2021年も残すところ1ヵ月になりました。
前回、東熊野街道の美しさについて書きました。
時間帯によって、全く違う景色になるのです。
奈良盆地の東側から見る、二上山の美しさにも触れました。
そういえば2年前の11月、家族で二上山に登りました。
年賀状に使える写真がなく、慌て皆のスケジュールを調整したのです。
この時も、モミジが紅葉していました。
ひときわ赤い訳です。
二上山から奈良盆地を見下ろせば、大和三山を一目で見ることができます。
左端から耳成山。
中央あたり、少し見難いのが天の香久山。
その右が畝傍山です。
この時期は、あちこちから野焼きの煙が上がっています。
畝傍山の麓でも幾筋もの煙が上がっていました。
東熊野街道沿いの民家では、薪で風呂を沸かしている家が残っています。
林業の町なので、薪に困ることはないでしょう。
父の実家は材木商だったこともあり、40年前くらいまで、材木の端材で風呂を沸かしていました。いわゆる五右衛門風呂です。
今から1600年前、聖帝と言われた仁徳天皇は、民家のかまどから煙が登らないのを見て、貧困を感じとります。そして3年間、徴税を禁じた話はよく知られています。
ゼロカーボンを目指す現在ですが、人類史の大半において煙は生きる証しでした。
寒い時期になり、かまどの煙はなくともつい家路を急ぎたくなります。
煙、湯気、水蒸気……いずれも火や熱によって上昇していくもの。そこに人の営みがあるサインと言えます。
命のないところに煙は立たずと言えそうです。
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