今日は成人の日ですが、式典の延期や中止の報道もありました。
新成人の方々は忸怩たる思いだと思いますが、まずは生きていればこそ。その忍耐は、必ず活かされる時がやってくると思います。
彼らだけでなく、今は我慢の時です。
年末のことですが、大坂七墓のひとつだった長柄墓地(現在は大阪市設北霊園)に立ち寄る機会がありました。
昨年は梅田墓地の発掘調査の話も取り上げましたが、現代の大阪の真ん中に、これだけ大きな墓地があるのかと驚きました。
それでも往時の2/5の規模だそうです。
お盆あたりと年始くらいは毎年墓参りに帰っていたのですが、今年も難しいかもしれません。
年末から画像だけ上げていた、12月28日発売の『suumoリフォーム(関西版)』。
内容には触れていませんでした。
今回、作品掲載はないのですが、「満足度アップのために、デザイン力のある会社を選ぶコツ」という私のインタビュー記事が掲載されました。
一昨年発売された『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』 では「回遊できる家」が掲載されました。
その取材に来てくれたライターさんが「守谷さんの話しが、フラットで分かりやすかったから」と編集部に推してくれたようです。
お代を頂いての取材は、やはり光栄なことです。
ところが発売の少し前に、編集部から「suumoリフォーム情報誌シリーズを休刊します」という案内が届きました。
よって今回が最終号なのです。
私は紙媒体が大好きですが、web全盛の時代になり、さらに非接触が加速する中、時代の変化は誰にも止められません。
これは他人事でなく、自分達も進歩、変化していかなければ、時代の藻屑と消えてしまうのです。
紙媒体と言えば、年賀状も減る一方というニュースばかりです。
アトリエmとしては、お世話になった方々に、「一所懸命に頑張っています」という報告のつもりで、出来る限り出すようにしています。
今年の作品は結構迷いましたが、年末にUPしたばかりの「ときめく紺色の家」にしました。
家族用は、夏の八ヶ岳行きにしました。
高槻中学、高校の同窓会の幹事を引き受けているのですが、昨年末の開催予定が、この状況でひとまず1年延期しました。
恩師や同級生からの年賀状にも、同窓会に関してのコメントをいくつも貰ったのです。
「オリンピックもどうなるか分からないので、難しそうですね」
「楽しみにしているので、是非開催してください」
概ねのこのような意見でしたが、こんなコメントもありました。
「考え方を変えて、デイキャンプ形式にしてみてはどうですか?」
なるほど、そんな考え方もあるのかと思ったのです。
秋までには方針を決めなければなりませんが、私なりに全力で判断しようと思います。
幹事をしている関係から、『高槻の歩み つたえる・つながる・つくる』の編集部から、昨年の夏にお亡くなりになった、澤田先生への追悼メッセージを貰えませんかと連絡を貰ったのが10月のこと。
こちらは年末に冊子が届きました。
悪かった自慢をしたい訳ではなく、素直に澤田先生へ気持ちを綴ったつもりです。
中学1、2年の担任だった澤田先生は国語の中でも古文が専門でした。
源氏物語、方丈記、徒然草と、当時はろくに授業も聞かずで、成績も最低。
何故あれ程魅力的な古典を、しっかり澤田先生から学んでおかなかったのか……
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。
『方丈記』 鴨長明
川の流れはとどまることなく、元のままということはない。よどみに浮かぶ泡は、消えたり、生まれたりで長くとどまることもない。この世の人も住みかも同じようなものである。
美しい都に軒を連ね、住まいで格を争う、身分の高い人も、低い人もがいるのはいつの世も変わらぬものだが、昔からある家は稀である。ある家は去年焼けて今年新築してある。大きな家はなくなり小さな家となっている。住む人も同じようなものだ。住む所が変わらない人も多くはいるが、ずっと昔から代々住んでいる人は2、30人のうち僅かににひとりかふたりだ。朝亡くなり、夕方に生まれる、水の泡と同じようなものなのだ。
私なりに意訳してみました。答えは見ていないので、澤田先生に採点して貰おうと思います。
中高の成績は270人中、大体が下から2番目でした。
もう1人強者(表現がおかしい!)が居たのですが、中学で辞めてしまったので、もしかすると高校時は最下位だったのかもしれません。
そんな私が幹事の代表をしているのは、総懺悔に他なりません。
迷惑を掛けた先生、手を出してしまった同級生、通学中に喧嘩になった他校の……
もうきりがありません。
アトリエmを興してから少し経った時、何故か「人生は総懺悔」という言葉が頭に浮かびました。それから気持ちが楽になりました。
お詫び、お詫び、お詫び。
働く、働く、働く。
もうこれしかありません。
澤田先生とともに、ご迷惑をお掛けした先生、同級生には総懺悔し、精一杯働くことを年始にお誓い申し上げるのです。
■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記