タグ別アーカイブ: 梅雨明け

施政者に望む、細やかな幸せ‐2236‐

関東甲信越・北陸・東北南部も、先週金曜日にようやく梅雨明け宣言がでました。

大阪は6月中に梅雨明けし、夏本番を迎えていましたが、最近の積乱雲は怖いくらいの大きさまで成長します。

入道雲と言うよりは、竜の巣といったほうが良いくらいでしょうか。

もちろん「天空の城ラピュタ」に登場する「竜の巣」に見立ててです。

昨日は選挙でしたが、投票となると億劫になってしまうのが正直なところです。

政党、候補者、政策などは、新聞の別冊版をさっと目を通しただけ。それで判断するのは、正直気が重い。

それなら普段から、目を配っておけばよいのですが、そこまで時間を割いてまでとは思えず……

ただ、投票会場が 大阪府立中央聴覚支援学校だったので、それは楽しみにしていました。

大阪市立聾学校の表札もありますが、それは過去の名称のようです。

すぐ近所にありますが、広い学校だなと思っていました。

都心部の学校だけに、風景もそれらしいものです。

タワーマンションに囲まれる風景も独特。

少し調べてみると、こちらの校舎の設計は梓設計のようです。

1990年頃の竣工なら、ポストモダン様式のデザインも納得できます。

「手話とともに未来へ」

校舎に横断幕が掛かっていました。

手話ができなければ、 聴覚に障害がある人とコミュニケーションを取ることは困難です。

秋篠宮家の佳子さまが、手話で会話している姿をよく見ますが、本当に立派だなと思っていました。

しかし考えてみれば、英語を勉強するのと同じように、授業として手話があってもよい気がします。

本当に目を配るべきところは、こんなところのような気がします。

昨日は、仕事半日、雑用半日を済ませると、キッチンから枝豆を湯がく、良い匂いが漂ってきました。

旬の枝豆は、値段もリーズナブルな上に、味も最高です。

ヘレカツとで晩酌をすれば、それより幸せなことなどありません。

大阪選挙区には19人が立候補し4人の議員が誕生しました。

変化は大歓迎、まずは御手並み拝見です。

しかし、国民が彼らに望むことは、大それた無理難題ではありません。

真面目に働けば、家族と共にささやかな幸せが得られる。その程度だと思うのです。

なので、俺が俺がというスタンドプレーだけは勘弁してもらいたいと思います。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

贈り物のエース、あごひげがある蝶のような蘭‐2230‐

6月27日(金)に「近畿地方が梅雨明けしたとみられる」と発表がありました。

観測史上最速です。

6月の梅雨明けはちょっと記憶にありません。

梅雨の期間中に、雨濡れたアジサイをUPしようと、近所をリサーチしていましたが、その機会もなくなってしまいました。

今週も35℃超えの予報が続き、移動する時は日影を探します。

そう言えば、「日よけルート検索アプリ」なるものを聞いたことがあります。

探してみると……ありました。

しかし、残念ながらinShadeは東京23区限定でした。

アジサイは庭木としてかなり使われているので、探すのには苦労しません。

しかし、最近の家には、茎の長いアジサイのような花が結構植わっています。

アガパンサスという花でした。

南アフリカ原産の種とあり、あまり手間が掛からないようです。

確かに、今までにはあまり無かったタイプの花かもしれません。

移転は完了していますが、まだ工事中のアトリエm移転計画「上町のアトリエ付き住宅 〈リノベーション〉」

なのですが、先日お祝いの花が届きました。

店舗やクリニックのオープン時には沢山の胡蝶蘭が届くので、その光景はよく見てきましたが、贈られる側になったのは初めて。

やはり嬉しいものです。

高価なものなので、どちらの建て主も「気を使わないでくださいね」と皆さんに伝えますが、やはり胡蝶蘭が一番多く届きます。

まじまじと見たことは無かったのですが、何とも面白い花弁です。

胡蝶蘭は東南アジアが原産で、木の枝や皮に寄生して育つので、少ない水でも生きていけるとありました。

繊細な印象もありますが、基本的には生命力の強い種のようで、花持ちがよいのも分かります。

胡蝶蘭の「胡」はあごひげ を意味するので、あごひげがある蝶のような蘭となります。

確かに龍のような髭があり、ある種、威厳も感じるのです。

「胡」 はえびすと読んだり、長寿の意味もあるので、そのあたりも贈り物として重用される理由かもしれません。

調べてみて、贈り物のエースである理由に納得しました。

まだ、アトリエ付き住宅内で上階に移動したり、下階に戻ったりしながら工事を進めています。

落ち着いたら本の森の中で、緑でも育ててみようかなと思っているのです。

そんな余裕が持てるかは分かりませんが、持ちたいと思える歳になったのだとは思います。

■■■2月12日(水)大阪市中央区上町1-24-6に移転しました
「上町のアトリエ付き住宅〈リノベーション〉」
電話、faxは変更ありません■■■

■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載■

家の裏側に垣間見る物語‐1816‐

関西でもようやく土曜日に梅雨が明けました。

観測史上最速の5月16日からだったので2ヶ月超。

しかし待ち遠しかったというには強すぎる日差しです。

それが夏というものですが。

先週の中頃、激しい雷雨が続いた日がありました。

夜中に雹(ひょう)が降ったようで、バルコニーにかかる屋根が穴だらけに。

築36年の古家に越してきてはや12年。劣化した塩ビの波板では抗いきれなかったようです。

朝起きると、妻が「直さなあかんわ」と。

「こんな所に、長く住ませているのはあなたのせいなので、早く直して」という意味です。

父に手伝って貰い、日曜日にDIYしました。

”Do It Yourself!” = 「自分で出来る!」

良い言葉です。

まずは劣化した波板を撤去。

 次に桟のピッチを測って穴あけ加工。

 こんな金物でどんどん固定していきます。

 2人掛かりで、5m強を3時間くらいで張り終えました。

一番難しかったのは最後の一枚。

波板の幅が何とか手が届く60cmであること。

丸めて曲げられることで端部も張れることがよく分かりました。

基本、何でも話しのネタだと思っているので、トラブル、DIY大歓迎です。

時間さえあれば、ですが。

東京にある「四丁目の家」の奥さんは、「広いバルコニーで、思いっきり洗濯物を干したい!」が開口一番の要望でした。

「デザイン」などという言葉を軽く凌駕する熱量で訴えられ、間違いなくメインコンセプトにすべきと思ったのです。

「黒壁の家」の奥さんは、ひどい花粉症で、室内干しで完結できるようにして欲しいという要望でした。

1階が希望ということもあり、LDKに南面する中庭に、0.9m×2.4mの洗濯室を提案しました。

中庭左の壁がその空間です。

2階からみると、その天窓が見えています。

 細長くても何とかできますと言って貰ったので、このプランが成立したのです。

家は人生を楽しむ最大の道具。

機能を満足せずに喜んで貰えることはありません。



今朝バルコニーをのぞくと満員御礼。

洗濯物が所狭しと吊り下げられていました。

半日、家の裏側で作業をしていると、奥様方の日常がよく分かります。

何となく私達が居なくなるタイミングを見計らっているのですが、痺れを切らせて皆さん洗濯物干しを始めました。

先週、2件あった定例打合せでも、洗濯物干しエリアにはかなりの時間を割きました。

物干し金物の形状は?

物干し竿の高さはどのくらいが適正?

物干し竿は何本あれば合格?


洗濯物干しの設計をしたいから建築家になりました、という人は居ないと思います。

しかし、そんな所に違いを出すチャンスがあるのだと、奥様方に教えて貰ったのです。

家の裏側がと言える洗濯干しですが、そんな所にその家の物語が垣間見えるのです。

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

◆メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

人が望む曖昧な周期‐1716‐

 長かった梅雨が明け、いきなりほぼ真夏日です。

 どこで聞いたのか、娘が「セミが鳴きだしたら梅雨は終わり」と言っていました。

 言われてみれば梅雨とセミはマッチしませんが、いずれにしても夏本番です。

 日経新聞だったかに「コロナ禍でなくコロナ下」とありました。

 建築設計においても、環境は全て受け入れ、良い所を探すだけ。

 これはすでに環境だと思うべきことのようです。

 この春、育児休暇から復帰したスタッフは、ほぼフルタイムで働いてくれています。

 この状況なので、子供を預ける保育園からは少し熱が上がると電話が掛かってきます。

 不安定な勤務状態は本人が辛いでしょうが、仕方ありません。

 先日は打合せ直前だったこともあり、子供をバギーに乗せて出社し、数時間仕事をしてくれました。

 1歳を過ぎた彼も、初めは機嫌よく遊んでいたのですが、もちろん飽きてきます。

 ぐずり出したので「バギーで外を歩いてきてもいい?」と聞くと「勿論大丈夫です」と。

 公園の木陰を散歩していると、あっという間に眠ってしまいました。

 昼間の木陰を散歩することなど滅多になく、私が気持ちよかったくらいですから当然と言えば当然です。

 木漏れ日について少し考えてみます。

 私の住んでいる街は、1970年前後に開発された住宅地ですから、公園の藤棚もほぼ同い年。

 年輪を重ね、「ふじ」などという繊細な雰囲気は全くありませんが、これも木漏れ日です。

 ポイントとしては、葉が揺れたり、葉の密度には濃淡があるので、一定ではないということでしょう。

 太陽は移動するので、一日で大きく変化もします。

 屋外なので空気が動いているという点も、「心地よい」という感情へ訴えかける大きな要素でしょう。

 ふた時代ほど前に「ファジー」とか「1/fゆらぎ」をキーワードにした家電が流行しました。

 扇風機などがその代表格ですが、物理で言えば「T=1/f」。

 Tは周期を示す記号で、「ファジー」は曖昧とか不確定という意味ですから「人が望む曖昧な周期、リズム」といったところでしょうか。

 電車に乗ると眠たくなるのは、レールの継ぎ目が引き起こすリズムあるガタンゴトン音が要因だといわれます。

 生物は全て海に起源を持っているので、波のリズムが遺伝子に刻み込まれているのかもしれません。

 人はスケジュールにびっしり縛られるのも嫌です。かと言って、全くルールがなければ自分を律するのはかなり難しいもの。

 時間、曜日、暦など、見れば見る程よくできているなと感じます。

 その源が、潮の満ち引きだったり、太陽のリズムからきていると考えると、こちらも当然のことなのかもしれません。

 人が望む曖昧。

 それが分かれば一番ですが、まずはリズムあっての曖昧で、さほど曖昧ではないのかなと考えたりするのです。

 芭蕉が夏草に故人への思いを馳せたように、私も祖父母が暮らした岡山の海沿いの街や、金毘羅さんへの参道沿いの家を思い出します。

 コロナ下という環境ですが、もう少しだけ落ち着いたら、瀬戸内海を見下ろす墓地と、像頭山を望む墓地を訪ねたいと思うのです。

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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自然はなぜ美しいのか‐1607‐

 ようやく梅雨があけました。

 色は光の産物ですが、光と影のコントラストがその原型です。

 夏の花は貴重です。

 庭木の代表格はサルスベリでしょう。

 青空に濃桃の花が極めて美しいのです。

 南面の日差し対策に、蔓系の植物を植えているところも増えました。

 近年、暑さは増す一方なので、対策があるに越したことはありません。

 22日、月曜日のうえだクリニックです。

 梅雨明け当日の外観です。

 全く違う景色に変えてくれるのが夏なのです。

 昨夏訪れた、京都・岡崎にあるロームシアター京都(京都会館)。

 設計者の前川國男は、弟子に「自然がなぜ美しいか分かるかね」と尋ねました。

 答えられずにいると「それは、自らに責任をもっているからだよ」と説いたそうです。

 どれだけ風が吹こうと、雨が降ろうと、文句をいう草木はありません。

 反対の言い方をすれば、自らに責任を持たない姿が美しくない事になります。

 ここのところ、吉本興行の話題が紙面を賑わしています。

 美しい、美しくないで判断するなら、前川の物差しを当てるのが一番簡単です。

 人は嘘をつくことが、物理的には可能です。しかし、嘘は誰もが見抜くことができるという事実もあります。

 それが法的に証明できるかということを抜きにすればですが。

 どちらが悪い、悪くないの判断を私が出来る訳ではありません。

 しかし、世の中の風を敏感に感じとることが生命線であるタレントと、一般企業の経営者を同じ土俵で勝負させるのは、ちょっと酷かもしれません。

 会社に嘘をついたところで、タレントは大きく読み違いをしました。しかし、第一線で活躍しているということは、世間に嘘が通用しないということは勿論知っているはずです。

 概ね、人は美しいものが好きだということは、まぎれもない事実だと思うのです。

■■■『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載

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【News】
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
■『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました
大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
『住まいの設計05・06月号』3月20日発売「回遊できる家」掲載
『homify』6月29日「回遊できる家」掲載

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