暮れの元気なご挨拶

 題は一応メロディー付きのイメージです。

 今年も大晦日を迎えました。

 早朝に大阪を出て、現在は国道19号線を北上中。

 弟家族、両親との11名で、義妹家の山荘のある木曽福島に向かっています。何とか正月休みを迎えられ、ホッとしています。

 今年も瞬く間に一年が過ぎました。反省点は、春に採用したスタッフを一年間続けさせる事が出来なかった事。良かった点は、多くのオファーを頂いた事。厳しい状況と聞こえてくる中、事務所としては目一杯働きました。

 更に前進するには、やはり人の問題を抜きにしては、ありえないと思います。来年への大きな課題です。

 今年も一年、このサイトに訪れて頂き、誠に有難うございました。心よりお礼申し上げます。来年も皆様にとって素晴らしい一年となりますよう、心よりお祈りしています。

 2009年12月31日 守谷 昌紀

風邪には柿

 事務所としては、今日が仕事納め。

 年末へ向けてラストスパートと頑張って来たのですが、つけが来ましました。昨日の昼くらいから悪寒がするのです。

 エアコン、デロンギ、電気スリッパ、マフラー、カイロと、思いつく限りの事をしたのですが、それでも寒い。目はかすむし、頭がぼーっとするわで、早めに仕事を切り上げて帰りました。

 熱を計ると37.8℃。普段あまり熱が出ないからか、びーびー言いたくなるくらい体がしんどいのです。昨晩は、市販の薬を飲んで9時半に寝ました。

 起きると少しましになりましたが、念のため病院へ。年内の診察は今日までで、先生に今年のお礼と、お疲れさまでしたと言うと「バンザーイ!」と言って、両手を挙げたのです。

 しんどい時は自分の事だけになりますが、先生だってそうなのです。

 妻と子供が里帰り中で、実家にいます。和室には干し柿がありました。

 母が言うには干し柿ブームらしく、わざわざ渋柿を買ってきて、干しているのです。風邪には柿がいいそうです。 

 今年亡くなった岡山の祖母も沢山作っていました。

 果樹園の木は大半が渋柿だったので、渋を抜く必要があります。焼酎につけるか、熟しきるのを待つかですが、やはり干し柿が一番です。

 もっとシワシワでしたが、あの歯ごたえと優しい甘みを思いだします。

Spoon cafe へ

 昨日は、宝塚の中山寺へ腹帯を返しに行ってきました。

 娘の出産から、もうすぐ2年。生まれてすぐ入院したこともあり、すっかり遅くなってしまいました。現在、とても元気に暮らしているので、これも中山寺のおかげ。感謝の気持ち込めて奉納してきました。

 昼時になったので、久し振りに門戸厄神駅前のSpoon cafeへ。

 何年ぶりか覚えていないくらい久し振りです。

 エントランスの扉こそ替わりましたが、ほぼ当時のままで営業しています。

 私が始めて設計した商業建築なのです。

 壁も年輪を感じさる、いい色になっていました。

 子供には、ハンバーグセットを。

 「物凄っい美味しい」と、モリモリ食べました。

 手作りのケーキも300円くらいで、モンブランが素晴らしかったです。

 私は、ずっと一番気に入っているアボガドバーガーを。840円だったと思います。

 とろけるようなアボガドと、手作りのパテがびっくりするくらい美味しいのです。

 普通のハンバーガーとは、全く次元の違う美味しさを保証します。

 私が言うのもどうかとは思うのですが。

 当時、このお店のチーフだった後輩が、改装計画に声を掛けてくれました。私が27歳、彼が25歳でした。
 
 リニューアルオープンが1998年の冬だったので、11年前のことです。

 壁にイスがあたって汚れていたり、洗面の水栓がちょっと痛んでいたりしますが、空間は成熟が進んでいると感じます。

 後輩も居たのですが、仕事中なので少し話しました。「この間、アイルランド人のお客さんが、自分の国の店に似ている。ナイス!って言ってくれましたよ」と。

 店舗の内装はもって5年という中で、ほぼ原型通りで営業を続けていけるのは、皆に愛されている以外に理由はありません。

 お客さんの支持がなければ、すぐに変わってしましますし、お店側にも愛情がなければ、こういう成熟は進まないのです。
 

 費用は本当に無かったので、アプローチには現場用足場板を敷きました。この柔らかい、安い木が、10年を超える足跡を感じさせるのです。

 最後に、今日はクリスマス・イブです。全ての人にとって素晴らしい夜となるよう、メーリー・クリスマス!

能勢

 ここのところ、寒い日が続きます。昨日は風も強かったのですが、久しぶりの野外活動へ。

 大阪府の北端にあるのが能勢町。阪神高速が少し延びて、市内からは1時間ほどです。

 能勢の郷(さと)にあるフィールドアスレティックへ行きました。

 大人750円、小人450円。小学校以下は無料。遊具は過去最多の42個。かなり本格的な感じでした。

 こちらは寒く、氷が張っていました。

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 今回は長男、父と3人で回ります。

 急な斜面にあり、登山道のようなところもあるのです。

 霜柱も久し振りに見ました。

 やっぱり踏んでしまうものです。

 約2時間掛けて完走。

 寒さからか、併設されたレストランはガラガラでした。

 カレー600円、定食800円など。安いのは嬉しいものです。良い季節はかなり混雑するという話でしたが。

 家に帰ったのは4時頃でした。風呂に入り、目一杯からだを動かしたあとの夕飯は格別です。

 その後、M-1グランプリを観ました。結成10年までで、一番面白い漫才コンビは誰かを決める、年末恒例の番組です。

 8年連続出場の「笑い飯」、昨年のチャンピオン「NON STYLE」を抑えて、優勝は「パンクブーブー」。心情的には「笑い飯」でしたが、露出が少なく、フレッシュで、一生懸命な感じが、面白さに反映されていました。

 出場者の一人が、子供の頃、この番組を見て「芸人がかっこよく見えた」とコメントしていました。格好がいいのを格好悪く見せるのが芸人と言う感もありますが、やはり真剣勝負は観ていても手に汗握ります。

 日本一面白いという称号は、絶対的な価値を持ちますが、8年間、トップレベルに居るというは、それに匹敵するものかもしれません。ただ、最後の最後にもって来たネタは……

 本当は一番にはなりたくないのではと、勘ぐりたくなるのです。

言わない 

 一昨年だったか「今が仕事のピーク」と書いた後、もっと大きなピークがやって来た事が有りました。それ以来、ピークとか、忙しいとかは書かないようにしています。

 心を亡くすと書いて忙しい。全くいいとこ無しの字なので、普段も使わないようにしています。それでも、出てしまう時。それは心に問題有りの時です。

 そもそも忙しいというのは、自分のスケジュール管理の問題です。少々やることが多くても、予定通りに進んでいれば、そうは言いいません。予定と行動の不一致が元で起こる心の様相なのです。

 「この1年間、無駄にした時間を合計しても、1時間に満たない」

 そんな人は、高い次元で本当に「忙しい」のだと思うのです。
 
 私も未だ修行の身。ついあの言葉を口にしてしまう時が。何より、ここに書いていること自体……

 今日は、4回も書いてしまいました。今年もあと2週間。もう使わないようにします。

足元に

 先日クライアントと、1階の仕事場は足が冷えるという話しになりました。

 私は厚めのスリッパと靴下でしのいでいます。それでも寒い時は、コイズミのヒーター付きスリッパ。消費電力も22Wで、はなかなか気に入っているのですが、すでに廃番になったようです。

 その方、レッグウォーマーを勧めてくれました。試してみると確かにいいのです。

 ズボンの裾は隙間だらけで、熱はどんどん逃げて行きます。考えてみれば、首元のマフラーと同じでした。女性用の物なら細身で、スーツの下でも可能かもしれません。

 事務所前のアイビーが僅かに色付いていました。

 先々月の撮影の時、下草が足らないという事になりました。急遽、事務所前、自宅のアイビーを引き抜いて移植したのです。

 特に事務所前は、大量に抜いたのですが、ほぼ戻りました。たくましいものです。

 これを機に、株を増やすことにしていました。ペットボトルを半分に切り、刺しているのですが、意外に目立ちません。

 打合せテーブルでも。

 コップは、何度か仕事をしている作家の作品です。

日本建築家協会

 今日は大阪市中央区の船場にある、綿業会館へ行ってきました。

 この建物は、 渡辺節の設計で1931年に完成しました。

 重要文化財にも指定されていますが、曇り空が良く似合います。

 先日紹介した村野藤吾も、渡辺節の門下生で、この物件を担当していました。

 しかし今回は建物を見に行ったのではありません。

日本建築家協会に入会する為、面接があったのです。http://www.jia.or.jp/

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 今まで、建築に係わる何かに属したことはありませんでした。

 しかし、来年は事務所を設立して15年目。私も40歳を迎える節目として、仕事の評価を世に問うてみたいと思っています。

 建築家協会員が参加できる、コンテストに応募したいと思っているのです。

 経歴の説明をすると、面談をしてくれた役員の方が「おそらく入会は問題ないでしょう」と。

 更に「出江さんのお弟子さんの所にいたなら、挨拶しておきなさい。孫弟子とも言える訳だし」と言われたのです。

 建築家・出江寛、御年78歳。現、日本建築家協会の会長です。私が初めて師事した建築家がその門下生だったのです。その哲学を聞き、著者も読んでいたので、すぐご本人と分かりました。たまたま近畿支部におられたのです。

 「そうか○○の所にいたんか。彼が居たのは一番厳しかった頃やな。何度かゴツンといったと思うわ」と。

 私の経歴書に目を落とすと、作品の写真を見て「ダイナミックな建築やな」と評してくれたのです。軽い気持ちだったのかもしれませんが、感想を述べてくれた事が、素直に嬉しかったのです。

 出江さんは「建築とは哲学すること」と説いています。更に、哲学とは道理、倫理、美学と定義しています。その哲学にはいたく感銘を受けていました。

 初めてお会いしたのですが、もちろん勝手に孫弟子だと思っていたのです。

伝え辛い

 温暖化が進むとは言え、12月も2週目に入り寒くなって来ました。

 環境から見ると、寒いのはよい事といえそうです。

 引越しをして約7ヶ月。

 向かいの奥さんから「ここの庭は、冬に咲く花が多いよ」と聞いていました。

 その通り、今はサザンカが咲いています。この花は長い期間咲くものです。

 他には、黄色のセンリョウも咲いています。

 昨日は、1ヵ月点検に行っていました。

 10月末に竣工した「ドタバタ広場のある家」。

 庭木が植わり、一気に雰囲気が出てきました。

 点検の後、近況報告などしていました。私たちにとって、この時間は何にも替え難い時間です。

 しかし、伝え辛いことがありました。

 現場監理から係わってきた当事務所の担当者が、11月末で退職した事です。何とか1ヵ月点検まではという気持ちだったのですが、適いませんでした。

 私は辞めたいと言ったスタッフを、引きとめる事はしません。自らの言動には、責任をとるべきですから。

 そのスタッフだけではありませんが、よく伝えている言葉があります。

 「新しき計画の成就は、只不屈不撓の一心にあり。さらばひたむきに、只想え、気高く、強く、一筋に」 中村天風

 普通の人が、何らかの成果を残したければ、これしかないと思うのです。

テラス席は

 今年も12月に入りました。

 毎年当たり前のようにやってきますが、無事11ヶ月を過ごせてた結果でもあります。

 火曜日は、京都の宝ヶ池にあるグランドプリンスホテルへ行っていました。

 会合に出席する為ですが、京都もこのあたりまで来れば、ちょっとした旅行。

 東に望む比叡山は紅、黄、黄緑に色付き、旅情を盛り上げてくれました。

 このホテルは1986年、日本を代表する建築家・村野藤吾によって設計されました。

 新高輪プリンスホテル、取り壊しが話題になっているミナミの新歌舞伎座なども彼の作品で、有機的なデザインを得意としました。

 ドーナツ型のプランをもつこのホテルは、村野の特性が良く出た、後期の代表作と言えます。

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 ロビーからカフェ越しには、見事な紅葉が見えました。

 夕暮れの寒さが迫るなか、テラス席に座る男性が3人。

 窓が切り取る景色が、彼らをテラス席に向かわせたのか。自分がコーヒーを飲むなら、あの席に座っただろうか、などと考えました。

 そう考えると、とても風情を理解した大人に見えてきました。さすがは京都です。

 何かと気ぜわしい季節ですが、総仕上げの1ヵ月になるよう、腕まくりしてラストスパートです。