タグ別アーカイブ: 奈良

とらわれず、一刀両断‐1786‐

 昨日は奈良へ行く用事がありました。

 緊急事態宣言は解除されたものの、大阪、兵庫、宮城のみに新たな規制も発令されました。

 なかなかすっきり解決とはいかないものです。

 奈良市内から東に延びる369号線は柳生街道とあります。

 10分程走ると、のどかな里山風景が広がり始めました。

 昨日は生憎の雨でしたが、一週間前なら小川に沿って咲く桜もさぞかし美しかったでしょう。

 桜も素晴らしいが背景も素晴らしい。盛りの時期に訪れてみたいものです。

  柳生の里という看板があちこちに見えてきたので、車を市営駐車場にとめました。

 天石立神社へ目指して山道を歩きます。

 少し歩くと墓地が見えてきました。

 桜と霧が幻想的な雰囲気を演出しています。

 更に山道を登ります。 

 雨がかなり降っていたので、その湿気と杉の香りがむせ返るよう。

 小さな紫の花はミツバツツジでしょうか。

 毎年、桜の後の時期を楽しませてくれるのです。

 山裾から800mほど歩くと、天石立神社の鳥居が見えてきました。

 巨大な石がいくつもあり、古代の自然信仰のもとに生まれた神社とあります。

 このあたりは柳生家の剣の修行地だったと言われています。

 一刀石が見えてきました。

 柳生新陰流の始祖、柳生石舟斎(宗厳)が天狗を相手に剣の修行をしており、天狗と思って切ったのがこの岩だったと伝えられています。

 大ヒット映画、「鬼滅の刃」にこの岩を思わせるシーンが出てくるそうで、おもちゃの刀が置いてありました。
  
 一応妻に切って貰いました。

 山麓にある芳徳寺は、柳生石舟斎の子、宗矩が父のために創建した寺です。

 宗矩と親交のあった沢庵宗彭によって開山されました。

 宗矩も江戸初期の剣術家で、徳川家の剣術指南役に招かれるほどの腕前でした。

 政治家としてもすぐれ、後に大名となるのですが、一剣術家が大名にまで上り詰めたのは宗矩だけだそう。

 その宗矩に大きな影響を与えたのが先述した沢庵和尚と言われています。

 「たくあん」漬けの考案者と言われ、吉川英治の「宮本武蔵」には武蔵の師として描かれています。しかし、2人が会ったという史実はないそうで、あくまで小説上の話のようです。

 宗矩は禅の思想を取り入れ、「剣禅一致」という思想にたどりつきました。

 また、沢庵和尚が残した「不動智神妙録」は武道の極意をもって禅の真髄を説いた書です。

 心がとらわれると切られる

 迷いが生じた瞬間に「切られる」ということでしょうか。背筋が寒くなります。

 とらわれた心は動けない

 見栄だったり、邪念があると、正しい心の働きができなくなると言う意味でしょう。


 剣の達人などというと劇画の世界しか想像できませんが、突き詰めて行けば、剣術であれ、仕事であれ真理は変わらないようです。

 「とらわれる」はとにかくNGのようですが、「とらわれる」ことの多いこと……

 プラン、デザイン、コスト、そして人の心と、解決すべき課題は多岐にわたります。

 とそれでも一刀石をイメージして、目指すは一刀両断です。

 なかなか一筋縄では行かない課題を抱えられている方は、実物を見ることをお勧めしてみます。
 

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

心の中の『釣りキチ三平』‐1750‐

 先週水曜日、11月20日に漫画家、矢口高雄さんが亡くなったという記事が出ていました。

 岩手県との県境に近い秋田県西成瀬村(現在は平鹿郡増田町)に生まれた矢口さんは、『釣りキチ三平』で人気漫画家となりました。

 『週刊少年マガジン』『月刊少年マガジン』に1973年から10年間とあったので、私は3歳から13歳までの間です。

 主には文庫本で読んだと思いますが、自分で買ったのか、釣り好きの友人に借りたのかは思い出せません。

 ただ、その画は今でも鮮烈に覚えています。

 父も釣りをしますが、淡水の釣りはしません。

 私がこれだけ湖好きになったのは、『釣りキチ三平』に出てくる山上湖の景色に心躍らせ、憧れていたに他ならないのです。

 矢口さんが遊んだ山間部の湖も、朝は遅かったはずです。

 山に囲まれるため、日がなかなか差してこないのです。

 風の無い日、鏡のような湖面は息をのむ程美しい。

 また、渓流部の水は澄み切っています。

 私はその景色を、奈良県の池原ダムに見つけました。

 それを見せたくて、子供達もさんざん連れまわしたのです。

 最近はあまり付き合ってくれませんが、少しでも心に残ればと思っています。

 野外で食べるカップヌードルは、1500円くらいの価値があるはずです。

 こんなに小さい時から、カレー味ですが。

 春先はよく鹿を。

 そして猪。

 猿はしょっちゅう。

 トンビには、長男がバナナを奪われたこともありました。

 そして先日、ついに熊にまで

 大自然というにふさわしい景色がここにありました。

 自然との架け橋になってくれるのは、勿論魚です。

 何といっても「釣りキチ」ですから。

 『釣りキチ三平』にはこのような倒木や滝のある景色が良くでてきます。

 こういったものにときめくのは、釣りキチの証し。

 あの下には、得体が知れない大物が居るかも……と思っているからです。

 また、釣り漫画だけに水面下を描く画が良くでてきます。

 矢口さんはこれが抜群に上手いのです。

 人の暮らせない水の中は、まさにロマンそのものですから。

 この滝のある風景を初めて見たとき、小学生にタイムスリップしました。

 小学校を出てから漫画を読み返したことはありません。

 しかし、今でも池原ダムを紹介するときは、『釣りキチ三平』の世界そのままと言う事が殆どです。

 アニメ版のオープニング曲がとても好きでした。

 あのワクワク感は何だったのだろうと思う程です。

 全く知らない人間にこれだけの影響を与える、作家という仕事は本当に凄いと思います。

 釣りと自然の魅力を教えてくれた、人生の遊びの師に心からの感謝と、哀悼の意を捧げたいと思います。

アニメ『釣りキチ三平』オープニグ曲

 『若き旅人』

人は誰でも未知の世界にあこがれ

 旅にでるのさ たった一人で

 ときには 人生 悲しみのぶつかり

 ときには 青春 霧の中 さまよい

 泣くこともあるけれど

 そうさ 心の星をみつめて

 旅人は歩いて行くだけさ

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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熊に驚き、感謝する‐1746‐

 11月も後半に入り、熊野街道沿いの山々も色付いてきました。

 10月の釣行時以来の池原ダムへ。

 今週は試合があるようで、トボトスロープも満員御礼です。

 ずらりと車が並ぶ中、浜松ナンバーの車がありました。

 声を掛けてみると「5時間掛かるので年に4、5回ですが、池原が大好きなんです」と。

 ボートを牽引しての運転は大変だと思いますが、その魅力があることも良く分かります。

 この時期は、景色が特に素晴らしいのです。

 今年はコロナの影響もあって、隣接するキャンプ場は賑わっています。

 この閉塞感の中、出来るだけ密にならず、リフレッシュしたいという思いは皆同じです。

 しかし感染者数は再び増加傾向のよう。

 「絶対貰わない」は簡単ではありませんが、「絶対うつさない」はかなりの確率で出来るようです。

 ひとりひとりの心掛けで、今後の未来は大きく変わるはず。

 前回の釣行で少し成長したかなと思っていた、すぐにきました。

 水温も高かったので、浅いところから狙っていきました。

 読み通りと言いたいところですが、まずまずのサイズはこの1本だけ。

 その他のサイズは選べませんでしたが、秋は厳しいのである程度納得です。

 思うようにならないから、自然の中で遊ぶのは楽しいのですし。

 前回お隣さんに教えて貰ったみかんを買いにきました。

 169号線のカーブにあるので「カーブの店」

 熊野でとれる南紀みかんはあまり関西には出回らないそうです。

 大きさこそ小さめですが、房の皮は薄く上品な甘さ。

 みかん好きの娘もかなり喜んでいたので、お土産にはお勧めです。

 大自然に触れたくてやってくるのですが、動物も色々居ます。

 こちらは切り株に止まるトンビで、ちょっと格好いい。

 猪も湖畔まで下りてきました。

 その他には、鹿と猿も見かけました。

 ボートで走っていると、水面から少し顔を出した動物が。

 猪かな……と思っていたら真っ黒な熊!

 対岸から200m以上を泳いで来たようで、その呼吸音があたりに響きます。

 ぶつかりそうになったので、大きくUターンしました。

 波が立っていて、エンジン音がうるさいのはそのためです。

 25年池原に通っていますが、熊を見るのは2回目です。

 エレキモーターに切り替えて撮ったのですが、正直かなり怖かったです。

 早い早いと聞いていましたが、泳ぐのも駆け上がるのもここまで早いとは。

 2回目と書きましたが、もう1回も今年の前半でした。

 その時は、ガサッと音がしたのでカメラを出したのですが間に合わず。

 今年はドングリが不作だとよく聞きます。

 これだけ豊かに見える大台ヶ原山系も不作なのでしょうか。

 私は特に動物愛護派という訳ではありませんが、野生の生き物に会えるのは楽しみにしています。

 しかしボートからという特殊な状況とは言え、数メートルで熊を見て、その素早い動きや、荒い呼吸音を聞いて、改めて「獣」だと分かりました。

 とても人が太刀打ちできるものではないと実感したのです。

 普段から会わないように心掛けていますが、いざという時の為に、唐辛子スプレーを携帯しています。

 携帯用のこのサイズなら、噴射距離はたった2m。

 本当のそんな状況になったら、使えるか分かりませんが、何か打てる手があるだけでも気持ちが違うと思っているのです。

 遊ぶために仕事をしている訳ではありませんが、コロナ下の世界でも、好きな景色を見に行け、食べたいものを食べることができます。

 行きの車で何気なくラジオを付けると、書道家・武田双雲さんが話しをされていました。

 「感謝力をもっともっと高めていきたい」

 感謝を常とする人の回りには、何故かそういった人が集まってきて、より感謝できる状況が出来て行く。そんなお話しでした。

 どんな事においても、熱意や向上心は常に持ち続けてきたつもりです。

 しかし、この感謝力という力。今までの私に足りていなかったものだと良く分かります。

 仕事があることに感謝。行きたい所があることに感謝。みかんに、猪に、熊に、感謝、感謝、感謝しなければなりません。

 熊と遭遇したのは、トボトスロープからそう遠くはありません。ここまで近くで熊が暮らしていたとは。

 そうか、だから熊野なんだと至極納得。やっぱり熊に感謝なのです。

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ルアーフィッシングの醍醐味‐1740‐

 月に一度ここにこれたなら、少々のことは頑張れます。

 奈良県下北山村の池原ダムに行ってきました。

 水温が高めで、ぐっと気温が下がると、湖面に霧が発生します。

 これを「けあらし」と呼ぶのだと教えて貰いました。

 幻想的な雰囲気で大好きなのですが、気化する際には水面の熱を奪って水温を下げるとも。

 秋のこの時期、一年の中でも最も魚の居場所を絞りにくい時期でもあるのです。

 朝日が差してきました。

 ひんやりとした湖面をボートで走る時、気分はもう最高なのです。

 備後川筋の最上流まで上がってきました。

 30分程流すも不発。

 少し下ってきたところで1本目がきました。

 40cmくらいのコンディションの良い魚です。

 流れ込みとゴロゴロと岩が続く8m付近に居ました。

 朝の気温は10℃を下回っていましたが、水温は19℃以上あります。

 前日、魚はかなり深いとも聞いていました。

 しかし、元気な魚はそこまで深くに落ちていないと仮定し、プランを立てていました。

 この時点では、大きく外れていないような気もします。

 その後も同じ釣り方で、8~11m付近で35cmから45cmくらいまでを3本追加しました。

 日が高くなり、気温も20℃くらいまで上昇。

 オーバーでが暑いくらいになってきました。

 そのタイミングで、浅いところをウロウロしている魚が居ないかなと……

 岬から張り出した岩盤のテーブル、水深2mくらいの所。

 遠目にですが、そこそこの魚が岸側を向いているように見えます。

 極めて小さなワームを、その奥にキャスト。一発でバイトしてきました。

 細いラインだったので、少しづつ沖まで引きずり出し、ゆっくり時間を掛けて取り込みました。

 50cmにやや足りないものの、納得の1匹でした。

 午前中は会心のゲームでした。

 かなり納得して湖上で昼食、そして昼寝。

 樹々もそろそろ色付き始めています。

 熊が川を泳いで渡ることもあるので、それだけは注意が必要ですが、私にとって世界で一番幸せな時間なのです。

 のんびりと湖面を眺めていると、ガイド中のお隣さんが寄ってきてくれました。

 駐艇している場所が隣どうしなのですが、この方、とっても釣りが上手いのです。

 ガイドというのは、お代を頂いてお客さんに釣らせるのが仕事です。

 自分が上手いのは勿論ですが、それを分かりやすく伝え、結果を残して貰わなければなりません。

 それもあってか、身振り手振りが大きく、かつ話も面白い。下手な漫談家より面白いと思うくらいですから。

 魚が補食する際の原理原則があるということ。魚も同じ生き物だということ。これらの幹は外してはいけないということ。

 朝、ガイドのお客さんを待っている間に、色々な話をしてくれたのですが、いきなり生きました。

 ここ池原ダムには、バスフィッシングのエキスパートが多くやって来ます。

 ある釣り道具メーカーの人は、ほぼ毎回50cm以上の魚を釣ってきます。

 スロープで会った際には、「どうでしたか?」と聞くのですが、詳細まで釣り方を話してくれます。

 メーカーの方なので、釣り業界が盛り上げれば良いという気持ちもあるでしょうが、とても参考になるのです。

 今回はその人に教えて貰った通り、カバースキャッドというルアーを、8m~18mまでゆっくり沈める釣り方で、40cmから50cmを4本釣りました。

 最後の1匹だけ、ばらすのを覚悟で撮影してみました。

 これらの魚が、今まで私が攻略できなかった種類の魚であることは自分が一番良く分かるのです。

 ルアーフィッシングは学び、考え、結果が出た時、確実に成長できたと実感できる場面があります。

 今回、新しい引出しがひとつ増えました。

 こう教えて貰ったこともあります。

 教え上手100人に、聞き上手1人。

 どんな世界にも、上には上が居るもの。謙虚、学び、成長の人生でありたいと思うのです。

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梅田墓地と高井田横穴群‐1737‐

 大阪梅田は電車時代が来るまで、のどかな田園風景が広がっていたようです。

 諸説あるとは言え、沼地を埋め立てて田んぼにしたので「埋田(うめだ)」というのですから、かなり辺鄙なところだったでしょう。

 しかし現在の大阪の顔。

 1874年(明治7年)に初代大阪駅ができて全てが変わり始めたのです。

 近年においては、阪急グループが牽引してきた部分も大きいと思います。

 阪急系列の建物は、概ね竹中工務店の設計施工ですが、HEP FIVEも同じで1998年の完成です。

 真っ赤な観覧車が一体となり、ランドマークとなっています。

 昨年秋には、ヨドバシカメラ北側にリンクスウメダが開業。

 西隣のグランフロントは2013年の開業です。

 以前、建築関係のショールームは本町が主でしたが、ここに多くのメーカーが移転してきました。

 グランフロントのタワーAは38階建てですが、ここにも住宅機器メーカーのショールームが入っています。

 コロナ下の世の中になり、打合せも控えていたのですが久し振りにやってきました。

 このショールームは眺めが良く、楽しみにしていたことがありました。

 今年の8月、大坂七墓のひとつ「梅田墓地」発掘調査の発表がありました。

1,500体を超える埋葬人骨が見つかったことなどが、大阪市のwebサイトに詳しく載っています。

 写真をいくつか拝借してみます。

 「うめきた」2期区域の南東端がそのエリアで、タワーAから良く見えるのです。

 明治時代の地図と重ねると、梅田墓地の北東角に掛かっているのが良く分かります。

 大阪市のサイトにはよりアップの写真もあります。

 小さな穴が無数にあり、多くの人骨が埋葬されていました。

 江戸時代の終わりから明治20年代まで営まれたこの墓地に、埋葬されているのは大坂城下町周辺に居住してい庶民だとありました。

 平均が30代と若く、さらに病変が認められる個体が多いことから流行病で亡くなったのではと考えられているようです。

 大阪市は調査は公開しないと発表していました。

 しかし梅田で江戸を感じることなど滅多にないと思い、何とかこの目で見ておきたいと思っていたのです。

 ショールームでいつもアテンドをお願いする女性に、到着早々に「梅田墓地は?」と訊ねました。

 すると「私も興味津々で見ていたのですが、数日前にあの建物が建ってしまいました」と。

 落胆する私に「でも、調査が始まったらすぐにシートを掛けてしまったんですよ」とも。

 すでに建物が建っているので、もう一生見ることは叶いません。

 「大阪市は一体何をするんだ!」と、二人でちょっと真面目に憤っていたのです。

こちらは、先日訪れた柏原市の高井田横穴群です。

 大和川が大阪平野に流れ込んできてすぐの丘陵地中腹。

 小高い丘には無数の横穴古墳が残っているのですが、現在は公園として整備されているのです。

 柵はあるものの、実際にのぞけるところが殆ど。

 こちらは公開横穴とありました。

 壁画が残っているのですが、ガラス越しに見ることができるのです。しかもライトアップまで。

 6世紀~7世紀に描かれたもので、同じような服装をした人物が複数描かれています。

 1300年前の飛鳥時代と言えば、聖徳太子が生きた頃。

 ここに埋葬されて人が描かれていると考えられており、これらはいわば遺影。

 心ときめくと言うと不遜かもしれませんが、その時代の生をひしひしと感じるのです。

 すこし見辛いので、解説の写真も載せておきます。

 右上には船に乗った人物が槍のようなものを掲げ、左右の小さな人物は、イカリとオールを手にしています。

 相応の身分に居た人達なのでしょう。

 未来は現在の”影”でしかないが、過去は現在を知る宝庫でもある。私は人の過去にふれてみたくなる。

 はるかに刺激的で魅惑的である”過去”という事件。

 -山本隆司- エディター

 ターザン山本こと山本隆司さんは、週刊プロレスの伝説的編集長です。

 私が読者だった頃、彼のロマンティックな言葉を見るのが大好きでした。

 もし大阪都になったなら、各区長さんには過去だけは大切にして欲しいと思います。

 あの孔子もそう言っているのですから、これはもう絶対です。

 でなければ、柏原市に引っ越します。

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親離れ、15年‐1730‐

 久し振りの休みなので、子供達に「一緒に出掛けようよ」と声を掛けたのですが、兄、妹ともつれない返事。

 考えてみれば、私も高校になって親と遊びに行ったことはないので、当たり前と言えば当たり前です。

 娘は中一なので、もう少し遊んでくれるのかなと思っていたのですが、どうやら親離れの時がやってきたようです。

 では夫婦で出掛ければ、という話にもなりますが、まだ食事を全て自分で用意できる訳ではなく……

 ということで、ひとりで1ヵ月振りにやってきました。

 連休ということもあって、池原ダムもかなり賑わっています。

 天気も雲一つない快晴です。

 この景色を見るだけでも来る価値があると思うのですが、ちょっと押しつけすぎたかもしれません。

 釣りだけでなく、鈴虫の鳴き声をききながら寝るこのバンガローも、簡素ではありますが私は大好きです。

 今この日記もここで書いていますし、たてこんでいるときはここで仕事もします。

 ダムサイト下にあるスポーツ公園村の付帯施設なのですが、それを見下ろす景色もなかなかのものです。

 風の谷を見下ろしているような気分にもなるのです。

 私は物づくりが好きで今の仕事を選んだのですが、朝昼晩のメニューを考え料理するのも好きなのだと思います。

 手間は掛けませんが、自分の好きなツマミをつくるのでひとりでも十分に楽しいものです。

 釣りの方は、そろそろ秋のタフシーンズンの入り口のようで、このくらいが精いっぱいでした。

 ボートのガソリンを買いにいつものスタンドに寄ると、沢山のライダーが引っ切り無しに給油に立ち寄ります。

 店主さんに「今日は大繁盛じゃない」と軽口をたたくと「この季節は晴れると、バイクが多いんです」と。

 車で走っていても気持ちよいので、バイクなら尚更でしょう。

 道端には彼岸花。

 彼岸の中日は明日だったはずですが、本当に良い季節です。

 シャワーを浴びにいくとヤモリがいました。

 決して私も好きではありませんが、都会にいると見れないものでもあります。

 2005年に子供が生まれてからは、できるだけ色々なものを見て欲しいし、色々な場所に連れて行きたいと思い、何とか休みを捻出しては、躍起になって出掛けていました。

 子供が行きたい場所で、自分も行きたいと思えるところは、ほぼ全て行ったと思います。

 親離れという文字を見ると、寂しくないと言えば嘘になりますが、「○○へ行こうか?」とか「□□はどう?」と、行先を探さなくてもよいと考えると、少し気が楽にもなります。

 その役割もそろそろ終わりのようです。我が家の場合は15年でした。

 子が親離れするなら、親も子離れしなければなりません。

 無関心でいる訳でなく、期待し、応援する。

 そんな神職のようなことを私ができるのかは疑問です。しかしその時はやってきたようです。

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やっぱり釣りが好き‐1719‐

 月曜日に長男を橿原神宮前まで送り届けた後、スーパーで食料を補給。

 169号線を南下し、再び池原ダムに戻ります。

 明日香村を通るので、古墳らしき丘をいくつも見ることができます。

 いつも通過するだけですが、景色がのどかでとても好きな道なのです。

 戻ると夜になりましたが、食事を準備し終えた頃、友人親子がバンガローに到着しました。

 中学一年になった長男君は、バスフィッシングが大好きと聞き、昨年のゴールデンウィークにも招待しました。

 この時は思ったように釣らせてあげることができずで、帰着後の桟橋で小バスを2匹釣っただけでした。

 それが人生初のバスで、以降は釣れていないと聞ていました。

 それでもバス釣りが大好きと聞き、今年のゴールデンウィークも再度招待していたのです。

 しかし緊急事態宣言で全てキャンセルとなり、夏季休暇でのリベンジとなりました。

 明日は何としてでも釣らせねばと思いながらも、遅くまで友人と話し込んでしまいました。

 朝一、池原ダム最大の滝に到着するやいなや、1匹目を釣り上げました。

 お父さんもこれでひと安心。

 しかし彼もどんどん釣り上げて行きます。

 このあたりは親子であっても遠慮はありません。

 入れ食いとまでは行かないまでも、2人とも10匹近くは釣ったと思います。

 何より、これだけ嬉しそうにしてくれたなら、プラクティスした甲斐があるというものです。

 これが彼の最大魚だったでしょうか。

 暑くはありましたが、風も穏やかで釣りやすい一日でした。

 池原の大自然と共に楽しんでくれたなら何よりです。

 長男と合せて、三日間ガイドに徹しましたが、見てまわると色々な情報が手に入ります。

 その後の二日間、頭をフル回転させて池原全域をひとりで回りました。

 翌日は42cmまで。

 夕まずめの、流れ込みがらみでした。

 翌々日は54cmまでを。

 朝一番の岬を回遊する魚をサイトで。

 どちらもイメージ通りに展開できた、納得の魚です。

 5日間、朝から晩までただ釣りをしました。生まれて初めてのことです。

 昼間は暑いので休憩しますが、それでもクタクタになるまで釣りをしました。

 バンガローと桟橋を通勤のように往復する日々が、これ程幸せな時間だったとは……

 バス釣りの魅力は色々ありますが、考えれば考える程、上達することだと思います。

 多分、中学生の彼と変わらないくらい好きなのだと思います。

 実はこの答え合わせ、必ず正解を見つける必要がありました。

 その訳は次回に。2度引っ張りましたが、次回の3話で完結です。

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■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

秘伝の秘‐1714‐ 

 世が平静なら、東京オリンピックが開会していた4連休でした。

 来年はどのような休日になるのか分かりませんが、ひと月振りに休みが取れたので、飛ぶように池原ダムへ。

 連休初日はボートを牽引する車も沢山見かけます。

 言ってみれば、遠い友達のようなもの。全く知らない人ではない感じがするのです。

 現地へ到着し、準備をしているとスクリューにナナフシが。

 この茎のような体に、生きる機能が全て詰まっていることや、ここまで草木に似ることになった進化の不思議を思い、ひととき佇んでしまいます。

 七不思議のひとつだからナナフシなのか。

 どこかを目指してボートを出すのですが、川筋と川筋が合流するエリアは、通年魚が多いエリアです。

 その中でも、分かりやすい隠れ家となるところは、更に一級ポイントと言えます。

 しかし、こういったところには入れ替わり立ち代り釣り人も入ってきます。

 このくらいのサイズはいくらでも釣れるのですが、朝一番、後ろのブッシュ内でで50cm中盤を掛けました。

 細い枝にラインを引っ掛け、上下に動かしながら水面をチョンチョンたたくような釣り方を「提灯」と言ったりします。

 大型が3、4匹隠れているのが見えていたので、まさに狙い通りの展開でした。

 しかし直後の取り込みが若干遅れて、逃がしてしまいました。

 雄たけびを上げたくなるくらい悔しいのですが、腕の問題なので仕方ありません。

 その後、川筋を変えて最上流部まで移動。

 魚を探していると、水面に隠れていた立ち木が急に目に入りました。

 エレキで急旋回すると、バランスを保ち切れずに落水!

 誰にも見られていないかキョロキョロするのは人の性。

 幸い近くには誰も居らず。水温は26℃もあったので、全く寒くはありませんでした。

 予定外の初泳ぎを済ませてしまいました。

 更に川筋を変えて、坂本筋の突き当りまで。

 池原ダムの上流に位置する坂本ダムです。

 10kmくらい遡るのでかなりの山奥です。

 先日、熊が泳いでいる動画がUPされていましたが、このエリアではないかと思います。

 常連の人に聞いても熊の泳ぐルートは大体同じそうで、何度か見掛けているそう。

 そんな山奥にも関わらず、川のあちこちにこのような石積みを見掛けます。

 このダムは水位の上下動が激しいので、水中に沈んでいたりもしますが、杣人か猟師がコツコツ積んだのでしょう。

 必要がなければ、このような重労働をすることはありませんから、平坦な道がどれ程価値のあるものかが分かります。

 今回はバンガローが取れたので泊まり。

 行き帰りの5時間を、楽しく過ごせるのはこの車とiPhone のお陰です。

 本当に大切な相棒ですが、やってしまいました。

 坂道を下り側へバックしているとき、ドアを開いて後ろを確認しようとした瞬間でした。

 それ程の衝撃は無かったのですが、下りて確認するとこの景色。

 車を当てた時の後悔というのは、何度経験しても……

 悔やんでいても直ることはないので、保険会社とディーラーに連絡をとり、修理の段取りをしました。

 最終日の午前中も、ロングワームを湖岸の岩にのせてから「ポチャン」と落とす釣り方で、50cm後半を掛けました。

 ポチャンと落ちた瞬間、フワッと寄ってきてパクッ。ルアーをくわえて反転しました。

 確実にフックアップした、つもりでしたが3回程大きく首を振った瞬間フックが外れました。

 50cm中盤をばらし。

 落水してカメラが水没。

 愛車のドアを大きく破損。

 そして50cm代後半をばらし。

 「なんてついてないのか」とは思わないようにしています。

 ここに来る道中、iPhoneでよく聞いているものに、尊敬している京セラ名誉会長の稲盛さんの講話があります。「これは秘伝の秘です」と言われた話を要約してみます。

 仏教では輪廻転生を繰り返すと言います。現世しか信じないと言う人はそれでも結構です。

 思念は業をつくる。

(業は、因=カルマとも言われ、物事の原因となるもの:守谷注)

 業が運命を決めて行くのですが、思ったこと、実行したことが業をつくります。

 そして、その業は必ず現れなければなりません。

 現世にせよ、過去世にせよ。できた業は必ず現れわれなければならないのです。

 人間には躓きがあります。

 現世の今を生きているあなたには関係のない、過去世につくられた業があらわれることがあるかもしれません。

 それを災難と言うのですが、災難に遭った時に人の価値がきまるのです。

 その時の身の処し方ができていないと、更に事態が悪化して行きます。

 これは秘伝の秘です。

 そういった時に喜ぶのです。

 何故喜ぶか。それは業が消えるからです。過去に作った業、現世に作った業が消える。つまり済になるのです。

 大病を病んだとすれば「ああ命があるだけでも良かった」と喜ぶのです。

 良いように解釈していく、ポジティブに考えるのです。

 運命はあります。しかし宿命ではない。

 現世において新しい良い業をつくって行くのです。

 何を信じるかは自由ですし、信じない自由もあります。

 しかし人生においての結果が明らかに違う人で、人間性も素晴らしいと思った人で、ネガティブな人は見たことがありません。

 波風のない、鏡のような水面を見ていると、何と美しいものかと思います。

 しかし現実は、風も吹けば波も立ちます。また、平坦な道ばかりでなく急な坂もあります。

 人生、仕事を「何があってもポジティブシンキングゲーム」と考えれば、災難もまたよしです。生きていることは必須条件になりますが。

 前世や来世があるのかは、私も分かりません。しかし、あるのかもと考えた方が、2倍、3倍と頑張りがきく気はします。

 誰かが私の魂を引き継いでくれるとすれば、悪い業をつくるのは絶対嫌です。良い業だけを引き継いで貰いたい。そう思います。

 

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

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愛するもの‐1700‐

 2月上旬に訪れて以来、4ヵ月振りに池原ダムへ行ってきました。

 前回時の最低気温は-1℃、最高気温は3℃。

 季節は進み、最高気温は30℃近くまで上がりました。

 何人かの常連さんと会いましたが、自粛明け初という人が殆ど。

 皆、自然に顔がほころんでいます。

 湖上へ出て、朝日があたる山肌を見て「また帰ってこれたんだな」と。

 一生来れないことは無いとは思っていましたが、それでも感慨深いものがあります。

 会えたのは魚だけではありません。

 マガモ。

 2匹の鹿は親子でしょうか。

 何だか愛情があふれています。
 

 愛情は感じませんがシマヘビとも。


 
 自粛明け初の週末でもあり、かなりの数のボートが浮いていました。

 しかし、このくらいのサイズならいくらでもとは言いませんが、何とかなります。

 命懸けで遊んで貰い、見送るその背中を愛おしく感じるのです。

 日差しはすでに夏のもの。

 水温も24℃まで上がりました。

 水温が14、15℃を越えると、ブラックバスは産卵を意識し始めます。そして今がその真っただ中。

 産卵に絡んだ魚は、狙って大きな魚が釣りやすいのです。

 産卵がらみのメスを1匹釣りました。

 メスの割りにはお腹が張っておらずで50cm強で2kg弱。

 1度産卵したあとかもしれません。

 バスフィッシングは、特にバリエーションの多い釣りですが、中でも産卵期の釣り方には独特のものがあります。

 言葉で言うなら、オスの父性を刺激し、メスは母性を刺激するという感じでしょうか。

 産卵と関係なく小さなオスが釣れたのですが、それを助けようとするメスが付いてきているところです。

 鹿もブラックバスも愛情をダイレクトに表現している姿を見て、思うところがありました。

 キリスト教では、近しい人への愛から無償の愛まで、愛にもいくつかの種類があると認識しています。

 例えば、一家の主としての視点と、一国の首長としての視点では、俯瞰している面積が違うことに似ているかもしれません。

 近しい人を愛せない人が、より大きな愛を持てる訳はないのですが、○○ファーストという言葉には多少引っかかりを感じます。

 それは当たり前で、もう少し大きな愛があるからこそ、人は何とかここまで生き延びてきたのではないかと思うのです。

 鹿もブラックバスも、まさかそのような視点は持っていません。

 自らの種を残す為だけに、純粋に愛を行使しているのですが、純粋過ぎるがゆえ、ポーズや利害の入ったものより、気高いものに感じるのです。

 今朝のミーティングで「レジ前の立ち位置シールを越えて、迫ってくるお爺さんを愛することはなかなか出来ない」という話が出ました。

 キリストでもブッダでもない私達が、無償の愛や慈悲の心をもつことは不可能です。

 しかし、持つべきだと思うだけでも世の中は良くなるのだとも信じています。

 私の愛するもの。

 仕事、野外、釣り、旅、日本、そして家族。

 家族をどこに入れるかは照れくさいので書きませんが、それ以外の並びはポーズなしのつもりです。

 仕事、仕事、仕事……時々野外。移動できる喜びを今噛みしめています。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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「風情」は凄い‐1653‐

 先週木曜日に、「ならまち」を訪れたことを書きました。

 奈良市観光協会のwebサイトにはこうあります。

 ならまちは世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域を指します。

 奈良の町屋全体をそう呼ぶのかなと思っていましたが、エリアを指すものでした。

 電車で言えば近鉄奈良駅から南の商店街を抜けたあたり。

 コンビニも町屋に入っています。

 三条通り沿いにある南都銀行本店。

 東京駅や奈良ホテルの設計で知られる、辰野金吾の弟子、長野宇平治の設計。多くの銀行を設計しています。

 「南都と呼ばれる社寺のまちから商業のまちへと変化していき、現在に至る」という説明もありました。

 銀行名はここからきているようです。

 広い間口の家が多く、これは京都と反対。

 ゆったりした雰囲気なのは、このあたりが影響しているでしょう。

 風習として残るのが「身代り申(さる)」。

 「庚申(こうしん)さん」のお使いである申をかたどった魔除けが軒に吊るされています。

 家の中に災難が入ってこないよう身代わりになって貰うのですが、背中には願い事も。

 良いも悪いも背負って貰い、申し訳ない感じがしなくもありませんが。

 普通の店舗にも吊るされているのが、何だかホッとします。
 

 中心である元興寺(がんごうじ)まで南に下ってきました。

 現在の何倍もの規模を持っていたようで、ならまちエリアがほぼ境内だったそうです。

 東門の先に見えるのが、国宝・極楽堂です。

 この日は来訪者も少なく、ゆっくり見ることができます。

 南に回ると、寄棟屋根であることが分かりました。

 石仏・石塔群の「浮図田」。

 石は語らずとも何かしらの意思が伝わってくると感じるのは、決して言葉遊びではありません。

 西隣に建つのは禅室。こちらも国宝です。

 極楽堂を見返すと、西面屋根の一部は色が違うのが分かります。

 元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたお寺です。

 その法興寺(飛鳥寺)は、日本最初の本格的伽藍を持つ仏教寺院で、聖徳太子と同時代を生きた蘇我馬子が593年に創建しました。

 この部分の屋根瓦は、その頃の物で1300年の時を超えて存在する「日本最古の屋根瓦」なのです。

 現存する世界最古の木造建築は法隆寺ですが、建立が607年で、火災よって再建されたのが8世紀。

 木材としては元興寺の方が古いものだという研究もあるそうです。

 それだけの風格、風合いを感じさせるものでした。

 先日の「M-1グランプリ」でも審査員を務めたダウンタウンの松本人志さん。

 彼のコメントは常にニュースになる程、最も影響力を持つ芸人です。

 その彼に誘われて放送作家になったという高須光聖さん。自身のwebサイトでこんな事を書いていました。

 「風情」は凄い。これは日本独自のもの。同じアジアの国々にも無い。

 この黙して語らぬ凛とした空気。なんとも言えぬ落ち着いた感じは日本という国にしか存在しない。

 これはたった一軒だけでは作れないここに住む多くの人が、店が、個々で感じ取って景観を作っている その一体感が風情を作っている。

 まさに空間が作り出す共同芸術なのかも。

 メモに2007年とあるので、今も掲載されているのか分かりません。また、一字一句合っていないかもしれません。

 「ダウンタウンがいなければ……」などと言う人も居ますが、彼が関わってきた番組のキャリア、そして文章を読んでいると、間違いなく一流の香りがします。

 それは、元々才能があったのか、放送作家という過酷な仕事が彼を鍛え上げたのか、幼少期から知る松本人志の影響なのか……

 おそらくその全てだろうと想像しています。

 建築においてはプロですが、風情をここまで的確に、平易な言葉で表現するのは簡単ではありません。

 街だけでなく、人の能力も感性も、ひとりでに出来上がるものではないと感じます。

 大阪で暮らし、京都で学び、奈良で風情の奥行きを知る。

 社会に対して、周辺に対して、良い影響を与えられる仕事人でありたいと思うのです。

 ただ、あれはどう考えてもコーンフレークですが。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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