先週水曜日、11月20日に漫画家、矢口高雄さんが亡くなったという記事が出ていました。
岩手県との県境に近い秋田県西成瀬村(現在は平鹿郡増田町)に生まれた矢口さんは、『釣りキチ三平』で人気漫画家となりました。
『週刊少年マガジン』『月刊少年マガジン』に1973年から10年間とあったので、私は3歳から13歳までの間です。
主には文庫本で読んだと思いますが、自分で買ったのか、釣り好きの友人に借りたのかは思い出せません。
ただ、その画は今でも鮮烈に覚えています。
父も釣りをしますが、淡水の釣りはしません。
私がこれだけ湖好きになったのは、『釣りキチ三平』に出てくる山上湖の景色に心躍らせ、憧れていたに他ならないのです。
矢口さんが遊んだ山間部の湖も、朝は遅かったはずです。
山に囲まれるため、日がなかなか差してこないのです。
風の無い日、鏡のような湖面は息をのむ程美しい。
また、渓流部の水は澄み切っています。
私はその景色を、奈良県の池原ダムに見つけました。
それを見せたくて、子供達もさんざん連れまわしたのです。
最近はあまり付き合ってくれませんが、少しでも心に残ればと思っています。
野外で食べるカップヌードルは、1500円くらいの価値があるはずです。
こんなに小さい時から、カレー味ですが。
春先はよく鹿を。
そして猪。
猿はしょっちゅう。
トンビには、長男がバナナを奪われたこともありました。
そして先日、ついに熊にまで。
大自然というにふさわしい景色がここにありました。
自然との架け橋になってくれるのは、勿論魚です。
何といっても「釣りキチ」ですから。
『釣りキチ三平』にはこのような倒木や滝のある景色が良くでてきます。
こういったものにときめくのは、釣りキチの証し。
あの下には、得体が知れない大物が居るかも……と思っているからです。
また、釣り漫画だけに水面下を描く画が良くでてきます。
矢口さんはこれが抜群に上手いのです。
人の暮らせない水の中は、まさにロマンそのものですから。
この滝のある風景を初めて見たとき、小学生にタイムスリップしました。
小学校を出てから漫画を読み返したことはありません。
しかし、今でも池原ダムを紹介するときは、『釣りキチ三平』の世界そのままと言う事が殆どです。
アニメ版のオープニング曲がとても好きでした。
あのワクワク感は何だったのだろうと思う程です。
全く知らない人間にこれだけの影響を与える、作家という仕事は本当に凄いと思います。
釣りと自然の魅力を教えてくれた、人生の遊びの師に心からの感謝と、哀悼の意を捧げたいと思います。
アニメ『釣りキチ三平』オープニグ曲
『若き旅人』
人は誰でも未知の世界にあこがれ
旅にでるのさ たった一人で
ときには 人生 悲しみのぶつかり
ときには 青春 霧の中 さまよい
泣くこともあるけれど
そうさ 心の星をみつめて
旅人は歩いて行くだけさ
■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
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