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心に感じることは間違わない‐1302‐ 

 先週末は  「松虫の長屋」で『住人十色』の撮影がありました。

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 土曜、日曜とあったので、少しでも顔をだしたかったのですが、私は函館行きで現場へ行けず。

 スタッフの田辺が写真を撮ってきてくれました。

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 ディレクターをはじめ撮影チーム5名と、リポーターの女性タレントは東京からの来阪でした。

 『ビフォーアフター』の時もそうでしたが、製作の人達は番組内の「クイズ」にかなり力を入れます。

 良いクイズだとスタジオのタレントさん(今回なら松尾貴史さんと三船美佳さん)の集中力が増すのかなと、私は想像しています。

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 こちらの奥さんが「先週も豪邸でしたが、我が家で番組になるんでしょうか」と言っていました。

 しかしそれは大丈夫です。(私が担保するのも何ですが)

 撮影チームはプロ集団ですし、この番組も9年続く人気番組。撮影に来てくれるのは、番組の経験値による基準を満たしている証拠です。

 また、30分の番組を製作するのに、2日間みっちり撮影を行います。

 見方を変えれば、人気番組だから良いスポンサーが付き、しっかりと製作費が出る訳です。

 料理と同じで、素材がなければ良い番組はできません。この時点で、ほぼ勝負が決まるのではないでしょうか。

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 皆でお弁当を食べるのも、撮影現場に一体感を持たせるための手法かもしれません。

 奥さんから「とても疲れましたが、あんな経験は二度と出来ないので良かったです」とメールがありました。

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 撮影後、カメラマンを中心に遊ぶお子さん達の写真を送ってくれました。

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 夏休みの思い出になってくれれば嬉しいのです。

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 忙しい仕事の合間を縫って、撮影に参加してくれたご主人。

 笑顔の写真が送られてくるだけで、救われる気がします。

 余程恵まれた人なら別ですが、一所懸命働いていなければ、こだわりの家を建てることは出来ません。

 もし、大富豪のご子息で、働く意欲はないが、豪邸を建てて欲しいとオファーが来ても断ります。(来たことはありませんが)

 懸命に働く人の力になりたいと思うから、私達も仕事に打ち込めるのです。

 いつからか、思っていないことはやらない方が良い、と思うようになりました。

  目で見、耳で聞き、心に感じることは間違わない。

  間違うのは判断だ。

  ゲーテ

 こちらのご家族と仕事が出来たことは、本当に幸せだったと思います。

函館2人旅‐1301‐ 

 北海道は昨年のゴールデンウィーク以来です。

 今回は、所用と兼ねて長男と2人旅。

 函館は、北海道の南端、渡島半島(おしまはんとう)の南東に位置する港町です。

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 空港に着陸する直前に、五稜郭が見えてきました。

 前回函館を訪れたのは高校1年生の時で、およそ30年振り。

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 見えたついでに、五稜郭タワーへ行ってきました。

 市内は路面電車で移動します。

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 五稜郭は日本で初めての西洋式城郭で、明治維新最後の激戦地でもあります。

 江戸城への無血開城をよしとしない旧幕府軍は、海軍の副総裁だった榎本武揚をリーダーとし、五稜郭を占領します。

 陸軍は土方歳三が率い、新政府軍と戦ったのが箱館戦争です。

 結局、土方は倒れ、旧幕府軍は降伏するのですが、榎本武揚はその後の明治政府でも要職を務めます。

 政府も能力のある人材が必要とは言え、なかなか理解しにくいものもあります。

 しかし、このような過程を経て、日本の近代化は、諸外国が驚く程のスピードで進んで行ったのです。

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 20日(土)の夜、近くにある湯の川温泉で花火大会があると教えて貰いました。

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 今年は花火に行けていなかったので、長男には良い息抜きになったでしょうか。

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 翌、21日(日)は函館の朝市へ。

 朝から台風の影響で雨が降っており、帰阪できるのか心配しながら天気予報を見守っていました。

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 赤レンガ倉庫群も歩いてきました。

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 最近レンガづいているのですが、これらの倉庫もレンガ造りの壁に、木造の屋根が掛かっています。

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 レンガという原始的な材料を積み上げ、木造の屋根を掛けるという建て方が、大空間を作るに適していたのです。

 倉庫という用途から言えば、防火の意味合いも大きかったでしょう。

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 函館は坂の街ですが、この幅の広さは延焼を防ぐために整備されたものでした。

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 それらの坂を登ると、多くの教会が競うように建っています。

 こちらは函館ハリスト正教会で、日本最古のロシア正教の教会。

 後ろに見える、玉ねぎ型の屋根がロシア正教独特の建築様式です。

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 すぐ近くにはカトリック元町教会。

 祭壇はローマ法王から贈られたものだそうです。こちらはゴシック様式です。

 1853年にペリーが来航し、翌1854年に結ばれた日米和親条約により、箱館(当時)と下田の2港が開港しました。

 横浜・長崎よりも、最も早くに異国の文化が入って来た街なのです。

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 今でも多くの洋館が立ち並び、現役で使われています。

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 ベイエリアにある「カリフォルニアベイビー」はその走りのような店舗だそう。

 函館出身のミュージシャン「GLAYのメンバーもお気に入り」とどこかに書いてありました。

 今回は時間がなくてパス。

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 函館なので、海の幸と行きたいところですが、長男が海鮮嫌いのため、ラーメンとウニが食べれる店を探しました。

 行列が出来る名店、という感じではないですが、十分満足しました。

 日曜日は、3つの台風が日本に迫っていましたが、その間を縫って無事大阪に戻れたのです。

 函館で見ても、開国と共に様々な宗派の宣教師が来日し、布教を始めています。そして、一等地に教会を建てました。

 これらの積極性が、異文化との交流を生み、現実となったのが港町です。

 積極性と融合が、他の街と違う雰囲気を醸し出しているのです。

 路面電車に乗っていると、バックパッカーの女性が英語で訪ねて来ました。宿の場所を教えて欲しいと言います。

 私の適当な英語で、行き方を教えてあげ、運転手には「○○に着いたら、この人に声を掛けて」と伝えました。

 長男が「お父さん、あんなに英語がしゃべれて凄い」と言い出しました。

 これは英語が必要だと知って貰う大チャンス。

” Where are you from? ”

 と聞くと「タイランド」と言います。

 私が「バンコクには長く滞在したことがある」と言うと、「???」という感じになりました。そこで私達の駅に着きました。

” Have a nice trip!”

 と私達は下車したのです。

 「タイランド」と聞こえてのですが、もしかすると「タイワン」と言ったのかもしれません。

 それでも良いのです。旅の恥はかきすてですから。

フィンランドの旅① <ヘルシンキ、ユバスキュラ編>‐1299‐ 

 8月11日(木)の現地時間の午後6時頃、ヘルシンキに到着しました。

 日本との時差はー6時間です。

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 飛行機からみれば「森と湖の国」は一目瞭然でした。

 山地のない風景は、私たちにとっては新鮮な景色です。

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 夜の長い北欧は夕方とは思えない明るさでした。

 ヴァンター国際空港から電車で30分ほど。ヘルシンキ中央駅に到着しました。

 駅舎は1919年、エリエル・サーリネンの設計です。

 旅行者を初めに迎えてくれるのはいつも中央駅。その街の印象として強く残るものです。

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 ヴォールト屋根のオーソドックスな様式ですが、それゆえ、100年の歳月を感じさせません。

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 チェックインの前に、さっと街中を歩いてみました。

 ヘルシンキの建築は、中世、モダニズム、現代建築が入り乱れています。

 歴史的には、ロシアやスウェーデンに統治され、ナチスの侵攻を受けたこともあります。

 1917年のロシア革命の際に念願の独立を果たした、非常に若い国なのです。

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 また、寺院建築もロシア正教のウスベンスキー教会。

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 ルーテル派のヘルシンキ大聖堂と多様です。このあたりも、歴史の痕跡と言ってよいでしょう。

 しかし、街から混沌とした印象は受けませんでした。

 結論を先に言うと、北欧のデザインに対する考え方が、非常に高いのだと実感しました。

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 アルヴァ・アアルトの作品からも見てとれます。

 中央駅を南に下るとすぐにある、1969年完成のアカデミア書店。隣両隣には、前時代の建築が建ちますが、違和感はありません。

 高さを合わせるだけではなく、美しく、優しいのです。

 西ヨーロッパの街並みが、保存を基本とするなら、共存を求めるのがヘルシンキの街並みだと感じました。

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 アカデミア書店にはトップライトが3つあり、下に向かってガラスが張り出しています。

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 冬が長く暗いため、光を求める工夫がいたるところになされているのです。

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 2階には彼の家具が使われている、カフェ・アアルトがありました。

 この日はここまでにして、ホテルに戻ったのです。

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 8月12日(金)は早朝から電車で、アアルト故郷、ユバスキュラを目指します。

 ユバスキュラはヘルシンキから北に300kmほどで、電車で3時間半。

 この街にはたくさんのアアルト作品が残っています。

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 まずはアアルト美術館。

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 内部は彼のデザインした家具の製作工程などが展示されていました。

 ここから次の目的地まで、路線バスに乗って30分ほど。

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 セイナッツァロのタウンホールに着きました。

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 本当に素晴らしいものでした。

 特に議会場は今まで経験したことのないものでした。

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 レンガのみで構成されて空間が、こうまで美しいものかと。

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 また、「ルーバーとは光源を見せずに柔らかい光を演出するためのものなんだよ」と語りかけてくるようです。

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 久しぶりに、夢中でシャッターを切ったのです。

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 そこから更にバスに乗って10分。湖のほとりを走ると「夏の家(コエタロ)」に到着しました。

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 25年前から、写真集では何度も見てきたこの作品。

 アアルトが夏を過ごす別荘として設計された、実験住宅なのです。

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 その証拠に、レンガ、タイルなど、様々なパターンで壁面が構成されています。

 私が設計したSpoon Cafeで、濃い青のワンポイントを入れたのは、この影響かもしれません。

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 この空間の上部に、中2階のような彼のアトリエが見えます。

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 吊り構造になっているため、柱がないのです。

 この床を持ち上げる軽やかなディティールも、何度も写真で目にしたもの。やっと本物を見ることができました。

 この技術自体は、全く難しいものではありません。しかし、実現するかは全く別の話です。

 松葉のような吊り柱が、床梁を挟み、吊り上げているのですが、僅かに隙間があるのが印象的でした。

 「隙間があってもいいんだ。挑戦することが大事なんだ」と、再び巨匠の声が聞こえてきます。フィンランド語はわかりませんが。

 納得、満足、反省など、複雑な気持ちで再びバスでユバスキュラの駅に戻ったのです。

 翌13日(土)は、「マイレア邸」のあるポリへ向かいます。

 ポリはフィンランド西端の田舎町らしく、中間点にあるタンペレで一泊することにしていました。

 駅のチケット売り場で、「窓際の席はあるか」と聞くと「とんでもない、乗れるかどうかわからない」のような感じなのです。

 「どんな席でもいいから」というと、何か言っているのですが理解できず、「問題ない」と伝えました。

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 どうもペット専用席だと言っていたようです。

 若い女の子のペットの彼と、なぜか2時間半向かい合わせの旅に。別に嫌な訳ではないですが。

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 タンペレはフィンランド第2の都市で、工業都市でした。

 サイナッツァロでもそうでしたが、煙突の多くがレンガで出来ています。

 この高さをレンガだけで作るのは難しいはずなので、おそらく鉄筋コンクリートの上に貼っているのだと思います。

 それでもレンガか、そうでないかでは全く印象が変わります。

 デザインといえば、実用的ではなく、コストがかかるものという印象が、日本にはまだ強く残っている気がします。

 しかし北欧では、テキスタイル(織物)であれ、家具であれ、建築であれ、美しくあるべきだという思想が、かなり強いのではないかと思います。

 その大きな理由がやはり、風土気候にありそうです。

 今回はここまでにして、続きは木曜日に。

最後の巨匠に触れる‐1298‐ 

今日から夏季休暇で、10:35の飛行機でフィンランドへ行って来ます。

フィンエアは国旗と同じ白と青の機体。青は湖や池、白は雪を表します。

フライトは約10時間。日本から一番近いヨーロッパとありました。

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フィンランドは北緯60度以北にあり、気温は最高気温が20℃くらいのようです。

日本で言えば3月くらいの感じでしょうか。このあたりは行ってみないと正直ピンと来ません。

フィンランド人は自分達のことを「スオミ」と呼ぶそうです。フィンランド共和国の別名はスオミ共和国。

スオミは湖や池を指します。国土の68%が森林、10%が湖沼や河川、8%が耕地。その名の通り森と湖の国なのです。

アイスランドに次いでの世界最北の国、消費税は概ね24%、ユーロが使えること位は調べましたが、それ以外は正直全く分かっていません。

私にとって、残された最後の巨匠、アルヴァ・アアルトの建築に触れるのが目的です。

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フィンランドの国民的建築家、アアルトの建築がどれだけ私に影響を与えたかは以前書きました。

彼はワインをこよなく愛したそうで、お気に入りはキャンティー。彼の建築が好きなのですが、それを知り、さらに親近感が湧きました。

私もワインはキャンティが一番好きです。ルビーのように色が美しく、飲みやすいが味わいがある。私が目指す建築もこのようなものかもしれません。

「これと、これと、これが見たい」と妻に伝え、ホテルを予約して貰いました。

その道中にある街をみるのも楽しみですが、行き帰りの飛行機が分かっている程度で、正直どこに行くか、もう一つ分かっていません。

ギリギリまで働き、飛行機の中で旅先の猛勉強。大体いつもそんな感じですが、今までで一番準備ができていないかもしれません。

それでも、知らない街におり立てるだけで良いのですが。

15日が月曜日で、現地からUPする予定です。良ければのぞきに来て下さい。

『住人十色』取材打合せの場面にて‐1297‐

 先週土曜日は、「阿倍野の長屋」へ行っていました。

 5月の見学会以来ですが、 今回は、毎日放送『住人十色』の取材打合せでした。

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 ご主人は仕事中で、まずは奥さん、ご主人のお母さんが、ディレクター、構成作家と打合せです。

 6月に、番組の方から連絡があり、その後、7月後半に取材決定となりました。

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 私が居なくても全く問題ないですが、クライアントから「出来れば立ち会って欲しい」と。

 3時間半同席させて貰いましたが、テレビとは本当に多くの時間を掛けて製作されているメディアです。

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 そうこうしているうちに、ご主人が戻って来てくれました。

 忙しいし仕事の合間を縫っての帰宅で、感謝しかありません。

 オンエアが終われば「とても良い記念になった」と言って貰えると思いますが、この時点では、負担と不安しかないはずです。

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 3ヵ月振りに会うお子さん2人も、初めこそ盛り上がってくれます。

 しかし、大人の都合ばかりで、間違いなく退屈。

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 お兄ちゃんはお気に入りの場所で、ゴロゴロして本を読み始めました。

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 すると、奥さんがプラバンをお子さんに渡し、兄弟はお絵かきを始めました。

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 それをオーブンで焼き、縮んだところを見計らって、すぐに分厚い本で挟みます。

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 少し冷ますと、プラバンキーホルダーが出来上がりました。

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 次男君が飽きてきたら、光庭のプールで水遊び。

 「これが一番長持ちするんです」と。

 全て、取材を受けながら、更に子供にご飯を食べさせながらです。

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 他人の私から見れば、広い視野をもち、てきぱきと神業のようでした。

 奥さん方はいつもこのような事をしている訳です。しかし、男は仕事に出て、普段それを見れないのです。

 改めて関心した男性は、今日、奥さんに感謝の意思を示しましょう。

 恐らく、私は一番出来ていない部類ですが。

 リサーチャーの方によると、「住人十色」には、年間1000から1500件程オファーがあるそうです。その中で選んで貰ったのは、とても嬉しいことです。

 番組のサブタイトルは「家の数だけある家族のかたち」。それが上手く伝われば良いなと思います。 

 放送は10月15日(土)の予定で、レポーターは、有名な女性タレントの方だそうです。

 どんどん宣伝して構わないとのことで、取材の様子も含め、追って報告して行きます。

言葉とは、尽きることのない魔法の源‐1296‐

日曜日は大和郡山と天王寺へ行ったと書きました。

丁度その間は、春日大社あたりを散策していました。

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春日大社は20年に一度の、式年造替(しきねんぞうたい)が行われている真っ最中でした。

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檜皮葺きの屋根は、1300年に渡ってのこの儀式が続けられてきた賜物です。

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その式年造替だからか、奥の社でお参り出来るとのことでした。

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日本の様式美は、連続によって成り立っているものが多々あります。

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社の下にある空間は、真っ暗な中釣り灯篭に明かりが灯り、幻想的な空間になっていました。

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「下の禰宜道(ねぎみち)」は、かつての禰宜(神官)の通勤路です。

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この小路を春日大社から南へ下ること5分。

高畑(たかばたけ)という社家町に出ます。古くは神官の居住地でした。

その高畑は、大正から昭和にかけて、自然豊かで文化人あこがれの街でした。

現在も、白樺派の志賀直哉邸が残っています。「暗夜行路」はここで書き上げた作品です。

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志賀直哉本人が設計し、京都の大工に建てさせたというこの住宅。

20年振りくらいに訪れましたが、本当に良い家です。

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2階にある客間は庭を見下ろし、窓は北と東に向いています。

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茶室は南に開口がありますが、深い軒が庭の景色をくっきりと切り取ります。

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ディティールも、小説家の設計と言われると、本業としては困ってしまうのです。

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特に、北側に面した書斎が素晴らしい。

彼は、「書斎は北に限る」と言っていたそうです。

開口の取り方が的確なのです。

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基本は数寄屋建築ですが、食堂横には洋風のサロンがあります。

ここに多くの文人、画家などが集ったのです。

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この時代にこれだけの天窓は、あまり見たことがありません。

自邸だからこそ出来たのかもしれませんが、娘はその下で熱心にアンケートを書いていました。

この日は、一日娘と行動しました。金魚もゴッホも志賀直哉も、全て私の興味です。

娘の主張は一貫しており、大体いつも「枚方パーク」か「USJ」。

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娘をあれやこれやと誘っていると「鹿」でヒットしました。

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「鹿にせんべいをあげれるなら行く」という話しになったのです。

動機も大体こんな感じで、どこに連れていくのも詐欺みたいなものです。

ハリーポッターの最終回で、アルバス・ダンブルドアがこう言いました。

 ことばとは、言わせて貰うなら、尽きることのない魔法の源じゃ 

魔法を駆使して、あちらこちらへと連れ出すのです。

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野外へ出て、顔を上げよう‐1295‐

 泉佐野市で、金魚を放流するというイベントが物議をかもしていました。

 生態系を乱すという論調でしたが、ネットを張るという対策をした上で開催されたようです。

 川に入って金魚のつかみ取り。子供たちは楽しかったはずです。

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 奈良の大和郡山市は金魚の産地として知られます。

 近くに行く用事があり、金魚資料館なるものをのぞいてきました。

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 この地域は、灌漑用の溜池が利用され、この産業が発展してきたようです。

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 金魚は、中国のフナが突然変異したものが起源で、日本には室町時代に渡ってきたとありました。

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 江戸時代、夏の涼をとるために天井に水槽をつくり、金魚を泳がせた豪商の話しが有名です。

 一般家庭で多く飼われるようになったのは、明治に入ってから。

 現代は夏祭りの主役といったところでしょうか。

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 資料館と言っても、珍しい金魚が水槽にいるだけでした。

 無料なので勿論何も言えないのですが。

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 オランダシシガシラ。

 しかし、まあ不思議な形をしているものです。

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 同じ系統だったか、ポニョみたいなのもいました。

 その後、奈良市を散策したのですが、帰りに大阪市立美術館に寄ってきました。

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 現在はデトロイト美術館展が開催中です。

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 娘が「20分なら付き合う」と言いました。

ゴッホ、ピカソ、モディリアーニ、カンディンスキーと充実していましたが、10点程観てきました。

 中でも、ピカソ、青の時代の少年の絵は、多くの人が立ち止まっていました。

 A4くらいの小さな人物画ですが、影のある少年の表情は、鬼気迫るものがあります。その目に射すくめられそう。

 たかが絵、されど絵。世界最高峰を見るのはやはり楽しいものです。

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 帰りに天王寺公園を歩いていると、なかなか面白いアトラクションができていました。

 単管で組まれた塔から、反対の塔まで、高さ10m程を滑空するのです。

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 子供2人が、凄いスピードで滑り下りて行きました。

 これはかなり楽しそう。高い所が苦手な私は遠慮しておきます。

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 公園内は、かなりの暑さにも関わらず、沢山の人が座っていました。

 話題の「ポケモンGO」をしているようです。でなければ、沢山の人が炎天下にいることは無いと思います。

 私はこういったゲームをあまり良く思っていませんが、これだけの人を外に連れ出す力があることに驚愕します。

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 地下街に降りると、縁日イベントを開催しており、本場、大和郡山で叶わなかった、金魚すくいも出来ました。

 娘はかなり満足して家に帰ったのです。

 ヒトラーがユダヤ人を迫害したのは、自身もその系譜にあるからという説があります。

 このような繊細な問題と比べるのは間違っているかもしれませんが、私がゲームやテレビをあまり好きでないのは、小さい頃に多くの時間を費やしたからだと思います。

 小学校からゲームウォッチを持っており、中学1年でファミコンを買って貰いました。テレビも大好きで、ビデオで予約録画をして、好きな番組は欠かさず見ていました。

 今でも気になる番組はいくつか観ますが、当時はその時間が長いほど、幸せだと思っていたのです。

 しかし、その膨大な時間を、もっと違った体験に使うべきだったと、今は後悔しかありません。

 週末の30分と決めていても、子供がゲームをしている姿を見るのが、やはり嬉しくないのです。

 できたらそれを忘れさせてるくらい、夢中になれる提案をしたいのです。

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 この縁日イベントでは、サイコロくじもあり、ゾロ目の2で娘が2等賞を当てました。

 これはラッキー。フラフープを貰いました。

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 子供は、こんな単純な遊びで、30分くらいは夢中になれるもの。

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 野外にでれば花も咲いています。そして空は無限に変化します。

 何があるんだろうと、いつも顔を上げていて欲しいのです。

 子供との真剣勝負の時間も、残り少なくなってきたことを実感しています。

緑男爵‐1294‐

 大阪を南北に貫くメインストリートは御堂筋です。

 大きな筋で言えば、東に堺筋、松屋町筋そして谷町筋と並びます。

 「タニマチ」は力士の後援者という意味ですが、この「谷町」に住んでいたからという説が一般的です。

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 谷町九丁目の交差点を少し北に行くと、パリ生まれのデザイナー、フィリップ・スタルクがデザインしたビルがあります。

 1992年完成の「バロン・ベール」。

 関西唯一の作品のはずです。

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 東京なら、1989年完成、浅草のスーパードライホールが有名です。

 左のビルは泡をたたえたジョッキをモチーフとしています。モチーフと言っても、かなり直喩的な表現ですが。

 2008年9月、この時点で「バロン・ベール」には7~8年、テナントが付いていないと書いていました。

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 テナント募集の広告がとれ、現在は埋まっているよう。

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 スタルクは建築家でもありますが、どちらかと言えばデザイナーのほうに軸足を置いているでしょうか。

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「White eaves」でも、スタルクがデザインしたシャワーを採用しました。

 何年か前、セブンイレブンでも、スタルクデザインの文房具が販売されていました。

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 しかし、その執着心は凄いの一言に付きます。

 薄目を開けたような開口部に、赤い▽マークが僅かに見えます。

 下にある四角い扉は、非常時に消防隊が侵入する為のもので、その位置を示すもの。

 限界まで、目立たないようにしているのでしょう。

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 1階は不動産会社が入っていました。

 横のエレベーターホールをのぞくと、各テナントのプレートがあり、一様に「18歳以下禁止」となっています。

 ビル全体が、風俗店を誘致しているよう。

 これは望ましいことか、望ましくないことか。スタルクに聞けばどう答えるでしょうか。

 近隣住民の風紀を考えると嬉しいことではないような気がします。しかし、ずっと空室のままなら何れ取り壊されるでしょう。

 「バロン・ベール」はフランス語で、イタリア人のマルコに聞くと「緑の男爵」という意味だと。

 どことなく、行く末を案じたくなるような……

 スタルクが、優れたデザイナーであることは疑うべくもありません。

 未来を完全に予測することは不可能です。しかし「バロン・ベール」がそう簡単にテナントが埋まらないのは想像できます。

 自分が表現したいことと、社会、クライアントが求めていることにずれがあると、無理や不幸が生じます。

 建築は、使われていなければ、地球最大の粗大ごみ。壊すよりは使われる方が良いは、消極的肯定と言えるでしょう。

 芸術と暮らしの中間にあるのが建築だという真理を、分かっている者が建築家だと思いたいのです。

 そして、積極的肯定を求めなければなりません。

RIOで考える、興味と体験‐1293‐

 今日は天神祭り。

 7月25日を過ぎれば、大阪の夏もいよいよ本番です。

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 日曜日は、朝からみさき公園のプールに行っていました。

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 岬町は大阪府の南端。海沿いに有り、西には関空も見えています。

 関空はイタリア人建築家、レンゾ・ピアノの設計で、グライダーの翼をイメージしたデザインです。

 しかし、遠く沖にあるのでなかなかその形を把握するのが難しいのですが。

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 みさき公園内にあるプールゾーンは「RIO」。

 まもなくオリンピックが始まる、リオデジャネイロから取ったのでしょうか。

 朝一番から、高速ウォータースラーダーに子供達は歓喜していました。

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 しかしこの日の目的は、イルカとのふれあい体験。

 妻が電車の広告で見かけ、申し込んでいました。

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 イルカが賢い動物だというのは分かりますが、本当によく躾けられています。

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 握手したり、キスをしてきたり、決まりのポーズをすると、それに反応してくれるのです。

 魚のようなヌルッとした感じは全くなく、冷たくない飛行機のボディのような感じが意外でした。

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 背びれに手をかけて一緒に泳がせて貰えます。

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 戻るときは、お腹の上に乗せて貰って。

 娘の顔もちょっとひきつっていますが。

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 最後は自由時間で、時間が許す限り、一緒に泳がせてくれました。

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 「もし足をくわえて引きずり込まれたら」と疑っていたのが全くの杞憂に終わりました。

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 正直、私はプールが苦手です。

 海なら、釣りをしたり、獲物を探したりと、いくらでも楽しめるのですが、何をしてよいのか分からない、というのが本音です。

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 しかし子供達は違います。

 延々と逆立ちの練習をしていたり、只々でんぐり返りを繰り返していたり。

 何時間でも遊んでいられるのです。

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 人生や仕事において、どこに行きたいかという目的が一番大切だと思っています。

 その行く先さえ決まれば、航海を計画することが出来ます。後は出港という実行に移すだけ。

 しかし、その目的がまだ明確ではない、または必要としない子供に、学ぶ意味を伝えるのはとても難しいことです。

 「良い学校へ行けば、人生の可能性が広がるから」

 「良い友人ができれば、互いに切磋琢磨できるから」

 どちらも正しい理由です。

 しかし正しければ、納得できるかと言えばそうでもありません。自分もそうでしたから。

 カタカナ英語で「モチベーション」と言う言葉があります。一般的には「動機」と訳されます。

 当社のイタリア人スタッフ、マルコと話していたら「興味」と訳しました。

 動機と言えば客観的な感じがありますが、興味と言えば完全に自分のことです。

 なかなか的確な意訳だと思いました。

 どうすれば積極的に興味を持ち続けることが出来るのか。それは分かりませんが、何かしらの体験を通してのことだと思います。

 ファンの人には申し訳ないのですが、それが、スマホの中で見つける動物ではないのは確かなはずです。

サイレント・マジョリティ‐1292‐

 梅雨が明け、本格的な夏の日差しになってきました。

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 昨日は、郊外の敷地を見に行っていました。

 少し緑が広がるだけで、目が涼しいものです。

 今週火曜日、大阪府内の高校生が来社しました。

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 何年かに一度、高校生からのインタビューを受ける機会があります。

 興味のある仕事別の班に分かれ、学生達がアポイントを取ります。そして、実際に足を運び、色々質問をするというカリキュラム。

 どうやら、この高校独自の取り組みのようです。

 建築家の仕事に興味のある生徒が、男女2人ずつ。質問は、前半がフォーマット、後半は自分達で考えたものだそうです。

 質問 「仕事をする上で、大切にしていることは何ですか」

 答え 「自分達の都合ではなく、人としての善悪で判断する」

 質問 「どんな時が一番うれしいですか」

 答え 「クライアントが喜び、そして私達も喜べ、喜びの輪がつながった時」

 彼らが未来に希望を持てるよう、45分くらいかけて、真剣に答えました。

 いや、私が未来に希望を持っているのかを問われた時間なのかもしれません。

 また、先週の横浜行きの帰り、セブンドリーマーズの本社へ寄ってきました。

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 セブンドリーマーズと言えば、現段階での商品は3つ。(のはず)

①完全オートクチュールの「カーボンゴルフシャフト」

②睡眠中の気道を確保するデバイス「ナステント」

③自動洗濯物折り畳み機「ランドロイド」

 ①のカーボンゴルフシャフトは、ジャンボ尾崎選手との契約でも話題になりました。

 社長の阪根とは中高からの友人で、昨秋に発表した③の「ランドロイド」について、色々聞きたいというオファーがありました。

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 行くと、大手広告代理店のスマートな社員さんが2人。

 建築家の観点から色々インタビューさせて欲しいというのが趣旨でした。

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 ランドロイドは2017年11月から出荷が始まります。

 古くからの友人ですし、何より画期的な商品です。最高の結果を出して欲しいと思っています。

 それで、質問については一切の気遣い無しで答えました。

 仕事において、「一切の気遣いなく」はなかなか無い場面です。

 アメリカ大統領候補となったトランプ氏。その妻が、スピーチを盗用したというニュースがありました。

 大統領ともなると、相当に優秀なスピーチライターが付いていると言います。彼女の原稿はなおざりになっていたのでしょうか。

 ウォーターゲート事件で知られるニクソン大統領ですが、「サイレント・マジョリティ」は彼のスピーチの中にあった言葉だそうです。

 文字の通り「静かな多数派」。対義語は「ノイジー・マイノリティ」です。

 褒め言葉、賛同の言葉より、クレーム、批判の方が先に聞こえてくるのはどの国でも同じです。

 これを仕事に置き換えると、人の意見を聞くことだけでは、プロの仕事をしているとは言えないと分かります。

 どこをすくい上げ、どう解釈するかは、聞いた本人に委ねられます。

 賛同の声が少ない。そんな時にこそ、判断力が問われると思うのです。