タグ別アーカイブ: 出江寛

芸歴20年で、ようやく成人‐1658‐

 成人式の日本列島は、太平洋側が概ね晴れ。

 日本海側は曇天だったようですが、多くの新成人にとっては素晴らしい門出となりました。

 晴れ着姿で、足早に会場へ向かう姿も。

 妻の通う美容院では、一番早い予約は2:30amだったそうです。

 その女性にとっては長い一日ですが、より記憶に残る日になったかもしれません。

 大阪市平野区の会場は「コミュニティ・プラザ平野」。

 反り屋根と、瓦が特徴の建物ですが、日本建築家協会会長も務めた出江寛の設計。1995年の完成です。

 成人式では格式張っているからか、「成人の日 記念のつどい」となっていました。

 すでにかなり盛り上がっており、あちらこちらで鬨の声が上がっていました。

 今日はまわりに迷惑を掛けない範囲で、十分楽しんで貰えればと思います。

 私は大学を出てから、2年と少し設計事務所に勤めましたが、所長はいずれも出江寛建築事務所の出身でした。

 その関係で、この建物の担当者の方から色々話を聞かせて貰いました。

 正面にあるガラスに濃紺の部分があるのですが、現場監督にピースの空箱(タバコ)を渡し、「この色でお願いします」と伝えたそうです。

 24歳の時に教えて貰ったのですが、色も合せて「格好いい!」と思ったのです。

 再び昨年末の「紅白歌合戦」の話ですが、氷川きよしさんのステージが話題になりました。

 演歌歌手としてデビューした氷川さんの今年のステージは、白組とも紅組とも見れる衣装で、ビジュアル系パンクバンドをも思わせる、激しいヘッドバンキングも披露しました。

 以下のような記事を見ました。

 「デビューして20年。ようやく成人して次のステップ行けるのが20年。自分らしく道を切り開いていきたい」

 社会の求める役割を20年間一所懸命に務め上げ、ここからは自分らしく生きるという宣言は、格好良くもあり、心に染み入るものがありました。

 人としての成人は自然にやってきますが、職業人としての成人は、時間と共に勝手にやってくるものではないような気がします。

 実施図面のUPを控え、年始から全力モードです。

 私も芸歴26年となりました。多様性を受け入れ、大先輩に負けない立派なプロであれるよう今日もしっかり働きます。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:スタイル別』2019年12月31日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が2位に選出

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出
『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

○○○とハサミは使いよう‐1410‐

 朝夕に限っていえば、「気持ちいい」という言葉が思わず口からもれます。

 関東は雨の多い夏だったようですが、関西は酷暑の夏でした。ようやく暑さの出口が見え、秋の気配を感じます。

 耐震偽装問題が起ったのは2005年でした。

 建築士の信頼失墜を理由に、2009年から3年に一度の講習が義務付けられています。

 建築士の資格は必要なので取得していますが、正直あまり興味はありません。その説明はさておき、中崎町で講習を受けてきました。

 中崎町は梅田から1駅東。

 立地の良さと、古い長屋が残っていることで、リノベーションした店舗が多く目につきます。

 おしゃれなエリアとしてよく取り上げられるのも分かります。

 躯体を活かせるなら、それらの費用を内装、外装にまわすことができます。

 また、梅田とは賃料も違うはずなので、商品、サービスのほうにもお金を掛けられるでしょう。

 JRの高架下も、多くの店舗が入っていました。

 梅田センタービルまでくれば、茶屋町エリアまでもうすぐです。

 講義の中で、「建築家」の悪い側の印象として「勝手に作品をつくられる」という話がありました。

 そんな職業が、この世の存在していることが不思議です。

 先日、初期相談に見えた方も同じような話をされていました。

 それでも足を運んでくれたのは、「こちら側に立って仕事をして貰えるのかなと感じて」言ってもらいました。

 自分だけが正しいことをしているとは思いませんが、「クライアントと良い関係を築いておられるんだろうなと思って」という感想は、やはり嬉しいものです。

 「建築家○○作品」ということに幸せを感じる人も居るかもしれませんが、圧倒的に少数だと思います。

 それでも建築家という職業が存在するのはなぜか。

 「何とか夢をかなえてくれるのではなか」という人がある割合で存在し、勇気をもってオファーしてくれるからです。

 法的には、ある規模以上の建物は、建築士による設計が必須ですが、建築家に頼む必要はありません。

 バカとハサミは使いようといいます。

 バカとまで卑下しませんが、ある人には役に立ち、ある人には役にたたないのが建築家という職業なのです。

 前出の建築家・出江寛はこういっています。

 「建築屋」とは本屋さんや八百屋さん、あるいは政治屋などのように『物』に携わる人。

 「建築士」とは教師や弁護士あるいは詐欺師などのように『技術』に携わる人。

 「建築家」芸術家とか音楽家など『心』に携わるの人。

 かなり身内びいきで、アイロニックな言葉ではありますが、やはり「心」に携わりたいと思っています。

 どんな職業であれ、道具であれ、目的によって使い方が変わるのは当たりまえのことですが。