長かった梅雨が明け、いきなりほぼ真夏日です。
どこで聞いたのか、娘が「セミが鳴きだしたら梅雨は終わり」と言っていました。
言われてみれば梅雨とセミはマッチしませんが、いずれにしても夏本番です。
日経新聞だったかに「コロナ禍でなくコロナ下」とありました。
建築設計においても、環境は全て受け入れ、良い所を探すだけ。
これはすでに環境だと思うべきことのようです。
この春、育児休暇から復帰したスタッフは、ほぼフルタイムで働いてくれています。
この状況なので、子供を預ける保育園からは少し熱が上がると電話が掛かってきます。
不安定な勤務状態は本人が辛いでしょうが、仕方ありません。
先日は打合せ直前だったこともあり、子供をバギーに乗せて出社し、数時間仕事をしてくれました。
1歳を過ぎた彼も、初めは機嫌よく遊んでいたのですが、もちろん飽きてきます。
ぐずり出したので「バギーで外を歩いてきてもいい?」と聞くと「勿論大丈夫です」と。
公園の木陰を散歩していると、あっという間に眠ってしまいました。
昼間の木陰を散歩することなど滅多になく、私が気持ちよかったくらいですから当然と言えば当然です。
木漏れ日について少し考えてみます。
私の住んでいる街は、1970年前後に開発された住宅地ですから、公園の藤棚もほぼ同い年。
年輪を重ね、「ふじ」などという繊細な雰囲気は全くありませんが、これも木漏れ日です。
ポイントとしては、葉が揺れたり、葉の密度には濃淡があるので、一定ではないということでしょう。
太陽は移動するので、一日で大きく変化もします。
屋外なので空気が動いているという点も、「心地よい」という感情へ訴えかける大きな要素でしょう。
ふた時代ほど前に「ファジー」とか「1/fゆらぎ」をキーワードにした家電が流行しました。
扇風機などがその代表格ですが、物理で言えば「T=1/f」。
Tは周期を示す記号で、「ファジー」は曖昧とか不確定という意味ですから「人が望む曖昧な周期、リズム」といったところでしょうか。
電車に乗ると眠たくなるのは、レールの継ぎ目が引き起こすリズムあるガタンゴトン音が要因だといわれます。
生物は全て海に起源を持っているので、波のリズムが遺伝子に刻み込まれているのかもしれません。
人はスケジュールにびっしり縛られるのも嫌です。かと言って、全くルールがなければ自分を律するのはかなり難しいもの。
時間、曜日、暦など、見れば見る程よくできているなと感じます。
その源が、潮の満ち引きだったり、太陽のリズムからきていると考えると、こちらも当然のことなのかもしれません。
人が望む曖昧。
それが分かれば一番ですが、まずはリズムあっての曖昧で、さほど曖昧ではないのかなと考えたりするのです。
芭蕉が夏草に故人への思いを馳せたように、私も祖父母が暮らした岡山の海沿いの街や、金毘羅さんへの参道沿いの家を思い出します。
コロナ下という環境ですが、もう少しだけ落ち着いたら、瀬戸内海を見下ろす墓地と、像頭山を望む墓地を訪ねたいと思うのです。
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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【News】
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』で「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』に「回遊できる家」掲載
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました