タグ別アーカイブ: houzz

「なにわ七幸めぐり」をしよう‐1767‐


 昨日こんなメールが届きました。

 Best of Houzz 2021 のご受賞おめでとうございます!

 「全世界の Houzz 専門家のうち約3%の方々にしか授与されないこの特別な賞」とあります。

 Houzzは建築の専門家紹介サイトです。

  当社の受賞写真はこちら。

 「中庭のある無垢な珪藻土の家」のキッチン横からの写真です。

  他の受賞写真をみると格好よいものばかりなので、「当社にも、もっと格好のよい写真があったのに」と思ったり、思わなかったり……

 しかし実際の特徴はもっと違ったところにあります。実は、昨年もこの写真で
「Best of Houzz 2020」を受賞しているのです。

 2年続けて上位3%に入ったということで、これはもう自慢してよいことのような気がします。

 

 先日、建築士の定期講習を受けた会場が、太融寺のすぐ近くでした。
 

 昼休みに少し歩いてきました。

 「なにわ七幸めぐり」という立て看板があります。

 心願成就とある、四条畷神社だけは行ったことがありません。

 太融寺は無病息災。人類が今最も欲しているもので、何ともタイミングがよい。

 都会の真ん中にある神社はとかく見下ろされがちなのです。

 

 名前も、場所も知っていましたが、境内に入ったのは初めてかもしれません。

 

 経車(マニ車)がありましたが、ネパールからの寄贈とあります。

 中にお経が納められているので、一回まわすとお経を一巻お唱えする功徳があるとありました。

 

 北西角には「淀殿之墓」がありました。

 大阪夏の陣の際に秀頼と自害したとされますが、豊臣家とゆかりのあるこの寺に移ってきたようです。

 信長を裏切り鯖街道を退却させてた浅井長政の長女なので本名は浅井茶々。

 母親は絶世の美女と言われた、信長の妹お市の方で、美しい人だったのでしょう。
 
 戦国時代の真っ只中を生きますが、後半生は苦難が重なります。

 秀吉が切望していた長男、鶴松を早くに亡くし、また秀吉亡き後は、つねに頼りなく描かれる秀頼とともに自らの命を絶った人生は、どのようなものだったのか……

 「なにわ七幸」の看板を意訳してみます。

①勉強ができる
②運がよい
③願いがかなう
④芸事、技術が上達する
⑤健康
⑥仕事がうまくいく
⑦家族の仲がよい

 冒頭に、「もっと格好のよい写真が……」と書きましたが、反対の意味も込めています。

 なぜこの写真が、2年も支持されたのか。

  「見せたいもの」と「見たいもの」は違うということだと思います。

 プロ側が「格好いいでしょう」と思っていても、多くの「幸せな家を建てたい」と思っている人は、もっと役に立つ、もっと快適に暮らせるヒントを真剣に探しているのです。

 「Best of Houzz 2021」でも、圧倒的に格好のよい写真の方が多いので、全てがこの基準だという訳ではありません。

 便利で効率のよいものだけを求めるなら、私の出番はないので、この両立を追求することが私の生きる道だと思っているのです。

  勉強ができ、運がよく、願いはかなえ、芸事が上達、健康で、家族の仲がよいから、商売がうまくいく。

 今年は「なにわ七幸めぐり」をしようかなと思います。

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

2019年 暮れは元気にご挨拶‐1654‐

 30年続いた平成から令和へと元号が変わった2019年。残すところ1日となりました。

 今年最後の日記は、勝手ながら私の1年を振り返ってみます。

1月 憧れのウェーデルン‐1549‐

 2019年の初日の出は、霊峰・御嶽山の麓から望みました。

 長男はボード、娘はスキーの腕を随分上げたなと感心したのです。

2月 運命のルーレット‐1562‐

 久し振りに「サロンのある家」に寄せて貰いました。

 竣工して13年が経ちましたが、こちらのクライアントには、本当に色々な事を教えて貰いました。

 この日も子供にお土産を頂いてしまったのです。

3月 サヨナライチロー‐1573‐

 不世出の天才打者、イチローがついに引退しました

 MLBに居るあいだに、観戦に行けなかったことに悔いが残ります。

 磯崎新が日本人として8人目のプリツカー賞を受賞したのも3月でした。

4月 毎日がスペシャルで記念日‐1574‐

 「さかたファミリー歯科クリニック」が、『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』に掲載されました。

 物創りが私の仕事です。

 そして、本気のクライアントと出会うため、出来上がった作品を発信し続けるのです。

5月 子供は鏡で未来‐1584‐

 娘が小学6年生になり、中学受験をするので旅行はゴールデンウィークまで。

 時々喧嘩もしますが、とても仲がよい兄妹です。

 子供は社会の鏡で、人類の未来。その基本は家庭にあることを肝に銘じておかなければなりません。

6月 私の年輪‐1597‐

 「Ohana」は2009年の竣工です。

 今年も恒例のBBQに呼んで貰いました。

 年輪は冬の成長が遅い部分が濃く見えるもの。

 労苦を伴わない仕事はありません。作品こそが年輪なのです。

7月 取材大好き‐1602‐

 何度も取材を受けて貰っている「回遊できる家」

 それでも奥さんが「上の2人は取材が大好きですし、守谷さんが居なかったらこの家はできていませんから」とまで言っ下さり……

 創り手冥利につきるのです。

 この日の取材は、9月30日発売 の『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』掲載されました。

8月 心の空き地にも水やりを‐1613‐

 20世紀初頭の啓蒙思想家、ジェームス・アレンは言いました。

 心という庭に、美しい花の種を植え、雑草を抜き、水やりをし、手入れをしなければ、花が咲くことも、実がなることもないのだと。

 美しい花の種は、美しい心からしか生まれてこないのです。

9月 ペリ追悼「建築は建築家よりも大切で、都市は建築より大切なもの」‐1625‐

 アルゼンチン生まれの建築家、シーザー・ペリが今年の7月に亡くなりました。享年92歳。

 9月にペリの作品、国立国際美術館で開催された「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」へ行ってきました。

 「都市は建築よりも大切で、建築は建築家よりも大切なのだ」

 当たり前のことを、完全に理解しているからこそ一流なのだと思うのです。

10月 香港・マカオの旅① <摩天楼、スターフェリー編>‐1630‐

 沢木耕太郎の「深夜特急」は、バックパッカーのバイブルと言われます。

 私も沢木ファンで、殆どの作品を読んでいると思います。

 そのスタートの地が、香港。

 若き日の沢木青年が夢中になった街は、期待を裏切りませんでした。

 ② <マカオ、100万ドルの夜景編>③ <美食の都と動乱編>④ <さよなら香港、人と街と建物編>と、4回に分けてUPしました。

 I・M・ペイ設計の「中國銀行ビル」がひときわ美しかった香港。平静が戻ることを心から願います。

11月 地獄からの復活-1640‐

 近年、マツダのデザインが随分良くなったなと思っていました。

 「モノ造り革新」を推進、成功させた金井元会長は、当時どん底だった社内には「どうせ」という負け犬根性が蔓延していたと言います。

 そこで鼓舞するのです。

 弱者でも誇りは高くあれ

 少し手を加えさせて貰い「弱者こそ誇り高くあれ」だと書きました。

12月 お目が高い!‐1645‐

 houzzという建築の専門家紹介サイトで、「中庭のある無垢な珪藻土の家」のキッチンが、日本で5番目に多く保存されたということでした。

 特別なことをした訳ではないですが、地道に綿密にクライアントと創り上げたキッチンが選ばれたことがとても嬉しいのです。

 見る人は、必ず見てくれていると、自信になるのです。

 2019年の2月。10年務めてくれた田辺さんが産休に入りました。

 出産の前日まで仕事を務め上げてくれ、できる限りのことをしてくれ、本当に感謝しかありません。

 新入社員も数名採用しましたが、最も長く勤めてくれた女性で3ヵ月。1ヵ月未満の人も数人居ました。

 多くのオファーを頂き、それに何とかお応えするために、設計・監理に関しては私一人で全ての仕事を担当させて貰いました。

 チームを構成できなかったことは、自分の未熟さ故と反省しています。

 しかし、私が何かを譲歩して迎え入れることもないのだろうなとも思います。

 そんなことがこの時代に成立するのかしないのか、真剣勝負はこれからも続きます。

 ある同業の方が「日記、時々拝見しています。守谷さんの頭の固さがよくでていますよ」と。

 決して悪意ではなく、良い意味でとのことでした(笑)

 今年の状況は、ある程度予想出来ていたので、個人としての標語は以下のように決めていました。

 時間は命、全ての瞬間を全力で

 これを完全にできたということは、勿論ありません。ただ、気持ちとしては1年間持ち続けてきたつもりです。

 来年も、全く同じ気持ちで望むほかありません。「運命は勇者に微笑む」というジェフリー・アーチャーの言葉を信じて……

 今年もこの日記、そして現場日記にお付き合い頂き、誠に有難うございました。

 皆様にとって、2020年も素晴らしい一年となりますことを確信しています。

2019年12月30日 守谷昌紀

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

お目が高い!‐1647‐

 庭木のサザンカが満開です。

 築38年の古家を買ったのが8年前。

 よって、私が選んだ庭木は1本もありません。

 毎朝、この小さな庭に向かって瞑想しますが、花木の変化が、日々に僅かな平静を与えてくれるのです。

 初代阪急梅田駅のホームだったコンコースもクリスマス仕様になっていました。

 14年前に書いた「阪急梅田の歴史」はこの日記で、最も読まれている記事のひとつだと思います。

 私にとっては、中学、高校、予備校の通学路でもあり、原風景のひとつなのかもしれません。

 火曜日に「おめでとうございます! あなたの写真が Houzz の特集記事に取り上げられました」というメールが届きました。

 Houzzは、建築関係の専門家紹介サイトですが、世界規模のサイトでもあり、作品が完成する度にUPしています。

 貼り付けてあったURLをクリックすると、

【2019年】日本のHouzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編 

 とあります。

 2018年1月〜2019年11月15日までにアップロードされた写真のうち、2019年1月〜11月15日までの間に日本のHouzzユーザーがアイデアブックに保存した写真のデータに基づいています。

 ともありました。

 「中庭のある無垢な珪藻土の家」のキッチンが、日本で5番目に多く保存されたということでした。

 こちらの奥様は本当に忙しい方で、相談に見えてからも、動きやすい配置をよく勉強、研究されていました。

 ゴミ箱を置く位置や、ゴミ箱上にある小さな棚にはストック用のゴミ袋を置いて置きたいなど、詳細までイメージが出来上がっていたのです。

 キッチン裏にある家事スペースは、仕事も出来るようにダイニングと距離を取りながらも、顔を上げればお子さんが見えるような開口で繋がっています。

 もの凄く広いLDKなら無条件に賛成したのですが、家事スペースをキッチン後ろにとると、少しリビングが狭くなるかもと懸念していました。

 本当に奥様の希望通りの配置にしても良いものか、随分悩んだのです。

 悩みに悩んだのですが、希望の通りのプランで行くことにしました。

 おそらく人生で最も沢山のお金を掛ける「家」に関わらせて貰っているので、悩んだり逡巡することばかりです。

 しかし、ある時気が付きました。

 自分が答えをどうしても出せない位に迷っている時は、どちらに進んでも大丈夫だと。

 このキッチンは、特別な材料を使っていたり、驚くような配置になっている訳ではありません。

 もっとはっきり言えば、格好のよいキッチンは他にも沢山あったはずです。
 
 その中で、この写真が選ばれたことに、見る人がどれだけ真剣に何かを探しているかを感じるのです。

 「お目が高い!」と言えば、目線が上から過ぎるでしょうか。

 こんなプレゼントが時々届くと、「ああ、間違っていなかったんだ」と勇気が湧いてきます。

 小さな結果の積み重ねが、一所懸命に働けば、必ず誰かが見てくれているという確信へと繋がって行くのです。

 これを、梅田のコンコースを通って通学していた頃に分かっていれば、最終学歴はマサチューセッツ工科大学だったはずですが、それはもう叶いません。

 ただ、エリートではないから分かり得ることもあると思います。負け惜しみかもしれませんが。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

10年ひと昔‐1617‐

 月曜日から娘の小学校が始まりました。

 週休2日が増え、休みが多すぎるとは思いますが、長い夏休みは学生の特権です。

 8月は目一杯休んでも良い気もします。お母様方は少しでも短い方が良いと思いますが。

 本日の『houzz』の特集記事 「滋賀の家の家」が紹介されていました。

 『住まいの設計』『月刊ハウジング』にも掲載され、沢山のメディアに露出してくれました。

 SUVACOのインスタには「回遊できる家」が上がっており、「阿倍野の長屋」と合わせて、親孝行な作品三羽ガラスです。

 山城跡という敷地条件がまず特別です。

 それを活かしたへの字のプランに、セカンドリビングと繋がる吹抜けがこの家の中心です。

 環境は普通ではありませんでしたが、ご家族はとても気の良い方ばかりでした。

 このカットは料理が得意なご主人が、ご馳走してくれた時のものです。

 お菓子作りが得意な奥さん。

 得意と書くと、ご本人は嫌がるかもしれませんが、シューズクローゼット、キッチン、パントリーと続く動線は、この後の仕事にも活かすことができました。

 キッチンからの景色も圧巻なのです。

 しかし今回採用された写真は、上記のパントリー内の写真。

 見せたい写真と、見たい写真が異なるケースは多々あるはずです。

 それに応えるのも私の仕事かな、と思い撮影した写真が取り上げられることは結構あるのです。

 楽あれば苦ありで、わざわざ審査会場まで模型を持ちこんだキッズデザインアワード。

 先週、選外の連絡がありました。

 現行プロジェクトを進めながら、寝る時間を削って提出したものですし、正直自信もあったのですが……致し方ありません。

 朝のジョギング中に見たヒマワリみたいな気分です。

 「太陽がでていない時は、こんなに下を向いてるんだな」と思い、見ていたのです。

 ヒマワリと言えば、これまでのベストショットは、2009年夏の旅行でしょうか。

 吉田あたりだったか、富士山を従えたカットは壮観です。

 青い空に黄と緑のヒマワリ。

 「鮮やか、ここに極まれり」といったところでしょうか。

 カット違いですが、家族用の年賀状に使ったので、よく覚えているのです。

 39歳なら49歳、1歳なら11歳。10年ひと昔とはよく言ったものです。

 「歳を取った」のではなく、「生きた」と言える10年でありたいものです。

 太陽が昇れば上を向き、沈めば下を向くのが自然の植物なら、意思をコントロールできるのが人間です。

 夢は遠いなあと思いながらも、心の中の太陽=夢は、いつも南の空に上げておくしかありません。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■9月9日(月)14:00~17:00 サンワカンパニー
<グランフロント大阪>にて「無料相談会」に参加
■9月15日(日) 9:00~12:00 高槻高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加

【News】
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

トップってやっぱり凄い‐1578‐

 houzzの特集記事で、「中庭のある無垢な珪藻土の家」が取り上げられました。

 こちらのご夫妻は、ともフルタイムで働いておられ、家事動線は考えに考えました。

 このゴミ箱の入った写真を撮りたがる創り手はあまり居ないと思います。

 しかし、このカットにこの家のストーリーが詰まっているのです。

 見難いのですが、ゴミ箱の上にゴミ袋を置く小さな棚があります。

 ゴミを捨てた後、すぐに新しい袋を取り出せるよう、蓋の開け閉めの邪魔にならないギリギリの位置を模索しました。

 このカットは、ご家族だけが通る動線からのもので、お客さんには普通見えません。

 しかし、記事を書く人は必ず欲しいと思うアングルだと分かって撮影しました。言ってみれば確信犯なのです(笑)

 桜も終わり、新緑をもとめて七色ダムまでやってきました。

 曇り空ではありましたが、やはり自然の中は最高です。

 普段行く池原ダムが大減水でボートが降ろせず。

 それでこちらに来たのですが、20代の頃から来ている勝手知ったる湖です。

 集落が湖畔すぐにあり、穏やかな景色が広がります。

 湖面には散った花びら。

 まだ残っている桜もありました。八重桜でしょうか。

 人にとっての気温以上に、魚は水温に敏感です。

 この日、最も水温が高ったところは13.7℃。

 この時期は、水深の浅い上流部が温まりやすく、魚もそこに集まる傾向があります。

 スロープで事前に情報を聞いていたこともあり、最上流部からスタートします。

 いきなり来ました。

 岸際を意識している大きな魚体が見えました。

 岸寄りの岩盤の上に、鮒を模したルアーをステイさせておきました。水深2mくらいでしょうか。

 ゆっくり魚体が寄って行き、フッと反転したのが見えたのでフッキング。

 完璧な展開でしたが、実はこの釣り方は全くの受け売り。

 先週この地で、日本でのトップカテゴリーの試合がありました。優勝した三原直之選手はその釣り方を公開しており、それを真似ただけなのです。

 それで、このサイズの魚を獲らせてくれるのですから、どんな世界でもトッププロは凄いものです。

 52cm、1.6kgの素晴らしい魚でした。

 2月の釣行ではウグイだけだったので今年の初バス。幸先のよいスタートです。

 この日はこれで満足してしまい、早め上がりましたが、大きな魚が沢山上がっていたとのことでした。

 プロの選手とは言え、試合は今後も続くので、少しはキモの部分を隠しておきたいはずです。

 しかし、マンスリーアングラーの私が簡単に魚を手にできたところを見ると、全てを公開してくれたようです。

 経験的に言えば、どんな世界でもトップまで上り詰めるのはこのタイプのような気がします。

 プロ野球のオールスターの場で、ある選手が世界の王貞治に、一本足打法について尋ねました。すると、何でも丁寧に教えてくれたと言います。

 それを見て、逆に凄い自信を感じたと語っていました。

 同じくオールスターの場で、400勝投手の金田正一に、その落差の大きなカーブの投げ方を尋ねると「教えて欲しかったらゼニもってこんかい」と言われたそう。
 
 それはそれでご愛敬ですが。

 プロというのはやはり誰かを幸せにしなければ、その存在価値はありません。

 もう少し言えば、幸せにし続けなければプロを持続することは出来ません。

 この日曜日は、随分幸せにして貰ったので、今後も三原選手を応援したいと思います。

 誰もが世界の王になれる訳ではありませんが、出し惜しみが成長を妨げるのは間違いありません。

 やはり、やるからにはトップを目指すしかありません。

■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

これが私の生きる道‐1486‐

 郊外を走っていると、田植えの季節だとわかります。

 温暖で多湿な日本は、放っておくと何かが生えてきます。

 雑草の手入れを最小限にするために考えられたのが水田という手法です。

 苗床といったか、小さな苗がぎっしりとあります。

 植えられてすぐは水面が広く、まるで水盤のようです。

 本日、houzzというサイトで「あちこちでお茶できる家」を取り上げてもらいました。

 「心地よい暮らしを追求する都市型住宅、大阪の家12選」の中の1軒です。

 正直、1番目でなく少しがっかりしていたのですが。

 こちらのクライアント、この時期は田植えでとても忙しく、打合せを1ヵ月くらい空けたことを思い出します。

 立派な家業があるのですが、代々の兼業農家でもあり、この時期は家族総出なのです。

 田植えが始まったということは間もなく梅雨。九州と四国で梅雨入り宣言がありました。

 先週金曜日はトレジャーキッズたかどの保育園へ、追加の撮影に行っていました。

 鯉のぼりも青空の下、気持ちよさそう。

 何とか梅雨までに、一通りの撮影を済ませたかったのです。

 「中庭のある無垢な珪藻土の家」は少し雲がありました。

 それでも粘って、粘って青空に。

 「碧の家」は快晴でした。

 晴れると色がさらに映えるのです。

 日本人として、利休の唱えた「詫び錆び」の精神を理解しているつもりです。

 クライアントに求められなければ、私から原色を使うことはありませんでした。

 しかし、色彩に対して吹っ切れたのは、「あちこちでお茶できる家」を設計してからだと思います。

 スタート当初「生活には沢山の色があるので、まずは背景としての色使いから考えたほうがよいのでは」と言っていました。

 「人は、建築は自由であるべき」と唱えていたにも関わらず、です。

 しかし、ご家族の「大好き」や「本気の夢」を私が止める理由など全くありませんでした。一緒に考え、悩み、幸せの景色を創造できたと思っています。

 この春に撮影した写真が続々と届いてきます。

 それらをまとめ、整理して世間へと発表。そして、自分達の存在意義を問います。

 営業にでる訳でなく、誰かに仕事を紹介して貰う訳でなく、ただこのルーティンを延々と繰り返し、オファーを貰い続けてきました。

 そう考えれば、奇跡的だなと思うことがないでもありません。

 謙虚でありたいと思いますが、意味もなく頭を下げるのは嫌いです。定期的に付き合いがあるから発生する仕事も不要です。

 何故なら、本気で求めてくれるクライアントと仕事をしたなら、そのような仕事はとても出来ないからです。

 この日記もそうですが、どこかで、誰かの目に触れることを信じて、または夢見て、描き、創り、撮り続けます。

 何の担保もありません。しかし、これが私の生きる道だと思っているのです。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<</a

日経新聞は面白かった‐1453‐

 今日から2月に入りました。

 厳しい寒さは続きますが、徐々に日が長くなっていくことに、季節の進行を感じます。

 1月の中旬に、

 「Best of Houzz 2018 受賞おめでとうございます!」

 というメールが届きました。

 Bestとなっていたので、全ての中で一番だと思い、喜んでサイトを見に行くと、大阪のリビングルームというカテゴリーの中で選ばれたようです。

 7枚の中の1枚に、「松虫の長屋」のリビングの写真がありました。

 このcutは、写真家の平井さんが「2015年の Best cut」と言ってくれたもの。勿論嬉しいのですがちょっと微妙な感じもあります。

 かなり絞られたカテゴリーなので、正直、betterくらいでしょうか。

 火曜日の夜、久し振りに大学時代の友人と、梅田で会っていました。

 お初天神通りの「ニューミュンヘン」が改修工事中で、別館的な「北大使館」へ。

 この店のこだわりも生ビールです。

 ここの生ビールは飲みやすく、やっぱり美味しい。

 閉店の11時まで、2人で話し込んでいました。

 彼は高槻でjamjamという設計事務所を経営する、いわば同業です。

 彼とは、私が創業して3~4年目あたりは一緒に仕事をしていました。私がお願いして、アトリエmに来て貰ったのです。

 設計、デザインのことをズバッと意見してくれる彼の存在は、本当に貴重でした。友人であり、パートナーでもあったのです。

 同じく、時々アドバイスをくれる知人に、「seiundo」の社長がいます。

 もうひとつ経済に弱い私に、以前から「日経新聞を読んだ方がいい」と勧めてくれていました。

 あまりそういったことに興味がなく、グズグス言っていたのですが、ようやく昨秋から購読をはじめました。

 確かに面白いのです。

 日本経済新聞社という社名から、お堅い記事をイメージしていたのですが、アート、スポーツなどの記事も分厚く「流石」と言いたくなります。

 サッカーの現役最年長選手、三浦知良さんのコラムがあります。

 彼は勉強などしたことがないと書いていましたが、その含蓄ある内容の素晴らしいこと。

 果たして勉強って、何なのだろうと思います。

 「私の履歴書」は、著名人が1ヵ月に渡り、自身の半生を語る名物コラムです。

 昨年の12月は、元プロ野球選手の江夏豊さんでした。

 オールスター9連続奪三振、江夏の21球と、多くの伝説を残した名投手ですが、コラムは覚醒剤事件のお詫びから始まりました。

 その生い立ちから興味深いものばかりでしたが、私が立ち止まったのは、こんな話のところでした。

 1967年、阪神でキャリアをスタートさせた江夏投手は、2年目の1968年に、年間401個の三振を奪っています。

 これは日本記録であり、メジャーリーグでのノーラン・ライアンの383個を上回ります。

 この年、勝利数は25で最多勝も獲得。しかしMVPに選ばれませんでした。

 この時から、人が評価をする賞には全く興味が無くなったとありました。

 このあたり、彼の無頼漢な雰囲気に通じるところがあり、人生感を決定づけたのかもしれません。

 401奪三線は、その数字が越えられるまで、時代がどれだけ変わろうとも、日本一、いや世界一かもしれません。

 この絶対的数値を持つアスリートは、常に自分が世界一とも言えますし、実際そうです。

 言い方は難しいのですが、世界一という甘美な重荷を背負ったまま、その後の人生を生きることになるのです。

 しかし、大衆も、メディアも移ろいやすいものです。

 グラウンドでカクテル光線を浴び、多くの観衆の目を引き付ける快感を味わったなら、それを越える体験はそう起りえないだろう。

 行間から、そんなことを感じていました。

 ちなみに、夕刊は産経新聞をとっています。娘が、読者投稿のコラムがいたく気に入っているからです。

 結論として、日経新聞は面白かった。人のアドバイスはやはり善意で聞くものです。

縁のあるなし‐1401‐

 8月にはいりました。英語ならAugust。

 カレンダーの真ん中にアウグスティヌス帝が割りこんで来た話は以前書きました。

 先月のことですが、阪神電車の淀川駅へ。

 この駅は、その名前の通り淀川のすぐ南にあります。

 梅田へ向かって、大きくカーブしはじめるところに駅があり、ホームがかなり傾いているのです。

 写真ではもうひとつ伝わりませんが、びっくりするくらい傾いています。

 設計のオファーをもらったのですが、ある事情で建物が建てられないことが分かりました。

 それを報告に行ったのです。残念ながらご縁がなかったということでしょうか。

 何年前だったか、homifyという会社から国際電話がありました。

 「建築や、インテリアの作品を集めたwebサイトなのですが、御社のページをつくってもらえませんか」とのこと。

 メールも電話も丁寧だったので、早速アトリエmのページをつくりました。

 ドイツが本社のようですが、時々特集記事を書いてくれ、とても良い扱いをしてくれるのです。

 先日は、19年前に竣工した「白馬の山小屋」まで特集記事で取り上げてくれました。

 その他、「松虫の長屋」「長田の家」「紫竹の家」「イタウバハウス」「高台の家」UPした作品は概ね記事にしてもらっています。

 ローコストの家20選!では、「細工谷の家」「城陽の家」「イタウバハウス」「柏の家」の4つが選ばれていました。

 あまりローコスト、ローコストと言われると、クライアントも私も微妙な感じですが。

 また「houzz」はアメリカ発のサイトで、こちらも数年前にリクエストがきたので、ページを作成しました。

 先日みてみると「遠里小野の家」のクライアントが、コメントを書き込んでくれています。

 床や壁の色はこだわった所ですが、一つ一つに納得のいく方向性で進んだので、数年たった今でも気に入っています。
 両親や兄弟などを時々招いて食事をしたり、楽しい時間を過ごすこともできました。
 表札のデザイン、階段の手すりの位置や手触り、四角い可愛いライト、洗濯室の天窓から見える空、細かいところで改めて「いいな」と思えるのは選ばれたデザインだからこそのものと思います。

 それもあってか、このサイトも扱いが結構上になっていました。

 私は本当にクライアントに恵まれていると思います。

 少しでも多くの人に、私達の物語を知ってもらいたいと思い、何人かのクライアントに「もしよければコメントを」とお願いしてみました。

 「柏の家」のクライアントも書き込みをしれくれたのです。

「柏の家」の設計をしていただきました。
「家を建てよう!」と思い立った時、一生に一度、世紀の買い物だったので色々情報を集めました。
何人ものハウスメーカーの方、建築家の方とお話をさせてもらいましたが予算が少ないこともあり皆さんから「妥協が必要」ということをダイレクトに、遠回しに言われました。
そんな時偶然守谷さんを紹介するサイトを見つけそこには
「夢を叶えましょう」
と書かれていて…
「この建築家さんにお願いしてみたい」
衝動にかられ早速電話をかけ、大阪まで会いに行きました。
とはいえ半信半疑です。
守谷さんは大阪、こちらは千葉。
まともに話を聞いてもらえるのだろうかという不安を抱えての出発です。
実際にお会いして家を建てるにあたっての条件、希望を伝えました。
(受けてもらえるのだろうか?)
不安をよそにあっけないくらい我が家家づくりの仕事を引き受けていただけることになりました。

ここからが本番です。
限られた予算であることは重々承知しているのでメリハリをつけた家づくりを進めていこうと決心はしていたものの所々で
「やっぱりここはこうしたい」
という欲がでてきます。
その都度守谷さんが持たれている引き出しの中から
「じゃあこうしましょうか」
というアイディアを引っ張り出して提案をしていただきました。
家の正面をサッカークラブ、リヴァプールのホームスタジアムの外観を模したものにしたいという希望を叶えていただきバルコニーの床をグレーチングにすることで一階にも光が当たるようにもなっています。
最終的にロフトもバルコニーにに続くお風呂も実現し全てのドアを引き戸にすることで限られたスペースを有効活用することもできました。

二階に寝転がりこの家に住めて本当に幸せだなあと思いながら高い天井を眺めています。

「柏の家」のクライアントは、初来阪の際は千葉から車でみえました。

 随分盛り上がった打合せのあと、再び車で帰っていかれたのですが、6時間前後はかかるでしょうか。

 名神、東名と乗り継ぎ、間もなく東京というあたりで、エンジンの様子がおかしいことに気付いたそうです。

 ちょうど整備に出したあとで、整備士がエンジンオイルのキャップをし忘れていたそうです。

 異変を感じ、サービスエリアに寄ったことで何とか大事故にならずに済みました。

 それらを含めて、全てが家創りの物語なのです。

 一生に一度、世紀の大事業に立ち会わせて貰う。

 まさに「縁」としか言いようのない大きな後押しが無ければ、計画が前に進むことはありません。

 しかし、存在を示していなければ、知って貰えなければ、良縁がやってくることありません。小さな存在ですが、声をあげ続けたいと思うのです。

 8月が来たということはひとつ歳を重ねたということで、47歳になりました。

 何があっても絶対シナない、くじけない47歳を目指します。