タグ別アーカイブ: 地獄からの復活

2019年 暮れは元気にご挨拶‐1654‐

 30年続いた平成から令和へと元号が変わった2019年。残すところ1日となりました。

 今年最後の日記は、勝手ながら私の1年を振り返ってみます。

1月 憧れのウェーデルン‐1549‐

 2019年の初日の出は、霊峰・御嶽山の麓から望みました。

 長男はボード、娘はスキーの腕を随分上げたなと感心したのです。

2月 運命のルーレット‐1562‐

 久し振りに「サロンのある家」に寄せて貰いました。

 竣工して13年が経ちましたが、こちらのクライアントには、本当に色々な事を教えて貰いました。

 この日も子供にお土産を頂いてしまったのです。

3月 サヨナライチロー‐1573‐

 不世出の天才打者、イチローがついに引退しました

 MLBに居るあいだに、観戦に行けなかったことに悔いが残ります。

 磯崎新が日本人として8人目のプリツカー賞を受賞したのも3月でした。

4月 毎日がスペシャルで記念日‐1574‐

 「さかたファミリー歯科クリニック」が、『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』に掲載されました。

 物創りが私の仕事です。

 そして、本気のクライアントと出会うため、出来上がった作品を発信し続けるのです。

5月 子供は鏡で未来‐1584‐

 娘が小学6年生になり、中学受験をするので旅行はゴールデンウィークまで。

 時々喧嘩もしますが、とても仲がよい兄妹です。

 子供は社会の鏡で、人類の未来。その基本は家庭にあることを肝に銘じておかなければなりません。

6月 私の年輪‐1597‐

 「Ohana」は2009年の竣工です。

 今年も恒例のBBQに呼んで貰いました。

 年輪は冬の成長が遅い部分が濃く見えるもの。

 労苦を伴わない仕事はありません。作品こそが年輪なのです。

7月 取材大好き‐1602‐

 何度も取材を受けて貰っている「回遊できる家」

 それでも奥さんが「上の2人は取材が大好きですし、守谷さんが居なかったらこの家はできていませんから」とまで言っ下さり……

 創り手冥利につきるのです。

 この日の取材は、9月30日発売 の『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』掲載されました。

8月 心の空き地にも水やりを‐1613‐

 20世紀初頭の啓蒙思想家、ジェームス・アレンは言いました。

 心という庭に、美しい花の種を植え、雑草を抜き、水やりをし、手入れをしなければ、花が咲くことも、実がなることもないのだと。

 美しい花の種は、美しい心からしか生まれてこないのです。

9月 ペリ追悼「建築は建築家よりも大切で、都市は建築より大切なもの」‐1625‐

 アルゼンチン生まれの建築家、シーザー・ペリが今年の7月に亡くなりました。享年92歳。

 9月にペリの作品、国立国際美術館で開催された「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」へ行ってきました。

 「都市は建築よりも大切で、建築は建築家よりも大切なのだ」

 当たり前のことを、完全に理解しているからこそ一流なのだと思うのです。

10月 香港・マカオの旅① <摩天楼、スターフェリー編>‐1630‐

 沢木耕太郎の「深夜特急」は、バックパッカーのバイブルと言われます。

 私も沢木ファンで、殆どの作品を読んでいると思います。

 そのスタートの地が、香港。

 若き日の沢木青年が夢中になった街は、期待を裏切りませんでした。

 ② <マカオ、100万ドルの夜景編>③ <美食の都と動乱編>④ <さよなら香港、人と街と建物編>と、4回に分けてUPしました。

 I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル」がひときわ美しかった香港。平静が戻ることを心から願います。

11月 地獄からの復活-1640‐

 近年、マツダのデザインが随分良くなったなと思っていました。

 「モノ造り革新」を推進、成功させた金井元会長は、当時どん底だった社内には「どうせ」という負け犬根性が蔓延していたと言います。

 そこで鼓舞するのです。

 弱者でも誇りは高くあれ

 少し手を加えさせて貰い「弱者こそ誇り高くあれ」だと書きました。

12月 お目が高い!‐1645‐

 houzzという建築の専門家紹介サイトで、「中庭のある無垢な珪藻土の家」のキッチンが、日本で5番目に多く保存されたということでした。

 特別なことをした訳ではないですが、地道に綿密にクライアントと創り上げたキッチンが選ばれたことがとても嬉しいのです。

 見る人は、必ず見てくれていると、自信になるのです。

 2019年の2月。10年務めてくれた田辺さんが産休に入りました。

 出産の前日まで仕事を務め上げてくれ、できる限りのことをしてくれ、本当に感謝しかありません。

 新入社員も数名採用しましたが、最も長く勤めてくれた女性で3ヵ月。1ヵ月未満の人も数人居ました。

 多くのオファーを頂き、それに何とかお応えするために、設計・監理に関しては私一人で全ての仕事を担当させて貰いました。

 チームを構成できなかったことは、自分の未熟さ故と反省しています。

 しかし、私が何かを譲歩して迎え入れることもないのだろうなとも思います。

 そんなことがこの時代に成立するのかしないのか、真剣勝負はこれからも続きます。

 ある同業の方が「日記、時々拝見しています。守谷さんの頭の固さがよくでていますよ」と。

 決して悪意ではなく、良い意味でとのことでした(笑)

 今年の状況は、ある程度予想出来ていたので、個人としての標語は以下のように決めていました。

 時間は命、全ての瞬間を全力で

 これを完全にできたということは、勿論ありません。ただ、気持ちとしては1年間持ち続けてきたつもりです。

 来年も、全く同じ気持ちで望むほかありません。「運命は勇者に微笑む」というジェフリー・アーチャーの言葉を信じて……

 今年もこの日記、そして現場日記にお付き合い頂き、誠に有難うございました。

 皆様にとって、2020年も素晴らしい一年となりますことを確信しています。

2019年12月30日 守谷昌紀

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

地獄からの復活-1642‐

 朝夕こそ冷えますが、日中は20℃近い日もあります。

 小春日和と言うよりは、小夏日和と言った方が近いかもしれません。

 大阪をブーツに例えるなら、かかとに位置するのが金剛山地。

 山の色にも暖色が混じり、気温とは裏腹に暖かな景色へと変化して行きます。

 ミカン畑には、濃い橙色の実があふれんばかりに。

 多くの果実は、熟れると暖色に変わるのも面白いところです。

 動物たちへ「美味しいよ!見つけて!」というメッセージだと考えれば納得できるのです。

 知人が面白かったと書いていた「マツダ  心を燃やす逆転の経営」を読みました。

 日経ビジネス編集部の山中浩之と元会長の金井誠太の対談形式になっています。

 近年、マツダのデザインが随分良くなったなと思っていました。

 長男が2年程前に「あの赤の車が格好いい」と言った事をよく覚えています。

 1980年代から90年代にかけて、低価格車メーカーのイメージを払拭するため、マツダの名前をあえて販売系列会社から外します。

 トップメーカーへの対抗措置でしたが、これが裏目にでます。

 販売は低迷し、それを補うための値引き販売。ユーザーが他メーカーに乗り換えたいと思っても、下取りが安くてままならず再びマツダで買い替えざるを得ない。

 これを「マツダ地獄」と言ったそうです。

 折角なら本物を見たいと思い、ショールームへ行ってみました。

 先週のことですが、定休日ではないのに休みになっていました。

 残念ながら外から眺めることに。

 マツダ3という車種のようですが、フロント部分も精悍だし、確かに色もいい。何故が「欧米っぽい」と表現したくなります。

 今更ながらですが、マツダは内燃エンジンでハイブリッド並の燃費を実現していると知りました。

 ガソリン自動車を発明したのはカール・ベンツですが、その基本構造は以下の通りです。

 ガソリンと空気を混ぜたものを圧縮し、スパークプラグによって着火、その燃焼圧力でピストンを押し下げて駆動力に変えます。

 圧縮比が高いと燃費とトルクが向上するのですが、高すぎると燃焼不良がおこるというのが常識でした。

 圧縮比率を従来の10から世界最高水準の14まで上げ、ハイブリッド並の燃費を実現したのが、マツダのエンジンなのです。

 その開発責任者、人見光夫は「教科書通りの非常識」と表現したそうです。成熟したかに見える業界にもこのようなことが起こり得るのです。

 よくある表現として、デザインは良いが機能がおろそか。機能は高いが、見た目がいまいち。

 もし、全責任を持つリーダーの下で計画が進んでいたなら、そのようなことは起り難いと思います。

 「モノ造り革新」を推進、成功させた金井元会長は、当時どん底だった社内には「どうせ」という負け犬根性が蔓延していたと言います。

 そこで鼓舞するのです。

 弱者でも誇りは高くあれ

 少し手を加えさせて貰えるなら「弱者こそ誇り高くあれ」だと思います。

 今年度の売り上げ予想が3兆7千億円の弱者もありませんが、最終的にはトップの志がチームの運命を決めるのだと思います。

 何も「地獄からの復活」でなくても良いのですが、人はそこまで弱いものだと、分かっておかなければなりません。

■■■『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載

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【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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