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成功への片道切符‐1332‐

 昨日は、「羽曳野の家」の点検に行っていました。

 7月のオープンハウス以来で、5ヵ月振りです。

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 ダイニングには、ペンダントの照明も加わりました。

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 子供部屋に掛けられた時計は、奥さんのアイデア。

 ポスターを入れるフレームとして売られているものですが、とてもいい感じです。

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 「生活感がでる」という表現がありますが、家は人が幸せに暮らすためにあるもの。

 生活感はあって当たり前です。

 そこを楽しみながら、セレクトして貰えると、創り手としてはとても嬉しいのです。

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 ロフトのトップライトは、夏場はかなり暑かったよう。

 将来的には、ブラインドか、ロールスクリーンを付けたほうが良いかもしれません。これからの課題です。 

 2番目のお兄ちゃんと、3番目のお姉ちゃんは、ここがお気に入りの遊び場とのことでした。

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 こちらのご家族は、お子さんが4人。

 この日会えたのは、7月のオープンハウスから1ヵ月後に生まれた、末っ子の三男君。

 大変仕事が忙しいお父さんに、ミルクを飲ませてもらいご機嫌でした。

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 幸せな景色を見せてもらい、「ここまでになるとは、思ってもいませんでした」と感謝の言葉をいただき、本当に有り難いことだと思うのです。

 このプロジェクトも、困難に困難を極めました。

 クライアントのOKが出れば、いつか全てを書いてみたいと思うのですが、コスト、ローン、現場と、次から次へと問題が噴出してきます。

 しかし、プロジェクトがスタートしたら、途中で逃げ出すという選択肢はありません。

 問題が起れば、そこに乗り込んで行き、何としてでも解決する。

 困難こそが、感謝や成功への片道切符なのだと仕事に教えてもらいました。多ければ多いほどよいのです(笑)

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 先月の20日で、2年半働いてくれたマルコが退社しました。

 その後にと思っていた若者は、1ヵ月半で退職しました。

 ちょっとストイックで、生真面目な私についてきてくれる人が沢山いるとは思っていません。

 1人でも2人でも、居てくれるだけで有り難いと思わなければならないのでしょう。

 もしIQが200あるのなら別ですが、私たちはもちろんのこと普通の人間です。

 困難やトラブルこそが、自分の存在価値を示すチャンスなのは間違いありません。

一滴のしずくが川となるように‐1321‐

 土曜日の『住人十色』の放送は、私も楽しみにしていました。

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 自分の出演がなければ気楽なものです。

 8年続く長寿番組だけあり、松尾貴史さんのコメントも的確。とてもわかりやすく描いて貰った気がします。

 計画が始まり、ここに至るまでの3年を振り返ってみました。

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 2013年9月15日(日) 大阪市が主催した「住之江の元長屋」のオープンハウスに参加。

 雨の強い秋の夕方。初めてご家族にお会いしたのです。

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2013年10月3日(木) 第1回目の打合せ。

 その後、11月14日(木)第3回目の打合せは、お弁当持参で来社してくれました。

 仕事終わりの時間帯に、何度も足を運んで貰ったのです。

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2013年12月10日(火) 現地調査。

 お母さんと奥さんは、その間もずっと談笑していました。

 「本当に仲が良いんだな」と思っていたことを覚えています。

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2015年4月30日(水) 現場打合せ。

 着工は2015年2月9日(火)。

 設計、予算調整もかなり難航し、計画のスタートから1年5ヵ月を費やしたのです。

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 お子さんには、現場で宿題をして貰ったこともありました。

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2015年7月10日(金) ようやく引っ越し。

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 まだ工事中でしたが。

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2015年11月3日(祝・火) 当社の写真撮影。

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 恒例になった昼食時の撮影もお願いしました。

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 動きのある写真が撮れます。

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 そして、ボルダリング。

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 こうして、この家のイメージカットが撮影されました。

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2016年3月6日(日) 『住まいの設計』の取材。

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 子供さんが楽しんでくれたら、誌面が楽しいものになるのです。

 これらの写真をみて貰い、番組の取材となりました。 

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 実は、あるリノベーションのコンテストに応募しましたが、入賞さえ叶いませんでした。

 正直言えば、自信を持っていました。

 しかし、それなら実作でリノベーションの可能性を示し続けるしかありません。

 コンテストの審査員には届かなくても、本気のクラアントには届くと信じているのです。
 
 いつも周りを笑わせてくれた次男君。

 番組内で、この家に「いちまんてん」を付けてくれました。それが一番の賞かもしれません。

 放送後、ご家族にお疲れさまでしたとメールを送ると、返事が返ってきました。

 収録後は放送が不安で本当にイヤでしたが、ほんわかした感じでよかったです。

 あの雨の日、ビフォーアフターのおうちを見学しに行ってなかったら私達家族はどうなってたかと思います。

 近いうちお礼するのを口実にアトリエmの皆さんにお会いしにいきたいと思います。

 「阿倍野の長屋」
 
 打合せ回数45回 (うち現場打合せ25回)

 設計期間 2013年9月~2015年1月 1年5ヵ月

 工事期間 2015年2月~2015年7月 5ヵ月

 一滴のしずくが集まり川となるように、いくつもの偶然と決断がここに導いてくれました。

 クライアントと私達の大河ドラマ「松虫の長屋編」はこれで一区切り。

 楽しんで貰えたでしょうか。

ようこそ阿倍野の長屋へ<光庭シリーズ第三弾>‐1273‐

 昨日は「阿倍野の長屋」の見学会でした。

 4月23日に行った、大阪市住まい情報センターでのセミナー。『建築家とつくる住まい入門』と連続講座になっていました。

 セミナー参加者から24名の申込がありましたが、当日は16名の参加。3班に分けて案内することになりました。

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 まずは、建物外で全体像を説明。
 
 そして、私が説明しながら建物内を廻ります。

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 延べ面積が36坪ですから、それ程小さい訳ではありませんが、思った以上にいっぱいな感じ。

 同時にこの人数を案内したのは初めてかもしれません。

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 案内が終わったら、住宅情報センターからのアンケートを記入して貰います。

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 その間、ご家族はこんな感じ。

 新たな、光庭の使い方を教えて貰いました。

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 キッチン前には、長男君からのメッセージが。

 この心遣いが訪れる人の気持ちを和らげますし、私達もどれだけ救われたことか。

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 最終班の見学が終わったのが16:15。ここからは番外編です。

 このイベントのポスターを見て、どうしても見せて欲しいという女性が1人時間外で参加。加えて、家族も呼んでいました。

 弟君はご主人と仕事場へ出掛けており、子供達3人でサッカーを始めました。

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 うちの子供にも「松虫の長屋」は評判が良いのです。

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 その理由は、楽しそうだから。

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 メインイベントはやはりここ。長男君と、長男が一緒に登りました。

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 続いて娘も登頂成功で、私も肩の荷がおりました。

 長男のスケジュールが私よりタイトになって行く中、何度こんな機会があるのか分からないからです。

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 参加者の皆さん、一様に感心してくれましたが、やはり月見台に出た時は、感嘆の声を上げていました。

 この街中でこの解放感、といった感じでしょうか。

 今週末発売の、『住まいの設計』にも掲載されます。

 良ければ手に取ってみて下さい。

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 「住之江の元長屋」の見学会に参加してくれたのがきっかけで、仕事をすることになったのが「阿倍野の長屋」です。

 リノベーションにおいての「光庭シリーズ」。今回は第三弾で旗竿型光庭。進化形だと考えています。

 先月のセミナーでも取り上げたのですが、今度は「光庭シリーズ」の系譜をまとめてみたいと思います。

ワイリー・コヨーテも取材仕様‐1253‐

 虫も這いだす啓蟄も過ぎ。大阪は20℃を超えました。

 昨日は 、朝から「住まいの設計」の取材でした。

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 1月にも取材して貰った、同じチームが東京から来阪してくれました。

 「阿倍野の長屋」と「滋賀の家」は、環境で言えば、対極にあるような家です。まずは、外観から撮影スタート。

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 四軒長屋の中央二軒をフルリノベーションしたこの住宅。

 延べ面積は約113㎡(34坪)。決して小さな家ではありません。

 しかし、ご家族5名、取材チーム3名、当社から3名となると、なかなかの人口密度です。

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 ロフトで、弟に紙芝居をする7歳のお兄ちゃん。

 少し見ない間に、随分大きくなっていました。

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 4歳の次男君。まだまだ甘えたい盛りです。

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 2人とも、一日協力してくれました。

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 家の歴史を、最も知っているのはご主人のお母さんです。

 ライターからのインタビュー中。

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 撮影が終わり、写真をチェックする様子を見ていると、上手くいったのだと想像できます。

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 リビングの飾り棚にあるワイリーコヨーテは、ご主人お気に入りのフィギアです。

 設計段階から寸法をとり、ここに収まると決まっていました。この日は、ハンマーを持つ取材バージョンです。

 奥さんに内緒で購入し、撮影が始まる前、こっそり右手に持たせたそうです。

 撮影が終わってから、それを明かすご主人。結構な値段と聞き、怒り、笑う奥さん。

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 帰り際、自転車の練習を始めた次男君。

 この日、初めて補助なしで、町内を一周出来ました。

 取材や撮影が、家族の時別な一コマになってくれたら、尚嬉しいと思っています。
 
 明石家さんまも、ワイリーコヨーテの収集家だそうです。

 内弟子時代、師の笑福亭松之助から「どや、さんま。掃除はオモロイか」と問われ「面白くないです」と答えました。

 すると「そやろ。それをどうやったらオモロク出来るか、考えるのがお前の仕事や」と言われたそうです。

 明石家さんまは、この事を18歳の時に教えて貰えて良かったと語っていました。

 ありふれた日常を、特別なものにするのは、やはり楽しむ姿勢以外にありません。

アマゾンリフォーム‐1181‐

 昨日から7月に入りました。

 梅雨明けが待ち遠しいところですが、夏祭りが始まる季節。近所のだんじりが、試験引きに回ってきました。

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 6月30日「アマゾン ジャパン、リフォーム定額販売に参入」というニュースがありました。以下、記事の抜粋です。

 アマゾン ジャパンは2015年6月30日、EC(電子商取引)サイトのAmazon.co.jpでリフォーム商品・サービスの取り扱いを始めたと発表した。「キッチンやトイレ、ユニットバスなどを、工事費込みで1クリックで購入できるようになる」(同社のジャスパー・チャン社長)。

 アマゾン ジャパンがAmazon.co.jp内に「リフォームストア」を立ち上げ、積水ハウスグループ、大和ハウスリフォーム、ダスキンが約5000品目の商品やサービスを定額料金で出品する。

 今回、Amazon.co.jpに商品を提供する事業者も「ネット販売は、リフォーム市場の拡大につながる」(積水ハウス 社長兼COOの阿部俊則氏)と、新たな販路に期待を示す。

 「Amazon.co.jpのカスタマーレビューで五つ星をいただけるよう、工事を担う人材の育成に全力を尽くしたい」(阿部氏)。

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 現在、見積り調整中のリノベーション。この細い路地を入ったところに現場はあります。

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 最も狭いところは1.4m。資材の搬入も手仕事になりそうです。

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 築100年は越えようかという建物で、雰囲気は十分。

 しかし中はもっと凄いのです。

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 雨漏りが。

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 1階まで水道が貫通しています。

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 前の持ち主が引っ越す際、向かいに住むクライアントに「買ってくれないか」と打診しました。

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 かなり強引な屋根の架け替えがしてあります。

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 少しでも光を入れたかったのか、物干しとして使っていたのか。

 気持ちは分りますが、この形状ならどうしても漏ってしまうでしょう。

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 急な階段を上がると、2階は更に厳しい現状が待っています。

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 雨漏り、シロアリに柱は喰われ、かなり屋根が下がっています。

 大きな地震がくれば、屋根が落ちないとは言えません。

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 この現場は、見積りがスタートして、すでに2ヶ月。その前の、調査・設計期間が半年です。

 設計においての考え方、各施工会社の工事の仕方など、一つとして、同じものはありません。それが、リノベーションです。

 リノベーションは既存建物の価値を上げるという意味があります。よって、直すというニュアンスのリフォームではなく、こちらを好んで使っているのです。

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 職人の高齢化、東京オリンピックによる人材不足は深刻です。建築施工会社は淘汰が進み、適正な金額で仕事が出来る施工会社は、どこも忙しくしています。

 実際に工事をするのは施工会社が率いる職人チーム。ハウスメーカーという施工会社は極論すれば無いと言えます。

 ハウスメーカーの仕事を請け負うと、分厚い施工要領所が送られてくるそうです。

 どこの寸法をチェックし、どの角度から写真をとり、どの位置にビスをうち……と、誰でも施工出来るようになっているのです。

 マニュアル化全盛の時代ですが、建築現場にもその波が押寄せてきました。

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 EC(電子商取引)が時代の中心となっていうのは紛れもない事実です。しかし、物創りの現場に居る人は、今も昔も変わりません。

 「工事を担う人材の育成に全力を尽くしたい」というコメントには、仕事があれば、職人は育つと思っているのではないかと感じます。

 技術を磨く為には、相当な時間が掛ります。それは、合理的でない場合が殆ど。必要なのは仕事ではなく、仕事に掛ける時間、仕事をしてくれる人に対する敬意ではないかと思うのです。

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 巨大企業に私が吼えた所で、なんの影響もないでしょう。

 しかし、リフォーム、リノベーションは経験、感覚がものを言いいます。覚悟されて、参入下さい。

 仕事を取れる会社が、発言力を持つのは、いつの時代も同じ。私も、最も求められる建築家を目指してきました。

 しかし、コストのしわ寄せ、無理な納期など、泣きの見るのは現場の職人という構図を避けなければ、建築現場の未来はありません。