タグ別アーカイブ: 松坂大輔

怪物が去る秋‐1845‐

10月の満月をハンターズムーンというそうです。

月明りのもと狩りを始めるからとか、ネイティブ・アメリカンが冬に備えて狩りを始めるからなど諸説あるようです。

原始の時代には、月の満ち欠けによって暦を把握していたはずで、月との関係は現代人とは比べものにならなかったでしょう。

それで、色々な名前を付けたのだと思いますが、昨日の ハンターズムーン は見事なものでした。

風で雲がどんどん流れて行く様が美しく、少しの間、夜空を見上げていました。

https://youtube.com/watch?v=pjCbbjOs7Uk%3Frel%3D0

見上げながら、久し振りに狩りにでも行こうかなと思っていたのです。

その前日。10月19日は松坂大輔投手の引退試合でした。

試合後、ニュースに出演すると知り、間に合う時間に家へ帰りました。

打者ひとり限定で、対するはファイターズの主軸、近藤健介選手。

東京オリンピックの日本代表で、スターティングメンバーにも名を連ねていました。

名門、横浜高校の後輩でもあるそうです。

ネットには「松坂世代」と言われる人達、ライバルからも沢山のコメントが寄せられており、読みいってしまいました。

これだけ『18』が似合う男もなかなかいない。

初めは「松坂世代」 と呼ばれるのが嫌だったそうですが、世代の代表としてここまで頑張ってきたと語っていました。

渾身の116 km/hが内角にはずれて四球となり、現役生活を終えたのです。

ノーヒット・ノーランで甲子園優勝。

155km/hのデビュー戦。

そしてイチローを三打席連続三振。

2007年、メジャーリーグ1年目で、ワールドチャンピオンに輝きました。

2008年は18勝で、ここまでの10年で141勝という、まぎれもなく平成の怪物でした。

しかしこの年に肩を痛め、翌年からはすでに納得の行くボールは投げられなかったそうです。

後半の13年は、怪我との闘いでした。

振り被って投げるこの投法をワインドアップと言います。

昔のラジオなら「ピッチャー振りかぶって第一球を投げました!」は常套句でした。

しかし最近は、制球の乱れを抑えるため、ノーワインドアップが主流です。背番号18とともに、速球派の象徴、ワインドアップがとても似合う投手でした。

レッドソックス入団を決めた2006年12月の会見で「夢がかなったか」の問いに「見ることはできてもかなわないのが夢。

ぼくはここで投げられると信じて目標にしてきたからここにいるのだと思う」と語りました。

夢などというあまっちょろいものと違うという意思表示でした。

目標がその日その日を支配する

彼が座右の銘としているという、後藤静香の詩「第一歩」にある言葉です。

どうやら、横浜高校の創立者である黒土四郎さん、横浜高校元監督の渡辺元智さんと受け継がれてきたようです。


十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
三笠山に登る第一歩
富士山に登る第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
どこまで行くつもりか
どこまで登るつもりか
目標がその日その日を支配する。

名門であるから、数多の才能が集まってくるのでしょう。しかし受け継ぐことができるのは考え方だけです。

目標を見定め、覚悟を持って一歩一歩。

彼が残した結果は、恵まれた才能あってこそでしょうが、目標と覚悟が無ければ達成できるはずもありません。

怪物が去る秋ですが、あの柔和な笑顔を見ると、なぜかいつも身が引き締まります。

年上でも、高槻高校出身でも考え方は受継ぐことができるからです。

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一流は柔らかい‐1529‐

 「女心と秋の空」とはよく言ったものです。

 雲の形も目まぐるしく変化していきます。

 一瞬とて、同じ形にはとどまりません。見ていて飽きることがないのです。

 「リベンジ」という言葉が、一般的に知られたのは松坂大輔投手がインタビューで使ってからだと思います。

 現在は中日ドラゴンズに所属しますが、当時は西武ライオンズで、文字通り日本の頂点に君臨する投手でした。

 「リベンジ」は復讐すること、報復、仇討ち等を意味しますが、スポーツ等では、一度負けた相手に借りを返すという使い書い方が主流です。

 私の記憶が正しければ、この使い方を初めにしたのは、格闘技業界だったと思います。

 若い頃はプロレス、K-1、総合格闘技が大好きで、専門誌を毎週買う程だったので、おそらく間違いないと思います。

 更に「アベンジ」という言葉も見つけ、調べてみると以下のような説明がありました。

 リベンジが個人的な理由による復讐であるのに対し、アベンジは正義感による悪への報復という意味合いをもつ。

 なるほど、だから「アベンジャーズ」だったのです。

 「アベンジャーズ」は、アメリカの『MARVEL』(マーベルコミックス)から出版されたコミックです。

 長男が大好きで、最新作も映画館へ観に行っていました。

 これは長男が部屋に貼っているポスターです。

 それで、筆箱も『MARVEL』。

 それに影響を受けた娘も『MARVEL』。

 この重石のようなものも『MARVEL』。

 用途が何かは知らないのですが、確かに格好いいのです。

 「マーベル」も調べてみるとは驚く、驚嘆するという意味でした。だから「マーベラス」は驚く程素晴らしいという意味だったのかと納得しました。

 知っているようで知らないことばかりです。

 松坂投手が「リベンジ」をインタビューで使った時、メディアは一斉に取り上げましたが、私は多少違和感を持っていました。

 力と技がぶつかり合うスポーツの世界で、何となく私闘を連想させる「リベンジ」は合っていない気がしました。

 例えば、当社が設計コンペで負けたとして、「次はリベンジだ」は、合っていない気がします。力不足で負けたので、復讐する必要などありませんから。

 また、相手が「悪」な訳でもないので「アベンジ」もマッチしませんが、どちらかと言えば仕事は「アベンジ」よりでやりたいと思うのです。

 リベンジよりアベンジよりで、マーベラスな仕事を、という感じでしょうか。

 1980年生まれの松坂投手は現在38歳。

 今シーズンの終盤、日本球界では「松坂世代」の引退が話題になっていました。

 今年の活躍までは、何度も引退の声を耳にしました。それでもスタイルを変えながら、ここまで現役を続け、また、ファンから支持されてきたのです。

 松坂投手の魅力は、この春にも一度書きました

 加えて言うなら、一流で居続ける人は「柔らかい」気がします。

 上り詰めるまでは、死にもの狂いで頑張るしかないのだと思いますが、「居続ける」ということは変化し続けるということです。

 雲が変化を望んでいる訳でなく、風や大気の状態が、そうさせるのです。

 人は雲と違って意思があるので、全てが風任せとはならないでしょう。

 しかし、抗うだけでなく変化することを意識しなければ、ただ疲弊するだけで、人生が終わってしまうかもしれません。
 
 およそ私が不得手だった「柔らかい」。しかし、それは確実に、極めて大切なことのような気がしています。

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球春にみる。惚れてまうやろ~‐1466‐

 今日は曇り空でしたが、気温は一気に春めいてきました。

 街路樹のハナミズキが満開です。

 ハナミズキはアメリカ原産だけあり、花がやや大ぶり。近い種でいえば、ヤマボウシのほうが好みではあります。

 しかし、クライアントにハナミズキファンは結構多いのです。

 そんなこともあって、まじまじと見ていると、花弁の付け根が薄桃色なのを知りました。

 よく見れば、なかなかに可愛らしいものだなあと。

 3ヵ月点検で伺ったお家の花壇です。

 また現場日記で触れるのですが、草木は一気に春の装いです。

 元野球少年の私にとって、「球春」は春に現実味を持たせてくれる言葉です。

 大人になり、野球中継を観ることはなくなりましたが、今年気になるのは松坂大輔投手です。

 メジャーリーグから日本に戻って3年間。ソフトバンクホークスで結果が出せなかった彼は、中日ドラゴンズに移籍しました。

 スポーツ情報番組で、彼のインタビューをみる機会がありました。

 プロ入り1年目。イチローとの初対決は3打席連続三振。記憶に残る場面です。

 そして

 今日で「自信」から「確信」に変わりました。

 という言葉を残しました。

 イチロー渡米の6年後、追うように松坂大輔もメジャーへ。2007年のことです。

 生涯最高のバッターは「イチロー」と断言しました。

 他のバッターは自分の投球をすれば抑えられるが、イチローさんだけは、あらゆる手を使って抑えに行かなければ「切られる」感じと言いました。

 そのイチロー選手は、古巣マリナーズに復帰が決まりました。

 2人は、互いを認め合う仲とききます。

 50歳まで現役を公言するイチロー。

 コーチ兼任を断り、あくまで現役一本に拘った松坂大輔。

 もしかすると見納めになってしまうのではということもあり、更に気になるのでしょう。

 2006年、松坂大輔投手の座右の銘を知った時、心の中で何か大きな歯車が動いた感じがしました。

 「目標がその日その日を支配する」

 後藤静香の詩「第一歩」にある言葉です。

 目標は明確だったのか。1日、1日を支配できていたのか。

 12年間もの時間を、懸命に生きてきたのか……

 縁もゆかりもなく、いち野球ファンでしかありませんが、こういう気持ちにさせて貰えるだけで有り難いと思えます。

 最後に。

 松坂選手のインタビューを見て感じたのは、あれだけの実績を持ちながら、あの柔和な笑顔と人懐っこさ。大人の男でも「惚れてまうやろ~」という感じではないでしょうか。

 頑張れ大輔、そして自分。

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