ややタイト‐1075‐

 今年の2月、娘と海老江の下水道科学館へ行きました。

 長男も行ってみたいと言いだしました。

 昨日、長男は2:30pmからサッカーの練習。

 しかし下水道科学館だけでは私がつまらない。

 此花区、半日ツアーを組んでみました。8:30am 平野を出発。

 9:10am 下水道科学館に到着。


 9:30am 入館。

 11:15am 舞洲へ移動。

 ゴミ焼却施設見学。(車から)

※ フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー設計。
キッズプラザ大阪「こどもの街」も同氏のデザイン。

 11:45am 舞洲バーベキューガーデン到着。

 昼食。

 バッタ捕り。

 1:45pm 舞洲発。

 2:20pm 夢咲トンネル(土日無料)経由、平野着。予定との誤差5分内。ぴたっとはまりました。

 スケジュールを組んだ者にとって、至福の瞬間です。

 下水道科学館は無料なのに、展示、アトラクションとも素晴らしい館です。

 舞洲バーベキューガーデンは初めてですが「手ぶら」をうたっているだけあって、非常に手軽。1人2500円くらいですが、アルコールを飲めば5000円くらいでしょうか。

 休みの日に、無理をする必要はありませんが、ややタイトが習慣になっています。しかし、それには理由があります。

 鬱で苦しんでいた頃の休日。朝、出掛けようか、出掛けまいか悩みます。そして後者を選択。

 夕方までぐずぐず過ごし、「ミナミの帝王」を再放送を観る。日暮れのメランコリーも重なり、後悔と自責の念に囚われるのです。竹内力には何の恨みも無いのですが、この映画を以来観たことはありません。

 目標設定は3割り増し、予定は少々タイト。これが私の信条です。予定を終えただけなのに、達成感があるのです。

insularism(インシュラリズム)‐1074‐

 昨朝は、子供達とテレビにかじりついていました。

 3試合目は早朝だったので、ようやく日本代表をフルタムで観れました。

 PKで先制されるも、前半ロスタムに岡崎のダイビングヘッドで同点。

 ギリシャリードの情報も入り、嫌がうえにも盛り上がります。今思えばこの時がピークでした。

 後半、コロンビアは本来の司令塔、ロドリゲスを投入。結果は1対4での敗戦。世界8位とは、明らかに差がありました。

 中学校2年生だったか、英語のテキストにこんな教材がありました。

 「insularism(インシュラリズム)=島国根性」についてのコラムで、島国であるがゆえ、フレキシビティーがないとありました。いきなり日本人を非難されたような気分になったので、良く覚えているのです。

 ノンフクションライター・玉木正之は、こんなことを書いています。

 ワールドカップ等になると「世界と戦う」と言うが、日本は世界の外に居るのではない。「世界の一員」として戦うから、足りないところが分かるのだ。

 他国の代表チームも国の威信を背負っています。場合によっては、生命の危険さえも背負いワールドカップの舞台に立っています。対戦相手は「世界」でなく、コートジボワール、ギリシャ、コロンビアという3国です。

 自分たちの信念を貫くことは大切です。しかし、日本だけが特別でないと考えるなら、状況をフェアに判断し、アジャストする能力も高めなければなりません。

 これはサッカーに限らず、仕事も全く同じ。哲学というモデルを、現実に活かしてこと、価値がでてくるはずです。

 豊かな島国であるがゆえ身についたもの。海に守られているがゆえ、欠落している感覚。どちらもあることを、肝に銘じておく必要があると思うのです。

 4年後。ロシア大会で躍動する日本代表を夢見て。

出掛けたくなるニッポン‐1073‐

 この春は、例年に増して奈良の湖へと出掛けました。

 下北山村まで、大阪から2時間半。

 道がよくなる以前は、3時間以上掛かりました。

 自然との一体感を求め、山道を走ります。

 もう100回は往復したでしょうか。

 その道中、日本の道路建設が、いかに困難かを実感します。大雨で一車線が陥没。復旧作業をしながら、片側を車が通行します。

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 このような所が、途中3箇所。24時間、交通整備に人が立ちます。

 日本でなければ、簡単に通行止めになるのではと思います。

 2011年の夏休み、ニューヨーク、シカゴをまわりました。

 うち一日は、フランク・ロイド・ライト設計の落水荘へ。

 レンタカーで早朝ニューヨークを出発

 色々ありましたが、何とか見学出来ました。

 N.Y.からペンシルバニアまで約8時間。高速代は10ドルしなかったと思います。

 長野までスキーに出掛けると高速代は約1万円。他の国より多少高いのは理解できます。

 しかしこれらは、関所の発想から来ているのではと思うのです。

 「入鉄砲に出女」で表される通り、人、物の動きを制限するのが関所の役割。これでは観光立国など、夢のまた夢です。

 行動はつねに新しい体験を生みます。目指すは、出掛けたくなるニッポンのはず。どこまで行っても1,000円時代が懐かしい。

フィクションだが真実‐1072‐

 梅雨とは名ばかり。久々の徹夜あけに、太陽がまぶしすぎます。

 良いコンディションをキープするのがプロなら、徹夜は完全に失格。イチローはこう言います。

 「寝ずに考えたんだけどは信用しない。大事な決断こそ良く寝て朝に、ですよ」

 プロポーズも朝したそうです。

 よって、イチローには遠く及んでしないのですが、たまには若い頃を思い出すのも良いものです。

 作家・山崎豊子が亡くなったのは昨年9月。

 1月から「大地の子」を読み始めましが、5ヶ月掛かってしまいました。

 彼女は船場の出身で、初期の作品はそれらを題材にしています。

 その実家は、老舗昆布屋の小倉屋山本でした。

 小倉屋山本と言えば、オーガニックビルのオーナーです。

 『住まいの設計 2011年3月号』で「地元建築家がガイドする名建築」にナビゲーターとして寄稿しました。

 チャレンジ精神旺盛な大阪らしい建築として、このビルも取り上げました。

 山崎豊子はその大阪を離れ、より大きなテーマで小説を書くようになって行きます。

 「大地の子」は、中国残留孤児が描かれています。兄妹の悲惨な幼少期、青年期は、もう目を背けたくなる話ばかり。

 途中で辞めようかとも考え、間に数冊の本を挟みました。

 読み進む時、何度も浮かんでくるこの言葉。

 この作品は、多数の関係者を取材し、小説的に構成したもので、登場する人物、関係機関なども、すべて事実に基づいて再構成したフィクションである。

 出来れば嘘であって欲しいとまで思います。フィクションだが真実。

 一体、本に何を求めているのだろうと考えさせられました。

 知識、感性など得られるものは沢山ありますが、明日へ向かうエネルギーなのかなと思います。ただ、読み終えて1週間経ちますが、心の整理がついていないと言うか……

 しかし圧巻の長編だったのは間違いありません。

結果を導く数式‐1071‐

 日本にとってのワールドカップが開幕しました。

 試合は見れなかったのですが、本田のゴールで先制するも逆転負け。

 「先制したので、守りに入ってしまった」という選手のコメントもありました。直前の試合では、先制されてから逆転、という試合だったので皮肉なものです。

 京セラ、JALの名誉会長、稲盛和夫さんは、仕事の成果をこんなで示しています。

人生・仕事の結果= 能力 × 熱意 × 考え方

■ 能力 (0~+100) 先天的な要素を含め、昨日までの努力の成果。
■ 熱意 (0~+100) 自分の意思で決められる。
■ 考え方 (-100~+100)

 控え選手も含めて、この掛け算の総和が結果と考えるなら、今からコントロールできる部分は、後ろの2つです。

 5大会連続での本線出場。掲げるサッカーで強豪国を破った試合もありました。強い意志で、国民に夢を見させて欲しいと思います。

 昨日の朝、事務所へ向かおうとすると、娘からプレゼントがありました。

 父の日でした。

 ハイビスカスの花は一日で枯れるのですが、秋口まで次々に咲くそう。全く知りませんでした。

 ワールドカップが真剣勝負なら、今手元にある仕事も真剣勝負です。

 クライアント、スタッフ、家族、そして自分のため。

 チームの総和を最大に持っていくことが、リーダーの役割です。

 ひるむなザック。頑張れ日本。

ストッパーを外せ、タガを締めろ‐1070‐

 梅雨は、梅の実がなる時期にかけたという説もあるそう。


 短期間で辞める若者が続くと、心も梅雨空のよう、と言ってみたくなります。

 経営とは、樽に水を溜めるようなもの。樽を構成する一枚の板でも無ければ、一滴の水も溜まらない。「足らない板」「短い板」を探し、そこに手を打つ。

 さらに樽には「箍(たが)」が必要。いくら、いい板が揃っていても、それを束ねる「箍(たが)」が無いと、樽として成立しない。

 「箍(たが)」とは、経営者そのもでもあり、企業理念そのもの。

 始道塾塾長、恩田さんの言葉です。

 長所を伸ばすのは重要なこと。しかし、水が溜まらないほど短い板があっては、リーダーなど勤まらない。短い板を少しでも延ばしなさい、と。

 現在、入所試験中のイタリア人青年は27歳。スチューデントビザで入国しています。

 間もなく日本語学校を卒業すると、その資格はなくなります。よって、ワーキングビザへの切り替え手続きを始めました。

 取り組む姿勢は非常に熱心。そこだけクリア出来れば、採用するつもりです。

 朝のミーティングの時間に、事務所の哲学の話をします。

 「デザインとは良心にうったえかけるもの。誰かを幸せにしたいという意思なんだ」という話をしました。

 彼は「良く分かる」と言いました。(多分) 良心は人類共通。同じ方さえ向いていれば必ず分かりあると思っています。

 彼が加わっても4名の事務所。それでも箍(たが)の緩い樽など無用の長物です。安っぽいストッパーなど外し、タガを締めろ、です。

 しかし、電話口からたどたどしい日本語が聞こえてきたら、なるべくゆっくり話てやって下さい。

2人旅‐1069‐

 子供が小さい頃は、全て私のスケジュールで動けました。

 長男が4年生になり、クラブだったりテストだったりと、休みが合わなくなって来ました。

 昨日は休みが合ったので、池原ダムへ2人旅。

 今回は、前夜からの池原入り。

 寝袋で遊んでいるうちに、寝る時間が遅くなってしまいました。

 結果、朝一番の良い時間を、船の上で寝るはめに。

 放っておおくと、起きたのは3時間後。

 しかし起きてからは、ほぼ飽きることなく釣れ続けました。

 一日釣って9匹。

 この日は、長男のガイド役に徹しました。

 釣り暦33年。

 秘密のルアーから、禁じ手まで。

 あらゆる引き出しを開けました。

 釣りは、魚にとって命がけの戦い。釣れさえすれば、面白くないはずがありません。

 休みの日は、できれば屋外で過ごして欲しいと思っています。この日は、任天堂DSとの戦いだったのです。

 まもなく開幕するワールドカップ。伝説となる雰囲気を漂わせているネイマールですが、幼少期のコーチがこう言っていました。

 「子供に勝つ責任はない。しかし、楽しむ責任はある」

 子供と大人の、仕事と勉強の違いを、これ程的確に表した言葉は聞いたことがありません。楽しむことを伝えることが、大人の責任ということになります。

 しかしネイマールは、本当にいい笑顔をしています。彼の父親が素晴らしい人物でした。この話はまたの機会に。

固い地盤がでますように‐1068‐

 関西も梅雨入りが発表されました。

 今日は朝一番で宝塚へ。地盤調査に先駆け、古家の解体です。

 新たに建つのは、鉄筋コンクリート打放しの家。

 内部も全て打放しの予定です。

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 傾斜地を開発した敷地は、ひな壇のように造成したものが殆ど。

 

 高いところを削り、低いところを埋め、擁壁でとめるのです。

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 この敷地は、南北方向だけでなく、東西方向もひな壇になっています。その高さ4mほど。

 幸いにも、擁壁は安全なものだと分かりました。

 しかし硬い地盤がどの位置にあるかによって、地盤補強の金額が変わります。

 建築は、法規、コスト、時間などをクリアして、現実のものとなります。

 何より大切なのは建てるという意思。しかし、神頼みの所も結構あるのです。

 固い地盤がでますように。

嫉妬心は狐色に‐1067‐

 先週は、早朝キャッチボールに付き合っていまいた。

 小学校のスポーツテストに、ボール投げがあります。得意な子は30m以上投げるそう。

 長男は練習で12、3mだったようで「教えて欲しい」と言ってきました。自発的に取り組んでくれるなら、前日が遅い日でも、喜んで早起きします。

 「~しなさい」に比べると、もう雲泥の差。結果、19mで本人も喜び、私も喜べました。

 谷沢永一の著書「人間通」から、「狐色」という項を抜粋してみます。

 嫉妬心は人間の本性であり、いつも心のなかにわだかまり疼いている。それを除きとり消しさる方法はない。

 それらがあまり跳梁せぬよう手綱を引き締める方法があるとするなら、人並みに嫉妬心が強いのだと顧みて自覚することだ。

 松下幸之助は「嫉妬は狐色に程よく妬く」と言った。黒こげまで行くと宜しくない。狐色に妬くと、かえって人間の情がたかまる」。

 一代名言ではないだろうか。

 ポジティブとは、マイナス要素を遠ざける事ではないのです。 一見マイナスの要素も、プラスへ行くための逆項として必要、と考えるべきなのかもしれません。

 何より、松下翁に嫉妬してよいと言われるだけで、世界が明るくなります。

 2014年も前半最終月に入りました。

 狐色でいきたいと思います。