タグ別アーカイブ: ハルカス

名品珍品大公開‼の中に、本当の名品見たり‐2196‐

昨日は小雨の降る中、天王寺に寄ってきました。

ハルカスに春霞、はまだ気が早いでしょうか。

3月1日(土)にリニューアルオープンした大阪市立美術館。

オープニングイベントは「What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」です。

東は天王寺動物園を見下ろし、鳥の声ならぬ動物の声を聞き、通天閣を眺めるアプローチは圧巻です。

これはリニューアル前から変わりませんが。

かなり久し振りなので、エントランスホールが以前とどう変わったのかが分かりません。

それでも、気持ち良い空間なのは間違いありません。

今回、画期的なのは一部を除いて撮影可なのと、ラベリングしてあることです。

佐伯祐三の「教会」はもちろん「名品」。

上村松園の「晩秋」も勿論のこと「名品」。

多くの「名品」が出展されていましたが、北大路魯山人の黄瀬戸もありました。

「珍品」は、平野区から。

6世紀とあるので、その創造性に驚きます。

こちらは「鳥人」ならぬ「羽人(うじん)」。

このイベントのマスコット的存在です。

「名品」「珍品」のダブルラベルとは、なかなか楽しませてくれます。

そもそも、アートにラベリングするという発想が凄いのですが。

非常に多彩な展示会ですが、陶器も充実していました。

こちらは、樂家三代目の道入(どうにゅう)。

別名「のんこう」として知られる、樂家随一の名匠です。

赤樂の深い色合いと、手びねりの風合いが特に椀の端部に表れています。

九代目、樂了入(りょうにゅう)の黒楽も並んで展示されていました。

その艶めかしさは際立っています。

京都の樂美術館には何度か通いましたが、一度で良いので手で触れてみたいものです。

ここまでは、以前から好きなものが大半でしたが、この青磁には思わず見入ってしまいました。

その美しさが、写真では伝わらないことに、逆に迫力を感じます。

大正10年(1921年)富本憲吉の「青磁 長頸瓶」とあります。

楽焼とは対照的に、厚みをもち、しっかりエッジの効いた口まわりが品格を漂わせています。

紹介を見ると、「自らの理念・思想を実現するために陶芸家を志した」とあります。

昭和55年(1980年)に人間国宝認定第一号となった陶芸家でした。

美しいはずです。

赤い九谷の絵皿も圧巻でした。

焼き物は、楽焼や備前焼が好みでしたが、こんな多彩な人がいるのかと感心しました。

展示会の魅力は、自分の好きなもの以外を見れることだと痛切に実感したのです。

あわせて、アート全般に興味を持っていたつもりですが、人間国宝第一号をしっかり見たことが無かったことにも、若干のショックを受けました。

今回のチケット、実は貰い物。

ただ、一見の価値ありとお勧めいたします。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

紙は最速、最高‐2070‐

クリスマスソングがあちこちから流れ、街ではイルミネーションが華やかです。

週末天王寺に行った際に、書店を回ってきました。

あべのルシアスとアポロビルの2階にまたがってある喜久屋書店。

昔ながらの本屋さんといった雰囲気ですが、かなりの品揃えです。

通路が広いのはとても見やすい。

こちらはあべのハルカスの7階に入っているジュンク堂。

売り場面積も広く、ディスプレイもよく考えられています。

こちらは文庫本の新刊コーナー。

目に付きやすい高さには、縦置きの平積みと言えばよいのでしょうか。

ツタヤのようなディスプレイで、お勧めがとても分かりやすい。

マニアック(失礼!)な出版社もありました。

出版社はあったのですが探していた本は無く、ネットで買うしか仕方がありません。本当は実店舗で買ってあげたいのですが。

本屋が大好きなので、2店舗で1時間半くらいうろうろして、6冊ほど購入しました。

こちらは照明メーカー「コイズミ」のカタログです。

紙質も良く、900ページくらいあります。

照明器具をセレクトする時は、パラパラとめくりながら付箋を貼ったりして、絞り込んでいきます。

右下に2019年を消して2023年と書いてあります。

新刊がでなければ古いものの方が使いやすく、そうしているのです。

こちらは、リクシルのインテリア建材のカタログ。

進行中のプロジェクトごとに色を決めた付箋を貼ってあります。

ページの端に寄るほど重要度が高く、中心によるほど低いというルールも作っています。

建築は凄い数の部材で構成されているので、普段から相当な数のカタログが手元にあります。

このペーパーレス時代に、未だに紙に埋もれて働いているような仕事です。

しかし、高級家具メーカーだったり、一部の照明メーカーは紙のカタログを廃止。Webカタログのみになってしまいました。

ある高級家具メーカーの担当者は、「私たちも残念で、古いカタログをボロボロになっても使っているんです!」と言っていました。

資源保護、経費削減の観点から、ペーパーレス化が進むのはやむを得ないと思います。

しかし、一家具メーカーの担当者がそう嘆いているのですから、膨大な数の部材、建材を捜し、決めていく設計者にとっては死活問題。紙のカタログは必需品なのです。

すでに決まっている部材の情報を探すならWebカタログで十分です。

しかし、色々なページをめくっては、付箋を貼ったり、しおりを挟んだりして、物を絞りこんでいく作業は、正直、Webカタログでは不可能です。

この先、書店が増えていくことは無いでしょう。

もし実店舗がなくなったら、本をザッピングする楽しみも完全に無くなってしまいます。

ある印刷会社の社長が、ヤフーの広告担当者と話したところ「紙ってやっぱり最高に早いよね」と言っていたそうです。

もっともペーパーレス化が進んでいそうな企業の社員がそう言ったのも面白いですが、「やっぱり分かっているよね」という気もします。

大手メーカーの、そして大手書店の経営者の方に、切に訴えたいです。

紙は最速、最高。

大切に大切に使うので、これ以上何も減らさないで下さい、と。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

メディア掲載情報

阿倍野で、新旧建物探訪‐2063‐

昨日は11月22日。

「いい夫婦の日」は天王寺駅で降りて阿倍野界隈へ。

「あべのキューズモール」の向かいにある、「あべのハルカス」は長らく日本一高いビルでした。

しかし、明日2番目に高いビルに変わります。

厳密に言えば、「森JPタワー」はすでに完成しているので、もう抜かれていることになりますが。

ハルカスのすぐ南にあるのが「HOOP」。

間にある道は一方通行でかなり狭いのです。

それで、見上げるとこんな景色になるのです。

ただ、阿倍野という街との相対的な高さで言えば、やはり日本一かもしれません。

「HOOP」の西にある巴通りを南に抜けます。

レンガ色の建物は「あべのand」。

その東隣にあるビルで、ドローンの国家試験を受けてきました。

先月、民間の資格は取得できたので、実技試験は免除。

筆記試験だけの受験です。

試験だけを受託している会社で受けるのですが、ペーパーでなくパソコンでの試験でした。

不要な選択肢を鉛筆で消せないのは、ちょっとやり辛いなと思っていました。

三択50問を30分で、正解率70%が合格ラインです。

試験が終わるとすぐに結果が表示され、無事合格。

ほぼ一夜漬けでしたが、国家資格一発合格をキープできてほっとしたのです。

会場を出るとすでに夕方。

そのまま南に下ると元「村野・森建築事務所」の建物があります。

ハルカスの前に建っていた近鉄百貨店も村野東吾の作品です。


その旧事務所ですが、現在はテナントとして利用されています。

ハルカス、HOOP、andそして、旧村野・森建築事務所。

阿倍野の新旧建物探訪問でした。

見返すと夕日に照らされるハルカスが。

ハルカスの外観デザインの監修はシーザー・ペリです。

古美る(ふるびる)という概念は、日本独特のものです。

超高層ビルには合わないのは間違いありません。

ナショナリズム、地元愛も入っているかもしれませんが、私はやっぱり村野派かなと。

そんなことを思いながら、1駅南の阿倍野駅に向かったのです。

■■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

メディア掲載情報

第二の故郷、天王寺でブラモリタニ‐1886‐

月曜日は、「大阪が大大阪になりえた理由」をレポートしました。

日曜日に大阪歴史博物館で勉強してきたのですが、谷町四丁目の設計事務所で私の仕事人生はスタートしました。

そして就職の3年後、天王寺でアトリエmを創業します。

久し振りに天王寺で買い物でもとやってきたのです。

JR天王寺駅の北側、緑の看板右に見えるマンションを意識して貰えると、地理が分かりやすいかもしれません。

初めてのアトリエは、この裏あたりにある4畳のワンルームマンションでした。

本当に懐かしいのですが、周辺は戦前からの街並みが残る、なかなかにディープな場所でもあるのです。

空撮が分かりやすいでしょうか。

天王寺・あべのエリアは東西のあびこ筋と、南北に走る谷町筋、あべの筋の交点となる「近鉄前」が中心です。

JR天王寺駅は、その北東角にあります。

4つのエリアは「あべの」の「a」をかたどった歩道橋で繋がれています。

北西エリアは、てんしば、天王寺動物園、そして通天閣と続きます。

南東エリアには近鉄百貨店が入る、シーザー・ペリ設計のあべのハルカス。

そして南西エリアにはキューズモールがあります。

このあたりは、最後の色街といわれる飛田新地もある山王エリアまで、細い路地が迷路のように入りくみ、繋がっていました。


これは2009年5月の写真です。

こうなる前にもっと写真を撮っておくべきだったと悔いが残ります。

蛍光灯なのに味わいのある居酒屋「明治亭」。

牛だったか、羊だったかの脳みそのソテーを安価で食べさせたグリル「マルヨシ」。

餃子の「珉珉」脇から入り、こんなところにあるの?というくらい路地の奥にあったのですが、とにかく安くて美味しかった。

そのグリル「マルヨシ」の耐火煉瓦が、大阪歴史博物館の展示の中にありました。

現在は、あべのキューズモールの中で出店しているそうですが、いまだに足が向かず……

思い出のままでもいいのかなと思っています。

2枚目の写真あたり、JR天王寺駅の北エリアまで歩いてきました。

天下一品横から、阪和商店街とあるアーケード内に入ってみます。

はじめに書いた、ディープ大阪エリアです。

こんな景色も最近めっきり少なくなりました。

閉まっている店もありますが、営業している店もそこそこあります。

立ち飲み屋が、これほど似合う街もなかなかないはず。

公衆便所の看板は、間違いなく昭和20年代の風情。

扉巾は45cmでした。

妻が「使うのはちょっと」と言っていましたが、これは見て楽しむものなのです。


この居酒屋「新力」は全皿350円。

若い頃、本当によく行きました。

コロナ下の社会では考えられないくらい、隣席と密着して飲んでいたのですが。

アーケードを抜けると、新しい店もできていました。


このあたりを裏天王寺と言うのでしょうか。

この店の向かいにあった「別人倶楽部」はパティオのある、なかなかに洒落たイタリアンでした。

残念ながら閉店し、駐輪場に変わっています。

生レタスがのった、ミラノ風の生地が薄いパリパリピザを知ったのもこの店でした。

普段使いの「新力」。よそ行きの「別人倶楽部」があれば、20代の私には十分だったのです。

老舗料亭の後ろに建つのが、2枚目で紹介したマンションです。

そのすぐ近くに私がアトリエにしていた(住んでいた)マンションがあります。

ハルカスがすぐそばに見えるのですから、25年という時間は、あっと言うまであり、膨大だとも感じます。

ちょっと裏路地をのぞいたとき。

「ダメモトで勝負してみる?」

これは、昭和世代だけの楽しみなのかもしれません。

折角食べるならと、口コミをみて精度を上げるのもよいですが、失敗もネタ的にはありです。

影の部分があってこそ、明るい部分はよりくっきりと、映えてくるのですから。

第二の故郷、天王寺でブラモリタニ。楽しんで貰えたでしょうか。

我ながら、「やっぱり街歩きが好きなんだな」と、つくづく思うのです。

■■■ 『ESSE-online』にコラム連載開始■■■

2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
12月6日「キッチン・パントリー」

■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■

■1月6日『Best of Houzz 2022』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■

■1月8日『homify』の特集記事に「光庭の家」掲載
■1月7日『homify』の特集記事に「白馬の山小屋」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

大阪都天王寺区コリアタウン‐1726‐

 伊勢湾台風を上回る勢力とあった台風10号。

 九州西岸をかすめるように通過しました。

 九州では7月豪雨があったばかりで、何ともやりきれない気持ちだったと思います。

 大阪は風こそ強めでしたが、地鎮祭を執り行うことができました。

 しかしこれからが台風シーズン。明日は我が身と思い、備えておかなければなりません。

 地鎮祭には車で行ったのですが、阪神高速に乗るとすぐにあべのハルカスが見えてきます。

 大阪府と大阪市の二重行政を無くそうという「大阪都構想」。

 前回の住民投票では否決されましたが、再度民意が問われることになりそうです。

 実現すれば、当社のある平野区は、阿倍野区、生野区、東住吉区を合せて、天王寺区となります。

 新・天王寺区の紹介としては、日本一高い商業ビルのハルカスと、鉄道の南の玄関口となっていました。

 お向かいのような位置にある通天閣は浪速区で、新・中央区となります。

 1兆円の無駄遣いをなくせるとか、効果は0円とか、論調は様々です。

 仕事に関して言えば、建築確認申請の裏判を貰うのが、大阪市役所から天王寺区役所へ変わるくらいでしょうか。

 大きく無駄使いが減るなら実現して欲しいですし、大阪市という名称に愛着があると言えばあります。投票なら、もう少し勉強しなければなりません。

 新・天王寺区の紹介にもうひとつ取り上げられていたのが「コリアタウン」。

 それなら知らない訳にはいかないと、寄ってきました。

 近くのお好み焼きや焼肉の名店は訪れたことがありますが、コリアタウン自体は初めてだと思います。

 この時期にも関わらず、なかなかの活気です。

 疎開道路から東へのびる350m程の通りですが、東端には「百済門」がありました。

 世界中の大都市にチャイナタウンはありますが、コリアタウンも結構あるのでしょうか。

 韓国へは行ったことがないのですが、ミニ海外旅行のようでワクワクしてきます。

 食材といえばやはりキムチ。

 流石に種類も豊富です。

 この狭いエリアに肉屋さんも5軒はありました。

 韓国風焼き鳥なのか、これを頬張りながら歩いている人も。

 古い店のほうが雰囲気はありますが、どちらかと言えば若者をターゲットにしている店が多い感じです。

 トッポギや先程のヤンニョムチキンの文字も見えます。

 長男が中学校へ行き始めた頃、K-POP好きの友達とよくコリアタウンへ行っていました。

 アイドルグッズ店等もあり、このごった煮感が人気の秘密なのかもしれません。

 通りを行く人の年代も様々でした。

 このポテトチップを串に刺したような食べ物。歩きながら食べている若者を結構見ました。

 興味津々ですが、この時期なので挑戦するのはやめておきます。

 大阪都天王寺区のコリアタウンと言われると、かなり戸惑うかもしれません。

 勿論「都」が実現した際の話です。

 コロナ下の社会となり、当分海外は難しそうです。子供達が好きな番組「世界の果てまでイッテQ!」でも国内企画に変更されていました。

 流石にリモート旅行は寂しいので、国内で外国を感じられる場所を回るのも悪くないかもしれません。

 度々例に上がるペストやスペイン風邪のように、今回の新型感染症も、いつか克服されるでしょう。

 それが1年なのか2年なのか。5年海外へ出られないのはちょっと辛いところです。

 リモートで感じられないのは、触覚、味覚、嗅覚です。

 景色を見て、喧噪を聞き、風を感じ、屋台から漂う匂いが鼻腔をくすぐり、つい口にしてしまう。

 旅は五感で味わい尽くすものです。気兼ねなく屋台で食べられる時が来たら何処へ行こうかと考えます。

 台湾、オランダ、オーストリア、メキシコ、ブラジル……

 韓国も候補に加えてみます。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

みをつくし‐1667‐

 南港にある「なにわ自動車検査登録事務所」は、車検を受けたり、登録をしたりするところです。

 管轄は大阪市全域。

 車を購入したら、登録等はディーラーがしてくれるのが一般的でしょうか。

 3年前、生まれて初めてローンで車を購入しました。

 リピーターや固定のお客さんがある仕事ではないので、それまでは考えたことも無かったのです。

 しかし金利がほぼゼロだったことと、まあ何とか払っていけるかなと思い、挑戦してみたのです。

 何とか担保を取り上げられずに済んだのですが、ローンが完済したら、所有権の移転が必要とのこと。

 誰かに頼めばやって貰えるのでしょうが、書類を送っている間にさっさとやってしまえ、ということで訪れました。

 2、3わからない欄もありましたが無事完了。

 何と言っても、番号札が77番で縁起が良い。

 道を検索している時、近くに「木津川渡船場」という表記を見つけました。

 大阪には8か所の公営の渡船場があるそうです。

 時刻表を見てみると、結構な頻度で便があります。

 3分程待てばやってくると分かり、少し待ってみました。

 対岸に待機しているあの船のようです。

 側面にはみおつくしが見えます。

 運河を船が行き来している風景を見ているだけでも飽きません。

 東の市内を見ると、ハルカスが霞んで見えます。

 何だかせかせかと生きてるなあと、ちょっと感傷に浸っていました。

 気が付けば、あっという間にこちらに近付いて来ました。

 まだあまり使い方が分かっていませんが、ゲツモク日記チャンネル第一弾です。

 その間、わずか1分程。

 乗客は2名でした。

 ひとりは同い年くらいの男性で、ロードバイクと上船していました。

 すれ違った時に声を掛けてみました。

 「料金は幾らなんですか?」

 「タダですよ。楽しいですよ~」

 「ほんと、楽しそうですね」

 バイクでも始めてみるか、という気分になったのです。

 大阪市の市章「みをつくし」は澪標と書き、浅瀬に立てられた標識の形からきています。

 「身を尽くし」と掛けた歌が、小倉百人一首にありました。

 わびぬれば 今はた同じ難波なる

 みをつくしても 逢はむとぞ思ふ

            元良親王

 不義の発覚に思い悩むが、どう考えても同じことなら、と窮した気持ちををふるいたたせ、我が身の破滅と引きかえに逢瀬を遂げようとする。「身を尽くす」は、いわば社会的生命を失うぐらいの気持ちで、こうなったからには自らの恋情に殉じようという気持ちである。

 と解説書にはあります。

 何かどこかで聞いたような話ですが、色恋は人の世の常です。

 ただ、不義をするなら「社会的地位」でなく「社会的生命」を失うくらいの覚悟を持ちなさいと識者は言っているのです。

 中村天風師は、よくこういう表現をされます。

 「何せ我々は万物の霊長であるのだから」

 どうせなら、動物とは違う次元で身を尽くしなさいと言っているのです。

 もてない男のひがみ?

 いえいえ、何せ私達は万物の霊長ですから。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】

『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

夢をたくした500円玉を‐1655‐

新年明けましておめでとうございます。

今年は娘が受験生につき、正月を大阪で過ごしています。

それでは長男が暇だろうと、阿倍野へ映画を観に行っていました。

あべのアポロシネマが入るアポロビル。

1972年の完成で、関西が誇る巨匠・村野藤吾の設計です。

正面のガラス横にあった有機的な装飾が特徴でしたが、すっかり普通の壁に変わっていました。

あべのハルカスの場所にあった前・近鉄百貨店も村野の設計でした。

残念ではありますが、築47年の建物が残っていることを喜ぶべきでしょうか。

長男のリクエストは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。

スター・ウォーズシリーズは1977年のスタートで、私達はど真ん中世代ですが、あまり観たことがありませんでした。

長男は友人の影響で、順にシリーズを観ているので、軽くレクチャーをして貰いました。

内容には触れませんが、少女が宿命を背負い、世界のために戦う姿は、『風の谷のナウシカ』も同じモチーフです。

主役のレイは、気高く、極めて美しかったのです。

相関関係があまり分かっていない私でも、文句なしに楽しめました。

大晦日も自宅に居たのですが、ほぼ初めて『紅白歌合戦』を観ました。

娘はテレビを我慢しているのですが、ビートたけしが歌うという記事を読み、「その時間帯だけ観てもいい?」と相談したのです。

22:00頃にテレビを付けました。

漫才師、芸人、俳優、映画監督、文筆家……と多くの顔をもつビートたけしですが、子供の頃からヒーローでした。

深夜ラジオの「オールナイトニッポン」は、1981年から10年間、ほぼ全て聴いたと思います。

そんなことを熱く語ると「ところでどこが面白いの?」と聞かれることもあります。

面白くないという訳ではないのですが、正直私も答えられません。

好きなことをして、人に求められ、成功して行く姿が、ただただ格好良かったのです。

テレビ番組だけでなく、本もCDも買っていました。

一番好きな曲が『浅草キッド』でした。

最近はテレビ番組をあまり観ないので、久し振りに観たビートたけしは、幾分太っていましたが、年輪とともに、歌声は深みが増している気がしました。

オケがよく聴き取れていないのか、先走ってしまう部分もありましたが、やはりとびきり格好良かったのです。

この曲は、明治大学を中退し、浅草のフランス座で貧乏をしていた時代の元相方を歌ったものです。

朴訥とした、真面目な詞がなんともよいのです。

『浅草キッド』 歌・作詞・作曲:ビートたけし

 夢をたくした100円を 投げてまじめに拝んでる

-中略-

 夢はすてたと言わないで 他に道なき2人なのに

今でも時々500円玉を投げて拝むのは、この詞があったからです。

「自分が売れたということに罪悪感がある」というコメントもありましたが、司会の内村光良が涙ぐんでいるのも印象的でした。

私の勝手な結論です。

芸人は面白いのは当たり前で、顔が命だと思います。

作家・開高健はこんなことを書いていました。

モンゴルでは風の生まれ変わりと信じられる馬を駆る少女の姿を見て「自らの美しさに全く気が付いていないその姿が美しい」と。

うる覚えなのですが、よく分かる気がします。

どう見えるとか、どう見て欲しいとか、そんなことを全て忘れるくらい懸命に生きる姿が美しく、格好よいのだと思うのです。

何か宿命を背負っている訳でもありませんが、俳優になれるような顔を持っている訳でもありませんが、今年もひたむきに、懸命に生きたいと思います。

2020年も宜しくお願いします。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:スタイル別』2019年12月31日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が2位に選出

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出
『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

人は違う。でもそんなに変わらない。‐1517‐

 大阪近辺での打合せなら、阪神高速を使う確立が高くなります。

 首都高速程ではないにしても、通勤時刻は結構混むもの。

 会社近くを通るのが14号松原線ですが、駒川入口あたりも渋滞ポイントです。

 それで、早めの出発を心掛けていますが、1号環状線ををぐるっと回るだけでも、名物建築が色々見れます。

 松原線に乗るとすぐに見えてくるのが、あべのハルカス

 高さ300mは現在日本一。

 そのまま、なにわのエッフェル塔・通天閣のすぐ東を通り抜けます。

 高さは103m。

 環状線は、時計回りの一方通行。JRの環状線の更に内側にあります。

 その1号環状線と14号松原線が合流するあたりにあるのが湊町リバープレイスです。

 八角形の建物内には、FM大阪もはいっています。

 御堂筋と交差する位置からは、ナンバ・ヒップス。

 昨年、食事を2度ご一緒させて頂いた高松伸さんの作品です。

 環状線は大川を越えるあたりから、右に大きくカーブ。

 北に見えているのが梅田エリアです。

 高層ビル群の先駆けとなったのが大阪マルビル。高さは約124mで、1976年の完成です。

 東に向きを変えた環状線は、中之島の北を走ります。

 民の町・大阪のシンボルは中央公会堂。その存在感は、やはり抜きんでているのです。

 この日は12号守口線で、北へ向かいました。

 ついでにと言えば怒られますが、分岐点あたりにあるのが、私が設計した「seiundo」の入る、北浜一丁目平和ビルです。

 扇町には、キッズプラザ大阪の入るこの建物。

 大阪市環境局舞洲工場の設計で知られる、フンデルト・ヴァッサーの設計です。
 
 阪神高速、大阪建築ツアーはいかがだったでしょうか。

 12号守口線の城北インターで降り、さらに地道を北上すると、阪急電車が見えてきました。

 京都線の上新庄駅と相川駅の間で、神崎川の上を通過しています。

 中学・高校の間、この橋の上からずっとこの川を眺めていました。

 小学校から上がったばかりの頃、「いつか相川駅で降りて、釣りに行ってみたいなあ」などと思っていたのです。

 6年間も時間があったのに、それは一度も叶いませんでしたが。

 日々というものは、まさに電車に乗っているようなもの。「降りてみたい」と思ったら、すぐに行動しなければ、実現することはありません。

 また、角度、方向が違うと全く違う場所に見えるものです。

 私が毎日毎日見ていたあの場所だと、初めは全く気付かなかったのです。
 
 見る人の視点によって、全く違う景色があることを、今ならようやく理解できます。

 反対に、自分だけが特別な訳はないので、相手、他者も同じような、期待や不安を持っていることも、何とか想像できます。

 この相反する単純な真実が、未来をイメージする上で、とても重要だと考えています。

 こんなことを、学生に熱を入れて話していると、多くの学生は目が泳ぎ出します。それで「ああ、言い過ぎたんだな」と分かるのですが。

 人は違います。でもそんなに変わらない。

 これは私の人生哲学ですが、それぞれをフォーカスすると、それは間違っているという言い方もできるのです。

 なので、目的の「ある」「なし」が大切です。

 それがあれば、哲学はそこへ向かう道具となります。それが無ければ、間違い探し、出来ない探しを始めるネタでしかなくなると思うのです。

■■■9月16日(日) 9:00am~12:00pm 高槻中学・高校文化祭にて
「頼れる卒業生」による無料相談コーナーに参加します■■■

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【Events】
■4月1日「トレジャーキッズたかどの保育園」開園

【News】
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『関西の建築家とつくる家 Vol.2』2月1日発売「阿倍野の長家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載
『homify』6月2日「イタウバハウス」掲載
『houzz』5月28日の特集記事「あちこちでお茶できる家」掲載

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記<&lt;/a&lta</