タグ別アーカイブ: イチョウ

疲れてしまった時、水面を‐2274‐

今日から12月に入りました。

誰もが同じだと思いますが、12月に入ると、急にするべきことが増えるのは何故でしょうか。

大阪城公園のイチョウは今が見頃。

濃い黄色が眩しいほどです。

公園の北西角に「大手前」という交差点があります。

正門である大手門の前なので大手前。

交差点の歩道橋から南を見ると、丁度真ん中あたりにあるのが、大手前高等学校です。

府立高校の雄といってよいでしょう。

歩道橋から反対の北を見ると、私立の追手門学院大手前中高等学校があります。

幕末までは追手門とも呼ばれていたことが関係しているようです。

西外堀が目の前に広がる景色は、このあたりの見所のひとつ。

どちらの学校も、誰もが羨むロケーションなのです。

約20年前、初期相談に来られたクライアントが、高校時代の経験を語ってくれました。

「疲れてしまった時、水面をずっと眺めていました。見ていていると落ち着いてくるんです」と。

そして、水面が見える土地を探してこられ、住宅を建てました。

それが「池を望む家」です。

リビングが、北側の池に向かって大きく張り出しています。

3方が天井までガラスになっており、視野は180度以上。

そこからの景色は素晴らしいものでした。

勉強家のご主人から、池を望みながら勉強できる机が欲しい、という要望も貰っていました。

1階廊下の突き当り、対岸の桜も愛でることができる勉強机をデザインしたのです。

水面を愛でる暮らしの素晴らしさを、教えて貰いました。

水は命の源です。
そして植物は、命を持続する酸素の源と言ってよいでしょう。

掘と色付いた樹々を眺めていると、私も心が落ち着いていくことが分かります。

建築家・出江寛は「建築とは哲学すること」と言いました。

約30年、クライアントと一緒に、私なりに哲学してきました。少しずつでも成長してきたと思いたいのです。

年末にかけて、更に色々な計画が動き出しました。

日々、その真価を問われますが、落ち着くべき時は、水面を見に行くのです。

■■■10月1日(水)『建築人 10月号』「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」
が掲載されました■■■

■9月28日(日)地域のために、リハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」内覧会開催

■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■

株式会社 一級建築士事務所 アトリエ m
建築家・守谷昌紀TV

再びはじまる‐2193‐

昨年の12月に、設備設計に現場を説明した「ささき整形外科クリニック」

西国街道は京都と下関をつなぐ重要なルートです。


そのすぐ南に位置する「ささき整形外科クリニック」ですが、東隣にあるプールのある「ささき整形外科デイケアセンター」の設計に続き、増築計画も依頼してもらいました。

院長の佐々木さん、建築会社、そして私の三者が集まり、無事築工事請負契約が無事締結されました。

JR網干駅につく頃にはすっかり日が暮れていました。

普通電車で姫路駅まで移動。

上り、下りの両ホームにある、姫路名物えきそばに惹かれます。

ホームからは、ライトアップされた姫路城が浮かび上がっていました。

この日は、えきそばを我慢して、そのまま新快速で大阪に向かったのです。

工事請負契約は民々のことなので、条件が合えば契約に至れます。

しかし、建築基準法を軸とした建築関係の法規は、消防、福祉のまちづくり条例、保健所、そして緑化条例など、多くの関係省庁のチェックをクリアしなければなりません。

それに加えて、増築は新築に比べてかなりハードルが上がるのです。

体感的にですが、2倍くらいの時間を費やしたと思います。

かなり早めに、各所との事前協議を始めたのですが、それでも何とか決裁が下りたのが着工寸前だったのです。

建築工事は目に見えますが、これらは担当している私達しか分からない仕事です。

なかなか陽の目を浴びないのですが、今回は全ての決裁が下りるまで、提案した建物が必ず建つという保証はありませんでした。

それでも、提案を気に入ってもらい、計画を進めて行くなら突破するしかないので、右往左往しながらなんとかこの日を迎えたのです。

人手不足につき、完全に1人で解決するしかなく、仕事人1年生に戻ったように、我武者羅に働きました。

そんなこともあって、こんな日の晩酌は格別なのです。

再び、兵庫県太子町の地で、クリニックの仕事ができることに意気に感じているのです。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

イチョウまい散る、晩秋の播州‐2171‐

神戸を越え。

明石の天文台も越え。

英賀保を越え。

「ささき整形外科デイケアセンター」がある揖保郡の太子町までやってきました。

天気は良いですが、風が強い一日でした。

イチョウの横の、物見やぐらもやや気になりますが。

色付いたイチョウの葉が舞い散る晩秋の播州です。

2023年の8月にオープンした 「ささき整形外科デイケアセンター」 ですが、東隣には元々建っている「ささき整形外科クリニック」があります。

大変に繁盛しているクリニックで、リハビリ室が不足しているとのこと。

それで、増築計画の相談を受けていたのです。

設備設計担当と、調査を済ませると夕方になっていました。

2022年の年末から昨年夏のオープンまで、足繫く通いました。

水は清き太子町で、また仕事ができるかもしれないことに感謝しています。

片道3時間ほど掛かるので、帰りはいつもこんな感じでした。

物寂しさと、充実感に満たされる夕方。「さあやるぞ」という気持ちです。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

ヒリヒリする秋の総仕上げ‐2158‐

「ドッグランのあるタイル床の家」【ゲンバ日記チャンネル】Episode2を公開しました。

Episode1は、かなりの視聴してもらったのですが、今回は少な目。

クライアントにも折角協力して貰ったので、良ければご覧ください。

まだまだ暑い大阪。中心を貫くのは御堂筋です。

本町のすぐ南にあるのが南御堂。

本町の北にある、北御堂とを結ぶので御堂筋と呼ばれます。

「御堂筋」は愛称で、正式には「国道25号と176号の一部」。愛称って何?となるのですが。

ビジネスの中心地でもあり、建物のクオリティもやはり高い。

こちらの建物は豪壮華麗、ゴシック様式を意識したものでしょうか。

カフェでもハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子が採用されていました。

本町から北を望むと、2km程先にキタのビル群が見えています。

阪急前から難波駅までの全長は約4km。道幅40m以上の道路がこれだけ続くのは世界的にも珍しいと言われています。

キタまでやってきました。

御堂筋といえばイチョウです。

ミナミはそうでもなかったのですが、キタのイチョウは少し色付いている感じです。

しかしよく見ると、色付いているのではなく葉が焼けているような感じ。

東京では、真夏日というニュースもありました。

10月半ばをすぎても、ヒリヒリするような日差しが続いています。

秋のヒリヒリした戦いを求めて、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平選手。今日、ニューヨーク・メッツを破りワールド・シリーズ進出を決めました。

東の名門、ニューヨーク・ヤンキースと43年振りの対決です。

大谷翔平選手の歴史的な活躍は、もう一生観ることができないかもと思い、ポストシーズンの出場試合を、唯一日本語解説で全試合観れる(観れた)、SPOTV NOWとこの1ヶ月契約したのです。(2千円)

なのですが、先ほどフジテレビがワールドシリーズ全試合を生中継すると発表しました。

それなら先に教えておいてよ~と言いたくなりますが、仕方ありません。

ポストシーズンも活躍している大谷選手ですが、ファンとしてはもっと、もっとと期待してしまいます。

更に、アメリカン・リーグのMVP候補、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手とのMVP対決も見逃せません。

ヒリヒリするこの秋の総仕上げ。今週土曜日の開幕が待ちきれないのです。


■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

残り桜とクマバチ‐2104‐

週末は夏のような日差しでした。

冬の間は葉を落としていた公園の藤棚。

新芽が少しずつ顔を出していました。

すでに4月の中旬ですが、残り桜まで見ることができました。

近年は開花が早くなる一方だったので、こんな年があると気持ち的にはほっとします。

温暖化が収束した訳ではないにしても、です。

クマバチがホバリングしてから飛んでいきました。

どの花にするか、品定めをしていたのでしょう。

「クマバチ」とかいても読み方は「クマンバチ」。どことなくユーモラスで憎めないヤツです。

イチョウの若葉は色鮮やか。

こちらの木は青々としています。

同じ樹種でも、これほど違いがあるのが自然です。

普段はなかなか買い物に行けないので、休日の会社へ行く前に、日用品や食料を補給します。

焼き鳥を安く売っている店では、朝早くから店員さんが準備をしていました。

働き方は人それぞれですが「勤勉」を見て、嫌な気持になることはありません。

新社会人も少しはペースが掴めてきた頃でしょうか。

弁護士でタレントの橋下徹さんが、大阪府知事に当選したのは2007年の12月でした。就任後、以下のような話が、ニュースでよく取り上げられました。

就任当初、大阪を大きく変えるために、始業前の朝礼を提案すると、府幹部から「始業前の朝礼は超過勤務になる」と指摘されます。「ならば勤務時間中のたばこ休憩や私語は全部減額させてもらう」と反論したそうです。

2008年の3月。 若手職員との初めての朝礼で、この話を披露しました。

すると、ある職員が立ち上がり「どれだけサービス残業をやっていると思っているのですか。あなたはきれいなことを言っているが、職員の団結をバラバラにするようなことを言っている」 と発言。

「ありがたい意見。是非議論を」と返したのです。

府幹部の意見、職員の意見が100%正しいので、何か意見を書くことは止めておきます。多くのリーダーは同じ気持ちでしょうから。

1994年の4月。社会人1年生の私が、喜んで早出して掃除をしていたかと言えば、それはありません。

全く反対で「仕事って長いなあ」と思っていました。9時半始業で、終業は21時半くらい。少し遅くて23時くらいは普通で、確かに長かったのですが。

しかし今、そんなことを思うことはありません。

従業員から経営者になったのもありますが、私を必要としてくれる仕事があり、ただそれに応えたいとハチのように働いてきただけです。体の持久力も、精神の持久力も1年生の時と全く違うからです。

残り桜と若葉が瑞々しい公園で、30年前を少し思い出してから会社に向かいました。

今年の桜はこれで見納めでしょうか。

最後にもう一度、2024年の桜を上げておきます。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

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古くても、安くても好きと言える‐1958‐

先週のことですが、久し振りに北大阪急行に乗りました。

地下鉄御堂筋線は中津を過ぎると外にでますが、緑地公園あたりからは更に景色が良くなります。

千里中央駅では、「茨城をたべよう!」というイベントが開催されていました。

立ち寄る時間はありませんでしたが、北摂までやってくるとやはり空間的にはゆったりしてきます。

新御堂筋が箕面の山に向かってまっすぐ伸びています。それに沿って続く街路樹が美しい。

かなり色付いていましたが、盛りまではもう少しでしょうか。

前回万博の頃の開発とはいえ、街としては新しい部類にはいります。

緑地の計画もしっかりとされ、とても住みやすそうな街でした。

こちらは大阪市内の下町ですが、こんな車をみつけました。

トヨタのマークⅡです。

箱型のスカイライン(通称ハコスカ)、フェアレディZ、コスモスポーツなど、中古車とは呼ばず、旧車というカテゴリーがあることは聞き知っていました。

私はレアとか古いとかいうことに魅力を感じるタイプではないので、旧車を手入れしながら乗る人は、本当に車が好きなんだろうなと思っていました。

しかしこのマークⅡをみて「格好いい」と思ったのです。

若い頃はそんなことを感じたことも無かったのに。

色と言い、ロゴと言い、フォルムと言い、何ともいいのです。

ナンバーが付いていないので、実際に走るのかは分かりませんが、とても美しく保たれています。
オーナーは、この車を大事にしているのでしょう。

古い物よりは新しい物、安価なものよりは高価な物のほうが間違いはありません。

反対の言い方をすれば、古かったり、安価な物を好きと言える人は、人に左右され難い人だと思います。

嗜好の本質を考えれば、当たり前のことですが、人は意外に自由でない生き物です。

人間は自由なものとして生まれた。しかも、いたるところで鎖につながれている。-ルソー- 哲学者

その鎖を断ち切るのは自分の心以外にありません。

2020年の春からコロナ下の社会となり、本当に色々なことを考えました。

もしかすると、自分のことを見つめ直したのは、20代後半以来かもしれません。

自由であること。それは、まず自分の心の声をよく聞くことから始まるのだと思います。

マークⅡ が格好いいと思ったから、11月18日はマークⅡ記念日。

ちょっと古い?

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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恥を知り、恥を捨てたおじさん‐1862‐

大阪も少し郊外にでると、がらっと雰囲気が変わります。

敷地の調査に行っていたのですが、そんな時は少し足を延ばしてあちこちと歩き回ります。

住宅街を抜けると、一気に視界が開けました。

田畑の間を流れる水路も、かなりの水量です。

のぞいてみると、30cmくらいの魚が泳いでいました。

コイに見えますが、少し体高が低いような気も。

フランスを旅した時、電車がパリを離れると見渡す限りの畑でした。

パリは芸術の都ですが、フランスが農業国と言われるゆえんです。

そう考えると大阪産の野菜も色々あるよな、などと思っていました。

集落の間を電車が走り、古い町であることが伺えます。

神社やお寺もその地域を知る重要な手がかりになります。

やや寂しくなってきた、立派なイチョウも見つけました。

初期相談に見えた方が、ハウスメーカーの図面を持っておられました。

その図面の中に、敷地が描かれていないものもありました。

他社には他社の、ひとにはひとの方法があるので、私がとやかくいう事ではありません。しかし建物を中心に地球が回っている訳ではありません。

周辺建物によって、日の当たり方は変わります。風の抜ける方向もまたしかり。

車はどちらから入ってきてどう駐車するのか、庭や外部はどういった使い方を望んでおられるか……

一日くらいはそこに立って感じたいのです。

しかし、大きなカメラを提げてウロウロしていると、やや疑いの目で見られるもの。若い頃は、そんな目に負けて退散してきたこともありました。

しかし、そこはもう51歳です。

にこやかに、何となく会釈をしながらやり過ごし、納得いくまでしぶとく居続けるのです。

コンビ結成15年以内、漫才の若手ナンバーワンを決めるのがM-1グランプリ。今年は「錦鯉」の優勝で幕を閉じました。

ボケの長谷川雅紀さんは50歳ですが、コンビ結成9年目なので若手です。

私としては、1本目が抜群に面白かった「オズワルド」推しでしたが、とても良いものを見せて貰ました。誰よりも大きな声で、50歳は弾けきっていました。

恥を知り、恥を捨てたおじさんより強いものはそうないはず。

諦めず、どんな時も粘り強くと思うのです。

■■■ 12月6日『ESSEonline』にコラム連載を開始
第1弾は「キッチン・パントリー」■■■

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■

■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

コラム「建てるため」の土地探し‐1853‐

通勤にコートや手袋が必要になってきました。

そろそろマフラーも準備しておいた方が良いかもしれません。

通りがかった公園で、ネコが何かを見上げています。

何か小動物でも見つけているよう。

つられて顔上げると、葉を黄色に変えた立派なイチョウが目に入りました。

この時期、日の光を受けたイチョウの美しさは格別です。

眩いばかりの金色です。

先週、Webサイトをリニューアルしましたが、COLUMNというコンテンツを追加しました。

この日記で、家を建てるにあたって注意すべき点、工夫できることは一通り書いてきたつもりでいましした。

しかし、今回で1853回目になるので、必要な記事を見つけて貰うのは至難の業です。新たにまとめ直しては?とアドバイスを貰ったのです。

第1回目は-どこに住もうか?-というタイトルで、9月末にUPしておきました。

本日-「建てるため」の土地探し - をUPする予定でしたが、まだシステムを完全に把握できておらず……

初心に帰って、こだわりの家を建てたい人に役立つ情報を、月に1本くらいのペースで書いていきたと思います。ここで先に蔵出しします。

「建てるため」の土地探し

1. この中古物件買っていいですか?

土地や中古物件を探すには、まずは情報が必要です。
Webサイトや、広告などで情報を探すことからスタートします。

候補をしぼり、若いご夫妻と直接現地へ向かいました。
その場で、「守谷さん、この中古物件買っていいですか?」と尋ねられました。

コンマ数秒迷いましたが「新築を視野に入れないなら、いいと思います」と答えました。

こうして「神戸の高台の家」は計画がスタートしました。

2. 「リノベーション一択なら」

裏手に擁壁があり、現行法規の下で建替えをするなら、その部分を全てやり替える必要があります。数百万は掛かると考えたので、「リノベーション一択なら」と答えたのです。 

後にも書きますが、擁壁や高低差のある土地は、特に事前調査が大切なのです。

何千万もの買物を左右するアドバイスなので、重圧を感じなくはありません。
しかし、それを実務で経験させて貰ったからこそ私も鍛えられます。

建築基準法において、建物と土地の両方の安全を担保することを求められます。

上物だけに意識がいってしまうと、土地の調査がおろそかになり、「新築なら非常にコストが掛かる」または「建てられない」という最悪のケースまで起こり得るのです。

3. この土地買ったのですが

関西では北側に山が多く、南から日を受けるゆるやかな斜面地が多くあります。

南に向かって土地が下がっていくので、隣地の陰にならず、光環境は非常に恵まれます。

しかし、擁壁があったり、傾斜がきつかったりする場合には、土地の安全を担保しなければならないのは先の話の通りです。

バギーを押して、小さなお子さんと3人で見えたご家族は、すでに北摂の南斜面にある土地を購入されていました。

(写真と本文は関係ありません)

擁壁の上にあるとても見晴らしの良い土地で、不動産仲介会社からは「このくらいの家が建てれます」という、簡単な間取り図を貰っていました。

(写真と本文は関係ありません)

ただその擁壁の高さが5m以上あったので、「土地の安全ついての説明は受けましたか?」と尋ねると、「受けていません」と。

「プランの提案をして貰えますか?」という相談だったので、「まずはこの土地にこの大きさの建物が建つかの調査から始めてみます」とお答えしました。

写真で見る限り、擁壁の質があまり良さそうではなかったので、気になっていたのですが、調べていくと、完全にプライベートな擁壁だと分かりました。

4. 擁壁のメリットと絶対に気をつけるべきポイント

プライベートな擁壁とは何かを説明します。

例えば、山の斜面を住宅地として開発する場合は、半分を削り、半分を埋めたてることが殆どで、少なからず擁壁部ができます。

この擁壁が安全なものであるという、公的な照明書があれば問題なく建てることがで出来ます。しかし、これがなければこの擁壁に全く圧を掛けないように離して建てるか、荷重を掛けないような対処策を施さなければなりません。

先のご家族が購入されていた土地は、調査をしても安全を照明書できるものはなく、何かしらの対処をしなければ、予定していた建物が建たないことが分かりました。

出来るだけ安く地盤を補強する方法は見つけたのですが、それでも300万円程掛かります。それでは聞いていた話と違うということで、結局仲介会社と裁判をすることになってしまいました。

その為に資料を、できるだけ安価で製作することしか私には出来なかったのです。

反対に、「高台の家」ではこの擁壁が安全だという資料が役所に保管されていました。

それで、擁壁ぎりぎりまで建てることができたのです。

土地を売ることが専門の人と、土地に建てるのが専門の人の知識や意見が同じということはありません。

それは仕方がないのですが、さあこれからという、若いご家族がこのような目に会うケースを見るのは本当に忍びないものです。

私は「もし候補のひとつと思って下さるなら、遠慮なく相談下さい」と伝えます。

土地探しから新居を建てるという計画がスタートし、完成、そして生活が始まるまでは、夢の島を目指す長い航海のようなものです。

航海図を描いたり、船員を選んだり、舵を切ったりして、航海を成功させるのが、建築家の仕事だと思っているのです。


というのが、第2回目のコラムです。

バギーを押してこられたご家族から、その後の連絡はありません。

他の建築家と建てられたのか、注文住宅はやめたのか、そもそも一戸建てを諦めたのかは分かりません。

傾斜地が候補になった時、今でもあのご家族を思い出します。

そんなこともあり、初期調査にはかなり時間を掛けるようになったのです。


■■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■

■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載

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イケイケ‐1753‐

 暦で言えば初冬を過ぎた頃ですが、日中は15、6℃あるのでそこまで寒さを感じません。

 未だに小春日和と言えるような日もあり、ここまでは暖かい冬と言って良いでしょう。

 街中の公園ですが、なかなかに見事な紅葉です。

 イチョウなら黄葉と書いたほうが正確なのでしょうか。

 青を背景に赤、青、黄、緑とこの時期の樹々は本当に色鮮やかです。

 街中と言わず、できれば大自然の中へ出掛けて行きたいのですが、師走となるとなかなか……

 どこの会社も同じだと思いますが。

 私の記憶が正しければ、コンピューターも計算機も原理は同じで、全てを「0」と「1」という情報に置き換えて処理しているはずです。

 「0」は「Stop」。

 「1」は「Go」といった感じでしょうか。

 人の脳もコンピューターの原理と同じようなものだと聞いたこともあります。

 神経の情報伝達は微弱な電流で行われていると言いますから、この話も私はそうなのだろうと思っています。

 脳が「1」「0」「1」と信号を送り、2歩進んだとします。

 「1」「1」「1」なら3歩。

 僅かな差ですが、もう一度繰り返せば4歩と6歩と2歩。

 結果を残す人を見ていると、多くの場合はこの差ではないかと考えたりするのです。

 アメリカでは、大統領選挙で政権交代が決まりました。

 トランプ大統領の功績や、現在の行動は置いておくとしても、第45代大統領であることは間違いありません。

 就任の際に以下の言葉を紹介しました。

 経験と実績がない場合、エネルギーと情熱を売り込むべきだ。

 求めるものを手に入れるためには押し、押し、押しの一手だ。

 -ドナルド・トランプ-  アメリカの不動産投資家

 原文がどうなっているのかも知りたいのですが、どんな時も ”Go, go, go!”

 一度たりとも「0」は発信していないのかもしれません。

 「物事はそんなに単純ではない」という声も聞こえてきそうですが、トランプさんを見ていると、結構単純なことのようにも思えてきます。

 アメリカの人には怒られるかもしれませんが。

 プロ野球では、中日、阪神、楽天で監督を務めた星野仙一さんの座右の銘も「迷ったら動け」だったそうです。

 情熱や意思は、持って生まれた容姿や才能とは違い、自分でコンロトールできます。

 これなら自分にも出来ると思い、厳しい局面に出くわした時はいつも言い聞かせてきたつもりです。

 ある意味、人生はイケイケでよいのだと思っているのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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有明の月と、漆黒の月‐1751‐

 2020年もいよいよ12月に入りました。

 黄色い葉をつけていたイチョウも、随分葉を落としています。

 見上げると、白く光るのは銀杏でしょう。

 すでに店頭に並んでいるのでしょうか。

 更にその上。

 西の空低くには、淡く白々とした月が見えました。

 「残月」とか「有明の月」と呼ばれますが、はかない美しさとでも表現すれば良いでしょうか。

 日曜日に見た月は、漆黒の中で煌々と輝いていました。

 地球の反対側に回り、太陽の光を反射しているだけという事実を疑いたくなるほどだったのです。

 先日、経営者の勉強会の前に、会社見学をさせて貰いました。

 こちらの会社の商品は「紙」です。

 このロール1つは、9000mで800kg程あるそうです。

 もちろん人の手では持ち上がりません。

 紙の中でも「クラフト紙」に特化しています。

 クラフト紙はとても丈夫なのが特徴で、主には梱包に使われます。

 1km近いロール紙からカットし、商品として出荷するのです。

 このプリミティブな機械はすでに生産が無く、修理しながら使っているとのことでした。

 これで巻き取った紙を切り、シートにするのですが、最新の機械ではこのスピードは出ないとのことでした。

 確かにびっくりするくらいのスピードでした。

 この鎌で紙を切るそうです。

 ちょっと恐ろしい気もしますが、プロの道具はいつも迫力満点なのです。

 一方、最先端の機械もありました。

 軽い切り味で、切れている実感が無いほどです。

 こちらの機械もすでに生産が無く、床柱等を養生する紙専用の機械だそう。

 機械を見ているだけで飽きません。

 「近年では、ビニールや不織布などの登場により、クラフト紙の出番が少なくなっている」と社長は言っていました。

 勿論その実感もありますが、世の中は「脱プラスティック」へと進んで行くことは間違いありません。

 紙の仕事にはかならず追い風が吹くのではと思っていました。

 仕事が同じでも、環境が変われば全く違う景色になります。「有明の月」と「漆黒の月」は全く同じ月なのです。

 高度情報化社会において、スピーディに変化していくのは大切なことで、企業が生き残る為には必須のことです。

 しかし、変わらず一つのことを探求していく粘り強さも、同じくらい大切なものだと思います。

 時代の流れを読み切り、華やかに結果を残す人も勿論いますし、尊敬します。

 しかし月は月であって、太陽にはなれません。どれだけ頑張っても恒星にはなれないのです。

 なら、自分の決めた道を極めるだけ。今回の会社見学を通して、そんなことを考えていました。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記