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秘伝の秘‐1714‐ 

 世が平静なら、東京オリンピックが開会していた4連休でした。

 来年はどのような休日になるのか分かりませんが、ひと月振りに休みが取れたので、飛ぶように池原ダムへ。

 連休初日はボートを牽引する車も沢山見かけます。

 言ってみれば、遠い友達のようなもの。全く知らない人ではない感じがするのです。

 現地へ到着し、準備をしているとスクリューにナナフシが。

 この茎のような体に、生きる機能が全て詰まっていることや、ここまで草木に似ることになった進化の不思議を思い、ひととき佇んでしまいます。

 七不思議のひとつだからナナフシなのか。

 どこかを目指してボートを出すのですが、川筋と川筋が合流するエリアは、通年魚が多いエリアです。

 その中でも、分かりやすい隠れ家となるところは、更に一級ポイントと言えます。

 しかし、こういったところには入れ替わり立ち代り釣り人も入ってきます。

 このくらいのサイズはいくらでも釣れるのですが、朝一番、後ろのブッシュ内でで50cm中盤を掛けました。

 細い枝にラインを引っ掛け、上下に動かしながら水面をチョンチョンたたくような釣り方を「提灯」と言ったりします。

 大型が3、4匹隠れているのが見えていたので、まさに狙い通りの展開でした。

 しかし直後の取り込みが若干遅れて、逃がしてしまいました。

 雄たけびを上げたくなるくらい悔しいのですが、腕の問題なので仕方ありません。

 その後、川筋を変えて最上流部まで移動。

 魚を探していると、水面に隠れていた立ち木が急に目に入りました。

 エレキで急旋回すると、バランスを保ち切れずに落水!

 誰にも見られていないかキョロキョロするのは人の性。

 幸い近くには誰も居らず。水温は26℃もあったので、全く寒くはありませんでした。

 予定外の初泳ぎを済ませてしまいました。

 更に川筋を変えて、坂本筋の突き当りまで。

 池原ダムの上流に位置する坂本ダムです。

 10kmくらい遡るのでかなりの山奥です。

 先日、熊が泳いでいる動画がUPされていましたが、このエリアではないかと思います。

 常連の人に聞いても熊の泳ぐルートは大体同じそうで、何度か見掛けているそう。

 そんな山奥にも関わらず、川のあちこちにこのような石積みを見掛けます。

 このダムは水位の上下動が激しいので、水中に沈んでいたりもしますが、杣人か猟師がコツコツ積んだのでしょう。

 必要がなければ、このような重労働をすることはありませんから、平坦な道がどれ程価値のあるものかが分かります。

 今回はバンガローが取れたので泊まり。

 行き帰りの5時間を、楽しく過ごせるのはこの車とiPhone のお陰です。

 本当に大切な相棒ですが、やってしまいました。

 坂道を下り側へバックしているとき、ドアを開いて後ろを確認しようとした瞬間でした。

 それ程の衝撃は無かったのですが、下りて確認するとこの景色。

 車を当てた時の後悔というのは、何度経験しても……

 悔やんでいても直ることはないので、保険会社とディーラーに連絡をとり、修理の段取りをしました。

 最終日の午前中も、ロングワームを湖岸の岩にのせてから「ポチャン」と落とす釣り方で、50cm後半を掛けました。

 ポチャンと落ちた瞬間、フワッと寄ってきてパクッ。ルアーをくわえて反転しました。

 確実にフックアップした、つもりでしたが3回程大きく首を振った瞬間フックが外れました。

 50cm中盤をばらし。

 落水してカメラが水没。

 愛車のドアを大きく破損。

 そして50cm代後半をばらし。

 「なんてついてないのか」とは思わないようにしています。

 ここに来る道中、iPhoneでよく聞いているものに、尊敬している京セラ名誉会長の稲盛さんの講話があります。「これは秘伝の秘です」と言われた話を要約してみます。

 仏教では輪廻転生を繰り返すと言います。現世しか信じないと言う人はそれでも結構です。

 思念は業をつくる。

(業は、因=カルマとも言われ、物事の原因となるもの:守谷注)

 業が運命を決めて行くのですが、思ったこと、実行したことが業をつくります。

 そして、その業は必ず現れなければなりません。

 現世にせよ、過去世にせよ。できた業は必ず現れわれなければならないのです。

 人間には躓きがあります。

 現世の今を生きているあなたには関係のない、過去世につくられた業があらわれることがあるかもしれません。

 それを災難と言うのですが、災難に遭った時に人の価値がきまるのです。

 その時の身の処し方ができていないと、更に事態が悪化して行きます。

 これは秘伝の秘です。

 そういった時に喜ぶのです。

 何故喜ぶか。それは業が消えるからです。過去に作った業、現世に作った業が消える。つまり済になるのです。

 大病を病んだとすれば「ああ命があるだけでも良かった」と喜ぶのです。

 良いように解釈していく、ポジティブに考えるのです。

 運命はあります。しかし宿命ではない。

 現世において新しい良い業をつくって行くのです。

 何を信じるかは自由ですし、信じない自由もあります。

 しかし人生においての結果が明らかに違う人で、人間性も素晴らしいと思った人で、ネガティブな人は見たことがありません。

 波風のない、鏡のような水面を見ていると、何と美しいものかと思います。

 しかし現実は、風も吹けば波も立ちます。また、平坦な道ばかりでなく急な坂もあります。

 人生、仕事を「何があってもポジティブシンキングゲーム」と考えれば、災難もまたよしです。生きていることは必須条件になりますが。

 前世や来世があるのかは、私も分かりません。しかし、あるのかもと考えた方が、2倍、3倍と頑張りがきく気はします。

 誰かが私の魂を引き継いでくれるとすれば、悪い業をつくるのは絶対嫌です。良い業だけを引き継いで貰いたい。そう思います。

 

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

愛するもの‐1700‐

 2月上旬に訪れて以来、4ヵ月振りに池原ダムへ行ってきました。

 前回時の最低気温は-1℃、最高気温は3℃。

 季節は進み、最高気温は30℃近くまで上がりました。

 何人かの常連さんと会いましたが、自粛明け初という人が殆ど。

 皆、自然に顔がほころんでいます。

 湖上へ出て、朝日があたる山肌を見て「また帰ってこれたんだな」と。

 一生来れないことは無いとは思っていましたが、それでも感慨深いものがあります。

 会えたのは魚だけではありません。

 マガモ。

 2匹の鹿は親子でしょうか。

 何だか愛情があふれています。
 

 愛情は感じませんがシマヘビとも。


 
 自粛明け初の週末でもあり、かなりの数のボートが浮いていました。

 しかし、このくらいのサイズならいくらでもとは言いませんが、何とかなります。

 命懸けで遊んで貰い、見送るその背中を愛おしく感じるのです。

 日差しはすでに夏のもの。

 水温も24℃まで上がりました。

 水温が14、15℃を越えると、ブラックバスは産卵を意識し始めます。そして今がその真っただ中。

 産卵に絡んだ魚は、狙って大きな魚が釣りやすいのです。

 産卵がらみのメスを1匹釣りました。

 メスの割りにはお腹が張っておらずで50cm強で2kg弱。

 1度産卵したあとかもしれません。

 バスフィッシングは、特にバリエーションの多い釣りですが、中でも産卵期の釣り方には独特のものがあります。

 言葉で言うなら、オスの父性を刺激し、メスは母性を刺激するという感じでしょうか。

https://youtu.be/6ze7KgbIhG8

 産卵と関係なく小さなオスが釣れたのですが、それを助けようとするメスが付いてきているところです。

 鹿もブラックバスも愛情をダイレクトに表現している姿を見て、思うところがありました。

 キリスト教では、近しい人への愛から無償の愛まで、愛にもいくつかの種類があると認識しています。

 例えば、一家の主としての視点と、一国の首長としての視点では、俯瞰している面積が違うことに似ているかもしれません。

 近しい人を愛せない人が、より大きな愛を持てる訳はないのですが、○○ファーストという言葉には多少引っかかりを感じます。

 それは当たり前で、もう少し大きな愛があるからこそ、人は何とかここまで生き延びてきたのではないかと思うのです。

 鹿もブラックバスも、まさかそのような視点は持っていません。

 自らの種を残す為だけに、純粋に愛を行使しているのですが、純粋過ぎるがゆえ、ポーズや利害の入ったものより、気高いものに感じるのです。

 今朝のミーティングで「レジ前の立ち位置シールを越えて、迫ってくるお爺さんを愛することはなかなか出来ない」という話が出ました。

 キリストでもブッダでもない私達が、無償の愛や慈悲の心をもつことは不可能です。

 しかし、持つべきだと思うだけでも世の中は良くなるのだとも信じています。

 私の愛するもの。

 仕事、野外、釣り、旅、日本、そして家族。

 家族をどこに入れるかは照れくさいので書きませんが、それ以外の並びはポーズなしのつもりです。

 仕事、仕事、仕事……時々野外。移動できる喜びを今噛みしめています。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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「風情」は凄い‐1653‐

 先週木曜日に、「ならまち」を訪れたことを書きました。

 奈良市観光協会のwebサイトにはこうあります。

 ならまちは世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域を指します。

 奈良の町屋全体をそう呼ぶのかなと思っていましたが、エリアを指すものでした。

 電車で言えば近鉄奈良駅から南の商店街を抜けたあたり。

 コンビニも町屋に入っています。

 三条通り沿いにある南都銀行本店。

 東京駅や奈良ホテルの設計で知られる、辰野金吾の弟子、長野宇平治の設計。多くの銀行を設計しています。

 「南都と呼ばれる社寺のまちから商業のまちへと変化していき、現在に至る」という説明もありました。

 銀行名はここからきているようです。

 広い間口の家が多く、これは京都と反対。

 ゆったりした雰囲気なのは、このあたりが影響しているでしょう。

 風習として残るのが「身代り申(さる)」。

 「庚申(こうしん)さん」のお使いである申をかたどった魔除けが軒に吊るされています。

 家の中に災難が入ってこないよう身代わりになって貰うのですが、背中には願い事も。

 良いも悪いも背負って貰い、申し訳ない感じがしなくもありませんが。

 普通の店舗にも吊るされているのが、何だかホッとします。
 

 中心である元興寺(がんごうじ)まで南に下ってきました。

 現在の何倍もの規模を持っていたようで、ならまちエリアがほぼ境内だったそうです。

 東門の先に見えるのが、国宝・極楽堂です。

 この日は来訪者も少なく、ゆっくり見ることができます。

 南に回ると、寄棟屋根であることが分かりました。

 石仏・石塔群の「浮図田」。

 石は語らずとも何かしらの意思が伝わってくると感じるのは、決して言葉遊びではありません。

 西隣に建つのは禅室。こちらも国宝です。

 極楽堂を見返すと、西面屋根の一部は色が違うのが分かります。

 元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたお寺です。

 その法興寺(飛鳥寺)は、日本最初の本格的伽藍を持つ仏教寺院で、聖徳太子と同時代を生きた蘇我馬子が593年に創建しました。

 この部分の屋根瓦は、その頃の物で1300年の時を超えて存在する「日本最古の屋根瓦」なのです。

 現存する世界最古の木造建築は法隆寺ですが、建立が607年で、火災よって再建されたのが8世紀。

 木材としては元興寺の方が古いものだという研究もあるそうです。

 それだけの風格、風合いを感じさせるものでした。

 先日の「M-1グランプリ」でも審査員を務めたダウンタウンの松本人志さん。

 彼のコメントは常にニュースになる程、最も影響力を持つ芸人です。

 その彼に誘われて放送作家になったという高須光聖さん。自身のwebサイトでこんな事を書いていました。

 「風情」は凄い。これは日本独自のもの。同じアジアの国々にも無い。

 この黙して語らぬ凛とした空気。なんとも言えぬ落ち着いた感じは日本という国にしか存在しない。

 これはたった一軒だけでは作れないここに住む多くの人が、店が、個々で感じ取って景観を作っている その一体感が風情を作っている。

 まさに空間が作り出す共同芸術なのかも。

 メモに2007年とあるので、今も掲載されているのか分かりません。また、一字一句合っていないかもしれません。

 「ダウンタウンがいなければ……」などと言う人も居ますが、彼が関わってきた番組のキャリア、そして文章を読んでいると、間違いなく一流の香りがします。

 それは、元々才能があったのか、放送作家という過酷な仕事が彼を鍛え上げたのか、幼少期から知る松本人志の影響なのか……

 おそらくその全てだろうと想像しています。

 建築においてはプロですが、風情をここまで的確に、平易な言葉で表現するのは簡単ではありません。

 街だけでなく、人の能力も感性も、ひとりでに出来上がるものではないと感じます。

 大阪で暮らし、京都で学び、奈良で風情の奥行きを知る。

 社会に対して、周辺に対して、良い影響を与えられる仕事人でありたいと思うのです。

 ただ、あれはどう考えてもコーンフレークですが。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
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『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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ひと休み、ひと休み‐1614‐

 2019年のお盆休みは8/10(土)~8/18(日)と告知していました。

 私以外の3人は、妻の実家に帰省していたので私は会社合宿としました。

 会社で自炊しながら仕事することをそう呼んでいるだけなのですが「響き」って大事だと思うのです。

 週末は合宿解除で、長男と釣りに出掛けました。

 台風10号が通過したあとで、濁流の吉野川は濃霧に覆われています。

 池原ダムもおびただしい水量を放水中。

 国道169号線も至る所から水が噴き出しており、猛威の爪痕を目の当りにします。

 命あってこそなので無理は禁物ですが。

 水位が高い池原ダムは、湖が一気に大きくなります。

 増減水が激しく、時々によって湖岸の景色が変わることも飽きない理由かもしれません。

 台風後はフレッシュな水が供給される、最上流部と流れ込みが定番です。

 備後筋の最上流=バックウォーターにやってきました。先行するのは一艇だけ。

 普段は投げさせていない、15cmほどある大きなルアーをつけたタックルを渡しました。

 なかなか上手に投げるなと思っていたら……

 ものの5分で、1本目を捕獲。

 40cm弱の元気な魚で、自分なりに考えてやり取りしていました。

 この後、私にもヒットしたのですが、残念ながらバラシてしまい……

 しかし最低限の仕事はこれで終了。肩の荷が下りたのです。

 日も上がり、気温が上がってきたので一度バンガローにやってきました。

 長男の楽しみとしては、食事の比率も大きいはずで、先に夕食の準備をするためです。

 最近、野外では鍋でご飯を炊いているので、米を研いで水につけておきます。

 これで芯が残るリスクはかなり減。

 結局夕方は釣れずで早めに上がり、2人焼肉パーティです。

 食が細いなと思っていましたが、歳と共に大分食べるようになりました。

 喜んで食べてくれたので満足ですが、つい「ご飯はどう?」と聞いてしまいます。

 長男が「普通に美味しいよ」と。

 お誉め言葉なのですが、感謝の押し売りをしてしまいそうになるのをちょっと我慢するのです。

 翌日も、2匹目のドジョウを狙い備後筋のバックウォーターへ。

 この日は二艇の先行者があり、三番目あたりにボートポジションをとりました。

 追ってはきますが残念ながらバイトには至らずでした。

 その後は長男の観光も兼ねて移動。

 隣の川筋の最上流にあるのが坂本ダムですが、オーバーフローした水が爆風とともに落ちてきます。

 なかなかの迫力ですが、涼しくも飛沫が凄いので撮影終わりで退散。

 こちらは同じ川筋、最大の流れ込みツキ谷です。

 虹が掛かっているからと、子供はスマホで撮影。

 しかし魚は釣れず。

 早めの昼ごはんにしました。

 父手製のオニギリも作っていたのですが、カップヌードルカレー味が食べたいと。

 昨日焼いておいたタンのマフィンサンドとで昼食ですが、なかなかカップヌードルカレー味には勝てないのです。

 食後は湖上で昼寝。

 長男もiPhoneで音楽を聴きながら昼寝。

 釣りたいのは釣りたいですが、仕事ではないので楽しければ全てOKです。

 「一休さん」のセリフではありませんが「ひと休み、ひと休み」なのです。

 タカかワシかトンビか。

 山上湖ではトンボも沢山飛んでいました。

 世はアウトドアブームと言います。

 小さい頃から、野球、釣り、スキーと、外で遊ぶのが好きでした。

 今でも休みがあれば野外で過ごしたいと思います。

 芥川賞作家でエッセイの名手、無類の美食家で釣り好き。様々な側面を持つ作家、開高健は著書にこう記しています。

 木のように立ったままで私は頭から腐っていく。部屋の壁が倒れかかってくるように感じられる瞬間がある。

 白い紙が鋼鉄の罠に思えてくる。空白と沈殿で指一本持あげることもできなくなる。指紋で意識が混濁し、萎えきってしまう。そんなときである。

 だからだ。おおいなる野外へ出ていくのは。

 -開高健- 『オーパ、オーパ!! 国境の南』より

 開高にとって、私にとっても、野外こそが給油所で、今風に言えばパワースポットなのです。

 彼は大阪市大の出身で、幼少期を東住吉区で過ごしました。4年前に生誕85年の展示会へも行きました。

 私の住む平野区は、もともと東住吉区から分かれた区で、私の戸籍には東住吉区とあったはずです。

 とんでもない輩が東住吉区に住んでいたそうですが、評判を落とすのは止めて欲しいものです。

 前に割り込まれて嬉しい人は居ませんが、そんな人ほど普段はダラダラしているのは間違いありません。

 もう始末に負えない訳で、できる限り視界に入れないよう努力するしかないのです。

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家を出てする修行はない‐1610‐

 全て自分の望んだ通りの人生となる。

 誰かに呪文を掛けられている訳ではないので、当然と言えば当然です。

 この原則を教えて貰い、只々懸命に働くしかないと分かっていますが、久し振りに湖上へもでたいもの。

 娘がトンカツ定食を食べられるなら一緒に行ってもいいよと。

 久し振りに奈良県下北山村、池原ダムまでやってきました。

 この日はショップのトーナメントがあり、桟橋は朝から賑わっていました。

 参加する人は開始時間が決まっているので、一足先に出船します。

 朝もやのかかる湖上に、ボート出す時ほどワクワクする時間はありません。

 朝一は、自分の狙いたい場所に向かいました。

 夏らしい展開で大物を……と行きたいところですが、残念ながら不発。

 上流まで移動してきました。

 必ず子供に釣らせるための本命ポイントです。

 娘も久し振りのはずですが、なかなか堂に入ったもの。

 早々に1本目を釣り上げました。

 暑い季節なので、沢から流れてくる風は天然のクーラーです。

 また、そんな所は水も澄んでいるのです。

 あれよあれよという間に4本釣り上げました。

 「十分満足した」とのことで、9時半に終了。

 過去最短で帰路につきました。

 私はその合い間に2本釣っただけ。

 しかし、子供が同行してくれ、少しでも喜んでくれて、この景色が見れればそれで十分です。

 ボートの片づけをしている間も娘は読書。

 眼鏡女子になってしまいましたが、これだけ本が好きなら仕方ないかなと思っています。

 大阪までは2時間半の道のりですが、1時間程は川沿いの山道です。

 運転中は、尊敬する稲盛さんの講話を聴いたり、好きな音楽を聴いたり。反対に何も聴かずに考え事をしたりと、私にとって大切な時間です。

 吉野川は水遊びをする人で賑わっていました。

 169号線を抜け、奈良盆地まで戻ってくると里山風景へと変化していきます。

 そんな景色を見ているだけでも飽きないものです。

 しかし、子供にとって山道はちょっと辛いもの。

 兄妹とも、酔い止めを飲んで寝ていることが殆どです。

 それもあってか、何かプラスアルファがないと「うん」と言ってくれないのです。

 トンカツ定食は、唐揚げ定食に変わりましたが、こんな時、温泉の食堂が美味しくて良かったと、心から思うのです。

 私も池原の大自然に、クリアーアップして貰いました。

 近くのお寺にこんな掲示がありました。

 真宗では家を出てする修行はない

 家の仕事がみな修行

 日常が修行でなければ、成長など勿論ありません。

 分かってはいましたが、いくら頑張っても魚釣りは修行ではないようです。

 月曜日の朝から、いやいや、大阪に帰った瞬間から修行に戻ります。

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青春ど真ん中‐1596‐

昨日は奈良へ行っていました。

若干雨がぱらつく時もありましたが、初夏の心地よさを十分に堪能できました。

緑、寺社仏閣、そして近代建築を楽しめるのが奈良です。

しかし主役はやはり鹿でしょうか。

天敵の少ない日本では、駆除の話がよく出ますが、鹿と最も上手く共生しているのが奈良でしょう。

近鉄奈良駅から少し北に行ったところにある奈良女子大学。

いつか見に行こうと思いながら、初めて訪れました。

1908年(明治41年)に完成した旧本館は重要文化財に指定されています。

モスグリーンの色合いも優しく、この地に馴染んでいます。

100年もこの地に建っているので、当たり前と言えば当たり前ですが。

構内に紛れ込んだのか、普段から住んでいるのか、小鹿と子供さんがあそんでいました。

2階は大空間の講堂があるようで、公開時に再訪して見たいものです。

守衛室も同じく重要文化財で、十字架型のプランが愛らしい建物でした。

奈良女子大学から更に北へ10分程歩くと、ならでんアリーナがあります。

奈良に行っていたのは、ここで長男の試合があったからです。

外観はややくたびれていますが、内部は熱気で溢れかえっています。

近頃流行のネイミング・ライツですが、奈良市は関西電力ではないのでしょうか。

ちょと気になるところです。

中学から始めた卓球ですが、本当に好きなようです。

同級生に強い選手が沢山おり、先週は皆で自主的に朝練をしていたようです。

1回戦は不戦勝で、2回戦からでてきました。

初戦は落ち着かないものですが、まあ何とか危なげなく勝利。

しかし3回戦の相手は体も大きく、かなりの強敵でした。

試合前に少し談笑していたので、後で聞くと知合いだったそうです。

フォアのドライブを決められ、かなり押し込まれていました。

卓球にはベンチコーチというシステムがあります。

プロなら勿論監督などが入るのでしょうが、選手も多いので同級生や先輩が入ります。

1セット取り返された後、チームメイトがにこやかな顔でアドバイスをしてくれていました。とても強い選手なのです。

その後、落ち着きをとりもどし、耐えに耐え、デュースもありましたが勝利を納めました。

目標は6回戦まで進むことと聞いていたのですが、4回戦も勝ち上がり、あと1勝まで勝上ってきました。

しかしこの辺りからは、実力のある選手ばかりになってきます。

シード選手を撃破することはできずで、目標の1歩手前で、この日は試合を終えることになりました。

試合の空き時間に周辺を歩いていると、スタジアムがありました。

中学生か高校生か、サッカーの試合をしており、ゴールに迫ると父兄から大きな歓声が上がります。

どこの親も一緒だもんなと、少しの間観戦していたのです。

長男は瞬発力があるタイプで、走る、ジャンプする等の能力は高い方でした。

それで、小さい頃はサッカークラブに入れてみたり、左打ちなので、一緒に野球の練習をしたりもしました。

サッカーはあまり向いていないようでしたが、野球のほうは、逆方向に強い打球を打てる俊足の左バッターです。

このタイプはかなり重宝されるので、かなり勧めましたし、テニスも向いているんじゃないかとアドバイスもしたのですが、入学してすぐに、自分で卓球をすると決めて来たのです。

同級生は更に上まで行った選手が4人居り、本人は悔しかったでしょうが、よく頑張ったと思います。

勉強もクラブも優秀であるに越したことはありませんが、全力で打ち込めるものを見つけてくれたことが一番の収穫です。

本気で打ち込み、負ける。

この経験をしていないと、「やればできる」という言い訳ばかりの人生になってしまうからです。

また、成長を目指すよい仲間に恵まれたことが、彼を目標1歩手前まで成長させてくれたのだと思います。

青春ど真ん中の時間を、謳歌してほしいと思うのです。

長男が負けた頃、丁度時間となり、清々しい気持ちで次の目的地に向かいました。

おまけですが、鹿センベイを買ったなら、すぐに鹿にあげないと追い回されることになります。

彼女のように。

見た目は可愛い動物ですが、勿論獣ですので、怖がって手に持っていると、普通に噛んできますので。

まあ、それも思い出と言う場合は何の問題もないのですが。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

子供は鏡で未来‐1584‐

 ゴールデンウィークというのに、家族がまったく出てこずでした。

 長男は後半2日のみクラブが休み。娘は大好きな卓球を休むことに気が乗らず。

 皆のスケジュールを調整し、最後の3日だけ家族で出かけていました。

 ゴールデンウィークの真ん中2日は大阪で仕事をし、再び七色ダムに戻ってきました。

 この時期、山上湖ではまさに恋の季節。

 体が小さい個体がオス。大きなメスをビッグママと呼んだりします。

 カマキリなどは、用が済めばオスはメスに食べられたりしますから、自然界ではレアケースではありません。

 5月4日、新緑まぶしい169号線を橿原公苑まで戻ります。

 長男の卓球の試合があり、そこに妻と娘が応援にいっています。試合終わりでピックアップ。再び七色ダムに戻るのです。

 昨年もこのスケジュールでしたが、里山風景の広がる大和路を走るのはとても楽しいもの。

 レンゲ畑が目に優しいのです。

 試合はベスト8まで進んだようで、下北山村に戻ったのは8時前。

すぐに火をおこし、焼肉晩御飯です。

 今年も奮発してステーキですが、子供達はタンや赤身のほうが好みとのこと。

 親が喜ぶと思うことと、子供が喜ぶことには、大体ズレがあるものです。

 よその子供さんほど釣りを楽しみにしている訳ではありませんが、湖面を滑走する時間は楽しみにしています。

 「風で髪の毛が抜け飛んでしまうから、手で押さえとき」と言った後の図です。

 かなり短い時間ですが、親としては何とか1本獲らせたいところ。

 ここ、と踏んでいたダムサイトへ向かいました。

 幸先よく、すぐに娘に1本。

 30cmがらみのアベレージサイズでした。


長男も何とか手にすることができました。

 2人とも、自分で投げて自分でとりこめるようになりました。

 昼は河原に戻っての昼食。

 このゴールデンウィークは、食事を作り続けてきた感じです。

 しかし、基本料理が好きなので全く苦にはなりません。

 むしろ、よりスピーディに美味しくつくる、改善ゲームだと思っているのです。

 実際、子供が一番喜んでいたのは、水切りができるようになったことでした。

 7人のゲストを乗せて、湖上を駆け回ってくれた愛艇を引き上げます。

 野外には水もなければ火もガスコンロもありません。

 その中で、ゲストに大自然を満喫してもらい、食事、釣りの準備をし、かつ自分が楽しむ。

 これこそが野外で遊ぶ魅力だし、この準備片づけを繰り返すことで、先にイメージを作ることの大切さを覚えたと思います。

 遊び疲れた子供達は後部座席で爆睡の中、熊野灘まで抜けてきました。

 海岸には鯉のぼりの群れ。

 宿のエントランスにも折り紙の鯉のぼり。

 自分が成長することが、人生の第一義ですが、その次にあるのは子供の成長でしょうか。

 勿論、自分の子供が一番前ですが、ひとの子供に対してもほぼ同じだとわかりました。

 また来年のゴールデンウィークはバンガローを抑えておきます。

 子供に大自然を満喫させたいという人は遠慮なくご連絡下さい。ガイドとしての腕を磨いておきます。

 やはり、子供は社会の鏡だし、人類の未来であることは間違いないからです。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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悪い天気というものはない‐1583‐

 令和元年の5月2日(木)です。

 2004年、平成16年に開始したこの日記ですが、令和も変わらず続けていきたいと思います。

 ライフワークと思っていますが、流石に90歳になっても書いているとは思えないので、いつかは終わりが来るわけです。

 しかし、それを考えても仕方ないので、日々を丁寧に生きて行こうと思うのです。

 昨日は生憎の雨でした。

 敷地調査へ行っていたのですが。関西にもまだまだ知らない街があることに驚きます。

 それが、嬉しくもあるのですが、街にはそれぞれの匂いがあるものです。

 前回、大学時代の友人が子供を連れて七色ダムまで遊びに来てくれたと書きました。

 彼らが帰った夜、また別のスキー部時代の仲間が訪ねてくれました。

 関西に帰省中で、小学3年生のお子さんを連れてわざわざ神戸からやってきてくれたのです。

 午前中はご主人とお子さん、午後は奥さんとお子さんをガイドしました。

 しかし、今回も残念ながらノーフィッシュ。私もまだまだ修行が足りないようです。

 しかも、午前中にはお子さんがボートから湖に落ちてしまうというハプニング。

 すぐに助け上げましたが、2人で4月に初泳ぎを済ませてしまいました。

 なかなかにタフな男の子で、笑い飛ばしていたので救われるのですが、安くて美味しいラーメン鍋で埋め合わせです。

 サッポロ一番にキャベツと追い餅を入れるだけの手抜き料理ですが。

 それでもあの美しい自然を体感して、何か少しでも感じてくれたなら嬉しいのです。

 知人たちが帰った次の日は結構な雨でした。

 魚と人は常に逆。まぶたの無い魚は晴れを嫌います。

 水の中で暮らす魚と、水の外で暮らす人が同じ価値観な訳がないのです。

 そういう雨降りの日は、レインウェアを来て湖上に出るに限ります。

 魚の活性は上がり、人は減り、良いことばかりなのです。

 2日間、釣らせられなかった鬱憤を晴らしてきました。

 「悪い天気というものはない。

  服装が適切でないだけだ」

 スカンジナビア半島の格言だそうです。

 少し視点を変えて見れば、全てのことをポジティブに捉えることができる。至言だと感じます。

 水の中と水の外。どちらも同じ地球上です。

 魚とまで分かりあう必要があるのか分かりませんが、それが分かれば、人の気持ちなど、手に取るように分かるはずだと思うのです。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』4月7日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
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トップってやっぱり凄い‐1578‐

 houzzの特集記事で、「中庭のある無垢な珪藻土の家」が取り上げられました。

 こちらのご夫妻は、ともフルタイムで働いておられ、家事動線は考えに考えました。

 このゴミ箱の入った写真を撮りたがる創り手はあまり居ないと思います。

 しかし、このカットにこの家のストーリーが詰まっているのです。

 見難いのですが、ゴミ箱の上にゴミ袋を置く小さな棚があります。

 ゴミを捨てた後、すぐに新しい袋を取り出せるよう、蓋の開け閉めの邪魔にならないギリギリの位置を模索しました。

 このカットは、ご家族だけが通る動線からのもので、お客さんには普通見えません。

 しかし、記事を書く人は必ず欲しいと思うアングルだと分かって撮影しました。言ってみれば確信犯なのです(笑)

 桜も終わり、新緑をもとめて七色ダムまでやってきました。

 曇り空ではありましたが、やはり自然の中は最高です。

 普段行く池原ダムが大減水でボートが降ろせず。

 それでこちらに来たのですが、20代の頃から来ている勝手知ったる湖です。

 集落が湖畔すぐにあり、穏やかな景色が広がります。

 湖面には散った花びら。

 まだ残っている桜もありました。八重桜でしょうか。

 人にとっての気温以上に、魚は水温に敏感です。

 この日、最も水温が高ったところは13.7℃。

 この時期は、水深の浅い上流部が温まりやすく、魚もそこに集まる傾向があります。

 スロープで事前に情報を聞いていたこともあり、最上流部からスタートします。

 いきなり来ました。

 岸際を意識している大きな魚体が見えました。

 岸寄りの岩盤の上に、鮒を模したルアーをステイさせておきました。水深2mくらいでしょうか。

 ゆっくり魚体が寄って行き、フッと反転したのが見えたのでフッキング。

 完璧な展開でしたが、実はこの釣り方は全くの受け売り。

 先週この地で、日本でのトップカテゴリーの試合がありました。優勝した三原直之選手はその釣り方を公開しており、それを真似ただけなのです。

 それで、このサイズの魚を獲らせてくれるのですから、どんな世界でもトッププロは凄いものです。

 52cm、1.6kgの素晴らしい魚でした。

 2月の釣行ではウグイだけだったので今年の初バス。幸先のよいスタートです。

 この日はこれで満足してしまい、早め上がりましたが、大きな魚が沢山上がっていたとのことでした。

 プロの選手とは言え、試合は今後も続くので、少しはキモの部分を隠しておきたいはずです。

 しかし、マンスリーアングラーの私が簡単に魚を手にできたところを見ると、全てを公開してくれたようです。

 経験的に言えば、どんな世界でもトップまで上り詰めるのはこのタイプのような気がします。

 プロ野球のオールスターの場で、ある選手が世界の王貞治に、一本足打法について尋ねました。すると、何でも丁寧に教えてくれたと言います。

 それを見て、逆に凄い自信を感じたと語っていました。

 同じくオールスターの場で、400勝投手の金田正一に、その落差の大きなカーブの投げ方を尋ねると「教えて欲しかったらゼニもってこんかい」と言われたそう。
 
 それはそれでご愛敬ですが。

 プロというのはやはり誰かを幸せにしなければ、その存在価値はありません。

 もう少し言えば、幸せにし続けなければプロを持続することは出来ません。

 この日曜日は、随分幸せにして貰ったので、今後も三原選手を応援したいと思います。

 誰もが世界の王になれる訳ではありませんが、出し惜しみが成長を妨げるのは間違いありません。

 やはり、やるからにはトップを目指すしかありません。

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日本のはじまり‐1537‐

 日曜日は長男の卓球の試合を観に行っていました。

 会場のある橿原公苑は橿原神宮のすぐそば。

 近くに神武天皇陵もあり、この辺りはなかなかに雰囲気がある場所です。

 試合開始まで少し時間があり、橿原神宮を参ってきました。

webサイトにはこうあります。

 日本最古の正史ともされる『日本書紀』において、日本建国の地と記された橿原。

 天照大神(あまてらすおおかみ)の血を引く神倭伊波禮毘古命(かむやまといわれびこのみこと 後の神武天皇)が、豊かで平和な国づくりをめざして、九州高千穂の宮から東に向かい、想像を絶する苦難を乗り越え、畝傍山うねびやまの東南の麓に橿原宮を創建されました。

 第一代天皇として即位されたのが紀元元年、今からおよそ2,600余年前のことです。

 恥ずかしながら、橿原が日本建国の地だったとは全く知りませんでした。

 橿原神宮の参道は広く、朝早くにも関わらず多くの人達が訪れています。

 秋は七五三の時期でもありました。

 大和三山のひとつ、畝傍山を従えた拝殿が見えてきます。

 こちらも七五三でしょう。

 日本発祥の地。境内はハレという非日常が溢れています。

 拝殿から、更に奥の本殿を望みます。

 日本の様式美が具現化されてるのです。

 西暦はキリストの誕生を紀元としていますが、「日本」という国を基準に考えれば現在は2678年。

 何度か危機があったにせよ、2600年以上も滅びずに続いている国は他に有りません。

 「謙遜」という美意識は素晴らしいものですが、正確に自分達のこと、また自分の国を知ることも大切です。

 どことなく、自国に誇りを持つ人が少ないと感じるのは思い過ごしでしょうか。

 四季があり、自然が美しく、食べ物は滋味深く、世界一安全で、最も歴史が古い国。

 それが日本です。

 大陸から多くのことを学び、西洋への憧れが日本を成長させてきました。

 また、敗戦後は皆が我武者羅に働き、経済大国となりました。

 しかし現在は、高齢化、少子化、労働力の不足と良い話を聞くことはあまりありません。

 それでも、日本が世界に誇れるものは「美意識」だと思います。

 ゴミをポイ捨てしたら罰があるから捨てないのではなく、そういうことは恰好悪い、恥ずかしいと思う気持ち。

 それを皆とまでは言わないまでも、多くの人が持っています。

 無用に高い報酬を貰うことには、罪悪感のようなものさえ持っています。

 これは、ある国のカリスマ経営者にはなかなか分からないかもしれません。

 突出することに臆病と言われるかもしれませんが、それが日本人なのです。

 日本を感じたいなら、橿原に勝るところはそうないかもしれません。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm「回遊できる家」放映

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