タグ別アーカイブ: 御堂筋

変わらぬ真理と、前時代のユーモア‐1781‐ 

 御堂筋はキタとミナミをつなぐ、大阪の目抜き通りです。

 都市計画的にも、この広さの道路が約4kmも伸びるのは珍しいと言われています。

 左に見えるのは難波神社です。

 難波神社のすぐ北にあるのが御堂筋ダイビル。

 元は1964年(昭和39年)に、現マツダの大阪支社として完成しました。竹中工務店の設計施工で、メタリックな外観が竣工当時は更に輝いていたでしょう。

 しかしながら、1階部分にバリケードが見えるように、建て替えが決まっています。

 御堂筋を北上し、本町通りとの交差点に建っているのが竹中工務店本店です。

 こちらは1965年(昭和40年)の完成で、御堂筋ダイビルがいかに尖っていたかが分かります。

 老朽化した建物は、補修をしながら使うか、立て替えることになるのですが、デザインを保存+増築という方法もあります。

 阪急百貨店と梅田阪急オフィスタワーがその例です。

 旧阪急百貨店のデザインを踏襲しながら、高層ビルを載せた感じ。

 フェスティバルホールも、同じような手法でしょう。

 建物が老朽化した後の運命は様々ですが、現在の阪急百貨店やフェスティバルホールにあまりポジティブな印象を受けないのは私だけでしょうか。 

 そんな事を考えていたら、ふとあの建物はどうなったのだろうと思い返しました。

 生野区にある源ヶ橋温泉に訪れたのは2012年の3月。9年前のことです。

 入浴とニューヨークを掛けて建つのが自由の女神像。その上にはシャチホコまで見えます。 

  元は橋があったのでしょう。

 この建物は、銭湯で初めて国の登録文化財に指定されました。

 建物の完成はは1937年(昭和12年)。当時の富豪が建てたもので、格子天井をはじめ、随所に遊びがみられます。

 番台に座る経営者のおばさんに色々教えてもらいました。

 先代が、昭和17年に買い取ったのですが、文化財とは言え、標識を一枚置いていくだけで、何かの指導があったり、補助があったりする訳ではないそう。

 この時代、銭湯は大変……と言っていました。

 この時も他に利用者は居らず、撮影も気持ち良くOKしてくれたのです。

 先程調べてみると、現在は閉館してしまったようです。何とかもう一度行っておけば良かったと悔いが残るのです。

 松本零士が描いた「銀河鉄道999」では、星野哲郎が無料で永遠の命を手に出来るという星を目指して、メーテルと旅をします。

 その結末は、機械人間のビスのひとつになることだったと分かり、命からがら逃げ出すというものだったと思います。

 何歳の時に見たのか忘れましたが、背筋が寒くなった記憶があります。

 と同時に、凄く納得した記憶もあります。そんな話がある訳がないと。

 私達人間もそうですが、永遠などありません。

 形あるものはいつか壊れますし、時間は有限です。だから、精一杯生きられるのです。

 本気でそう思うようになったのは、やはり人生の折り返し点、40歳を過ぎた頃でしょうか。

 もしそれが、少しでも早く分かっていたらと思い、子供達には何度も何度も伝えます。しかしスマホを片手にまさに馬耳東風……

 ただ、私はしつこいのです。嫌われたって平気ですし、馬の耳であろうが、豚の耳であろうが、繰り返し伝えます。

 あ、人を動物に例えるのはご法度でした。人の耳に念仏。人耳西風です。

 変わらぬ真理がある一方、前時代のユーモアって疑ってかかる必要があるのです。


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■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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アールエイチマイナス‐1545‐

 大阪を南北に貫くなにわ筋。

 道幅もあって、比較的走りやすい道路です。

 スタッドレスタイヤへ交換するのに、毎年ディラーへ向かうのが12月初め。

 丁度この時期がイチョウの見頃なのです。

 先週、御堂筋を通るとピーク寸前という感じでした。

 同じ大阪市内で、2筋東に離れているだけなのに、かなり差があるものです。

 12月半ばを過ぎると、年賀状のことが気になりだします。

 2002年頃、こんなメールが友人から回ってきました。

 「知り合いが手術をするのだけれど、血液型がO型のRhマイナスで、非常に数が少ないのです。知り合いでRhマイナスの方は居ませんか」

 それは大変だなと思い、結構な数の知人にメールしました。

 すると「それはよくあるチェーンメールじゃない」と友人に指摘されました。

 実害があった訳ではないですが、人の善意につけこんで、また、私の無知をさらけ出したようで、とても後味が悪かったのを覚えています。

 その時「Rhマイナスの親族が居ます」と連絡してくれた人がいました。その人の年賀状を見る度に、毎年この事を思い出します。

 メールが(正確に言えばe-mailですが)連絡の主流になったのは、2000年頃でしょうか。今やライン、メッセンジャーと、様々な手段があります。

 「年賀状が減る一方」というニュースも毎年のことですが、私はやっぱり年賀状派です。

 気になる女の子から、自筆の手紙なり、葉書なりをもらったなら、簡単には捨てられないものです。

 それは、やはり「実際に手にとって」という部分が大きいと思います。読み方によっては少し気持ち悪いかもしれませんが(笑)

 また、葉書なら62円の切手が必要です。昨年の年賀状は52円だったので、実質今年からの値上がり。この傾向が止まることはないでしょう。

 もしメールが1通72円なら、チェーンメールなどは存在しないはずです。

 メールが完全に無料ではないにしても、やはりお金という物差しは、常に大切なものだと思います。

 無料や過度の安価に振り回されないよう、しっかり働かなければなりません。

 今週末には、クリスマスプレゼントを準備しなければなりません。

 ついに娘が「サンタはお父さんなんでしょう」と言い出しました。

 そこは頑なに「信じる人だけには見えるんだ」と言い続けます。

 物創りを生業としている私としては、プレゼントがデータなんていうのは、まっぴら御免です。

 物を介して、手跡とか体温が伝わると思いたいし、それが物の価値だと思うのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映
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ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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