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『国宝』と20歳時のヒット映画‐2286‐

1月11日(日)は梅田へ。

風が強く寒い1日でしたが、1の3並びで何だか縁起の良い感じです。

阪急32番街のすぐ東にある「ヘップナビオ」は「ナビオ阪急」として1980年に開業しました。

阪急百貨店あたりから東通商店街へ向かう途中、南端にあたる先端部を通過します。

梅田界隈には、阪急グループと竹中工務店がタッグを組んだ建築が沢山ありますが、ヘップナビオのオリジナリティは群を抜いています。

「Navio」はポルトガル語で「船」を意味する通り、フォルムは直喩の表現です。

46年が経過し、アルミの輝きが落ち、排気ガスで煤けた感じは否めませんが、アルミスパンドレルの外壁は、ガラス一辺倒の現在の商業施設に比べて、味わい深いものがあります。

銀の本体に、僅かに赤を組み込むあたりも、竹中工務店の設計力が見て取れるのです。

南端の3階以上を張り出すことによって、船としての躍動感がでています。

長年にわたって、このエリアのランドマークを担ってきました。

建築の講釈はこのくらいにして本題です。

久しぶりにヘップナビオに入っているTOHOシネマズ梅田で映画を観て来ました。

先日、帰省していた長男から「『国宝』よかったわ~」と聞き、遅ればせながらやってきたのです。

「人生でベスト5には入るかな」などと言う声も聞こえてきましたが、なかなか劇場に足が向きませんでした。

様々なネット配信サービスがある中「劇場の大画面で見る価値」をなかなか感じにくかったからです。

絶景、音楽、アクションなどが売りの映画なら、「実写映画歴代1位」と聞くとすぐに行った気がします。

実際に観て、それらの理由がなくても歴代1位となったことが納得できました。

3時間があっという間でしたし、削りに削っても、3時間が最低必要だったのだと思います。

まず歌舞伎の知識があまり無い私が聞いても知っている演目が、見せ場ばかり5つ程出てきました。

それらが全て、美しい、華やか、楽しいと感じたことが驚きでした。

一流俳優とは言え、歌舞伎の素人が歌舞伎役者を演じているのです。

中村鴈治郎が出演した上で、歌舞伎指導をしているとありましたが、そんなことが起こりえるのか……と。

主役は、歌舞伎の血統を持たず、父が任侠の親分だった喜久雄を吉沢亮。

上方歌舞伎の名門に生まれたエリート、俊介を横浜流星が演じます。

歌舞伎に掛ける情熱は変わらずとも、2人の人生が交錯しながら、成長、嫉妬、友情、信頼を描ききった、とても美しく、余韻の残る映画でした。

3時間も楽しませて貰って何ですが、一点だけ気になりました。

終盤、一度歌舞伎の世界を離れた喜久雄が、田中泯演じる国宝の小野川万菊と会い、歌舞伎の世界に戻るところは、重要な場面だと思うので、もう少し詳細を描いて欲しかったなと。

喜久雄は異例の早さで国宝となるのですが、国宝同志の繋がりはもう少し見たかった気がします。

最後のエンドロールも黒背景に白文字だけだったのも好感が持てました。

前に映画館に来たのはマイケル・ジャクソンの『This is it』 まで遡るかもしれません。

だとするなら2010年以来で16年振りです。

やはり映画館での没入感は良いものでした。

前の座席の背もたれが、ちょうどスクリーンに掛かるか掛からないかの高さで、前の席は全く気になりません。

前列との間もかなり広くなった気がします。

昔なら、中央あたりの席にたどり着くまで「すみません!すみません!」という感じでしたから。

空間を作るのが仕事なので、言い訳は置いておき、体感する機会はもっと増やすべきだなと思っていました。

現在、ホテルの計画にも関わらせてもらっているので、ちょっといいところにでも泊まりに行こうかな……とも考えていました。

今日は成人式。

知人の娘さんの式に、妻も一緒に行っていました。

私が成人となった1990年のヒット映画は以下の通り。

①『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』

②『 天と地と』

③『 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』

④『 ゴースト/ニューヨークの幻』

⑤『 ダイ・ハード2』

『ゴースト』、『ダイ・ハード2』、『 バック・トゥ・ザ・フューチャー』のどちらも、映画館で観ました。どれも心に残っています。

流石に20歳の時よりは小遣いもあるはずなので、もう少し観にいけるはずです。

もしかする当時より小遣い使っていない⁈

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「風情」は凄い‐1653‐

 先週木曜日に、「ならまち」を訪れたことを書きました。

 奈良市観光協会のwebサイトにはこうあります。

 ならまちは世界遺産である元興寺の旧境内を中心とする地域を指します。

 奈良の町屋全体をそう呼ぶのかなと思っていましたが、エリアを指すものでした。

 電車で言えば近鉄奈良駅から南の商店街を抜けたあたり。

 コンビニも町屋に入っています。

 三条通り沿いにある南都銀行本店。

 東京駅や奈良ホテルの設計で知られる、辰野金吾の弟子、長野宇平治の設計。多くの銀行を設計しています。

 「南都と呼ばれる社寺のまちから商業のまちへと変化していき、現在に至る」という説明もありました。

 銀行名はここからきているようです。

 広い間口の家が多く、これは京都と反対。

 ゆったりした雰囲気なのは、このあたりが影響しているでしょう。

 風習として残るのが「身代り申(さる)」。

 「庚申(こうしん)さん」のお使いである申をかたどった魔除けが軒に吊るされています。

 家の中に災難が入ってこないよう身代わりになって貰うのですが、背中には願い事も。

 良いも悪いも背負って貰い、申し訳ない感じがしなくもありませんが。

 普通の店舗にも吊るされているのが、何だかホッとします。
 

 中心である元興寺(がんごうじ)まで南に下ってきました。

 現在の何倍もの規模を持っていたようで、ならまちエリアがほぼ境内だったそうです。

 東門の先に見えるのが、国宝・極楽堂です。

 この日は来訪者も少なく、ゆっくり見ることができます。

 南に回ると、寄棟屋根であることが分かりました。

 石仏・石塔群の「浮図田」。

 石は語らずとも何かしらの意思が伝わってくると感じるのは、決して言葉遊びではありません。

 西隣に建つのは禅室。こちらも国宝です。

 極楽堂を見返すと、西面屋根の一部は色が違うのが分かります。

 元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城京に移されたお寺です。

 その法興寺(飛鳥寺)は、日本最初の本格的伽藍を持つ仏教寺院で、聖徳太子と同時代を生きた蘇我馬子が593年に創建しました。

 この部分の屋根瓦は、その頃の物で1300年の時を超えて存在する「日本最古の屋根瓦」なのです。

 現存する世界最古の木造建築は法隆寺ですが、建立が607年で、火災よって再建されたのが8世紀。

 木材としては元興寺の方が古いものだという研究もあるそうです。

 それだけの風格、風合いを感じさせるものでした。

 先日の「M-1グランプリ」でも審査員を務めたダウンタウンの松本人志さん。

 彼のコメントは常にニュースになる程、最も影響力を持つ芸人です。

 その彼に誘われて放送作家になったという高須光聖さん。自身のwebサイトでこんな事を書いていました。

 「風情」は凄い。これは日本独自のもの。同じアジアの国々にも無い。

 この黙して語らぬ凛とした空気。なんとも言えぬ落ち着いた感じは日本という国にしか存在しない。

 これはたった一軒だけでは作れないここに住む多くの人が、店が、個々で感じ取って景観を作っている その一体感が風情を作っている。

 まさに空間が作り出す共同芸術なのかも。

 メモに2007年とあるので、今も掲載されているのか分かりません。また、一字一句合っていないかもしれません。

 「ダウンタウンがいなければ……」などと言う人も居ますが、彼が関わってきた番組のキャリア、そして文章を読んでいると、間違いなく一流の香りがします。

 それは、元々才能があったのか、放送作家という過酷な仕事が彼を鍛え上げたのか、幼少期から知る松本人志の影響なのか……

 おそらくその全てだろうと想像しています。

 建築においてはプロですが、風情をここまで的確に、平易な言葉で表現するのは簡単ではありません。

 街だけでなく、人の能力も感性も、ひとりでに出来上がるものではないと感じます。

 大阪で暮らし、京都で学び、奈良で風情の奥行きを知る。

 社会に対して、周辺に対して、良い影響を与えられる仕事人でありたいと思うのです。

 ただ、あれはどう考えてもコーンフレークですが。

■■■ 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』2019年12月3日で「「中庭のある無垢な珪藻土の家」」が5位に選出

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『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』2019年9月30日発売に「回遊できる家」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

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