タグ別アーカイブ: 事故渋滞

全力で、真剣に、人を好きになる。志村けん‐1813‐

昨日、新型コロナのワクチンの1回目を接種しました。

無料だという事。どのワクチンを接種するかの選択権はない事。

この2つは、接種を終えて自分事として理解できました。

接種券が届くと、すぐに近所の内科に連絡しました。

「キャンセルがでたら、15分前でも電話下さい。すぐに駆けつけますので」と妻に伝えて貰ったら、早々に繰り上げの電話があったのです。 

私の場合は、副反応らしきものは全くありませんでした。

コロナ下への社会の入口で、最もセンセーショナルだったのは、この人の死だったと思います。

志村けんさん。

享年70歳。生涯、コメディアン。

春先に放送があったのですが、一昨日ようやく観ることができました。

私は小学校の高学年で「ひょうきん族」へ移った派ですが、それまでは、もちろん「8時だヨ!全員集合」を楽しみにしていました。

「志村~!うしろ~!」に始まり、印象に残る場面が沢山あります。

髭ダンスもそのひとつ。

今観ると、これ程無国籍なショーはありません。まさに唯一無二。

志村さんは「これ名作みたいなのを常につくりたいんですよね」と語っていましたが、心に残った話が2つありました。

らしく見せるコツは何か。

僕の場合は、その人物を徹底的に好きになることだ。

好きになればこのおばあさん、例えばこういうことはしないとか。

ひとみばあさんは、実在の飲み屋のおばあさんだそうです。

もうひとつは、芸人としての後半生を一緒に過ごしたダチョウ倶楽部の3人が語った話です。

テレビでも共演する機会が多かった彼らは、舞台でのオープニングトークを任されていました。

彼らの良く知られた持ちネタで「どうぞどうぞ」があります。

ちょっと嫌なことを押し付け合うという設定で、3人がもめだします。すると、リーダーの肥後さんがまず手を上げ「いいよ俺が行くよ!」と。

負けじと寺門ジモンさんが「俺が行くよ!」と。

最後に上島さんが「じゃあ俺がやるよ!!」というと、2人が「どうぞどうぞ」と早々に譲るあのネタです。

舞台裏でオープニングトークを聞いていた志村さんは、「今日、どうぞどうぞのギャグやった?」と尋ねたそうです。

肥後さんが「最近ウケないからやらないんですよ」と答えると、「自分が飽きちゃだめなんだよ」と。

「世の中が飽きる前に自分が飽きちゃってるんだよ。真剣にやったら絶対ウケるから。あれ面白いから」と怒られたそうです。

それから3人は真剣に取り組むのですが、するとやっぱりウケるのだと語っていました。

 「人を好きになる」

 「全力で、真剣に」

友人にも知人にもコメディアンはいないので、やはり特別な才能が必要なのだと思います。それでも大切なことは、この2つだと、髭ダンスで、変なおじさんで、バカ殿は言うのです。

何と奥の深い話しかと、おもわずため息がでてしまいました。

人の命は等しく尊いものですが、亡くなった時、どれだけ惜しまれるかは、同じではありません。

それは志村さんの生き様が示す通りです。

良い人が先に亡くなるという話はあながち嘘ではないのかもしれません。

志村さんが「俺がマスクしてたら、場が盛り上がらない」と思ってとしたら。「マスクをしていたら、ホステスさんを笑わしきれない」と思ったとしたら。

ただの想像ですし、「良い人」の行動と言えないかもしれませんが、全く無い話ではない気もするのです。

ワクチンが効くのか効かないのかも私には分かりません。

コロナ下の社会で自分ができることがあるならしよう。それだけです。

もしかすると副作用で死んでしまうかもしれませんが、どうせ人は1度しか死にません。

自分のことばかり言っている人にはなりたくないなと思うのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

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戦うに値する、この美しい世界‐1812‐

 土曜日の朝、八尾ICから近畿道に乗りました。

 現場へ向かうためですが、すぐに「東大阪JCTから事故渋滞」の表示が目に入りました。

 遅れるかなと思いながら八尾料金所を通過すると、すぐに出口が。

 そのまま流出して、阪神高速に乗りなおし。第二阪奈で雨上がりの奈良へ入りました。

 近畿道1km250円。高いのか、安いのか分かりませんが、間に合ったので良しとしましょう。

 「3つの庭を持つコートハウス」の打合せが終わり、次の現場へ移動します。

 こちらの現場は、完成後に現場日記を公開予定です。

 かなりダイナミックなリノベーション計画なので、楽しみにしていてください。

 どんどん天気が回復してきて、真夏のような日差しになりました。

 雨と日差し。

 植物にとって、最も好ましい季節が梅雨です。

 近所の家庭菜園でもグングン成長するのが、見ていて楽しいくらい。

 青いミニトマトも愛らしく。

 すでに熟しているものもありました。

 そう言えばOhanaの裏庭で、カメラマンの石井さんがナスビを育てていました。

 菜園をしている人にとっては当たり前なのでしょうが、茎から葉脈まで紫でびっくりしましたのです。

 よくみるとアブのような虫が。アブもミツを吸うのでしょうか。

 紫の花も極めて美しいのです。

 「この世界は美しいところであり、そのために戦うに値するものであり、そしておれは、この世界を去ることを心からいやだと思う」

 『誰がために鐘は鳴る』でアーネスト・ヘミングウェイは語りました。

 少し目をこらして見ると、世の中は美しいもので溢れています。

 そして自ら去らなくとも、命はいつか尽きます。

 日々飛び込んでくる朗報、訃報を見ながら、そんなことを考えていました。
 
 やはり、戦うに値するのが、この美しい世界。

 それは、ヘミングウェイだけでなく、誰にも等しいはずなのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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車という戦友‐1756‐

 建築の設計・監理の中に、「現場説明」という仕事があります。

 競争見積りに参加する建築会社に図面を渡し、現場にて説明をするので、まさに文字通り。

 普段は略して「現説(ゲンセツ)」です。

 先週土曜日、現説へ向かうため、会社を8時頃出ました。

 阪神高速松原線はいたって快適。

 ところが東大阪線に乗り換える前に「事故渋滞高井田まで6km」と掲示板に出ました。

 駒川で乗った時には無かったものです。

 事故が起こった直後のようで、1時間ほど渋滞に引っかかってしまいました。

 35歳くらいまでなら、かなりイライラしていたと思いますが、そこはすでに50歳。

 迷惑を掛けてはしまいますが、こんな景色をゆっくり見れることも無いと覚悟を決め、クライアントと建築会社に連絡を入れたのです。

 昨年亡くなったシーザー・ペリ設計の、大阪NHK放送会館・歴史博物館が見えてきました。

 更にクリスタルタワー等の高層ビルを従えた大阪城も。

 また、難波宮跡あたりでは、阪神高速は急に高架でなくなります。

 埋蔵文化財の件なのか、太閤様より高い目線は不届きだとなったのか。

 おそらく前者なのだと思いますが、これも車ならではの景色です。

 ようやくノロノロ運転が終わり、第二阪奈を降りると生駒盆地です。

 野焼きの匂いが懐かしい。

 北上して学研都市を抜けたのですが、ここはまるで近未来都市のようです。

 中心部にある京セラの研究所。

 師事させて貰った稲盛さんの会社ですから、目礼して通り過ぎました。

 さらに北上すると一気に里山の風景に変わりました。

 柿がたわわに実り、まさに日本の風景。

 車移動には楽しみが多いのです。

 車の免許を取って30年近くなりますが、先日車を擦ってしまいました。

 代車にやってきたのがトヨタのカムリ。

 ハイブリッド車を運転するのも初めてですが、生まれて初めて乗った車がカムリでした。

 父が乗っていた白のカムリを貰ったのですが、この車は息が長い車なのです。

 トヨタのwebサイトを見に行くと「生誕40周年」とでていました。

 北米での乗用車部門では、販売台数がトップレベルだったはず。

 1年程カムリに乗ったあと、20年に及ぶハイラックスサーフ人生が始まりました。

 ハイラックスサーフの国内販売が終わり、2011年にディスカバリーに乗り換えたのですが、北米では現在でも「4RUNNER」として販売されています。



 初代サーフの写真が2枚しかないので、若気の至りをお許し下さい。

 2代目サーフ、初代ディスカバリー、2代目ディスカバリーです。

 当時のカムリではないものの、私の車人生のピースが埋まりました。

 2030年代には、ついにガソリン車に乗れなくなるようです。

 地球の環境問題は、個人の趣味嗜好より断然上にあるものだと理解しています。

 いずれ来る事は分かっていましたが、パワフルな車の無い人生を今は想像することができません。

 私にとって車は単なる物ではなく、人生のパートナーであり、戦友そのものなのです。

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載
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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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