峠を歩いて越えてみたい‐2162‐

今日は文化の日の振替休日。

昨日、今日と素晴らしい秋晴れになりました。

昨日現場へ出たついでに、生駒山の十三峠近くにある水吞地蔵まで足を延ばしてみました。

大阪平野から奈良へ抜けるには、かつては生駒山を越えるしかありませんでした。

北から、清滝越え、竜間越え(現、阪奈道路)、暗越え、そして十三峠越えなどです。

十三峠越えはそれなりに道幅があるので、自転車の練習に訪れる人が多いようです。

昨日は10台くらい見かけました。

ただ勾配はなかなかのもので、見るからに大変そう。

峠の手前あたりに、数台止められる駐車場がありました。

弘法の霊水という文字も見えます。

水吞地蔵院までは歩いて2、3分です。

本堂前のテラスと言ってよいのか。

大阪平野を一望できます。

高過ぎず、低すぎずで、期待以上の絶景でした。

あべのハルカス、南港のワールドトレードセンターは、ポツンとあるのですぐに分かります。

意外に良く分かるのが大阪城。

緑に囲まれ、東に高い建物がないのが幸いしています。

年末に引っ越す先はあのあたりになるんだなと思いながら眺めていました。

この清水は、弘法大使が急こう配の十三峠を越える旅人のために祈願して得た霊水と言います。

「生水を吞まないで下さい」とありましたが、当時の人の気持ちが少し分かればと、少しだけ呑んでみました。(「飲む」でなく「呑む」)

今度の引っ越し先は、すぐ裏に暗越奈良街道が通っています。

奈良から、車で暗越えを使って通勤していたという人から、勾配も急ですが幅がかなり狭いと聞いていたので、車で行くことは控えていました。

それもあって、一度歩いて峠を越えてみたいと思っているのです。

何とか年内に無事移転を済ませて、その第一弾で暗越えを実現したいと考えています。

大変だとは思いますが、多分最高に気持ちよいはずです。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

エゴ無し、無私無欲、利他の心のMV3‐2161‐

3連勝のあと1敗はしましたが、今年のロサンゼルス・ドジャースは強かった。

今日も5点差をひっくり返すビッグゲームで、大谷翔平選手は移籍1年目でワールドチャンピオンとなりました。

日本人ファンとしては、レギュラーシーズンの活躍が凄まじかっただけに、ワールドシリーズ第2線の左肩の怪我が残念でなりません。

その大谷選手が本調子でなくても、過去にMVP受賞者のフリーマン、ベッツと役者がそろっている上に、メンタリティの違いも感じました。

期待の若手、セカンドを守るギャビン・ラックス選手は、昨日の会見でこう語っていました。

「彼らにはエゴがない。ただ勝ちたいという気持ちしかないと思うし、ワールドチャンピオンが僕たちの最終目標であることも分かっている。3人が球界最高の選手であることは間違いなく、そこに秘密なんてものはない。しかし、同時にエゴが全く存在せず、無私無欲であり、ただ勝ちたいだけなんです」

また、シーズン途中に移籍してきたジャック・フラーティ投手は、ラックス選手の会見前にこう語っていました。

「彼らは利他的なんです。彼らはずっとそうしてきた。スポーツ界のトップにいる選手と同じです。彼らはこれからもっとMVPを獲るかもしれないが、努力もしています。そのことは学ぶべきことであり、周りの選手全員にも伝わっていると思う」

フラーティ投手も今シーズン13勝をあげる、エース級の活躍でしたが、やんちゃ坊主感が見え隠れするところも、魅力です。

地区シリーズで、ダルビッシュ有投手所属の、サンディエゴ・パドレスの主砲、マニー・マチャドとトラッシュ・トーク(口喧嘩)をやりあっている場面は、褒められたものではありませんが盛り上がりました。

MLBをポストシーズンまで観たのは今年が初めてですが、かなり面白かったです。

キャラクターが立っている選手が多く、誤解を恐れずいえば最上級のプロレスを観ている感じ。

ティム・ヒルの投げ方、ジアンカルロ・スタントンの打ち方、エリー・デラクルーズのユニフォームの着こなし、そしてフェルナンド・タティスの髪型も本当個性的です。

超一流選手が、更に個性を際立たせるのですから、このあたりは、日本のプロ野球も見習って良いのではと思いました。

もっと言えば、大谷翔平選手、山本由伸選手の出場で、地上波で世界基準を観てしまった以上、そこが競争相手になることを意識しなければならないと思います。

私はABEMAの有料会員なので、ドジャースの試合の2/3くらいは観ることができました。

しかしポストシーズは有料会員用の中継がなく、ドジャース戦は3試合くらいだったと思います。

これは大変と、ポストシーズンを唯一日本語解説で全試合観れる、SPOTV NOWにこの1カ月加入したことは以前書きました。

結果的には、フジテレビが地上波で中継した、ワールドシリーズだけは無料で観れました。

しかし、パドレスとの地区シリーズ、ニューヨーク・メッツとのリーグチャンピオンシップはかなり面白かったので、加入して良かったと思っています。

特に、最終戦までもつれ込んだパドレスとのマッチアップは最高でした。

38歳、ダルビッシュ有のピッチングは素晴らしく、その後の大谷対策を世界中継してしまったようなものでしたが。

しかしやはり大谷選手です。前日、遅くまで働いていても、翌朝試合が観れると思うと、頑張りもきくというものです。

来年は2刀流復活なので、2/3で我慢するか、開幕したらSPOTV NOWに加入するか今はまだ決めていませんが、本当に楽しい、観ているファンに元気を与えてくれる素晴らしい1年でした。

ただ、本当に面白いものは、有料でなければ観れない時代に入ったようです。

尊敬する京セラ名誉会長だった稲盛和夫さんが、最も多く口にする言葉は「利他の心」でした。

それが、やんちゃ坊主フラーティ投手から、今年最後に聞くとは何だか感慨深いものがあります。

確かに、スーパースタークラスの選手でも利他心をあまり感じない選手もいます。

才能ある人間にエゴが無く、無私無欲で、利他の心を持っている。そして努力を惜しまない。勝てない理由を探す方が難しそうです。

MVPが3人でMV3。今年のMV3は最高でした。

楽しませて貰ったことに感謝し、今度は自分の仕事で利他心をもって頑張らなければなりません。

ただ、数日はMV3ロスに悩まされると思います。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

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いよいよ本格始動します‐2160‐

昨日は、昼から阪神百貨店向かいの、梅田阪急ビルオフィスタワーへ。

正確に言うと、大阪梅田ツインタワーズ・ノースに名称が変わったのですが、今でも前者のほうがしっくりきます。

妻とTOTOのショールームに来る日がやってくるとは……

「上町のアトリエ兼住居」のモノ決めにやってきました。

家を建てるのに、TOTOが一切使われないことは、あまり無いかもしれません。

日本が世界に誇るメーカーですから、モノが良いのは間違いありません。

しかし、普段クライアントに勧めているグレードは、金額的に使えなさそうです。

ヨドバシカメラ前の歩道橋を渡って、グランフロントに移動します。

この歩道橋、出来た時から屋根部にフレームがあります。

いつか屋根を架けたいんだろうなと思っていました。

ヨドバシカメラに接している部分のみですが、ついに屋根が架かっていました。

これはヨドバシカメラがお金を出しているのでしょうか。

全部に屋根が架かると、移動がとてもしやすくなるのですが。

グランフロントのサウスタワー内にあるリクシルに移動しました。

便器と同じく、キッチンもあまりお金を掛けられずで、既製品を見に来たのです。

前の家では、置き型の食洗器が壊れてから、大分文句を言われているので、食洗器だけは必須になると思います。

普段から、金額調整はかなりシビアにやっていますが、かなりの減額に迫られそうです。

最後はグランフロントのノースタワーにあるミラトップ。

最近、サンワカンパニーから名称が変わりました。

衛生機器類は比較的リーズナブルで、多めの採用になりそうです。

私にとっては、普段のショールーム巡りの定番コースですが、妻は「疲れた」と。

それならと、ひとりでグランフロントの屋上まで上がってきました。

グラングリーンが9月に街びらきをしましたが、まだ訪れたことがありません。

せめて全体像を見ておきたかったのです。

プリツカー賞を受賞した、SANAAが大屋根を設計したイベントスペースが中心に見えています。

かなりの人出ですが、何があるのか全く知らないので、是非寄ってみたかったのですが

約30年に渡って、100軒ほど設計させて貰いましたが、自分の家を建てるのは初めてです。

建築とは、改めてのお金が掛かるものだということを痛感しています。

場所と構造にこだわって中古物件を探したので、あまり工事費にはお金が掛けられず、かなり苦戦しているのです。

ただ、泣いて、喚いても誰も助けてくれないので、何とか自分で解決するしかありません。

「上町のアトリエ兼住居」 、まだ「ゲンバ日記」は名称を変えただけですが、いよいよ本格始動します。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

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トクトク、グツグツ、オノマトペ‐2159‐

「下北山村の古民家〈リノベーション〉」【ゲンバ日記チャンネル】Episode6を公開しました。

前回のEpisode5は、視聴回数少な目だったのですが今回は好調なようです。

黒の外観と、内部もほぼ完成しました。良ければご覧下さい。

娘が修学旅行中で、妻を晩ごはんから解放してあげようと外食することにしました。

仕事終わりで、喜連瓜破の駅前へ。

思っていた焼きとり屋さんが休みのようで、初めての店をのぞいてみます。

私達はタバコを吸わないので、店選びで一番ハードルが高いのはその点です。

聞くと一番奥の席だけ喫煙可とのこと。

「手前の席ではどうですか?」ということで、こちらにしました。

若い頃は、泡が良い頃合いになるよう、いつも妻が注いでくれていましたが、最近はそうもいきません。

いろいろ家事があるので仕方ないところですが、外食時は注いでもらいます。

「トクトクトク」と美味しそうにはいりました。

早速乾杯です。

焼きあがった串から持って来てくれるようで、これは好感が持てます。

ねぎま、手羽先、こころ。どれも塩で。

もつ鍋も名物のようで頼んでみました。

ニラの緑と唐辛子の赤が食欲をそそります。

「グツグツグツ」と、音だけで一杯いけそう。

もう博多が生んだ世界遺産です。

特に、とろけるようで、かつ歯ごたえのあるもつは最高でした。

音や声、動作などを音声化して示すのがオノマトペです。

日本語は、他と比べてオノマトペの多い言語だそうです。

動詞が少ないので、オノマトペを使って表現を補っていると聞けば納得できます。


この日、伏兵で美味しかったのが、山芋の串。

「山葵のせ」とあり、読み方が分からず聞いてしまいました。

答えは「わさび」でした。外食しないのがばれてしまいます。

この濃い黄緑の山葵は、おそらく、直前にすりおろしたもので「シャクシャク、ピリ」がとてもよかったです。

オノマトペの使い方は、読みやすい、臨場感を伝えるなど、とても重要です。

この日記を書きはじめた頃から、勝手に「文章の書き方の師」と思っている人がいます。

元「週刊プロレス」編集長の山本隆司さん、またの名は「ターザン山本」です。

中学、高校とどっぷりターザン信者だった私は、この人にとても影響を受けました。プロレス雑誌にニーチェを持ち込んでくるのですから。

ターザン山本いわく「文章は風景論、音と色は必ず盛り込んでいくこと」と。

また、「最近の文章はカタカナが多い。このカタカナをうまく使える人が、文章がうまいという」とも。

2006年頃にこういった発言をしていたのですから、どれだけ才能がある人か伝わると思います。

ということで、カタカナ多めの今回、いかがだったでしょうか。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

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ヒリヒリする秋の総仕上げ‐2158‐

「ドッグランのあるタイル床の家」【ゲンバ日記チャンネル】Episode2を公開しました。

Episode1は、かなりの視聴してもらったのですが、今回は少な目。

クライアントにも折角協力して貰ったので、良ければご覧ください。

まだまだ暑い大阪。中心を貫くのは御堂筋です。

本町のすぐ南にあるのが南御堂。

本町の北にある、北御堂とを結ぶので御堂筋と呼ばれます。

「御堂筋」は愛称で、正式には「国道25号と176号の一部」。愛称って何?となるのですが。

ビジネスの中心地でもあり、建物のクオリティもやはり高い。

こちらの建物は豪壮華麗、ゴシック様式を意識したものでしょうか。

カフェでもハンス・J・ウェグナーがデザインした椅子が採用されていました。

本町から北を望むと、2km程先にキタのビル群が見えています。

阪急前から難波駅までの全長は約4km。道幅40m以上の道路がこれだけ続くのは世界的にも珍しいと言われています。

キタまでやってきました。

御堂筋といえばイチョウです。

ミナミはそうでもなかったのですが、キタのイチョウは少し色付いている感じです。

しかしよく見ると、色付いているのではなく葉が焼けているような感じ。

東京では、真夏日というニュースもありました。

10月半ばをすぎても、ヒリヒリするような日差しが続いています。

秋のヒリヒリした戦いを求めて、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平選手。今日、ニューヨーク・メッツを破りワールド・シリーズ進出を決めました。

東の名門、ニューヨーク・ヤンキースと43年振りの対決です。

大谷翔平選手の歴史的な活躍は、もう一生観ることができないかもと思い、ポストシーズンの出場試合を、唯一日本語解説で全試合観れる(観れた)、SPOTV NOWとこの1ヶ月契約したのです。(2千円)

なのですが、先ほどフジテレビがワールドシリーズ全試合を生中継すると発表しました。

それなら先に教えておいてよ~と言いたくなりますが、仕方ありません。

ポストシーズンも活躍している大谷選手ですが、ファンとしてはもっと、もっとと期待してしまいます。

更に、アメリカン・リーグのMVP候補、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手とのMVP対決も見逃せません。

ヒリヒリするこの秋の総仕上げ。今週土曜日の開幕が待ちきれないのです。


■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

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■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

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理容師≒医師‐2157‐

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

今日は2件も訃報が届きました。

子供が小さい時は、多くの家庭がお世話になった絵本「ぐりとぐら」。

作者の中川李枝子さんが、89歳でお亡くなりになりました。

勿論、我が家も大変お世話になりました。小さな子供の誰もが夢中になる、子供だけに分かる何かがあるのでしょう。魔法のような絵本でした。

そして、もう1件は俳優の西田敏行さんです。

小学校の頃、再放送だったのか、リアルタイムだったのか覚えていませんが「池中玄太80キロ」は本当に好きでした。

最近、ドラマは殆ど観ませんが、あんなにも哀愁を称えたホームドラマは無いのではと思います。

切ない物語の中に、家族の絆。そういったモチーフは、今では流行らないでしょう。昭和の遺産と言えるかもしれません。

いくつかシリーズがあったと思いますが、主題歌「もしもピアノが弾けたなら」が、大好きでした。心からご冥福をお祈りします。

昨日、カットに行きました。

散髪屋さんにある、赤と青がくるくる回っているサインがありますが、サインポールというそうです。

なぜこのようなデザインになったかは諸説あるようですが、むかしのヨーロッパでは、理容師が外科医を兼ねていたそうです。

血の赤に、包帯の白、そして、外科医と分かれた際に、青が加わったという説や、青は静脈を表すという説もあるようです。

大体、6週間から8週間に一度行くのですが、時刻は19時30分の一番最後の枠でお願いしています。

店長のDさんは、1962年生まれで8つ年上の62歳。全くその歳に見えないくらいとても若々しい。

この店が近所に移転してきてから、10年が経ったちました。その前は、地下鉄の駅前で、チェーン店のオーナー店長を務めていました。

私はその店に、中学生の頃から行っていると思います。

ちょっと色気がでてきて、美容院なども行ってみましたが、私にはDさんが一番良かったのです。

駅前の店舗の時は、スタッフは7人くらい居り、チェアも4,5台あったと思います。

しかし、どの業界も同じで、人手不足、若者の仕事が続かないということを踏まえて、全てをひとりでするという選択をされたのが10年前でした。

長男も、小学生5年生くらいに連れていったので、初めの頃は私が横で待っていたのでしょう。

もう覚えていませんが、そうであっても1回だけだと思います。後はひとりで行って貰いましたから。

このDさん、下町の理容店でありながら品があり、距離感が素晴らしいのです。

髪を切るという行為は、かなり近い距離感で行われますが、それ故、近すぎても、遠すぎても駄目な仕事です。

加えて、多くの人と1時間くらいみっちり話をするので(しない人もいると思いますが)、話題も豊富でなければなりません。

それはそれで大変だろうと思うので、私が行くときは、1ヶ月半の間にあった、面白そうなネタをピックアップしておきます。こちらが楽しませるイメージです。

大学生の頃、長髪にしていた頃も覚えてくれていますし、何かメディアに露出した際も観てくれて、褒めてくれるのです。

考えてみれば、家族以外でこれだけ定期的に会うのは、Dさんだけかもしれません。すでに40年ですから。

平野から上町に行った時、一番悩むのは散髪です。ここまで来るか、どこか近くで探すのか、かなり迷うと思います。

「守谷さんはよく働く上にポジティブですねえ」と良く褒めてくれます。

仕事の話をしていることがやはり一番多いと思います。

こちらのお店、朝10時から夜8時が基本。「ちなみに何時頃出勤しているんですか?」と聞くと「6時頃ですかねえ」と。

「6時!」と思わず聞き返してしまいました。

私もかなり働く方だと思いますが、毎日絶対に14時間は働いている訳です。

そして、「こんなにいい仕事はないですよ。夏は涼しく、冬は温かく、何よりこちらに出向いて貰えるんですから。本当に有難いことです」と。

感謝をベースに働くということは、全てを好転させることを、目の前でいつも見せて貰っています。

この店に来るか迷うと言いましたが、多分来るのだと思います。

昔のヨーロッパでは外科医を兼ねていましたが、Dさんは私にとって精神科医のようなもの。

そのくらい、気持ちよく話を聞いて貰えることには価値があると思うのです。

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香り立つ、アベリア・グランディフローラ‐2156‐

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

ここは、1980年に廃線となった南海平野線跡です。

始発駅の、平野停留所があったあたりは遊歩道になっています。

時々通るのですが、植え込みのアベリアが花をつけていました。

辺りには甘い良い香りが漂っています。

庭木としてよく採用しますが、これ程良い香りがするとは知りませんでした。

「風薫る」は初夏をイメージしますが、「香り立つ」は、秋のイメージにピッタリです。

アベリアは常緑ですが、葉が小さいのが魅力です。

常緑の庭木は、葉が分厚く大きいものが多いのです。

葉が小さいと影にも濃淡ができ、建築を邪魔しません。2022年完成の「あの森のOhana」でも採用しました。

ちなみに一番奥の左にあるソヨゴも葉が細やかな常緑樹。

昨年の1月に撮った写真です。

少し雪が積もっていましたが、アベリアと共に、葉が落ちていないのが分かります。

この2種にはいつもお世話になっているのです。

そのアベリアの多くは、前「Ohana」から移植しました。

こちらは2009年の完成です。

竣工時は小さな苗でしたが、最終的にはここまで大きく育ちました。

「Ohana」は 、2年前に府道の拡張工事で残念ながら解体されました。

2018年の台風で倒れてしまったシンボルツリーのオリーブ。

ここまで大きく育っていました。

仕方なく折れた部分でカット。

その後少しずつ葉を付けてきました。そして 「あの森のOhana」へ。


どうしても主役の方に目が行きますが、脇を固める中低木があってこそ、建物を引き立ててくれます。

このアベリア、正式名はアベリア・エドワードゴーチャだと思っていました。

確認してみると、アベリアの中にも色々品種があり、 エドワードゴーチャ はピンクの花を付けるものを指すようです。

一般的なものは、アベリア・グランディフローラと呼ぶようでした。

どちらの名前も、まるで王族の名前のようで、高貴な香りが立ち上ってくるようです。

建築設計を始めて30年経ちますが、未だに知らないことが沢山あり、愕然とすることがあります。

ただ、全て知っていなければいけないとも思っていません。

例えるなら、映画監督のような仕事で、一流の役者や、カメラマンに、自分のイメージをしっかり伝えられれば良いのです。

そう考えると、どこにプロフェッショナルとしての知識や技術があるのかとても伝え難い仕事かもしれません。

大切なのは、感じられることだと思っています。

清々しい、神々しい、美しい、良い香りがする、美味しい……等など。

そこは、仕事を始めた頃からあまり変わっていない気がしますし、そうでありたいと思うのです。

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「勝つ」か「負ける」かは常に半々、どうせジェットコースター人生だし‐2155‐

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

現場へ向かう途中。

立派な旧家が立ち並んでいるエリアがあります。

ただ、形あるものはいつか朽ち果てるのが宿命です。

安普請の(失礼!)倉庫なのかなと思い、横をのぞいてみたら、しっかりした土壁でした。

こういった昔ながらの瓦屋根は、解体の手間と費用がかなり掛かります。

屋根を葺き替えてリノベーションするのか、それとも撤去してしまうのか、他所の現場ですが気になるのです。

今年の暑さで、彼岸花も遅れ気味なのでしょうか。

ようやく秋の景色です。

向かっていた現場は「ドッグランのあるタイル床の家」でした。

順調に工事が進んでおり、早く【ゲンバ日記チャンネル】をUPしたいのですが、なかなか編集が追い付いておらず……

今日は昼から谷町六丁目へ。

この春に中古物件を購入し、「上町のアトリエ兼住居移転計画」は秋に完了している予定でした。

しかし実際には、ようやく今日が建築会社への現場説明。

現場説明とは、見積開始に先立って、文字通り現場で説明をすること。通称「現説(ゲンセツ)」。

「取説(トリセツ)」みたいなことです。

解体担当と電気設備担当も参加してくれましたが、リノベーションにおいて頭が痛いのはアスベスト問題です。

年代的にはロックウールだと予想していますが、仮では進んでいけません。

解体担当に検体を採取してもらい、検査機関へ提出を依頼しました。

「どのくらいの確率でアスベストが出ると思う?」と聞くと「年代的には半々ですかね」と。

低い確率を答えてがっかりさせてもいけないので、100点の回答だと思います。

「出る」か「出ない」か、「勝つ」か「負ける」かは常に2択。 半々に違いありませんし。

現説が終わったのは夕方。

屋上から西を望むと、上町台地の稜線がすぐそこに見えています。

ここで働き、暮らす覚悟を新たにしました。

駅に向かって歩いていると、モウモウと煙を吐き出す焼き鳥屋さん。

平野と違って誘惑も一杯ありそうです。

起業した時からジェットコースター人生です。

「勝つ」か「負ける」か 、前に進むしか選択肢はありません。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

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もっとマメに上書きしておけば……‐2154‐

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

晴れの日も雨の日も、ただ家と会社を往復する日が続きます。

家からアトリエまでは自転車で5分程。

そんな短い時間で見る朝の景色だけが、僅かに世の中を感じる情報源です。

米不足は解消したのだろうか、とか。

あのマンションも大分出来てきたな、とか。

コンビニ前にamazonの宅配ボックスが置かれたんだな、とか。

日曜日は快晴で、アトリエ横の「R Grey」も、青空に映えていました。

青空だけを撮るよりも、建築と一緒に撮った方が、空の青さがより伝わるものです。

土日とも朝早めに出社して、日が変わるまで図面を描き、深夜に家に戻りました。

スタッフが居なくなり、そんな暮らしがずっと続いていますが、ようやく非常事態からの出口が、おぼろげながら見えてきました。

今日も朝から、昨日描いた図面データを開いて仕事を始めようとすると、何だかおかしいのです。

描いたはずの構造体や、昨日の最後に描き込んだ建具等が無い。よく見ると図面の描き込みもかなり甘い。

データは、外付けハードディスク内にあるのですが、データの更新時刻を見ると、土曜の24時頃になっています。

最後に保存したのは日曜日の24時頃のはず。

CADソフトが、定期的に自動バックアップをとる設定にしているので、バックアップファイルはあるだろうと探してみてもそれも見当たらない。

1996年頃にCAD化した当初は、PCがフリーズしてしまい「もっとマメに上書きしておけば……」と何度何度も痛い目にあいました。

しかしこの25年くらいは、先の機能があるので丸1日のダメージを受けたことはありませんでした。

メインのハードディスクを「Jドライブ」と呼び、それを1日1回、自動でコピーを取るサブハードディスクを「Mドライブ」と呼んでいます。両方にファイル名で検索をかけても1日前のデータしか出て来ません。

雑務の無い日曜日の仕事量は、平日の3日分くらいに相当します。久し振りに嫌な汗が出てきました。

しかし、どう考えても日曜日に丸1日描いていた図面のバックアップデータが一切無いのはおかしいのです。

自動バックアップとは別に、重要な図面は、手動で帰宅前にコピーをとり、自分のPCローカルドライブにも保存します。

そこを見に行ってもやはり土曜日のデータしかありません。 「もっとマメに上書きしておけば……」と四半世紀振りに悔んでも後の祭り。 3日掛けてやり直すしかないか……

最後に、念のため自分のPCも、ファイル名を入れて検索してみると、なんとバックアップファイルだけですが、日曜日の24時頃のデータがでてきたのです。

表記されているアドレスのフォルダは何度も見に行きました。それで見当たらないのに、なぜ検索したらでてきたのか分かりません。しかし、小躍りするくらい喜び、慌ててコピーし保存したのです。

日曜日の朝、寝ぼけたまま自分のPCのファイルで仕事を始めたのかもしれません。それでも、一切ファイルは目視できないのです。

何だか狐につままれたような話ですが、データ社会の恐ろしさと、有難さを痛感しました。

うっすら見えた出口に向かって、今日もまだまだ頑張ります。

春先に「脱レベル4」みたいな記事を書いていました。結局こんな日常を一生送るのだろうなと思いながら。

でも、今日もとってもいい日です。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

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トントンま~え‐2153‐

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

今日は朝から久しぶりの雨。

気温もやや下がり、残暑も一息といった感じです。

晴れた日には、裏の保育園から「♪トントンま~え♪」という園児たちの掛け声が。

これが聞こえてきたら、そろそろ運動会の季節です。

この日記は2004年から続けているのですが、結婚したのが2003年の11月。

長男が生まれたのが2005年の3月なので、ほぼ家族と同じ歩みになります。

2006年の10月。1歳になった長男の保育園初運動会は大泣きでした。

2010年の10月は、長男にとって保育園最後の運動会

最後の挨拶を担当し、無事その役目を果たしてくれました。

この頃になると、2008年生まれの娘も登場。

家族にとって、運動会はより大きなイベントになります。

私にとって最後の運動会は2019年9月。

娘が小学6年の運動会でした。

我が家の兄妹は足が速く、リレー、徒競走はいつも楽しませてもらいました。

速いといっても、オリンピックに出れる程ではありませんが、町の人気者レベルで十分です。もっと言えば、オリンピックの決勝より盛り上がって応援しているのです。

中学に上がってからは一度も観に行ったことがないので、これが最後になりました。

子育てとは、人が生を受けてから大人になるまでを、つぶさに見せて貰うことです。これに勝る勉強などあるはずがありません。

ワンオペ、生活費の高騰と、厳しいことばかり聞こえてきますが、後で振り返れば楽しい事のほうが多いはず。子育て真っ最中で大変な人達に、何とかそんな事を伝えたいと思います。

長女も高校2年となり、我が家では子育ての終わりが見えてきました。

子供達が成長したのは嬉しいことですが、寂しい事があるとすれば、運動会のような季節感が乏しくなることでしょうか。

最近は、運動会がうるさいという通報まであるそうですし、イヤホンをしての盆踊りが開催されたというニュースもありました。

人は五感で季節を感じるもの。私にとっては「♪トントンま~え♪」あってこその秋なのです。

10月に入りました。

今、佳境にある図面を仕上げたら、大自然の中へ赴き、美味しいものでも食べて、少しゆっくりするイメージは完璧にできています。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

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