建築の設計・監理の中に、「現場説明」という仕事があります。
競争見積りに参加する建築会社に図面を渡し、現場にて説明をするので、まさに文字通り。
普段は略して「現説(ゲンセツ)」です。
先週土曜日、現説へ向かうため、会社を8時頃出ました。
阪神高速松原線はいたって快適。
ところが東大阪線に乗り換える前に「事故渋滞高井田まで6km」と掲示板に出ました。
駒川で乗った時には無かったものです。
事故が起こった直後のようで、1時間ほど渋滞に引っかかってしまいました。
35歳くらいまでなら、かなりイライラしていたと思いますが、そこはすでに50歳。
迷惑を掛けてはしまいますが、こんな景色をゆっくり見れることも無いと覚悟を決め、クライアントと建築会社に連絡を入れたのです。
昨年亡くなったシーザー・ペリ設計の、大阪NHK放送会館・歴史博物館が見えてきました。
更にクリスタルタワー等の高層ビルを従えた大阪城も。
また、難波宮跡あたりでは、阪神高速は急に高架でなくなります。
埋蔵文化財の件なのか、太閤様より高い目線は不届きだとなったのか。
おそらく前者なのだと思いますが、これも車ならではの景色です。
ようやくノロノロ運転が終わり、第二阪奈を降りると生駒盆地です。
野焼きの匂いが懐かしい。
北上して学研都市を抜けたのですが、ここはまるで近未来都市のようです。
中心部にある京セラの研究所。
師事させて貰った稲盛さんの会社ですから、目礼して通り過ぎました。
さらに北上すると一気に里山の風景に変わりました。
柿がたわわに実り、まさに日本の風景。
車移動には楽しみが多いのです。
車の免許を取って30年近くなりますが、先日車を擦ってしまいました。
代車にやってきたのがトヨタのカムリ。
ハイブリッド車を運転するのも初めてですが、生まれて初めて乗った車がカムリでした。
父が乗っていた白のカムリを貰ったのですが、この車は息が長い車なのです。
トヨタのwebサイトを見に行くと「生誕40周年」とでていました。
北米での乗用車部門では、販売台数がトップレベルだったはず。
1年程カムリに乗ったあと、20年に及ぶハイラックスサーフ人生が始まりました。
ハイラックスサーフの国内販売が終わり、2011年にディスカバリーに乗り換えたのですが、北米では現在でも「4RUNNER」として販売されています。
初代サーフの写真が2枚しかないので、若気の至りをお許し下さい。
2代目サーフ、初代ディスカバリー、2代目ディスカバリーです。
当時のカムリではないものの、私の車人生のピースが埋まりました。
2030年代には、ついにガソリン車に乗れなくなるようです。
地球の環境問題は、個人の趣味嗜好より断然上にあるものだと理解しています。
いずれ来る事は分かっていましたが、パワフルな車の無い人生を今は想像することができません。
私にとって車は単なる物ではなく、人生のパートナーであり、戦友そのものなのです。
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■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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