに優るとも劣りません。

輝かしい情報収集能カを持っていることにどんな価値があるのか……

レイ・ブラッドベリが危惧したこと、伝えたかったことを、私が僅かに感じれたとしても、世の中がそう変わることはありません。

ただ、感じ取れる機会が極めて少なくなっていることを、更に危惧させられました。
まぎれもない名著だと思います。

特に若い人にお勧めしたい一冊です。

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大腸、すい臓異常なし。そのまま絶品焼肉へ‐2356‐

阪急園田にやってきたのは、ほぼ2年振り。

駅の北口を出て徒歩3分。

工事中には何度も通った「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」にやってきました。

2024年の9月17日の一粒万倍日に開業したので間もなく2周年です。

蔵書は院長の江口さんとご縁のある方からの寄贈です。

現在、大阪中之島美術館で展示されているフェルメール「真珠の耳飾りの少女」の作品集が増えていました。

今回は私自身が検査を受けるための来院です。

胃カメラ、大腸カメラの経験はありますが、超音波内視鏡は初めて。

前日の夜から当日の昼までに、規定の下剤も全て服用し、準備万端です。

喉の麻酔がちょっと苦かったですが、「前処置スペース」にあるリクライニングチェアの座り心地は非常によく、リラックスして待っていました。

内視鏡室に移動し、超音波内視鏡によるすい臓、胆道の検査、その後大腸カメラによる検査を行います。

検査自体は、それぞれ15分ずつの30分程。

鎮静剤が徐々に効いてくるので、気が付いた時には全て検査は終了していました。

検査自体の苦痛は全くありませんでした。

検査後、鎮静剤が醒めるまで1時間ほどリカバリーエリアで横になって過ごします。

妻も同じ検査を受けたので、その結果を説明してもらいました。

大腸の検査は10年前くらいに一度しました。

最近大腸がんのことをよく聞くので「大腸はとっても綺麗ですよ」と聞くと、まずは一安心。

すい臓がん、胆道がんは初期症状が殆どなく、発見が難しい病気です。

発見が難しい理由は、すい臓と胆道は胃の後ろにあり、検査する方法がかなり限られているのです。

超音波内視鏡は、内視鏡にエコー(超音波)がついており、胃のすぐ後ろにあるすい臓や胆道を胃から画像で診察することができるのです。

院長の江口さんは、これらの医療に長く携わってきた専門家。
夫婦とも問題無しとのことで、さらに安心しました。

ただ「保証期間は2~3年という感じでしょうか」と。

超音波内視鏡と大腸カメラを合わせて1万4千円くらいなので、やはり定期的に受けるべきだと感じました。

至って健康と分かり、そのまま会食へ。

今回は、クリニックのすぐ近くの「焼肉まる喜」さんを予約してくれていました。

まず、ナムル、キムチとセンマイを頼みます。

「花乃牛」とブランドの札がついています。

「大和牝牛」。

こちらは「鳥取いなば万葉牛」。

母の祖父の血統までついていました。

どれもが最高級の黒毛和牛の雌牛で、美味しい以外想像ができません。

ただ、一番驚いたのは焼き方の概念にまで踏み込んでいることです。

この遠赤外線無煙ロースターは、細いパイプに高温の熱湯が流れており、適温で肉を焼き上げていきます。

煙も出ず、焼いた際には起こり得る過剰な焦げは全くできません。

香ばしさを楽しむのではなく、本当の牛肉の旨味を極限まで引き出すことを今もずっと考えていると、店長は言っていました。

極上の焼き肉を頂いた締めは冷麺。

美味しいお肉のフルコースとワインまで飲んで4人で5万2千円程。

もう楽しすぎる夜でした。

ただ、前日の21時から絶食していたからか、かなり酔ってしまい……

店長も一緒に入って貰いましたが、私は完全に酔っぱらいの顔。
お恥ずかしい限りです。

計画時から、絶対に大繁盛クリニックになると信じていましたが、2年が経ちそれが現実となっています。

美味しい料理を食べながら、そんな話しが聞けるのは至福の時間。

その上、健康の後押しをして貰ったので気分的には最高です。

超音波内視鏡は非常に高価なもので、民間のクリニックで備えているところはそう多くないと思います。

オーバーホールではありませんが、一日食事を抜いて、体内の全てを出し切って、検査をして貰うのはとても気分が良いことだと分かりました。

今回の体験をもとに、また江口さんに話を聞き『 建築家・守谷昌紀TV』で配信したいと思います。
ここでお知らせするので、良ければご覧ください。

■■■7月5日 NHK『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』で「回遊できる家」が紹介されました■■■

■■5月8日『ミラタップ』のカタログに「ドッグランのあるタイル床の家」の写真が掲載されました■■

■10月1日『建築人 10月号』に「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」が掲載されました■

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