JR山陽本線の車窓より‐1960‐

先週木曜日の歓喜から、昨日の落胆。

やはり国の威信を掛けてのワールドカップですから、そう簡単にはいかないようです。

12月2日(金)のスペイン戦は朝の4時。起きて応援するべきか、録画で我慢するべきか……

何とも悩ましいところです。

新しい現場がスタートするのですが、その打合せに向かいます。

JR大阪駅まわりも、晩秋のよそおい。

姫路行きの新快速は13:00発。

山陽本線は神戸を越えると、明石あたりまで海沿いを走ります。

淡路島を望む景色は、もう完全に旅行気分です。

長らく海釣りにも行っていないなあ、などと思いながら。

1690円では安いくらいの景色でした。

姫路まで1時間でした。

阪神のフードコートにも出店している「えきそば」。

ホーム中央にありましたが、播州赤穂行きの乗り換え時間は1分。

また時間がある時の楽しみにとっておきます。

姫路から10分程で網干に到着しました。

電車で来たのは初めてなので、少しだけ駅のまわりを歩いてみました。

水路が多く、その水がとても澄んでいます。

祖父母が住んでいた、香川のまんのう町を思い出します。

このクリニックの関連施設を、右隣に設計させてもらいました。

クライアント、建築会社との顔合わせのためにやってきたのです。

コロナの影響をまともに受けて、計画は1年延期に。

スタートして2年半が過ぎましたが、ようやく工事がスタートします。

溜まりに溜まった鬱憤は、仕事で晴らしたいと思います。

また、ゲンバ日記にもUPするので、良ければ覗いてみて下さい。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載

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世界最大の祭典開幕。50億人のモチベーション‐1959‐

11月20日(日)にワールドカップ、カタール大会が開幕しました。

世界人口80億人のうち、50億人が視聴すると言われる世界最大の祭典です。

昨日は日本代表の初戦。

ドイツ戦でいきなりやってくれました。

祝日の22時キックオフは大変ありがたい時刻。

普段はスマホにかじりついている子供たちも、テレビの前で一緒に応援しました。

開始早々の7分。いきなり見せ場をつくります。

右サイドを、伊東が得意のドリブルで持ち上がり、中央の前田大然へ。

決まったかに見えましたが、残念ながらオフサイド。それでも日本が得意の形を見せ、期待感は高まります。

しかし前半はここからが長かった。

日本の戦術、ハイ・プレスが全く機能せず、ドイツに面白いようにあしらわれます。

まるで子供扱いで、ここまで差があるとは想像していませんでした。

ゴールキーパーの権田は好セーブを連発し、最終的にはマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるのですが、ゴール前でファールをとられてしまいます。

このPKを決められ、前半33分に1点を奪われました。

その後、追加点となってもおかしくない場面もありましたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定でオフサイド。

優勝候補でもあるドイツに、何とか1失点で前半を折り返しました。

この時は「これは大敗するのでは」と、正直思ったのです。

森保監督がいきなり交代のカードを切ります。

後半開始から、久保に代わって怪我の心配もあった冨安を投入。

ビッグクラブ、アーセナルに所属する実力に期待が高まります。

このタイミングで3バックにシステムを変更しました。

日本代表戦しか見ないレベルのサッカーファンですが、日本人監督は基本的に動くのが遅い印象があります。

しかし、今大会の日本代表は凄かった。

続けて、後半12分に三苫と浅野を投入します。

システムの変更で得意のハイ・プレスが機能しはじめ、良い時間帯が増えてきました。

さらに後半26分に堂安、30分に南野を投入し、超攻撃的な布陣を組みます。

左サイドをイギリスのブライトンで活躍する三苫が得意のドリブルで突破。

そして南野へスルーパス。

後半30分、角度のない位置からシュート。

リヴァプールそしてモナコに移籍し、結果がでていないことに忸怩たる思いがあったでしょう。

しかしその技術は本物でした。

キーパーがはじいたこぼれ球を、尼崎の星、堂安が決めてくれました。

試合後のコメントも「絶対俺を使え!」という感じ。

このふてぶてしさも彼の魅力です。

そして後半38分。この浅野のトラップが全てだったでしょうか。

2ヶ月実践を離れていた彼を、森保監督が呼び寄せた訳です。

世界最高レベルと言われるノイヤーの、狭いニヤサイドから上に向かって撃ち抜きました。

早い交代、戦術の変更、流れの中からの2ゴールで逆転。

こんな胸のすくような試合は見たことがありません。

しかも相手はワールドカップ4回の優勝を誇る、強国ドイツです。

浅野のゴールも、ボランチ遠藤の貰ったファールからのフリー・キック1本で生まれたものでした。

ドイツ1部リーグで、対人の強さナンバーワンは伊達ではありません。

また、ヨーロッパ・チャンピオンリーグで3試合連続ゴールを決めている鎌田。

彼の実力もこんなものではないでしょう。本当に日本代表も多くのタレントが集まったものです。

日本代表は、1997年「ジョホールバルの歓喜」で1998年フランス大会で初出場を果たしました。

中田英寿のシュートをゴールキーパーがはじいたこぼれ球を、野人・岡野が流し込んだのがつい先日のようです。

私はアトリエmを設立して2年目の27歳の時でした。全く先など分からない、ただ夢しかない自分の人生を重ね合わせていた気がします。

名曲に人生の一場面を投影するように、50億人のサポーターもこの大会に人生を投影します。

それが年輪のように刻まれ、後の人生のモチベーションとなるのです。

ただそれは名曲でなくてはなりません。最高の試合を日本代表が見せてくれました。

次のコスタリカ戦でグループリーグ突破を決め、もう1本、深い年輪を刻ませて欲しいものです。

頑張れ日本代表。そしてそれ50億人。

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古くても、安くても好きと言える‐1958‐

先週のことですが、久し振りに北大阪急行に乗りました。

地下鉄御堂筋線は中津を過ぎると外にでますが、緑地公園あたりからは更に景色が良くなります。

千里中央駅では、「茨城をたべよう!」というイベントが開催されていました。

立ち寄る時間はありませんでしたが、北摂までやってくるとやはり空間的にはゆったりしてきます。

新御堂筋が箕面の山に向かってまっすぐ伸びています。それに沿って続く街路樹が美しい。

かなり色付いていましたが、盛りまではもう少しでしょうか。

前回万博の頃の開発とはいえ、街としては新しい部類にはいります。

緑地の計画もしっかりとされ、とても住みやすそうな街でした。

こちらは大阪市内の下町ですが、こんな車をみつけました。

トヨタのマークⅡです。

箱型のスカイライン(通称ハコスカ)、フェアレディZ、コスモスポーツなど、中古車とは呼ばず、旧車というカテゴリーがあることは聞き知っていました。

私はレアとか古いとかいうことに魅力を感じるタイプではないので、旧車を手入れしながら乗る人は、本当に車が好きなんだろうなと思っていました。

しかしこのマークⅡをみて「格好いい」と思ったのです。

若い頃はそんなことを感じたことも無かったのに。

色と言い、ロゴと言い、フォルムと言い、何ともいいのです。

ナンバーが付いていないので、実際に走るのかは分かりませんが、とても美しく保たれています。
オーナーは、この車を大事にしているのでしょう。

古い物よりは新しい物、安価なものよりは高価な物のほうが間違いはありません。

反対の言い方をすれば、古かったり、安価な物を好きと言える人は、人に左右され難い人だと思います。

嗜好の本質を考えれば、当たり前のことですが、人は意外に自由でない生き物です。

人間は自由なものとして生まれた。しかも、いたるところで鎖につながれている。-ルソー- 哲学者

その鎖を断ち切るのは自分の心以外にありません。

2020年の春からコロナ下の社会となり、本当に色々なことを考えました。

もしかすると、自分のことを見つめ直したのは、20代後半以来かもしれません。

自由であること。それは、まず自分の心の声をよく聞くことから始まるのだと思います。

マークⅡ が格好いいと思ったから、11月18日はマークⅡ記念日。

ちょっと古い?

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■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
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「ポップ・アートとはモノを好きになること」 アンディ・ウォーホル‐1957‐

前回書いた、ちょっと秋の京都旅

出掛けようと思った動機は「アンディ・ウォーホル・キョウト」です。

京都の岡崎周辺には、2つ美術館があります。平安神宮の鳥居を挟んで西にあるのは 京都 国立近代美術館。

その向かいにあるのが京都市京セラ美術館です。

いずれも疎水沿いに建つ絶好の立地条件です。

京セラ美術館は、現存する日本最古の美術館を、建築家・青木淳+西澤徹夫がリノベーションしました。

2020年の3月のリニューアルオープン以来、はじめてやって来たのです。

天井の高いホールを抜け。

東山キューブというエリアが会場です。

目の前に庭園が広がる空間にでてきました。

東山を望む景色が圧巻でした。

開場してすぐに入りましたが、もうかなりの人出。

熱気が伝わってきます。

アンディ・ウォーホルと言えばやはりこのキャンベル・スープでしょう。

ポップアートの旗手、ポップアートの神髄などと呼ばれるウォーホルは、1928年から1987年という経済成長期の真っ只中を生きました。

50年代半ばのイギリスではじまったポップ・アートですが、ポップ・アーティストは広告や報道写真をそのまま自分の作品にとりこみます。

「ポップ・アートとはモノを好きになることだ」

そう語ったウォーホルは、20年ものあいだランチにキャンベル・スープを毎日飲んだそうです。

1962年、最初の個展となった会場の壁にも、このキャンベル・スープの絵が並べられました。

大量生産、大量消費時代。加工品を機械的に消費せざるを得ない現代社会を、批判も肯定ももせず、ただそこに並べたことが新しかったのです。

彼の出身地は、ニューヨーク州の西隣にあるペンシルベニヤ州のピッツバーグ。

今回は、 ピッツバーグ にあるアンディ・ウォーホル美術館から多くの作品が出展されています。

門外不出と言われる「3つのマリリン」は広告にもでている通り目玉作品です。

ハリウッドスターに憧れていたウォーホルは、1962年のマリリン・モンローの悲劇的な死に衝撃を受けます。

写真製版のシルクスクリーン印刷という技法で彼女の作品を次々に制作していくのです。

そしてこんな言葉を残しました。

「ポップ・アーティストたちは、ブロードウェイで目にするような、誰もが一瞬にしてわかるイメージを描いたのさ。(中略)こうした現代のあらゆる偉大なものを、抽象表現主義の画家たちは決して見ようとしなかったんだ」


ウォーホルは生涯2度に渡って京都を訪れています。

ポップ・アートに乗り出す前の1956年の際のスケッチの展示がありました。

「わかりやすい」という感覚は、この頃から強く持っていたようです。

セレブリティから、彼へ自画像を発注するはオファーがひっきり無しだったそうです。

シルヴェスター・スタローン、アレサ・フランクリン、坂本龍一。

どちら発信かは分かりませんが、描いてもらうこと自体がステータスとなったのです。

晩年は特に死をテーマにする作品が増えました。

ダビンチの「最後の晩餐」を題材とした、ウォーホルの「最後の晩餐」です。

1986年の作品で、ハイ・アートとロウ・アートの区別を曖昧にするという取組みです。

かなり大きな作品ですが、私としては「一瞬にして」が彼の魅力だとするなら、そのインパクトは逆に小さくなっていると感じました。

カーネギーメロン大学で美術を学んだウォーホルは、商業イラストレーターとしてキャリアをスタートさせます。

そしてポップ・アートに出会い、時代の寵児となりました。しかし1987年、心臓発作で58歳という短い生涯を終えるのです。

アンディ・ウォーホルのことは大学時代に知りました。

その時にはすでに亡くなっていたので、その少し前まで生きていたという認識がありませんでした。

それで、マッキントッシュの作品があるのを見て少し驚きました。

ジョブスとウォーホル、このような人物が生まれてくるのがアメリカという国の、パワーの源なのでしょう。

学生時代から好きだったと書きましたが、彼がLGBTだとも分かっていませんでした。
もしかすると、当時の書籍にはあまり書かれていなかったのかも分かりません。

私は作品だけでなく、作者の人生を知りたいと思っています。

どうやってその作品が生まれてきたのか。それを知ることで、何かを得れるのではと考えているからだと思います。

向かいにある、京都国立近代美術館では「ルートヴィヒ美術館展」が開催されていました。

こちらもウォーホルの作品が看板作品のようですが、大好きなマレーヴィチも来ているようです。

マレーヴィチこそ、ウォーホルが苦言を呈した抽象表現主義の画家ですが、芸術には色々な表現があって勿論構いません。

会期は来年の1月22日まで。もう一度京都に行く理由ができました。

日常の中で、偉大なものを何か見落としていないか……

毎日スープを飲みながら考えようかなと思います。

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■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
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■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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プレミアムカーで、ちょっと秋の京都旅‐1956‐

先週末、時間ができたので京都まで足を伸ばしてきました。

天満橋から京阪電車に乗れば三条まで50分程です。

電車代も420円とお得ですが、少し奮発してプレミアムカーで行くことにしました。

シートも2列+1列の配置でゆったりめ。

全席に電源がついているのも嬉しいところです。

車窓からの景色は、木津川、宇治川を渡るあたりが見どころでしょうか。

追加で500円ですが、快適な電車旅でした。

三条駅に着くと、高山彦九郎が迎えてくれます。

のんびりと岡崎を目指しながら散策します。

このあたりは、岡崎のマンション<リノベーション>の仕事をしている時によく歩きました。

もう18年も前のことですが、この景色を見るのを楽しみにしていたものです。

京セラ美術館での「アンディ・ウォーホール・キョウト」が1つ目の目的。

それなりのボリュームになりそうで、こちらは木曜日に書こうと思います。

ポップアートを満喫して京セラ美術館をでました。

二条通りを西へ歩きますが、京都会館前の街路樹が見事に紅葉しています。

京都出身の友人達が、京都を出たがらないのもよくわかります。

ゆったりした大通りも、細い路地もどちらも良いのですから。

その後、下鴨神社を参る前に腹ごしらえです。

京都は食事が高いですが、リーズナブルな中華を見つけたので寄ってみました。

東大路と御陰通交差点の北、「華祥」の担々麺+炒飯・唐揚げセットは1200円程。

名物という卵白あんかけ炒飯が千円弱。

担々麺も美味しかったですが、 炒飯 はパラッパラで絶品。
卵白あんかけも、全く見た目だけではありません。

絶賛してお勧めしておきます。

デザートは妻の希望で和菓子の名店へ。

近くにある、 阿闍梨餅本舗 京菓子司「満月」です。

「満月」は、ここ本店と金閣寺店で土日にしか販売されないとか。

「満月」も美味しかったですが、私は「阿闍梨餅(あじゃりもち)」が好みでした。

ほんのり温かく、中に入っている粒餡が絶妙です。

下鴨神社は、賀茂川と高野川に囲まれ合流部にあります。

三角洲の先端には出町の飛び石。

京都も人出が戻り、沢山の人が渡っているのが見えます。

ここから、世界遺産でもある糺の森を北に向かって歩きました。

赤、黄、緑と紅葉が見事。

20分くらいは歩いたでしょうか。

結婚式を挙げている人もいました。

素晴らしい天気に恵まれ何よりですが、こちらも幸せな気分になります。

社が干支で分かれているのははじめてでした。

私は戌ですが、寅と一緒なのは相性がよいのでしょうか。

このあたりは、文豪に愛された街でもあります。

「下鴨泉川亭」は川端康成が「古都」執筆のため、住んでいた邸宅です。

また、すぐ南にある「石村亭」は谷崎潤一郎が住んでいたこともあります。

この白壁には、木が自然な形で塗りこまれていました。
何とも意味ありげなデザインです。

しかし私が一番気になったのは「湯川秀樹旧宅」です。

日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹が晩年を過ごした邸宅で、現在は京都大学に寄贈されています。

長谷工コーポレーションが親族から購入して寄贈。安藤忠雄が設計し、長谷工が無償で施工をし、保存、改修をすることになっているのです。

無償とはスケールの大きな話で圧倒されてしまいます。

子供が小さい時、よく訪れていた京都青少年科学センターに湯川博士の色紙が置いてありました。

一日生きることは、一歩進むことでありたい -湯川秀樹-

この言葉を年のモットーにしたこともありました。
そのくらい好きで、かつ重たい言葉です。

晴天に恵まれた、ちょっと秋の京都旅。
妻へのサービスも含めていたので、好天で良かったです。

世界中から観光客が訪れる京都まで1時間ちょっと。

世界で最も住みやすい街ランキング、10位の大阪に住むこの幸せ。(イギリスの経済誌「エコノミスト」調べ)

先日ここで、無理やりでも「幸せだなぁ」とつぶやくべしと書きました。

しかしこれこそ「リアルガチ幸せ」(出川哲郎調べ)と言わずしてなんと言うのか。

幸せだなぁ。

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コスモスも下水も灯台下暗し‐1955‐

秋らしい天気が続きます。

コスモスはまさに今が盛り。

毎年、あちこちと訪れてきましたが、意外な穴場を見つけました。

応神天皇陵古墳外濠外堤。

古市古墳群の中でも最大の規模で、その外濠にコスモスが植わっていました。

なかなか広大な敷地に、かなりの密度です。

コスモス園的なところにも結構行きましたが、それに劣らぬ風景でした。

コスモスの魅力は、色の豊富さでしょうか。

白から濃い桃色まで、かなりのカラーバリエーションです。

地元の人には有名なスポットなのかもしれません。

花の話からいきなり下水の話です。

谷町四丁目駅近くにある南大江小学校にめりこむような形で、「太閤下水見学施設」はあります。

江戸時代に造られた石組みの下水道で、秀吉が行った大坂の町づくりと関連付けられているとあります。

江戸時代に造られた下水道が現役で機能している例は他都市にはなく、貴重な資料として2005年に、大阪市文化財に指定されたともありました。

大きく分けると、下水には汚水と雨水があります。

ここから見える下水はそこまで汚くありません。雨水だけが流れているのかもしれません。

中世のヨーロッパではペストが大流行し、それを救ったのが下水道です。

文化的な暮らしにおいて、なくてはならないインフラなのです。

コスモスも下水も灯台下暗しでした。

当たり前にあるものほど、本当は一番大事 -高須光聖-構成作家

高須さんは、ダウンタウンのブレーンとも言われる、売れっ子構成作家です。

流石に、真理を見抜く力と、言葉のセレクトも超一流という気がします。

昨日の11月9日は、19回目の結婚記念日だったと、母親から妻へのメールで知りました。

結婚当初は、食事などに出ていましたが、子どもができ、そして大きくなり、何より時間がなくなり、その習慣は無くなってしまいました。

19年と聞くと、長い間一緒に暮らしてきたんだなという気持ちと、あっという間だったという気持ちがないまぜに湧き起ります。

どちらかというと、後者の方がやや強いですが。

どこも同じだと思いますが、全く波風が立ったことのない夫婦もいないと思います。

私のような融通の効かない男と、何とかかんとかこれまでやってきてくれたことに、心から感謝申し上げます。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

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4年に及ぶ物語、ここに完結‐1954‐

昨日の日曜日は、絶好の撮影日和。

近鉄石切駅あたりから見た空は、全く雲の無い快晴でした。

四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」の撮影だったのです。


予定日の天候が悪かったり、コロナの感染拡大と重なったりと、2度の延期を経て実現しました。

常緑ヤマボウシが紅葉し、明るい庭のタイルと青空に映えています。

軒が深いので、玄関扉は無垢のナラ材で製作しました。

素材の選択にはかなりこだわっています。

室内の壁は全て漆喰塗りで、床は無垢のナラ材です。

そこに薪ストーブとステンレスのキッチンが、キリッとアクセントになっています。

司令塔のような位置にあるのがこのキッチンです。

中庭を望む配置としましたが、ここからの景色が一番よいとのこと。

奥さんに「普段使うキッチンや、お風呂にこだわってとても良かった」と言ってもらいました。

洗面脱衣にある、メジャーリーグのロッカーをイメージしたクローゼットです。

その横に洗面。

そして浴室が続きます。

鋳物ホーローのバスタブと大判タイルが優雅な空間を演出してくれるのです。

芝生の手入れは意外に簡単ではありません。

それで、ある程度面積を抑えましょうとなりました。

それも功を奏したのか、青々と根付いています。

その奥にあるのは砂場。

お子さんが大きくなれば、家庭菜園としても使えるよう考えました。

屋根裏に続く通路は橋のような空間です。

トップライトからの光が、建物中央の一番暗い場所を照らしてくれるのです。

屋根裏空間も、子供さんが小さい間は遊び場に最適なはずです。

昼の部の撮影を終えたのが13時頃で、17時前に再訪しました。

夕景の撮影がスタートです。

スロープにはアッパーライトも備え、視認性を高めています。

夜は照明を暗めにすると、山小屋のような趣になるそうです。

薪ストーブに火が入る季節は、なお雰囲気があるでしょう。

こちらの計画は、2018年の10月にスタートしました。

総打合せ回数45回、現場打合せは22回。

紆余曲折あり、ここに来るまでに4年の歳月が経過しました。

計画がスタートした時には2歳前だったお子さんが来年は小学生。本当に時が経つのは早いものです。

ただ、ご家族の成長をつぶさに見せて頂いたことで、多くのことを設計に織り込むことが出来たと思っています。

4年に及ぶ物語はここに完結しました。

その時間が、空間の密度に現れていると思うのは私だけなのか、そうではないのか……

それはまた世の中が判断してくれるはずです。

仕事に終わりはあるようで、やはり無いものだと思うのです。

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理想郷を目指す旅は続く‐1953‐

11月に入りましたが、温暖な日が続きます。

アトリエは地下鉄平野駅のすぐ近くですが、JR平野駅も1.5km程です。

JR大和路線で天王寺から2駅で6分で着きます。

平野川の先にあべのハルカスが見えているので、この距離感です。

マックスバリューやニトリがあったりと賑やかですが、「222(トリプルツー)」という店ができていました。

Webサイトには「すべて半額!訳ありアウトレット店」とあります。滋賀県が本社で、大阪市内は平野店だけのよう。

「見てるだけで面白い」とは妻が聞いてきた噂で、一度のぞいてみなくてはなりません。

少し用事があり出ていたのですが、線路沿いには黄色い花が咲いていました。

葉の形をみるとキク科の花でしょうか。

そこまで詳しい訳ではないのですが、名が分からずとも花を見るのが好きなのです。

用事を終わらせた帰り道。少し撮り鉄してみました。

これがなかなか難しい。

「撮り鉄」という言葉があるくらいなので、かなり技術が要るのかもしれません。

何より主役は電車なので、待つ我慢が必要です。

このカットが、構図としては一番ましだったでしょうか。

ただ実際に見ていると、ガタンゴトンとレールを鳴らす音や、電車がすれ違う迫力など、飽きないのも分かります。

先日まで、新聞で電車旅のコラムが掲載されていました。

のんびりと電車旅にでもでてみたいと思うのです。

今日、11月3日は文化の日。

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ための祝日だそうです。

明治天皇の誕生日でもあったのですが、晴天の日が多い気象上の特異日としても知られているそうで、今日も晴天でした。

最高のお出かけ日和でしたが、人手が足らずで、今日もひとりアトリエで仕事です。

始道塾の恩田さんにこう教えてもらいました。

無理やりでも「幸せだなあ」という。もし、そう思えなければ、その差を埋める行動をする。

「幸せだなあ」とつぶやけば、愚痴をいうより間違いなく前向きな気持ちになります。

ただ、仕事で求められることがやはり一番の幸せ。なので私は幸せです。

しかし、成熟したチームをつくりあげ、電車旅に出掛けられる休みが取れれば、なお幸せとも言えます。

銀河鉄道999で星野鉄郎がアンドロメダを目指したように、理想郷を目指す旅はまだまだ続くのです……

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

建築家・守谷昌紀TV ヘリンボーンとサロンのある憧れの家「The Longing House」

■■5月13日『住まいの設計6月号』に「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』に「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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