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大阪シティバス 62号に乗って‐2270‐

先週土曜日の朝7時半、アトリエから一番近い上本町1丁目のバス停で待っていると、定刻から3分程遅れて到着。

自転車か電車が早いのですが、大阪シティバスに乗ってみました。

妻の友人が近くに住んでおり「この辺りはバスが便利よ」と聞いてきたのです。

大阪駅行きの62号系統で、健康診断に淀屋橋まで行ってきました。

上町筋を北上すると、難波宮跡、大阪城を右手に見る、なかなかの景色です。

土佐堀通に突き当り左折。丁度、京阪電車が通過します。

天満橋、天神橋、難波橋の大阪の三大橋を右手に眺めながら、15分程で淀屋橋に到着しました。

市役所周辺の街路樹も、見事に色付いていました。

健康診断が終わり、バス停まで行くと待ち時間が20分程あります。

それなら歩いて、62号系統から見える景色の復習かなと。

淀屋橋南詰にある「かき広」と大阪市役所。

以前、食事に行こうという話になったのですが、未だ実現していません。

一度は行ってみたいところです。

この辺りは、水都にふさわしい景色です。

土佐堀通を東へ歩きます。

北側の建物は土佐堀川の借景を取り入れた建物が多いのは必然でしょう。

ケーキ屋さんでしょうか.

すぐ東には中央公会堂。

難波橋を越えると、北浜レトロビルヂング。

こんな古民家も残っています。

箱軒が見えているので、昭和初期くらいの建築でしょう。箱軒は関東大震災のあと、防火対策として急速に広まったものです。

北浜レトロビルヂングの完成は明治45年(1912年)とありました。

堺筋を中心に、周辺には明治、大正、昭和の建物が本当に沢山残っており、建築が大切に使われているのが分かります。

先の古民家の東には、seiundoが入っている北浜1丁目平和ビル。

5階にあるオフィスですが、2016年に完成しました。

竣工写真は、何故か私が入っているという。

眼下に広がる土佐堀川とバラ園の景色は絶景と言ってよいものでした。

難波橋、天神橋をすぎ、大阪三大橋の最後は天満橋。

大阪城まで帰ってきました。

大阪府庁前で、20分程前に出たバスに追いつかれます。

ゆっくり歩いて45分の道程でした。

62号系統は、大川周辺の観光名所を巡る感じなので、路線周辺に住んでいる方にはお勧めです。

大阪シティバスの運賃は一律210円。それで観光バスに乗った感じの、お得感が最高でした。

『メトロに乗って』は浅田次郎の長編小説です。地下鉄がタイムマシンの役割を果たし、過去と行き来しながら、自分の父親、兄などの過去を知っていきます。

沢木耕太郎の『深夜特急』も路線バスを乗り継ぎ香港からロンドンを旅する話ですし、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』という人気番組があったとも聞きます。

公共交通は、誰もが共通体験を持っていますし、感情移入しやすいのでしょう。

高速道路を使わない日本一長い路線バスと言えば、奈良交通の「八木新宮線」で、169.9kmあります。

所用時間は6時間半。休憩が3回あるそうで、橿原市の大和八木駅から、十津川村を抜ける168号線で和歌山の新宮までの道のりです。

一度乗ってみたいと思っていますが、6時間半も乗っていると、本当にタイムスリップするのかも……

■■■10月1日(水)『建築人 10月号』「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」
が掲載されました■■■

■■8月1日(金)患者さんでなくても立ち寄ってほしい「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」JIA(日本建築家協会)のトップページに掲載されました■■

■9月28日(日)地域のために、リハビリ棟を増築「ささき整形外科クリニック」内覧会開催

■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■

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建築家・守谷昌紀TV

毛馬水門から知る事実‐1636‐

 今日は秋晴れで、気持ちの良い一日でした。

 近くに所用があったので、毛馬水門辺りを初めて歩いてみました。

 向かって右の上流側を望むと、琵琶湖から豊かな水が供給されていることがよく分かります。

 四大文明が全て大河の畔で発展したように、飲み水としてだけでなく大河は重要な流通路でもありました。

 堤防の上に「蕪村生誕地」の石碑がありました。

 春風や 堤長うして 家遠し

 芭蕉らと共に江戸時代を代表する俳人である与謝蕪村は毛馬村の出身でした。

 春の海ひねもすのたりのたりかな

 教科書にも出てくる句ですが、大阪らしいユーモアが含まれている気もしてきます。

 その句碑が見下ろす先にあるのが「淀川大堰」です。

 水道水、工業用水の確保が目的で、少し上流にある柴島浄水場から各家庭に上水が届けられているのです。

 日本最大級の潮止、取水堰なのです。

 「平野区史」からの抜粋なので、大和川にフォーカスされた資料ですが、一番上の淀川が毛馬あたりでまっすぐに付け替えられたことが良く分かります。

 かつて淀川は、下流部で大川・中津川・神崎川に分派し、度々大きな水害を起こしていました。

 1886年(明治29年)に、大規模な淀川改修工事が始まります。

 そして1910年(明治43年)に、大川に流す水量調整等を目的とする「毛馬洗堰」が完成します。

 ほぼ同じ位置にあるのが、現在の毛馬閘門(こうもん)と毛馬排水機場。

 左(上流側)にあるのが毛馬閘門です。

 淀川改修工事の際、淀川と旧淀川(大川)との高低差が1mできました。

 その高さを調整することが閘門の大きな役割です。

 四大文明の例を引くまでもなく、水運の重要度は現在の比ではなかったはずです。

 毛馬閘門から南の大阪城側をのぞいてみます。

 現在は砂利の採取船が通るのみですが、1962年(昭和37年)までは貨物輸送船が通っていたそうです。

 ここは小さなパナマ運河だったのです。

 これは今春の写真ですが、水のエレベーターで1m降りた船は、大川を下り桜の名所となった造幣局の前までやってきます。

 中央右手に見えるOBPのビル群手前で、寝屋川、第二寝屋川と繋がります。

 更に大阪の奥深くまで荷を運んでいたのです。

 毛馬洗堰のモノクロ写真を上げましたが、右端の3門は現在の毛馬排水機場の南に残っています。

 更にその南には、「毛馬第一閘門(旧毛馬閘門)」も。

 こちらは上流側のゲート。

 ここに水を貯め。

 下流側の大川へと船を送り出していました。

 右の煉瓦壁に、高い位置と低い位置に「係船環(けいせんかん)」があるのが見てとれるでしょうか。

 1974年(昭和49年)まで現役だったそうです。

 これらは2008年(平成20年)に洗堰と共に重要文化財に指定されました。淀川の治水は明治、大正、昭和にかけての一大事業だったのです。

 信玄堤もそうですが、水を治めたものが世を治めました。

 氾濫を繰りかえす旧淀川、旧大和川を味方につけた、もっと言えばそれらの影響を絶対受けない位置に大坂城を築いたから秀吉は天下人となり得ました。

 しかし淀川と大川に1mの水位差があるということから、淀川が天井川に近いものであることが分かります。

 大和川も秀吉が始めた付け替え工事が江戸時代に完成したものですから、川底を深く掘り下げたものではありません。

 10月中旬の台風19号の爪痕が残ったままの関東で、先週末は21号の影響から、再び千葉で河川が氾濫し人命が奪われました。

 税が必要なら、消費税を上げて貰っても構いません。

 乱暴に言えば、治水においては、昭和、大正、明治、江戸の遺構を使っているとも言えるのです。

 大型台風の度に多くの死者がでるという現実は変えようのない事実です。天下人や三の丸、上町に住む人だけが安全な都市計画では何の意味もありません。

 民間に瑕疵保険、耐震性能、省エネ性能を求めるのと、せめて同じ厳しさで、国も大阪も本気で治水に取り組まねばならない時代に入りました。

 無用に不安をあおるつもりはありませんが、淀川は大川より1m上に流れているのです。

 繰り返しになりますが、お守りのつもりで人数分のライフジャケットを家に置いて欲しいと思うのです。

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『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

小さな水路も、やがて大河と変わり海へとそそぐ‐1576‐

 明け方まで降っていた雨が嘘のような快晴になりました。

 子供達も今日から学校です。

 会社近くにある、今川の桜は毎年早咲です。

 季節は早まる一方ですが、何とか桜のある始業式になったようです。

 今川は平野川と名を変えて、城北川に合流します。さらに寝屋川と合流し、大阪城の北で大川に注ぎます。

 反対の言い方をすればこれらを堀として利用するために、大阪城はあの地に築かれました。

 大川の桜も満開でした。

 地下鉄天満橋駅からのアクセスもよく、多くの人が訪れていました。

 大川と谷町筋の交点が天満橋です。

 天満橋の上から西をみれば、下流の中之島を望みます。

 東の上流を見れば、左に大川、右に寝屋川と、その合流点が見えます。

 先程の平野川もここに注ぎ込んでいるのです。

 OBPの高層ビルを背景にして、大阪でも最も美しい桜の名所と言えるでしょう。

 やはり、水辺の桜は美しさもひとしお。

 淡い桜を、緑、青の背景が引き立てます。

 この春だけに限らず、何人ものスタッフの入退社を見てきました。

 まずは私の力量不足を反省しなければなりません。

 その上で、退路のあるなしが、その忍耐強さに大きく影響するのは間違いないと思います。

 しかし、それだけでは説明のつかないことが沢山あるようにも感じます。

 今、目の前にある仕事は、自分の夢と一直線につながっている。

 もしそうでないなら、すぐに仕事、職場を変えればよいと思いますが、おそらく繋がっているはずです。

 小さな水路を見ていると、どこかで消えてなくなりそうですが、最後は大河となって大阪湾にそそぐのです。

 手元にある仕事は、地味で、かつ大変です。

 しかし、確実に夢と繋がっているからこそ、頑張りもきくのです。

 満開の花を咲かせるか、寂しく散りゆくか。

 勿論、満開の花を咲かせるしかありません。

 信じるものは救われる。

 そういうことなのだと思うのです。

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ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
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「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

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不夜城陥落‐1469‐

 大川の桜が満開です。

 天満橋から西を望めば、中之島が中央に見えます。

 土佐堀川と分岐する景色は、最も大阪らしいものかもしれません。

 天満橋は大川と谷町筋が交差する位置にあります。

 「造幣局の通り抜け」もあり、桜のメッカといってもよいでしょう。

 東を望めばOBP。

 南は大阪城。

 西へ向かう方が、桜のトンネル感は強いかもしれません。

 桜、空、川のある景色。まさに日本の春です。

 本日、アトリエmの営業時間変更の案内をクライアントに送りました。

必要であれば、時間無制限で曜日は関係なく働くのが
当然と思い、仕事に取り組んでまいりました。

しかし、時代の流れ、近年の社会情勢もあり以下の通りに
営業時間を変更させて頂くことに致しました。

営業時間:(月)~(土) 9:00amから7:00pm
定休日:第2・第4(土)、(日)
その他の休日:年末年始、ゴールデンウィーク、夏季休暇

 半分ベソをかきながら、朝を迎えたことが何度あったのか。

 朝一番「もう新幹線に間に合いません」とスタッフが泣きを入れるので「貸せ!」とカッターを取り上げ、模型を仕上げました。

 お盆休み、ある計画が急速に動くことになり、旅行を全てキャンセルしました。

 若い頃、週休2日の企業に勤める同級生たちを羨ましいと思ったこともありました。

 しかし、今は良い時代を生きさせてもらったと思います。

 また、期待してもらい、やるべき仕事をこれだけ与えて貰ったことに心から心から感謝します。

 今日は、ケツメイシの「さくら」を聞きながら会社に戻りました。

♪ 花びら舞い散る 記憶舞い戻る

 花びら舞い散る 記憶舞い戻る ♪

 長く働くこと、休みが少ないことだけが良いと思っている訳ではありません。

 しかし、充実や成長が、できるだけ短い時間で、効率よく働いて得られるものではないとも思っています。

 時代は大きく変わったのか。

 または、自分達が時代から取り残されているのか。

 前向きな気持ちもこめて、「不夜城陥落」を宣言してみようと思います。

 4月から、アトリエm第三幕のスタートします。

 時間ではない何かを見つけることができるのか。また元に戻るのか。

 精一杯あがいてみたいと思います。

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

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【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

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