タグ別アーカイブ: 北野天満宮

雲のような優しさでそっとぎゅっと‐1994‐

昨日は生憎の雨でしたが、朝から北野天満宮へ参拝に。

前回参ったのは今年の元旦

5時起きで、朝一番にご祈祷して頂いたのです。

本人の頑張りが一番ですが、中学受験、そして今回と、もう感謝せずには居れないという心境です。

お礼絵馬を奉納し、気持ち多めのお賽銭を納めてきました。

人出は少なめでしたが、それはそれでとても良い雰囲気。

大阪に戻って、「没頭できる家」のオープンハウスです。

雨もあり、多数来場とはなりませんでしたが、「外観の色が素敵」と言って頂きました。

音楽室にはシンセサイザーやギターも加わっていました。

クライアントには、本当に感謝しかありません。

長男の合格に浮かれていた我が家ですが、弟の次男も公立のトップ高校に合格したという吉報が届きました。

送別会と祝勝会をしようとなり、実家に集まったのです。

今回は、子供達が大好きな中華の出前。

そしてピザ。

母が赤飯とサラダを作ってくれました。

こうして皆が集まる機会も少なくなるでしょう。

それが成長ということです。

高校に合格した甥っ子が自ら、送別の弾き語りをしてくれました。

あいみょんのマリーゴールドです。

「もう離れないで」と

泣きそうな目で見つめる君を

雲のような優しさでそっとぎゅっと

抱きしめて 抱きしめて 離さない


声も大人っぽくなり、本当に大きくなったものです。

コロナ下の社会から脱却していく今年の春。

今後彼らはコロナ世代と呼ばれるかもしれません。

苦しかったことも沢山あったと思いますが、その苦しみの分だけ、優しくなれるはずです。

全て転じて最高の春になりました。

『建築家・守谷昌紀TV』 ■

■■■6月9日 『住まいの設計チャンネル』 「おいでよ House」公開

■■5月13日『住まいの設計6月号』「おいでよ House」掲載

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載

メディア掲載情報

北野天満宮で思う、承認と許容‐1970‐

新年あけましておめでとうございます。

これまで、子どもが受験の年は1月3日に北野天満宮へ参っていました。

しかし今年は長男にとって勝負の年。元旦の5時頃、大阪から京都へ向かいました。

道路も駐車場も殆ど混んでおらず、6時過ぎには到着。

参道の屋台もまだまばらな感じです。

合格祈願の祈祷受付は7時半からだったので、1番席でご祈祷を受けることができました。

早く行ったから合格する訳でもありませんし、御祈祷を受けたから合格する訳でもありません。

それでも、東京、千葉などからの参列差者もおられました。最後に親ができることは神頼みくらいです。

長男は慣れない正座で、足に全く感覚が無いと言っていました。

北野天満宮で初日の出も拝むことができました。

絵馬に願いを込め。

縁起の良さそうなところに奉納。

後は本人が頑張るだけです。


帰る頃には参道も賑わっています。

もう一度境内をのぞくと、長い列ができていす。

やはり活気あってこそ北野天満宮です。

撫で牛も撫で、この日のミッションはこれで完了。

元旦に車で京都に来たのは初めてで、もっと混んでいると想像していました。

東寺あたりも車の流れはスムーズです。

念のため、akippaで駐車場を取っておいたのですが、8時頃までなら境内の駐車場に入れそうな感じでした。

午後になるとそうもいかないのだと思いますが。

大阪に戻った足で実家に行き、両親、弟家族と食事会でした。

お節料理とズワイガニ。

姪っ子はカニが大好きで、物凄い量を食べていました。

あれだけ喜んでくれたら、作り甲斐もあるというものです。

昼間から食べて飲んで。

子どもは腹ごなしに秘密の特訓場で卓球を。

従弟同士仲がよいのは何よりです。

そのまま夜まで居て、夕食はステーキでした。


赤ワインと一緒に楽しませてもらいました。

今年は兎年。

何とも可愛い感じの絵馬ですが、雄々しく脱兎のように駆け抜けたいと思います。

初詣での間、2023年のテーマを考えていました。「承認と許容」としました。

読んで字の如くですが、認め、受け入れることから全てをスタートしたいと思っています。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

■6月16日 『ESSE-online』「おいでよ House」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」

■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載

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初詣で、験を担いで3回目‐1866‐

新年あけましておめでとうございます。


年賀状は12月12日に撮りに行った生駒の宝山寺です。

ここのところ年末ギリギリにあわてていますが、今年はもう少し旅行に行けるでしょうか。

今日は早朝から、北野天満宮へ初詣でに行ってきました。

「げんをかついで」は「験を担いで」となります。

これまでに良いことが起った行動をなぞることですが、受験シーズンの初詣ではまさに験を担いでいます。

1月3日の朝一番にご祈祷して貰った長男、長女は中学受験で第一希望に合格してくれました。

どのくらいご利益があったかと言うと、長男は合格点同点での合格だったのです。


北野天満宮は言わずと知れた学問の神様、菅原道真公が祀られています。

多くの牛の像があるのは、様々な牛との逸話から「神の使い」とされているからです。

本殿でご祈祷してもらった後は、絵馬を奉納します。

北野天満宮は平安京から見て乾(北西)に位置します。

天のエネルギーが働く位置とされ、乾天神とも呼ばれるそう。

この牛社は、北野天満宮内の乾に位置し、更に撫で牛は最も古いものとありました。

この場所ほど、知のエネルギーが満ちている場所はないということです。
絵馬の奉納ですが、寒い時期で手がかじかんでしまい、中学受験の時は一度落してしまいました。

しかしそのハードルも無事クリア。

帰る頃には日も差してきて、人出もにぎやかになってきました。

梅の花が咲く頃、良い報告ができれば良いなと思いながら、大阪に戻ったのです。

年末のことですが、同窓会の世話役会を少人数で開催しました。例年なら、オリンピックイヤーの12月30日に開催していましたが、すでに2年の延期を決定しています。

その対策を考える集まりだったのですが、参加者の学歴は、京大、阪大、阪大、阪大、市大、神戸大⇒ハーバードで教えていたというメンバー。

学歴だけが人生を決める訳ではないと、全力で働いてきたつもりですが、勿論良いにこしたことはありません。流石に優秀な母校だったのだと改めて感じたのです。

長男もいよいよ大学受験です。やはり社会人一歩手前の大学は、人生になにかしらの影響を与えるのは間違いありません。

北野天満宮のWebサイトにこうありました。

道真公の精神は「和魂漢才」の四文字に集約されるように、自国の歴史と文化にしっかりとした誇りを持ち、他国の文化も受けいれる寛容さが特徴です。

時代は変わります。しかし、大切なことの本質が、簡単に変わることはない気がします。特に1000年以上前の時代に「他国の文化を受け入れる寛容さ」というところに目が奪われるのです。

また、「験を担ぐ」ということは、良い行いを繰り返すということでもあります。

高倉健さんはこう語っていました。

俳優という仕事には、生き方がやっぱりでているよね。テクニックではないんでしょうね。

柔軟体操なら、いいトレーナーにつけば体を壊さずに柔らかくなる。いい本を読めば知識はつく。


しかし、最もでるのは普段の生き方。偉そうなことを言うようですけど。

2022年のテーマは「善に見る」です。

善きことを思い、善き日常を実現したいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

■■■ 12月6日『ESSEonline』にコラム連載を開始
第1弾は「キッチン・パントリー」■■■

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■

■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

お願いし忘れた‐1672‐

 コロナウィルスの影響で、関西の小中高も概ね休校となりました。

 我が家は何とか留守番できる年齢になったので、「今日は自分達で昼食を作る」と張り切っていました。

 保育園、幼稚園で閉めているところは少ないようなので、小学校低学年の子供がいる家庭が一番大変でしょう。

 娘も無事受験を終えたので、年明けに御祈祷して貰ったお札を返しに行ってきました。

 京都が閑散としていると聞いていたのですが、北野天満宮はそうでもありませんでした。

 お守り等は、願いが叶ったならお返しするのが基本です。

 と言いながら、現実にはそう出来ていない事も多々あります。

 しかし北野天満宮だけは別。

 兄妹とご利益を頂いたので、自然と足が向かいます。

 梅の名所であることもその理由のひとつでしょうか。

 境内の梅もまさに盛りでした。

 僅か2ヵ月で、これだけ景色が変わるのですから訪れたくなるというものです。

 お参りした後に娘が「あっ」と小さな声を出したので、「どうかした」と聞くと「後で言うわ」と。

 梅苑は紅、桃、白と様々な種が咲き乱れていました。

 忙しなく花をついばむ色鮮やかな鳥はウグイスでしょう。

 その色のコントラストは、感嘆するほど美しかったのです。

 天神さまのお使いとして、神牛の像がいくつかありますが、あやかれるようにと頭を撫でていました。

 帰りの車で「さっきは何だったの」と娘に聞くと「コロナウィルスがおさまりますようにってお願いし忘れた」と。

 父親に対して娘は厳しいものですが、そんな事をお願いしようと思ってくれるだけで嬉しいものです。

 信じるものは救われる

 良く聞く言葉ですが、信じれば必ず救われるとはなっていません。しかし、信じることが出来ない人が救われることもない気がします。

 神も仏も人の心が作り出したものだとします。なら、神や仏が存在し得るのは人の心の中だけ。

 自分を信じ、未来を信じ、人類を信じるしかありません。

 人類はもっと大変な危機を、何度も乗り越えてきたから私たちは今存在しています。

 勿論、犠牲になった人も居るでしょう。そこに自分が入るかどうかは、神のみぞ知るなのです。

 と言うことは、やはり神様は居ることになりますが。

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました
■4月1日発売『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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運命は拓く‐1656‐

 今日から仕事始めの方が多いでしょうか。

 いやいや先週から働いているよ、という方も居られるでしょう。

 いずれにしても、日本列島の休暇モードは昨日までという感じです。

 1月3日に、北野天満宮を参ってきました。

 合格祈願と初詣でを兼ねてですが、6:30amから御祈祷の受付が始まるので、朝5時起きでの出発です。

 普段は朝があまり得意でない娘も、この日ばかりはスカッと目が覚めた感じ。

 彼女は子年なので年女。

 早生まれなら、年男、年女で中学受験を迎える訳です。

 長男も早生まれなので、年男だったんだと思いながら、本殿右手の社務所で受付を済ませました。

 待合室でふざけ合う兄妹ですが、基本的にとても仲が良いのです。

 6:30amの初回の御祈祷は、他にはひと家族だけ。

 長男の時もそうしたので、縁起をかついだのです。

 3年前の長男の受験時は、終盤まであまりエンジンの掛かっている感じはありませんでした。

 しかし、1月に入ると急にギアが上がり、第一志望を合格点同点で通るというギリギリセーフの結果を出してくれたのです。

 これは道真公のお導きに違いないと、今回も参らせて頂いたのです。

 3年前と同じく、鳥居の奥の東向きに絵馬を奉納します。

 娘が手が届かない感じだったので、私が結んだのですが、寒さもあり、一瞬手から滑り落ちそうになり、かなり慌てました。

 そう言えば3年前の同じ場面で、長男が絵馬を結ぶ際に地面に落としてしまいました。

 その時は何も言わなかったのですが、この日初めて「あの時、絵馬を落としたよな」と長男に言うと、「僕も覚えてる。だから国語の時、お腹が痛くなったのかな」と笑っていました。

 お腹が痛くなっていなかったら、ギリギリよりは上の点数で通ったというのが、彼のかねてからの主張なのですが(笑)

 松下幸之助、東郷平八郎、原敬、そして私の尊敬する稲盛和夫さんが影響を受けたという、ヨガの達人で、思想家である中村天風さんの著書が『運命を拓く』です。

 MLBの歴史を変えたと大谷翔平選手もこの本を読んでいるとも知りました。

 天風哲学を一言で表すなら「ポジティブ」です。

 いくつもの至言が散りばめられていますが、この例えが私はとても分かりやすかったのです。

 人間の血液の中にはバクテリアが襲ってくると直ちにこれを取り囲み、特殊な液体を注いで殺してしまうように自然にできている。

 宇宙は全て上手くいくように出来ているにも関わらず、良くないことが起るのは、全て消極的、ネガティブな考えからきていると。

 消極的な言葉も決して使ってはならないと言います。

 もし「ああ暑い、どうにもやりきれない」と言ってしまったとしたら、続けて「と昔は言ったけれど」とすぐに打ち消しておけばよろしい、とまで書かれています。

 これを読んだ時、思わず笑ってしまいましたが、私達のような一般人にもできる救済法が書かれていることに、より迫力を感じました。

 元々私も、決してポジティブな方ではありませんでした。批判的な意見を常に口にする論客のような人を格好良いとさえ思っていたこともありました。

 しかし今は全くそう思いません。それはカウンターカルチャーのようなもので、時代を動かすことはないと思っています。

 先日も長男に「ネガティブな言葉は絶対使ってはいけない」と言うと、「僕、ネガティブな言葉は使わないよ」と。

 スマホの呪縛から何とか解き放たれて欲しいと思っていますが、確かに、彼がネガティブな言葉を使っているのを聞いたことがありません。

 お金の使い方が分かるまで三代掛かると言いますが、彼も本気でポジティブを実行してくれたら、孫は正真正銘のポジティブとなってくれるでしょうか。

 孫の前に、まずは娘に幸運が訪れますように。

 しかし運命は自らの手で拓くしかありません。善きことを思い、善き行動をすれば、結果がついてこないはずなど無いと信じています。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:スタイル別』2019年12月31日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が2位に選出

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【News】
『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出
『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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苦味あってこそ‐1360‐

 長男が何とか希望校に通ったので、お礼参りに行ってきました。

 北野天満宮は学問の神様、菅原道真公が祭られた、天神社の総本山です。

 言わずと知れた、ですが。

 1月3日は、混雑を避けて早朝に到着しました。

 今回は午後2時の到着でしたが、梅の名所でもあり、かなりの賑わいでした。

 朝日があたるここがいいんじゃない、と奉納させてもらった絵馬掛所の一角。

 前回より、さらに絵馬が盛り上がっています。

 後半生、不遇だった道真公はこう遺言を残したそうです。

 自らの遺体は牛に車を引かせ、立ち止まったところに葬って欲しい。

 それで、天神さまのお使いは神牛となりました。

 本人は「僕も結構頑張ったんやで」と言っていますし、もちろんそうでなければ合格しないと思います。

 それでも、少し後押しがあったように感じるのは、私が親になったからでしょうか。

 梅苑も散策してきました。

 道真公は博学であるがゆえ、時の天皇に疎まれるようになっていきます。

 そして、大宰府へ左遷されそこで一生を終えるのです。

 大宰府天満宮へは、2014年の夏に訪れました。泣き出しそうな空だったことを覚えています。

 東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花

 主なしとて 春を忘るな

 京を去る際に、詠んだ歌です。

 小ぶりな梅の花が切なげに、慎ましやかに咲き誇ります。

 梅は枝の形がさまざまで、紆余曲折のある人生のようにも見えてきます。

 梅は枝と合わせてみるものではと、この歳になって気づきました。

 今日、2時間程かけて入社試験の面談をしました。

 若い彼らに、苦味と喜びの両方を経験させてあげられたらといます。

 博学を疎まれるほどの経験がないことを、喜んではいられませんが、それなりの屈辱も経験してきました。

 しかし、ビール、コーヒー、サンマのはらわたと、苦味の無い人生は、それはそれで味気ない気がするのです。

この道は滑走路‐1344‐

 2年前、「長男が北海道の中学を目指している」と書きました。
 
 何人かに、「寂しくなりますね」と声を掛けてもらいました。そう思う反面、それもいいかなと思っていました。

 しかし最終的には関西の学校を受験することになりました。理由は聞いていませんが、自分が響いたらならそれが一番です。

 結論で言うと、昨日何とか希望校に合格してくれました。

01 - コピーのコピー

 大晦日も元旦も塾があり、年始の休みは1月3日だけ。最近の小学生は大変だなと思います。

 合格祈願に行きたいというので、3日は早朝から京都の北野天満宮へ連れて行きました。

 学問の神様、菅原道真公をまつる北野天満宮。朝の7時前からご祈祷を待つ列ができていました。

03 - コピー

 ご祈祷のあと、合格祈願の絵馬を奉納。

 絵馬は朝日があたる場所がよいだろうと、東の端におさめてきました。

05 - コピーのコピー

 その日以来ですが、長男はお札に向かって毎日「2拝、2拍、1拝」していました。

 頭を下げるというのはとてもよいことだと思います。純粋に思わなければ、深々と頭は下げれないものです。

 しかし、いつから本気で行きたいと思うようになったかは、最終的には全く分かりませんでした。

 どこの家庭でもある問題だと思いますが、学ぶ意味を伝えるのは簡単ではありません。

 我が家でも、何度も口論になりました。

 私は一所懸命に働いているつもりですが、子供が見る姿は、帰って一杯飲んでいるか、本を読んでいる姿だけ。

 たまの休みは、頑張ってどこかに連れて行くのですが、要するに働いている姿は目にしません。

 同じように、長男が主に勉強しているのは塾でです。夜の10時半を過ぎることもあり、私より遅い日も多々ありました。

 互いに過程は全く見えず、結果でしか話ができないのです。

 なかなか結果がでない。さらに帰ってから、グズグズ、ダラダラと、言い訳をしている姿をみると頭にくるのです。

 そしてこう言ってしまいます。

 「本当に行きたいところがあるなら、お父さんは精一杯応援する。そうでないなら、今すぐ受験勉強を辞めろ」

 自分の子供とはいえ、私とは性格も全く違います。父子というものは、基本歯車がかみ合わないものです。

 しかし、素直に言ったとおり勉強し、成績が上がり、合格すれば正解と言うことでもない気がします。

 「今頑張っておけば将来が楽」というはっぱの掛け方はしませんでした。それは嘘だからです。

 一難去ってまた一難。トラブルにつぐトラブル、そしてまたトラブル。仕事も、人生もそれが本質です。志望校に通ったとしても、楽を求めるなら何の意味もありません。

 ではなぜ、少しでも上を目指して欲しいのだろうと考えました。今はこうなのかなと思っています。

 「大変なことをできるだけ楽しく。それをいい仲間と」

 前回、中高の友人の奥さんの治療について、広く情報を求めたいという記事を書きました。

 それをシェアしてくれる人もいて、大変嬉しかったのですが、改めて旧友というものの力を感じました。

 自分の体験を赤裸々に伝える者、その道のエキスパートの情報をかき集めようとする者、現役の医師からと、本当に沢山の情報が彼に直接届いていました。私経由ではありません。

 会社、仲間を意味するcompanyは、共にパンを食べたという意味から出来た言葉だと書きました。同じ場所で、同じ空気を6年間一緒に吸った意味を、今頃になってひしひしと感じます。

 自分の仕事も、母校も1つだけで、それしか子供に伝えられる経験はありません。私としては自分の母校を子供に薦めたのですが、結局受験もせずでした。

 それはそれで、とても良かったのだと思います。誰も知らない経験のほうが、刺激も、充実も大きいと思いますし、何より自分できめたという事実が大きいはず。

 中学高校の6年間、心も体も、本当に大きく変わる時期です。

 しかしそれは、未来へ続く滑走路。ここを走るのが目的ではありません。その先を自分で飛べなければ、何の意味もありません。

 悔いのない、悔いの少ない人生を歩んでもらいたい。そして、世の中に求められる人になってもらいたい。私が願うのはその2つです。

 最後につまらない話を。ここまで買わないと通してきたスマホをついに与えることになりそうです。ちなみに私は未だにガラケー。

 学校のクラスで持っていないのは2、3人だけだそうで、それについてはよく我慢したと思います。

 しかし、実際の体験は、そんなものとは比べものにならないくらい、楽しく、大変だと思える、学校生活をおくってほしいと思います。