タグ別アーカイブ: 谷六

思えば知らない人から‐2169‐

一昨日、アトリエm移転計画「上町のアトリエ付き住宅 〈リノベーション〉」『ゲンバ日記』を公開しました。

12回目にして「再びプロローグ」とある通り、自邸ならではの紆余曲折がありました。

よければご覧下さい。

昨日、りんごが届きました。

「山形の果実 りんご」とあります。

宮城の社会保険労務士の方からでした。

昨年、アポイント無しとはいえ、宮城から足を運んで頂いたのに、ちょうどクライアントとの打合せ中で、お会いできなかったのです。

来阪の理由は、ご自身が応援する企業の商品アピール。本当に頭が下がります。

ご自身もこのりんご作りに参加しておられ、感謝の気持ちもひとしおなのです。

今晩にでも頂いてみようと思います。

と思っていたら、虫歯跡の詰め物がはずれてしまいました。

近所の歯科医院に連絡すると、いますぐなら可能と。

急いで伺い、すぐに治して貰いました。

待合にはクリスマスツリーが飾り付けられていました。

日々の楽しみと言えば、やはり食事です。

美味しく食べるには、健康でなければなりませんが、特に口まわりは直接影響がでてきます。

2016年の5月に、唾石を取る手術をしました。

歯の定期点検の際に見つかり、唾液の出が悪くなるので取ったほうが良いとなったのです。

術後のダメージを考え、口の中からの手術を選択したので、奥の方にある数個はそのまま残っていました。

すると2023年の年始、急にそのあたりが傷みだし、物が嚙み辛い状態になりました。

年始休暇が明けるのを待って、すぐに紹介状を書いて貰い、大阪急性期・総合医療センターへ。

ドクターの見解では、「やはり完治を目指すには、切開して顎下腺(唾液を送る管)ごとの摘出手術しかない」となりました。

キャンセルは可能とのことで、予約まですませてきたのです。

ここでその事を書くと、アトリエmの問合せ用メールに、四国にお住まいの女性から連絡がありました。

ご自身も唾石症で困っておられ、小さな切開手術と内視鏡手術を経験しておられると言います。

経験上、「もし手術をするなら、内視鏡手術も選択肢にいれてはいかがですか?」とアドバイスして下さったのです。

内視鏡手術をして貰える横浜の病院と、ご自身の経験を資料を交えて丁寧に説明して頂きました。

顎下腺ごとの摘出となると大きな傷が残りますし、神経麻痺のリスクもあると説明を受けていたので、どうしようか悩んでいた時のことでした。

やはり、実体験に勝るものはないので、徐々に症状が落ち着いてきたこともあり、手術はキャンセルしたのです。

するとその9カ月後。

口の中がジャリジャリします。

砂が口に入ったのかなと出してみると、米粒大の唾石でした。

他にも小さなものが2つ程ありました。

「何かの拍子で、出てくることはありませんか?」と、冗談半分で聞いてみたのですが、どの方も「確率は低いでしょうね」という感じ。

勿論、助けて貰っているのはこちらなので、感謝しかありませんが、何故か最高の結果に終わったようです。

四国の女性のアドバイスが無ければ、切開手術に踏み切っていたかもしれません。この日記に救われるとはと、本当にラッキーでした。

実は、切開手術を踏みとどまった理由がもう一つあります。

長男が指笛を上手に吹いていたので、コツを聞いて練習してみたのです。

仕事の休憩時間に、こつこつ練習していると、徐々に音がでるようになってきました。

それが面白くなり、年末年始には、手を口の中に突っ込んで、かなり練習していました。

それが原因でばい菌が入っていったのではないかと、急に腫れたことが腑に落ちました。

指笛は、遭難した時にも役経つと思うので、できれば完全習得したかったのですが、手術には変えられません。それを機に諦めました。

時代はSNSが主流です。

これほど長いブログを読んでくれる人は減っていくのだと思います。

それでも、伝えてみたいことがあるなら、書き続けたいと思っています。

書いていなければ、まったく知らない人から、心のこもったりんごを送って頂いたり、手術の判断を助けて貰ったりということは無かったと思います。

思いが全て伝わるかは分かりませんが、伝わることがあるのは間違いありません。

■■■9月17日(火)「尼崎園田えぐち内科・内視鏡クリニック」開業■■■

■8月30日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋<リノベーション>」掲載

■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

第3ラウンドは上町で勝負‐2111‐

昨日、ゲンバ日記で「(仮称)あまがさき ずっと元気クリニック」をスタートしました。

アニメーションもUPしているので、よければ【ゲンバ日記チャンネル】も合わせてご覧ください。

前回はゴールデンウィーク後半のことを書きましたが、前半は谷町六丁目へ現地調査へ行っていました。

今年の2月上旬に見に行った中古物件を、縁あって購入したのです。

地下鉄の駅から地上に出ると、谷町筋と長堀通が交差しています。

長堀通を東へ少し歩くと、今度は上町筋と交差。

南を見ると、上本町駅の「近鉄」の看板が小さく見えています。

丁度このあたりが上町台地の尾根筋にあたり、長堀通はここまでが上りでここからが下りです。

さらに上町台地を東に下って行くと、古いビルも結構残っています。

上手くリノベーションしているカフェなども色々あるのです。

購入した建物は、こじんまりした鉄骨4階建て。

1階は店舗でした。

2階、3階が居住スペース。

1階は、来客用と自分の車の駐車場にする予定で、2階がアトリエ。

3階が居住スペースなので、私達の寝室は4階になると思います。

街中なら、屋上は欲しいなと思っていました。

この1年で見た中古物件の中で、最も希望に近かったので、思い切って購入しリノベーションすることにしました。

どんな縁があったか、どんな計画になるのかは、またゲンバ日記にUPしていくので、少しお待ちください。

半日ほどかけて測量は終了。

夜や朝の周辺環境も知りたかったので、寝袋持参で泊まることにしていました。

測量終わりで、夕食を取る店を探すために周辺を歩いてみます。

クライアントから教えて貰ったのですが、このあたりにはミシュランの星付きのレストランがいくつかあるそうです。

この日は、感じのよさそうな店を見つけたので入ってみました。

長屋を改修した、ビストロ リベルテは夫妻で営むフレンチレストラン。

ただ、ビストロとある通り、気軽に入って貰えるよう意識しているとのことでした。

穏やかなご夫妻の雰囲気通り、とても優しいお味でした。

大変おいしゅうございました。

現在は、外食をすることがあまりないのですが、移転すれば少しは機会ができるでしょうか。

帰りは、隣駅の玉造まで歩いてみました。

こちらは下町の雰囲気が色濃く、ザ・大阪といった感じ。

どちらも楽しみです。

天王寺で創業して5年、地元の平野で22年、第3ラウンドは上町で勝負することにしました。

どんなご縁があったか、なぜこの地が良かったか、この建物の課題は何か、そしてなぜ移転するのか。

ゲンバ日記に、全て包み隠さず公開していくつもりなので、またのぞきに来てください。

秋までの移転完了を目指します。

■■■2月14日『Best of Houzz 2024サービス賞』受賞

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

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本が木なら、読書は心の森林浴‐2084‐

昨年の春から、アトリエの移転先を探し始めました。

日曜日は谷町六丁目へ。このエリアは2回目です。

長堀通沿いにある地下鉄の出口をでると、東へ上っているのが分かります。

少し東へ歩くと上町筋にでます。

このあたりが、上町台地の尾根にあたります。

北を見ると、左手に大阪歴史博物館が。

反対に南を見ると、緩やかに下った先には、近鉄の上本町駅周辺のマンションが見えています。

尾根を越えると今度は東に下りだし、玉造に至るのです。

大阪市内の物件をそれなりに見に行きましたが、今回はかなり条件がフィットしています。

ご縁があれば良いのですが……

谷町六丁目駅に戻る途中も、あちこちに段差のある道があります。

そこを下ってみると長屋が残っているエリアがありました。

古いお寺も残っています。

段差と、真っすぐでない道が旧道の雰囲気を醸し出しているのです。

煙突を見つけました。

銭湯です。

しかし、1年と少し前に閉店してしまったようです。

看板も雰囲気十分。

Webサイトで探してみると、かなりいい感じだったので本当に残念です。

駅のすぐそばには、隆祥館書店という本屋さんがありました。

「読書は心の森林浴」という張り紙がありました。

読書とは、人間が築いてきた 「本」という素晴らしい木々の生い茂った世界に入っていくこと、とあります。

本屋さんのポップをSNSとするなら、この張り紙はブログです。

私も画像や短文のSNSよりは、しっかり書けるブログの方が好きです。

隆祥館書店の店主の方は、シンクロナイズドスイミングの日本代表選手でおられたよう。折角なら寄ってくれば良かった……

もしこの近くに越すことになれば、いつでも行けるので、楽しみにとっておきます。

さて、アトリエの移転計画はどうなることか。

■■■1月29日発売『日本一わかりやすい 一戸建ての選び方がわかる本2024-25』「回遊できる家」掲載

■■8月1日プールのある「ささき整形外科 デイケアセンター」オープン

■4月6日 『かんさい情報ネットten.』 浅越ゴエさんのコーナー に出演

10月27日『houzz』の特集記事
「滋賀の家」掲載

10月11日『homify』の特集記事
「白馬の山小屋<リノベーション>」掲載

■ 『ESSE-online』にコラム連載

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ゲツアサ初心忘るべからず日記‐1850‐

間もなく、アトリエmのWebサイトがリニューアルオープンです。

この後、一旦全ての更新ができなくなるので、今日は朝一番のUPです。

昨日は所用があり、谷町六丁目界隈へ。

からほり商店街あたりには、おしゃれな店が沢山あります。

街歩きをしている人もちらほら見かけ、多すぎず、少なすぎずで丁度いい感じ。

大阪城を北の頂点とした半島状に広がる上町台地。

西端あたりに位置するので、坂が多いのです。

谷町六丁目駅のすぐ近くは、観音坂とありました。

北へ歩くと長堀通りですが、ここから大阪城へ向かって、更に一段高くなっています。

楠木正成公お手植えとも言われるこの大樹は「えのきさん」。

榎木大明神として祭られています。

谷町筋を東に渡ったあたりにも、更に色々な店ができていました。

傾いて見えるのは、多分気のせいでしょう。

そこかしこに坂があり、景色の変化が楽しいのです。

大阪ガスの実験集合住宅NEXT21がありました。

存在は知っていたのですが、どこにあるのかは分かっていませんでした。

谷六と玉造の丁度中間くらいの清水谷となっていました。


1993年の完成ですが全く古びておらず、かなりの存在感です。

結局、玉造まで一駅分歩きました。

ここまで来たなら、真田丸があった三光神社に寄りたくなります。

真田丸は出城ですから、勿論小高いもの。

で、ここも坂。

その頂きにある拝殿です。

池波正太郎の「真田太平記」は最も心に残っている小説のひとつです。

真田家が暮らした長野の上田城跡から、幸村最期の地、天王寺の安居神社まで、その足跡をたどってまわりました。


日本一の兵と言われた真田幸村は、歴史上もっとも徳川家康を追い詰めた武将と言えます。

猿飛佐助をはじめとする真田十勇士を従え、徳川家と対決する講談が江戸後期に人気を博しました。

それはある種、時の権力者へのカウンターカルチャーだったとも言われています。

25歳でアトリエmを設立し、5年間全力で働きましたが、矢折れ、槍尽きた私は、1年休んで海外にでることにしました。

その時に読んだ本の中で、最も心に残っているのが 「真田太平記」でした。

六文銭は三途の川の渡し賃。

死をも恐れぬ旗印です。

皆に「独立は早すぎる」言われた中、徒手空拳で立上げたのがアトリエmです。

そもそもが、学歴も大したことがない、コネがある訳でもない。だけどやる気だけは誰にも負けないというところから始めたのです。

それが25年経つと、いっぱしの仕事をしてきたように気持ちになっていました。

是非の初心忘るべからず 
時々の初心忘るべからず 
老後の初心忘るべからず 
命に終わりがあり、能には果てあるべからず 

能の大成者、世阿弥も「花鏡」の中でこう戒めました。

芸術に、仕事に終わりはありません。

Webサイトも新しくなりますし、ゲツアサ初心忘るべからず日記として書きとどめておこうと思います。

■■■ 8月17日『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■

■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記