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コスモスも下水も灯台下暗し‐1955‐

秋らしい天気が続きます。

コスモスはまさに今が盛り。

毎年、あちこちと訪れてきましたが、意外な穴場を見つけました。

応神天皇陵古墳外濠外堤。

古市古墳群の中でも最大の規模で、その外濠にコスモスが植わっていました。

なかなか広大な敷地に、かなりの密度です。

コスモス園的なところにも結構行きましたが、それに劣らぬ風景でした。

コスモスの魅力は、色の豊富さでしょうか。

白から濃い桃色まで、かなりのカラーバリエーションです。

地元の人には有名なスポットなのかもしれません。

花の話からいきなり下水の話です。

谷町四丁目駅近くにある南大江小学校にめりこむような形で、「太閤下水見学施設」はあります。

江戸時代に造られた石組みの下水道で、秀吉が行った大坂の町づくりと関連付けられているとあります。

江戸時代に造られた下水道が現役で機能している例は他都市にはなく、貴重な資料として2005年に、大阪市文化財に指定されたともありました。

大きく分けると、下水には汚水と雨水があります。

ここから見える下水はそこまで汚くありません。雨水だけが流れているのかもしれません。

中世のヨーロッパではペストが大流行し、それを救ったのが下水道です。

文化的な暮らしにおいて、なくてはならないインフラなのです。

コスモスも下水も灯台下暗しでした。

当たり前にあるものほど、本当は一番大事 -高須光聖-構成作家

高須さんは、ダウンタウンのブレーンとも言われる、売れっ子構成作家です。

流石に、真理を見抜く力と、言葉のセレクトも超一流という気がします。

昨日の11月9日は、19回目の結婚記念日だったと、母親から妻へのメールで知りました。

結婚当初は、食事などに出ていましたが、子どもができ、そして大きくなり、何より時間がなくなり、その習慣は無くなってしまいました。

19年と聞くと、長い間一緒に暮らしてきたんだなという気持ちと、あっという間だったという気持ちがないまぜに湧き起ります。

どちらかというと、後者の方がやや強いですが。

どこも同じだと思いますが、全く波風が立ったことのない夫婦もいないと思います。

私のような融通の効かない男と、何とかかんとかこれまでやってきてくれたことに、心から感謝申し上げます。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

4年に及ぶ物語、ここに完結‐1954‐

昨日の日曜日は、絶好の撮影日和。

近鉄石切駅あたりから見た空は、全く雲の無い快晴でした。

四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」の撮影だったのです。


予定日の天候が悪かったり、コロナの感染拡大と重なったりと、2度の延期を経て実現しました。

常緑ヤマボウシが紅葉し、明るい庭のタイルと青空に映えています。

軒が深いので、玄関扉は無垢のナラ材で製作しました。

素材の選択にはかなりこだわっています。

室内の壁は全て漆喰塗りで、床は無垢のナラ材です。

そこに薪ストーブとステンレスのキッチンが、キリッとアクセントになっています。

司令塔のような位置にあるのがこのキッチンです。

中庭を望む配置としましたが、ここからの景色が一番よいとのこと。

奥さんに「普段使うキッチンや、お風呂にこだわってとても良かった」と言ってもらいました。

洗面脱衣にある、メジャーリーグのロッカーをイメージしたクローゼットです。

その横に洗面。

そして浴室が続きます。

鋳物ホーローのバスタブと大判タイルが優雅な空間を演出してくれるのです。

芝生の手入れは意外に簡単ではありません。

それで、ある程度面積を抑えましょうとなりました。

それも功を奏したのか、青々と根付いています。

その奥にあるのは砂場。

お子さんが大きくなれば、家庭菜園としても使えるよう考えました。

屋根裏に続く通路は橋のような空間です。

トップライトからの光が、建物中央の一番暗い場所を照らしてくれるのです。

屋根裏空間も、子供さんが小さい間は遊び場に最適なはずです。

昼の部の撮影を終えたのが13時頃で、17時前に再訪しました。

夕景の撮影がスタートです。

スロープにはアッパーライトも備え、視認性を高めています。

夜は照明を暗めにすると、山小屋のような趣になるそうです。

薪ストーブに火が入る季節は、なお雰囲気があるでしょう。

こちらの計画は、2018年の10月にスタートしました。

総打合せ回数45回、現場打合せは22回。

紆余曲折あり、ここに来るまでに4年の歳月が経過しました。

計画がスタートした時には2歳前だったお子さんが来年は小学生。本当に時が経つのは早いものです。

ただ、ご家族の成長をつぶさに見せて頂いたことで、多くのことを設計に織り込むことが出来たと思っています。

4年に及ぶ物語はここに完結しました。

その時間が、空間の密度に現れていると思うのは私だけなのか、そうではないのか……

それはまた世の中が判断してくれるはずです。

仕事に終わりはあるようで、やはり無いものだと思うのです。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
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理想郷を目指す旅は続く‐1953‐

11月に入りましたが、温暖な日が続きます。

アトリエは地下鉄平野駅のすぐ近くですが、JR平野駅も1.5km程です。

JR大和路線で天王寺から2駅で6分で着きます。

平野川の先にあべのハルカスが見えているので、この距離感です。

マックスバリューやニトリがあったりと賑やかですが、「222(トリプルツー)」という店ができていました。

Webサイトには「すべて半額!訳ありアウトレット店」とあります。滋賀県が本社で、大阪市内は平野店だけのよう。

「見てるだけで面白い」とは妻が聞いてきた噂で、一度のぞいてみなくてはなりません。

少し用事があり出ていたのですが、線路沿いには黄色い花が咲いていました。

葉の形をみるとキク科の花でしょうか。

そこまで詳しい訳ではないのですが、名が分からずとも花を見るのが好きなのです。

用事を終わらせた帰り道。少し撮り鉄してみました。

これがなかなか難しい。

「撮り鉄」という言葉があるくらいなので、かなり技術が要るのかもしれません。

何より主役は電車なので、待つ我慢が必要です。

このカットが、構図としては一番ましだったでしょうか。

ただ実際に見ていると、ガタンゴトンとレールを鳴らす音や、電車がすれ違う迫力など、飽きないのも分かります。

先日まで、新聞で電車旅のコラムが掲載されていました。

のんびりと電車旅にでもでてみたいと思うのです。

今日、11月3日は文化の日。

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ための祝日だそうです。

明治天皇の誕生日でもあったのですが、晴天の日が多い気象上の特異日としても知られているそうで、今日も晴天でした。

最高のお出かけ日和でしたが、人手が足らずで、今日もひとりアトリエで仕事です。

始道塾の恩田さんにこう教えてもらいました。

無理やりでも「幸せだなあ」という。もし、そう思えなければ、その差を埋める行動をする。

「幸せだなあ」とつぶやけば、愚痴をいうより間違いなく前向きな気持ちになります。

ただ、仕事で求められることがやはり一番の幸せ。なので私は幸せです。

しかし、成熟したチームをつくりあげ、電車旅に出掛けられる休みが取れれば、なお幸せとも言えます。

銀河鉄道999で星野鉄郎がアンドロメダを目指したように、理想郷を目指す旅はまだまだ続くのです……

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

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10月11日「テレワーク時代の間取り」
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6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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建築家・守谷昌紀TV ヘリンボーンとサロンのある憧れの家「The Longing House」

■■5月13日『住まいの設計6月号』に「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』に「おいでよ House」掲載

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何を食べるか、誰と食べるか‐1952‐

稲盛和夫さんが逝去されたのが8月末でした。

若手経営者を指南して下さった経営塾、盛和塾は2019年末に解散したのですが、そのことについても書きました。

以前は盛和塾<東大阪>に所属していたのですが、現在も後継塾があります。

近鉄八戸ノ里 まで行ってきました。

毎月の勉強会に、久し振りに参加してきたのです。

住宅、工場が混在した街を歩きますが、夜の第2寝屋川はなかなか美しいものです。

世話役の代表をして下さっている方の会社までは、駅から15分ほど。

この春に新社屋を建設されるくらい、非常に好調な会社なのです。

半導体に関連する部品を製作しています。

半導体 は不足しているくらいですから、残業しても追いつかないほどの受注量だそうです。

以前の工場よりも更に効率化され、無駄がなくなったとも。

盛和塾生の頃から分かっていましたが、こういった世話役を引き受けておられる会社ほど、やはり業績はよいものです。

私も世話役をしていたことがあるのですが、物理的に人手がたりずで、どうしても時間が作れなくなりました。

またそのような時間が作れるまで、まずは本業を頑張るしかありません。

2階の会議室で稲盛塾長の講和を見てからディスカッション。

2時間の勉強会でした。

その後、久し振りの懇親会にも参加しました。

会社のすぐそばにある鉄板焼き。

できる社長は、先に何皿か注文までしてくれています。

そして皆で乾杯。

一杯やりながら、経営談義が続くのです。

もつ鍋など食べたのはいつ以来か。

こちらは「赤鍋」。

そしてこちらは「白鍋」だそうです。

締めにラーメンをいれて貰い、懇親会が終わりました。

同じような志を持っている人達と会話をするのは、やはり前向きになれます。

今週末、ニューヨークから友人が帰ってくるので、梅田のある店に電話をすると「すでに予約で満席です」と。

飲食店も、ソロリと通常運転に近づいているようです。

今日はハロウィン。

ソウルで痛ましい事故が起ってしまいました。

長らく抑えてきたものが、下敷きにあったのかどうかは分かりませんが、ようやく雰囲気が変わってきた矢先のこと。

残念ですし、事故の規模に呆然としてしまいます。

コミュニケーションにお酒は不要という意見もあります。

しかし、美味しい物を食べながら、気の置けない仲間とやる一杯は、胸襟を開かせてくれるアイテムでもあります。

そういえば、稲盛塾長がこんなことを仰っていました。

「私は全く気取った食事でなくていい。8千円もするホテルの食事を食べる人の気がしれない。近所の商店街で売っている500円のお好み焼きで十分美味しいのだから」

オーナーだった京都パープルサンガに、ラモス瑠偉選手を迎える時も、吉野家の牛丼で接待したそうです。

流石塾長!という感じです。

何を食べるかより、誰と食べるかが、一番重要なのですから。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

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10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
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2月14日「屋根裏部屋」
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■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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受継がれていくもの、無くなっていくもの‐1951‐

少し前の新聞に、公園の遊具が減っているという記事がありました。

遊具と言えば子どもが遊ぶものですが、ブランコはかなりの運動速度になります。

昔は、球体の鉄カゴが、軸を中心にしてグルグルと回せるものもありました。

何と言う名称かは分かりませんが、本気で回せばかなりのスピードになり危険だったと思います。

こちらは最近見たことがありません。

滑り台も樹脂性が増えましたが、一様に刺激は低下傾向です。安全を求めるなら仕方ないのですが。

「警察小説の傑作」という刺激あるコピーを見て手に取ったのが「孤狼の血」。

その文字に偽りなし、でした。

僭越ながら、本を読んだあとは点数をつけていますが、98点をつけました。

著者、柚月裕子は1968年生まれで同じような年代です。女性が書く警察小説も珍しいなと思い読み始めたのですが、あっという間でした。

警察小説とありますが、ヤクザ小説でもあります。

広島を舞台に繰り広げられる暴力団抗争と、警察との関係を描いているのですが、「仁義なき戦い」を思わせる雰囲気があります。

広島弁でのセリフまわしが、とても良いのです。

ベテラン刑事と新人のコンビが、そこに割って入っていくのですが、その人間臭さと、きな臭さが読む者を惹きつけます。

巻末の解説を読むと 、深作欣二監督の映画「仁義なき戦い」がなければ、この小説が生まれることはなかったと、著者が語っていると分かりました。

一気に柚月裕子ファンになったのです。

続けて読んだのが、「蟻の菜園 ‐アントガーデン‐」。

結婚詐欺容疑で捕まった介護士の円藤冬香。

40代前半の美しい彼女は、複数の男性と付き合っていることが分かります。

そして、彼らが次々と不審死をとげていくのです。

彼女には完全なアリバイがありますが、この事件を取材していたフリーライターの今林由美が、北陸との小さな関わりを見つけました。

僅かな情報から、彼女の北陸での過去をたどっていくと……というストーリーです。

小説としては85点を付けましたが、お勧めはしません。特に娘を持つ男親には。

彼女たちが体験していた幼少期が、目を背けたくなるほどの凄まじさだったのです。

北陸の自殺の名所がでてきたり、そこでの過去に事件の背景が隠れている展開が、松本清張の「ゼロの焦点」に似ているなと感じていました。

こちらも巻末の解説を読むと、松本清張の「砂の器」へのオマージュが色濃いとありました。


確かに、登場人物の方言から北陸に行きつく「砂の器」のほうが色濃いかもしれません。

年代的には、松本清張の2作品のすぐ後になりますが、水上勉の「飢餓海峡」も同じような色合いを持った小説です。

戦後の苦しい時代に、寒村での暗い過去が次々と明らかになっていくという展開ですが、いずれ劣らぬ傑作です。

物は危険を理由に受け継がれませんが、優れた小説のモチーフは受け継がれていくんだなと考えていました。

日本では表現の自由が約束されています。内容としては、より過激になって行くでしょう。

危険でも良い、とまでは言いませんが、多少スリルがなければ子供が喜んで遊ぶことはありません。

以前読んだ本より、刺激の少ない本を読みたい人が居ないのと同じです。

責任と成長。

このあたりに、受け継がれていくもの、無くなっていく物の分水嶺があるのだと思います。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

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2月14日「屋根裏部屋」
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舌>鼻>目>耳>皮膚‐1950‐

つい先日まで30℃あった気温が、20℃を下回る日もでてきました。

稲刈りを終えた田に伸びる影も、日に日に長くなってきます。

秋は秋で色々な花が咲きます。

これらは菊系の花でしょうか。

こういった紫の尖った花も結構見かけます。

先週あたりから、街を走っているとキンモクセイの香りに気付くようになりました。

この時期になると、「ここにも植わってたのね」とつぶやきたくなるくらい、あちこちに植わっていることに気付かされます。

盛りの頃は、むせるほどの匂いに街が包まれるのです。

そのキンモクセイもそろそろ終わりでしょうか。

50歳を過ぎ、老眼で小さい文字が見え難くなってきます。

祖父母がそうだったように、いずれは耳も衰えてくるのでしょう。

しかし、鼻が衰えたという声はあまり聞きません。

2015年のシルバーウィークは、北九州を旅しました。

当時は、何とか家族で47都道府県制覇をと、長期休暇は仕事のように遠出していました。

佐賀の吉野ケ里遺跡は、季節的にも最高の景色でした。

北九州の中でも、坂の街・長崎が一番好きです。

丁度、軍艦島が世界遺産に登録された頃だったと思います。

夜の街も堪能し、近くのホテルに戻ったのです。

川沿いの道を抜けた先にあった気がするので、このホテルの近くだったと思います。

普段、ハズレの話はあまり書きませんが、そのホテルは臭いが強烈でした。

中国資本が入っているようで、内装が中国趣味なのは構いませんが、何か強烈な香辛料のような臭いがするのです。

エントランス、エレベーターの中、そして客室の中も……

上層階で、眺めがよいのだけが救いでした。

この臭いの中で寝れるのかなと心配していたら、旅の疲れからぐっすりでした。

鼻は慣れる五感と言いますから、よく出来たものです。

佐賀、長崎、平戸、佐世保、唐津、小倉などを回りましたが、「呼子のイカ」は素晴らしく美味しかったです。

今はイカをあまり喜ばない長男も、バクバク食べています。

ゲソの天ぷらは言うに及ばずでした。

鼻とともに、舌が衰えたという話もあまり聞きません。

もし、五感の中で衰えて欲しくない順番を付けるなら、こんな感じでしょうか。

味覚>嗅覚>視覚>聴覚>触覚

こうして並べてみると、「神さま有難う!」と言いたくなりました。

何も衰えないのが無理とするなら、まさにこの順番が一番です。

また遠出して美味しいものを食べに行きたい!

今週も頑張って働きます。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

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2月14日「屋根裏部屋」
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主人公は人。素敵、自転車‐1949‐

前回、堺の三国ヶ丘にある、方違神社を訪れたと書きました。

TOTO堺ショールームのリサーチをしていた時に見つけたのですが、すぐ近くにシマノ自転車博物館もありました。

以前は仁徳天皇陵近くにあったのですが、今年の3月に移転、リニューアルオープンしていたようです。

場所は南海電鉄の堺東駅から北に200mほど。

以前から一度行ってみたいと思っていたのです。

方違神社からは車で1分ほどでした。

設計は、本社と同じく芦原太郎建築事務所。

外観は極めてシンプルですが、外壁については中に入ってから驚きました。

はじめに見る動画だけでも、かなり見応えがあります。

自転車の進化の歴史と共に、今すぐに自転車で出掛けたくなる映像が満載です。

2階には曲面壁にそって、時系列に自転車の歴史が分かるよう展示があります。

自転車の始祖となったのがこの「ドライジーネ」。

ドイツ人発明家が1817年に考案しました。

まだペダルはなく、地面を蹴って進むものです。

当時の乗り物と言えば、馬車か馬くらいしかなく、貴族以外は歩くしか移動の手段がありませんでした。

このドライジーネは、歩く3倍の距離を移動できるという触れ込みもあり、若者を中心にかなり流行ったそうです。

2輪の乗り物はここから進化を始めます。

1861年に発売された「ミショー」はペダルを備え、足が地面から離れます。

より早く走れるようになり、人々は旅や競争を楽しむようになりました。

よりスピードを求め、前輪が大きくった「アリエル」の進化型の「オーディナリー」。

「アリエル」 の金属製のリムとスポークがより大きな車輪を製作可能とし、現在にも受け継がれています。

しかし転倒の危険も大きく、1885年にギアとチェーンで後輪を駆動する構造が発明されます。

現在の自転車の原型が出来上がったのです。

ほぼ同じ頃、空気入りのゴムタイヤが実用化されます。

これによって劇的に乗り心地が改善されたのです。

あまり大きく取り上げられていませんでしたが、その名が現在まで残っていることがその偉業を物語っています。

この曲面壁の展示室の外周は、ギャラリーになっています。

白いパネル状の外壁は光を透過する素材でした。

壁面全体からの拡散光が、室内と展示物を優しく照らします。

非常に良い空間でした。

面白いところでは、1959年の皇太子御成婚時に献上された菊の御紋つき自転車。

1980年、人力で走る乗り物最速、時速91.19kmを記録した「ヒューマン・パワード・ビークル」などがありました。

世界最速のウサイン・ボルトが約時速45kmですからその倍。

テクノロジーの力を感じざるを得ません。

館名に「シマノ」と入っていますが、自社のPRなどは最小限で、あくまで「自転車」にスポットを当てています。

それらも含めて、非常に気持ちのよい博物館でした。

緑化スペース越しに仁徳天皇陵が見えています。

本当に市街地の中心にあるのです。

中世から包丁や鉄砲鍛冶が集まる堺は、明治に入ってから自転車部品の一大生産地となりました。

中でもシマノはスポーツ自転車部品の世界最大手です。

私にとっては、釣具メーカーとしての方がなじみがあります。

ベイトリール「アンタレス」は本当に使いやすいリールで、名器と言ってよいでしょう。

私の通勤用自転車は、アメリカのschwinn(シュウイン)メーカーのものです。

カゴ付き自転車の中で、一番美しいものをとサイクルショップで探してもらいました。

購入したのは9年前で、ほぼ毎日乗るのであちこち傷だらけですがとても気に入っています。

ブレーキを見てみると「SHIMANO」とありました。

縁の下の力持ちとは、こういった企業を指すのでしょう。

ディスクブレーキを修理してくれるショップがなかなか無いのだけが玉に瑕ですが。

自らが転がす車と書いて「自転車」と呼びます。つまり自転車を動かす主人公は「人」であり、その楽しみ方は人の数だけあるということです。

館のはじめに掲げられていた言葉です。

車やボートと、どちらかといえば動力派でした。

環境負荷が少なく、健康にも良いのですから、もう言う事無しの乗り物です。

限りなく自由で、素敵な自転車。

その歴史がわずか200年足らずということにも驚きました。

今週末にでも少し手入れをしてあげなくてはと思っています。

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6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
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方違神社には方角がない?‐1948‐

先週土曜日は、TOTOの堺ショールームへ行っていました。

音楽室がある「没頭できる家」の水回り機器を決定するためです。

前日、道程をGoogleマップで下調べしていると「方違神社」の文字を見つけました。

これまでのクライアントも、何組かが参っておられ、名前だけは聞いていたのです。

Webサイトにこうありました。

方違神社は古来より方災除けの神として知られ、方位の災いから身を守り「吉方」へ導かれるようご祈祷を執り行います。

折角近くまで来たので訪れてみました。

「門前そば」という言葉だけで旅情をそそられます。

今回は寄れずでしたが、一度のぞいてみたいものです。

社殿も非常に立派。美しい建物です。

鳥居横にあった、説明を読むとよく理解できます。

このあたりは、摂津、河内、和泉の三国の境に位置しているので「三国山」「三国の衝(ちまた)」「三国丘」と呼ばれたそうです。

三国の境界にあるため、方角の無い聖地であると考えられ、古来より方災除けの神として参拝者が絶えなかったとあります。

奈良時代には、行基が布施屋(休憩所)を設けるなど、より往来が盛んになったともありました。

少し東へ行くと、行基大橋があり、こんなところにもその足跡が残っています。

当時、大和川は無かったはずですが、それでも身近に歴史を感じれるのが関西の良いところ。

江戸時代に描かれた方違神社ですが、周辺には仁徳天皇陵以外ほぼ何もありません。

私が滞在している間にも、車やバイクのお祓いや、七五三のお参りまで本当に賑わっていました。

地域から愛されているのがよく分かるのです。

神社のすぐ西には「反正(はんぜい)天皇陵古墳」もあります。

5世紀中頃に築かれたとあるので、なぜ先の絵にないのか不思議ではあります。

明治元年、京都から東京へ都が移る際、17日間も祈祷が行われたともありました。

現在も、引越しや旅行の際に多くの方が参拝に来られるそう。

三国の境界にあるから、方角が無い聖地。

半ば駄洒落のようにも見えますが、それが今日まで引き継がれているから凄いことです。

また、三国ヶ丘の地名の謂れも分かりました。

やはり出掛けるのは楽しいものです。

政府による旅行支援も始まったので、是非活用したいものですが、我が家は受験生が居り……

ただ、ここは人生の正念場。

是非結果を出してもらい、楽しい春を心待ちにしているのです。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

新世界のお礼は快気祝いで‐1947‐

朝ジョギングに出ると、ハナミズキも紅葉が進み、赤い実をつけていました。

朝方は15℃、最高気温は24℃と、本当に過ごしやすい季節になりました。

昨年の12月から 『ESSE-online』 に書き始めたコラムですが、一昨日に10本目が公開されました。

「おいでよ House」をはじめ、4つの実例をあげてテレワーク時代の間取りを解説しています。

「LDK+集中部屋」という切り口で書いてみました。相応の時間を掛けて書いたので、良ければ読んでみて下さい。

実は先週末、SNSで友人の投稿を読み、少し動揺していました。

病が分かった後の心情が、とても正直に綴られた投稿で、動揺と書きましたが、心打たれたと言った方が正確かもしれません。

家族のこと、両親のこと、友人のこと、そして仕事仲間のこと……

その真っすぐな文章に、多くの友人・知人からメッセージが寄せられ、それらも全て読ませて貰いました。

そのメッセージが、誠実な人柄をより鮮明に浮かび上がらせていたのです。

彼と初めて会ったのは大学時代、宮崎県の都城でした。

車の合宿免許を近大の生協で募集しており、その開催地だったのです。

阪大、神大、関学、電気通信大など、色々な大学から男女問わず多くの学生が参加していました。

春先の宮崎は気候がよく、何とも開放的。

寮のような場所で生活するのですが、同じような年代の学生ばかりで、20人程とすぐに仲良くなりました。

大阪に帰ってからも、1、2年は付き合いが続いたでしょうか。

その後は年賀状の遣り取りくらいになりましたが、3年前、約30年振りに彼から連絡を貰いました。

メディアへの露出も見てくれていたそうで、頑張っていれば良いこともあるのだなと思っていたのです。

食品メーカーに勤める彼は食に明るく、お店段取りも全てしてくれました。

「ディープな街が面白いかもね」となり、新世界で会ったのです。

流石にとても美味しいお店でした。

ただ、いつもの通り話すほうに夢中で、写真はこの2枚だけ。

それで日記にも上げていなかったのですが、とても楽しい夜でした。

1年後にはコロナ下の社会となったので、絶好のタイミングだったと思います。

週末は出先だったので、大阪に戻ってから私も励ましのメッセージを書き込みました。

そして最後には「快気祝いは僕にアテンドさせて下さい」と添えました。

仕事にかこつけて、自分から誰かを誘って食事に行くことは殆どありません。

そんな愛想のない私を時々誘ってくれる人達には感謝しかありません。

彼の回復を心から祈ります。

今から、どこで快気祝いをするかを考えているのです。

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

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