苦味あってこそ‐1360‐

 長男が何とか希望校に通ったので、お礼参りに行ってきました。

 北野天満宮は学問の神様、菅原道真公が祭られた、天神社の総本山です。

 言わずと知れた、ですが。

 1月3日は、混雑を避けて早朝に到着しました。

 今回は午後2時の到着でしたが、梅の名所でもあり、かなりの賑わいでした。

 朝日があたるここがいいんじゃない、と奉納させてもらった絵馬掛所の一角。

 前回より、さらに絵馬が盛り上がっています。

 後半生、不遇だった道真公はこう遺言を残したそうです。

 自らの遺体は牛に車を引かせ、立ち止まったところに葬って欲しい。

 それで、天神さまのお使いは神牛となりました。

 本人は「僕も結構頑張ったんやで」と言っていますし、もちろんそうでなければ合格しないと思います。

 それでも、少し後押しがあったように感じるのは、私が親になったからでしょうか。

 梅苑も散策してきました。

 道真公は博学であるがゆえ、時の天皇に疎まれるようになっていきます。

 そして、大宰府へ左遷されそこで一生を終えるのです。

 大宰府天満宮へは、2014年の夏に訪れました。泣き出しそうな空だったことを覚えています。

 東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花

 主なしとて 春を忘るな

 京を去る際に、詠んだ歌です。

 小ぶりな梅の花が切なげに、慎ましやかに咲き誇ります。

 梅は枝の形がさまざまで、紆余曲折のある人生のようにも見えてきます。

 梅は枝と合わせてみるものではと、この歳になって気づきました。

 今日、2時間程かけて入社試験の面談をしました。

 若い彼らに、苦味と喜びの両方を経験させてあげられたらといます。

 博学を疎まれるほどの経験がないことを、喜んではいられませんが、それなりの屈辱も経験してきました。

 しかし、ビール、コーヒー、サンマのはらわたと、苦味の無い人生は、それはそれで味気ない気がするのです。

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