カテゴリー別アーカイブ: 04 建築

うどんと建築、讃岐詣で & 讃岐うどんの名店Ⅵ‐1085‐

 母方の祖母が亡くなったのが今年の1月5日。

 初盆には少し早いのですが、岡山、香川へ墓参りに。


 父母、弟家族をあわせて11人の団体旅行です。

 宿は小豆島に取っていました。

 日曜日の朝食前、皆で釣りに出ました。バタバタしているうちに、カメラがボトリと水中へ。

 情けないことに定期的に水没させています。今回は1年半でした。


 よって、写真は弟からの貰ったデータです。

 しかしこの写真だけはwebサイトから拝借しました。

 道中の高松にある、香川県立体育館です。

 1964年、国立代々木競技場と同時期に完成した丹下健三の代表作。

 耐震補強の応札がなく、この9月で使用停止が決まりました。

 この日の四国は記録的な大雨。右端に突き出た鼻のような部分から、滝のように雨水が落ちていました。

 高度成長期の日本。丹下が一番前を走っていた時代がビリビリと伝わってきます。圧巻でした。

 保存か解体か、という論議になっています。これほどの建築が簡単に出来ることはありません。天井が低いなら、保存というよりは、用途を変更しリユーズするのが良いのではと思います。


 小豆島は安価なフェリー料金を設定し、観光客を誘致しています。

 四国への橋ができ、何とか立ち寄って欲しいという事です。

 まずは壺井栄の「二十四の瞳」の舞台、岬の分教所へ。


 1日2回、干潮時に現れるエンジェルロード。


 150年は続く醤油蔵ヤマロク醤油

 醤油蔵内まで見せて貰えます。

 醤油は勿論、醤油アイスも美味しかったのです。


 小豆島を4:00pm頃でて、7:00pm神戸港に到着。

 天気はあいにくでしたが、その分スケジュールはゆっくりでした。


 今回の名店めぐりは、山越えうどん。噂に違わぬ繁盛振りでした。

 かまたま(釜揚げ卵いり)1玉250円。

 建築を学ぶ学生の間に「讃岐詣で」という表現があります。

 詣でるべき建築が沢山あるのですが、うどん名店巡りと共に、私の楽しみです。

固い地盤がでますように‐1068‐

 関西も梅雨入りが発表されました。

 今日は朝一番で宝塚へ。地盤調査に先駆け、古家の解体です。

 新たに建つのは、鉄筋コンクリート打放しの家。

 内部も全て打放しの予定です。

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 傾斜地を開発した敷地は、ひな壇のように造成したものが殆ど。

 

 高いところを削り、低いところを埋め、擁壁でとめるのです。

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 この敷地は、南北方向だけでなく、東西方向もひな壇になっています。その高さ4mほど。

 幸いにも、擁壁は安全なものだと分かりました。

 しかし硬い地盤がどの位置にあるかによって、地盤補強の金額が変わります。

 建築は、法規、コスト、時間などをクリアして、現実のものとなります。

 何より大切なのは建てるという意思。しかし、神頼みの所も結構あるのです。

 固い地盤がでますように。

COOL!-1066‐

 昨日は、インターオフィスのショールームへ行っていました。

 自邸で使う、娘のイスを見に行ったのです。遅々とですが計画は進んでいます。詳しくは「現場日記」で。

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 ショールームは、四ツ橋の交差点から西へ3分程。

 3月まで、グランフロントの伊勢丹にhhstyle.comの店舗がありました。 しかし3月に撤退。

 インターオフィスはその親会社で、関西ショールームはここだけになりました。

 入口を入ると、家具のミニチュアが並んでいます。

 ボールチェアは1963年、フィンランド人デザイナー、エーロ・アールニオの作品。手前にあるパスティルチェアは1967年の作品です。

 2004年頃だったか「webサイトを見た」とオファーがありました。

 住宅兼店舗といった建物で、家具のショップが主。ミッドセンチュリーの名作から、更にコンセプトを絞ったセレクトショップで、旧店舗にアールニオのバブルチェアがありました。

 ボールチェアのクリア版と言えば分かりよいでしょうか。

 この計画は結局頓挫します。建築に詳しい親族が「図面だけ描いて貰えば十分。現場監理は不要」という意見だったのです。私は「現場監理なしで、引き受けることがはできません」と伝えました。

 オファーをくれた夫妻は、悩んでおられたようですが、結局断りの手紙が届き、その中に5万円が挟まれていました。

 こちらのご主人、日本人離れした魅力がありました。

「RED-Lab」のどれかの写真を指し、「守谷さん、クールやわー」と繰り返します。

 10年前のことで書いてしまいます。

 免許取り上げ中にも関わらず、車を運転して来所したのです。サングラスに長髪をなびかせ、アメリカングラフィティーから飛び出して来たような人でした。

 「滋賀の家」の施工会社の社長が、私を知っていたと聞いたのは地鎮祭の後。本人も時期は覚えていようですが、一度「設計協力の相談」に来所したそうです。

 その時も「下請けはやっていないのです」と答えたのだと思います。若い分、多少血気盛んではあったはず……

 世の中は意外に狭いもの。その場限りはないのです。

ウロウロするのは男だけ‐1058‐

 4月29日は昭和の日。長男と釣りへ行こうと思っていました。

 しかし関西は強い雨。断念して、大山崎山荘美術館へ行きました。

 大山崎山荘は、1917年に建った洋館です。

 持ち主の手を離れ、1990年頃マンションの計画が持ち上がります。

 建て主の加賀正太郎はニッカウヰスキ-の設立に参加。

 同じく、アサヒビールもその設立に参加していました。地域の強い要望もあり、アサヒビールがその縁から、買い取り、美術館へと生まれ変わったのです。

 改修、設計を託されたのが安藤忠雄です。

 1996年、半分地中に埋まった円形の「地中館」が完成。美術館はオープンしました。

 この一室空間の主役はモネの「睡蓮」。その他、ミロ、シュザンヌ・ヴァラドン等が展示されていました。

 シュザンヌ・ヴァラドンと言えば、ルノワール、ロートレックのモデルとしても有名。

 「白の画家」モーリス・ユトリロの母でもあります。その父が誰かは分かっていませんが、ロートレックという話しもあります。

 「睡蓮」より、こんな物語に私は惹かれるのです。

 雨に誘われ、カタツムリが柱を這い登っていました。

 コンクリートはセメント、砂、石、水を混ぜたもの。また、セメントの成分は、石灰石、粘土、けい石等です。

 本来、全てが材が国内でまかなえる安価な物なのです。

 安藤はその美しさにこだわり、独自の表現へと高めて行きました。しかし元はと言えば「大空間を安く作るための苦肉の策だった」と懐述しています。

 私もその魅力に魅せられた一人ですが、好きなのは男性だけというケースが圧倒的。よって家として実現するのは「あなたが好きなら」というケースが殆どです。

 今週初め、ラジオでこんな事を言っていました。

 電話をしながらウロウロするのは男性が殆ど。女性がそのような行動をとることは無い。男性は本来会話が苦手で、その不安を紛らわせるため、ウロウロと立ち歩く。女性は会話を楽しめるため、そのような必要が無い。

 私用の電話など、私もかなりウロウロします。会話が苦手で、不安を紛らわせていたとは……

 男と女。漫才コンビではないですが、こうまで違うのかと、軽いショックを受けたり受けなかったり。

あちこち取材‐1055‐

 昨日は、住宅誌の取材でした。

 「あちこちでお茶できる家」は2012年2月の完成。

 前回伺ったのが、およそ1年前でした。変わらず元気な姉妹が、迎えに出てきてくれました。

 朝の新幹線で来阪したライターと、写真家。早速、取材はテキパキと進んでいきます。

 撮影の合間にも、色々と話を聞くのですが、このピンクの壁があるトイレ。

 当初の予定通り、普段は開け放しだそうです。ご主人が「もう、閉まっているほうが気持ち悪いんですよ」とも。いつも開いていると、においも全くないそう。

 トイレの進化もありますが、コロンブスの卵的な発想が、建築設計にはまだまだありそうです。

 広い玄関土間に面した手洗いは、鮮やかな緑にしました。

 奥さんは、当初より北欧の家のカラフルさを取り入れたいと希望していました。

 この緑なら、赤を少し含んだこげ茶のカウンターにしましょうか、というのが私からの提案です。住宅の設計とは、譜面のある独唱でなく、アドリブのみのジャムセッションなのです。

 住宅誌では、家族全員に登場して貰うことが殆どです。

 遊びたい盛りの姉妹も、賢く協力してくれました。掲載は7月末の予定。正式に決まればまた告知します。

 この写真は、2年前に撮った写真が使われています。

 今週の土曜日、日曜日、グランフロントにあるサンワカンパニーでセミナーの講師をします。セミナーは3:00pmから。夕方6:00pmまで相談員としても居ます。

 「本当に住みやすいんです」と奥さんが言ってくれたこの家。そのストーリーをあますことなくお話したいと思います。

 ビフォーアフターの話も少しするつもり。時間のある方は気軽に遊びに来て下さい。

P.S. 今までのクライアントの方々も、来場頂いても全く問題ございません。

被就職活動‐1054‐

 今日は、学校めぐりの一日。

 これまでスタッフ募集は、事務所のwebサイトにUPするだけでした。しかしここ数年、応募は減る傾向にあります。

 それならこちらから出向くまで。朝一番は、母校である近畿大学へ。

 長瀬駅を降りると、大学通りは人、人、人……

 遠くにかすむ西門まで5、600mはあるでしょうか。

 学生で埋め尽くされる景色は、壮観でさえあります。

 私が通っていた頃からある、食堂が残っていました。

 古き良き、大学風情も残ります。

 近大マグロ、全国初の完全ネット出願による出願料の割引。これらが功を奏し、受験者集日本一になったようです。

 就職担当の教授に「とにかく人手が足りないのです」と現状を伝えました。 教授は私の5つ上で、学生の考え方の変化もあるでしょう、とのこと。

 給料は安い、仕事は厳しい、だから若者が来ない。

 理に適っているのですが、それを上回る夢があるはずなのですが……

 その後、千林大宮にある大阪工業大学へ。

 淀川河川敷のすぐ南にあり、景色、環境に恵まれています。河川敷でランニングしているのは、系列高校のラグビー部か。

 全国レベルだそうです。

 こちらの校舎も新しい感じでした。

 近い将来、梅田の真ん中にキャンパスが出来るそう。

 各大学が、減少する学生を取り込む努力をしているのです。

 最後は、天満橋にある 大阪工業技術専門学校(OCT)。

 造幣局のすぐ近くにあり、通り抜けものぞいてきました。

 この3校からはスタッフを迎えたことがあります。

 IT、通信、ロボット工学などに、時代の花形を奪われた感はあります。

「建築とは、時代の音楽を凍らせたもの」

 建築は社会にとって必要なもので、時代の気分を色濃く写しこんでいます。どうせ一度しかない人生。それを捧げるに値する仕事だと思います。

 慢性的な人手不足を解消するには。

 ここで働きたいという若者が列をなすところまで、頑張るしかありません。

TOKIO‐1049‐

 昨日は、昼過ぎに東京着。

 午後はずっと「セブンドリーマーズ銀座店」にいました。

 宝石のようにディスプレイされるカーボンシャフト。その棚自体も、ドライカーボンで作られています。 

 この店舗は、カーボンのギャラリーでもあるのです。 

 28日(金)からのオープニングセレモニーは好天が続きました。しかし、この日はあいにくの雨。

 それでも、途切れることなく来客があります。

 シャンパン、ピールと準備万端。

 フラッグと、花に誘われて。

 最高級のプレミアムシャフトは1200万円。完全オリジナル設計のシャフトが18万円です。

 近くへ出かけた際は、気軽にのぞいて下さい。 

 その品質の高さを説明する社長。30年来の友人でもあります。

 彼から声を掛けて貰い、芝公園ラボとの2店舗をデザインすることになりました。

 もともと本社は稲城市にあります。今回、セブンドリーマーズを立ち上げるにあたり、都内に2拠点を持つことになったのです。

 その価値、手応えを感じている彼は、私にも「是非、東京にもでてくるべきだ」と言います。

 日本の中心は東京。また、海外でも仕事がしたいなら、東京を素通りする訳にはいきません。

 夜8時を過ぎ、3日間のオープニングセレモニーが終わりました。スタッフの皆さんも、ホッと一息の時間。

 欲しいなら何もかも その手にできるぜ A TO Z

 沢田研二の「TOKIO」は1980年のヒット曲。

 ちょっと古いですが、今もなお、東京は奇跡を生み出すスーパーシティーなのか。
 
 ここ数年、関東圏での仕事も増え、手ごたえは感じています。しかし「機が熟してから」では遅いのは間違いありません。

おもてなしin銀座ギャラリー‐1048‐

 明日から3日間、 「セブンドリーマーズ銀座店」のオープニングセレモニーが開催されます。

3月28日(金)-30日(日) 11:00-20:00
104-0061
東京都中央区銀座5-8-3

 この期間中、銀座店~芝公園ラボ間でシャトル運行があり、宇宙技術カーボンゴルフシャフトを試打出来ます。すでにかなりの反響で、生産がおいつかない状態とのこと。

 芝公園ラボ、銀座ギャラリーとも、当事務所が基本デザインを担当しました。30日(日)の14:00-17:00は私も銀座店へ伺います。ゴルフ好きの方は、是非遊びに来てください。

 銀座店は「ギャラリー」の名の通り。宝石のように美しい、カーボンシャフトを見て貰うところです。

 この日曜日に現場へ行った際は、まだ完成していませんでした。

 「お・も・て・な・し」で勝ち取った、2020東京オリンピック。消費税アップも控え、関東の建築業界は活気付いています。

 昨年後半から、好景気を超え、完全に供給不足に陥っていたのです。

 関東圏には全く職人がおらず、関西からも吸い上げられている状態。私が考えていた施工会社も、結局お手上げ、となったのです。

 その窮地を救ったのが、親会社であるスーパーレジン工業の方々。

 職人がいないなら、自分達がやるまで。23日(日)も現地で働く姿がありました。大きなチームである企業を、これほど羨ましく思ったことはありません。

 社長から仕入れた情報によると、アルコールのサービスもあるという話。宇宙品質を誇るメーカーが新たんび立ち上げたブランド「seven dreamers」。そのおもてなしを是非体感下さい。

すべてはドリームショトのために‐1047‐

 週末は、千葉、東京へ出張へ行っていました。

 土曜日は泊りがけで柏の家の撮影でした。日曜日は「芝公園ラボ」の撮影。

 前回は、手直し工事の最中だったので、完成形を見れたのは今回が初めてです。

 宇宙品質のクラブを世に送り出すのがこのプロジェクトの使命。やはり打っている絵がないと様になりません。

 スタッフの方に頼んだのですが、服装の雰囲気から、私が打つことになりました。

 ゴルフクラブを握るのは、およそ10年振りか。芝公園ラボには、最新の計測設備があります。

 その計測技術によって、完璧なオリジナルクラブを生み出せるのです。

 弾道は、正確にスクリーンへ描かれます。
  
 写真だけなので、形になっていればよいのですが、つい力が入ります。

 1打目はトップ。3打目だったか、完璧に捕らえた感触がありました。270ヤードを超え、スライス、フック無しで、コースのど真ん中。気分は最高です。

 映像とはいえ、以前の感覚が蘇ってきます。その後、大したショットは出ませんでしたが。

 父がゴルフ好きで、中学生くらいからコースにもでていました。自分の中では得意なスポーツだったのです。

 しかし、コースに出る前だけ、血豆が出来るほど練習し、体裁を保つのに疲れてきたのが30歳頃。

 中途半端は嫌いなので結局辞めてしまいました。

 ルネサンス期の3大発明といえば、火薬、活版印刷、羅針盤です。

 これによって、文明は飛躍的に発展しました。

 羅針盤によって、航海技術は発展。大航海時代がやってきたのです。

 FOR YOUR DREAM SHOT-すべてはドリームショトのために-

 この言葉を見た時、このプロジェクトの成功を確信しました。

 仕事、人生とは、未知の大陸を目指す航海のようなもの。

 そこにあると信じるものが、心の中の羅針盤を信じ、船を出すのです。

 「柏の家」の撮影は、宿泊、食事まで提供して貰いました。こちらはまたの機会に。 

晴るかす‐1046‐

 3月7日にオープンした「あべのハルカス」。

 以前、天王寺の密集した街に高層ビルは似合わない、と書きました。

 もし、ブルジュ・ハリファ(ドバイ)のように、大平原に建つなら別です。

 天王寺動物園、サバンナゾーンからの構図です。

 おぼつかなく思いつめたること、すこしはるかさむ
 (胸の思いをあなたに打ち明けて晴らしたい)

 名前の由来となった「伊勢物語」の一節です。

 「晴るかす」は「晴らす、晴れ晴れとさせる」という意味と、公式サイトにありました。

 ロゴを決め、後付の理由が多い中、意味合い、響きとも好感がもてます。

 春香す。 

 春化す。

 春ではなく晴るでしたが、天王寺界隈はこの世の春といったところ。

 「去る」3月を逃がさないよう、年度末までラストスパートです。

 わが心晴るかさむように。